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2019年9月21日土曜日

インタークーラーの仕組みと圧力損失について

今回はターボ車とは切っても切り離せないインタークーラーの話。
(この記事は以前のリライトです)

競技をしていて「もう少し早くブーストが掛かればいいのに」と思うことが多々ありました。この「ターボラグ」はブーコンの設定やアクチュエーター、更にはタービンの大きさや羽の形状によってコントロールする事が出来ますが、大きな要因の1つとしてインタークーラーが関係しています。


考察を始める前にまず基本として、ターボの仕組みは最近紹介された以下の動画に良くまとまっています。




なぜタービンで圧縮された空気を冷やす必要があるかというと、wikiによれば

過給機付きエンジンは自然吸気より圧縮比が低くするため効率が下がるが、インタークーラーによる吸気温度低下に比例し圧力が低下する(圧縮空気の密度は変わらない)ため、そのぶん圧縮比を高く設定出来る。

とあります。つまり冷やして空気密度を上げる=単位容積当りの酸素濃度が増えるためパワーを出す事が出来るわけです。


しかしこのインタークーラーを設置するためにはパイピングが長くなってしまい、空気の圧損が生じてレスポンスが悪化します。

これを解決するために上記のwiki内でも登場したフォルクスワーゲンのTSIエンジンではコチラのHP様の「新型TSIエンジンの構造と特徴」という項に載っているように、パイピングを短くしてインタークーラーを小さい物にしています。短く小さいインタークーラーによって冷却効率が落ちた所は水冷式にして補っています。

この様に短く小さいインタークーラーにすればスポーツ走行において重要な低速からの立ち上がりが良い、(レスポンスが良い)吸気環境を構築する事が出来るわけですね。故に純正の小さめのインタークーラーがレスポンスが良いと感じるわけです。

しかしながら小さめのインタークーラーだと冷却効率が悪く、ジムカーナと言えどすぐに熱ダレしてしまいます。(夏場は特に)
そこで登場するのが社外品。様々なメーカーから色々な種類が出ています。しかしながら上記の理論より社外品の大きなインタークーラーだとレスポンスが悪化するのは必至です。

じゃあ純正より冷えてレスポンスが良い物はあるのか、現在発売されている空冷式インタークーラーについて調べてみました。


まず一般的なインタークーラーの代表例としてトラスト社のスペックLS。
ちなみに以前自分がつけていた製品です。




このサイズはタービン交換車やサーキット連続走行、ドリフト走行時には冷却効率が良くて重宝しそうですが、純正タービンでジムカーナをする車にランエボ並の大きなコアはいらないです(笑)
しかもこのコアが重たい・・・。車の一番鼻先についている部品が重いというのは厄介です。それにS15はリアが軽いのでフロントの軽量化が必須です。

なによりサイドターンなどの立ち上がりでブーストが掛からず、モタつくのはコイツの圧損が大きいことが一因として考えられます。






じゃあこの圧損とはそもそも何故発生するのか。

圧力損失について記載された良いHPが今は閉鎖されて見れないのですが、空気の通り道が曲がったり乱流を起こすと圧力損失していくと記載がありました。

つまり空気の通り道にインタークーラーのように曲がりやフィンがあって空気を乱すような障害となる部分が多いと損失が大きくなるわけです。だから純正より大きなインタークーラーにすると冷却効率がアップする代わりに圧損するためレスポンスも悪くなりますし、ブーストを制御しないまま純正と同じ設定で乗るとピークブーストが下がってしまう訳です。

ではこの圧損を防ぐ方法は無いのかと言うと、勿論コアを小さくして抵抗を減らす事も1つですが、コチラのHPでやってらっしゃるような事をすると圧損を減らす事が出来るわけです。
(⇒続編でインタークーラーの圧損はそのままにアクセルレスポンス改善できないか考察してみました。)


一見すると当たり前のようなことですが、意外とこの「小さな努力」をされている製品は少ないようです。
それらの事や、重量を踏まえて各社のインタークーラーを比較してみました。

メーカーとしては

・トラスト
・BLITZ
・HPI
・HKS
・ARC

などが挙げられます。自分のは純正タービンなのでそれぞれ一番小さいサイズのコアを検討しました。


まずHPIとBLITZはドリフトマッスルで常勝している友人に聞いてみたところレスポンスが宜しくないみたいなのです。考えられる理由としては、これらのコアの中は、フィンが2層構造(オフセット構造)を取っており冷却効率は高いのですが圧損が大きいためだと考えられます。(HPIはOFシリーズのことを指してだと思います)
トラストの製品は1層との事ですが、フィーリング的には似たような物と言う話なので一番知名度が高いトラストのスペックLSで詳細を検討。



コアの内部


ドリフト天国より

形状も一般的ですね。
こちらのコアは600×280×76mmと大きめで、重量約6.2kgですが定価も5万400円と手頃です。



また一方で彼曰くARCの物が一番レスポンスが良いということでした。


レスポンスがよい原因は何なのかと調べてみるとHPには



こんな形で上記のバクバク工房さんのHPで紹介されているような形状をしており、トラストと比べると明らかにインナーチューブに空気が流れやすそうです。
コアサイズはGT-Rやランエボと同じサイズで5.9kgと、コレぐらいのサイズの中では確かにレスポンスも軽量化も両立できているので¥165,900円という値段は高いですがクオリティも高いですね。
ただS15にしてはデカイことは間違いないので、いくらこのサイズにしてはレスポンスが良いと言っても純正に比べると・・・な気がします。



そして使っている人が少ないので分からないと言われたHKS。Sタイプのコア。

サイズは600×244×65mmと他のメーカーに比べて圧倒的に小さいです。
インナーフィンの形状はHPに


こんな絵が載っていたのですが、正直これだけだと良くわかりません・・・。ただコア重量は4.5kgという回答でなかなか軽いです。調べてみるとHPIの製品は5kg位でそちらも軽いのですが、上記したようにインナーが2層構造ということで圧損が大きそうです。
このHKSは1層構造のストレート形状の上、価格も¥98,000円というARCに次ぐ高価格ということで小さな努力を期待しても良さそうです。

また小さいと言えど、500psのD1タービン交換車でも装着している車両がいるのでそこまで冷却効率も悪くないんではないかと考えられます。




と言うことで、これらの考察に基づいて自分で実際に実験してみましたが、また次回のブログにて。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


What is the structure of charge air cooler?? How to reduce air pressure loss??

2019年9月18日水曜日

バックタービンのデメリット(吹き返し防止)

吹き返し防止については以前記事を書きましたように、エアフロの後ろに網のようなもの(スクリーン)を設置することでバックタービンのデメリットである吹き返しを防止することができます。
一番良いのはネココーポレーションのアダプターですが、高いので多くの方は茶こしを使っていたりするかと思います。



自分も茶こしにて試してみましたが、高回転が詰まるような気がしてたので「網の目を大きくしたい」からアルミハニカムを・・・的なことを前回のブログで書いてきました。

ほんとはスッポリはまる茶こし的なスクリーンがいいのですが、吸気配管でよく使われている70φや80φのサイズがあまり売っていません。


アルミハニカムの前に、丁度良いスクリーンを探し求め、大きめのホームセンターやショッピングモールをを散歩してたら見つけることができました。

それが


排水口用のスクリーン。
75mmと書いてありますが、外周の黒いラバーを外すとちょうど80mmぐらいですし、網の大きさもいい感じです。
ちなみに排水口用ですと色々なラインナップがあり、70mmもありますし、90mmもありました。



そして食器コーナーを見てみると茶こしのほかに、少し粗目のスクリーンを物色していると、大きめのダ〇ソーで見つけました。


揚げザルという商品。
求めていた網目の大きさ、そして網の部分は約80mmとジャストフィットサイズです。


と言うことで今週あたり装着テストしてみようかと思います。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

How to improve MAF sensor readings and aid in engine idle stabilization? Is tea strainer stabilize the readings??

2019年9月12日木曜日

エンジンの吹き返しによるストールと防止策について

以前からECU書換をしたり、35GT-Rエアフロをつけたりして吹き返しによるストールには対策をしてきて、最近ではイグニッションコイルを強化して多少かぶっても点火が強くなれば我慢できるぐらいになるかな~と思っていたのですが、結局出てしまいました。




この動画はサイドターン明けに分かりやすくストールしていますが、ここ以外のアクセルオフでも時々ストールが起きています。
普段自分が走っている富士スピードウェイのジムカーナ場ぐらいの広さだと、全開時間が短いためあまり出ず、気にしていなかったのですが、少し広いステージで全開時間が長いあとのアクセルオフだと起こりやすいです。タービンを大きいものに交換されていたり、ブーストを上げている方はさらに出やすいかもしれませんね。

と言うことで対策としては、ネココーポレーションからこんなものが出ています。


この網目をエアフロの後ろ側(タービン側)につけることによって、逆流してきた空気を整流してエアフロの誤作動を防止するもの。

ただこれが1万円+taxとなかなか高価で、時々しかおこらない現象にそこまで高価な物はいらないかなと考えて定番の茶こしを装着してみました。


茶こしだとサイズラインナップも豊富で、自分の配管にあうサイズを探しやすいですね。
値段も数百円とお手頃です。

網が縁から外れて吸い込まれないように、カシメだけ強化してから装着してみました。
走った感じとしては必ずストールが起きるわけでもなかったのでストールに効果があるのかは今のところ分かりませんが、高回転の加速は鈍くなった気がします。
原因としては茶こしの網目が細かすぎて吸気抵抗になっているのだろうなぁと考えて違う網を模索。



茶こしより網目が粗目でかつ縁があるものを探してみるとカス揚げや味噌こしがあるようです。
写真左が味噌こし、右が茶こしです。
明らかに左側の網の方が吸気しやすそうです。

ちなみにZ32エアフロの後ろ側に純正でついている網


画像は借り物ですが、味噌こしだと純正の網目に近そうです。

ただ自分の車に適合するサイズの味噌こしが中々売ってないですし、100均の味噌こしを分解して径を変更加工してみたのですが、手作業だときれいに円形に加工できないので個人的には×でした。

そこで調べてみるとこんなものが。


Airflow Straightener Screenと題されて販売されているアルミのハニカム芯材。
理屈はネココーポレーションと一緒ですし、これをエアフロの後ろの配管に突っ込むだけでも良さそうです。
値段は2700円ぐらいと安価ですが、海外の製品なので送料も考えると4,000円ぐらいでしょうか。



であれば国内のハニカムメーカーから直接買った方が簡単かも?と思って問い合わせしてみると、車の配管に使うような小さいサイズはワンオフで切り出しとなるので5,000円~との回答でした。
それなら輸入してでも海外から買った方が安い。。。。








それでもあきらめずに探していたらいいものを見つけました!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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サンプルキットA4 SAMPLE-KITA4 ( SAMPLEKITA4 )


新日本フェザーという会社が出しているハニカム材のサンプルキット。
サンプルキットなので色々なハニカム材が入っているのですが、この中にアルミのハニカム材も入っています。
ネットを探してもこのサンプルのアルミハニカムのサイズや素材の記載がなかったので調べてみると、新日本フェザーのHPに載っているAF-46という品番で、アルミの番手も5052、セルサイズ(網目の大きさ)6.3㎜、そして板の大きさが「縦×横×厚さ」が「75mm×85mm×15mm」とのことで、エアフロ配管に入れるにはベストサイズですし、何より海外のAirflow Straightener Screenと素材からセルサイズまでそのままんまのスペックです。

もし茶こしは嫌で(というか高回転が回りにくくなるのが嫌で)、ネココーポレーションのアダプターは高いと悩まれているようでしたらベストチョイスな気がします。



(2019.9.18)
中々無いと思ってましたが、大きなホームセンターを散策してたら良いものを見つけました

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

How to improve MAF sensor readings and aid in engine idle stabilization?

2019年8月31日土曜日

マフラーの音質について考える3(マフラーサウンドのチューニング)

以前ブログでマフラーの音質について考えてきました。
かなり前に書いたブログですが色々なところで引用頂いているようで、自分のブログを参考にマフラーを市販化したブランドさんもあるようで。
サンプルに自分のマフラーも作ってくれるとありがたいですが(笑)


さて、マフラーの音は人によって好みは千差万別だとは思いますが、やはり求めるゴールと言うのは一昔前のF1サウンドなのではないでしょうか。



こんな感じ。

でも以前も記載したようにレーシングエンジンだからこその高回転音であり、一般車で実現するのは難しいのが現実です。
では一般車で高音を実現している車は何かと聞かれたら、レクサスが本気で作ったLFAが思い当たる方も多いのではないでしょうか。





この車もV10ということもあり一般車といって良いか分かりませんが、公道を走れる車としてはケタ違いに良い音をしていると感じています。
この車は開発段階から排気音のターゲティングをしており、エンジンは勿論、吸排気にも徹底して研究費がかけられているようです。

では研究費がかけられているこのマフラーを勉強すれば「よい音」を作り出すヒントになるのではないかと考え、自分なりにまとめてみました。


・音というのは複数の「フォルマント」によって形成されている。

音と言うのは空気の振動、いわゆる周波数が高くなれば高音になって「良い音」に近づいていけるという認識ですが、そもそも音と言うのはいくつもの音が組み合わさってできています。よって「良い音」がどういう成分でできているのか理解しなくてはいけません。

そこで理解しなければいけないのが「フォルマント」というもの。ということでまずフォルマントのお勉強。



こちらのページに詳しく書いてありますが、まずは人の声を例に。
言語を発するときに、例えば日本語であれば「あ」「い」「う」「え」「お」・・・・と様々な発音ができます。
これはどのようにしてできているかと言うと上記のHP様によれば

>声帯で原音が発生し、それを喉、口、鼻で加工する(=共鳴、増幅)ことにより、我々が普段耳にしている「声」となります。
この「喉、口、鼻での加工」によって、原音に「あ」「い」「う」「え」「お」の響きが付加され、「声」となります。


とあります。それぞれの発音において原音にそれぞれの音の響きが「付加」されるとありますが、具体的にどのように、何が変化するのでしょうか。

その発音を分解すると下図のようになるそうです。


音のピークがいくつか立っているのがわかりますね。
これについても上記のHP様で

>声帯で生じた原音が喉、口、鼻で加工されることにより、音量が増幅されると同時に、倍音の特定の周波数において音量のピークができます。このピークのことをフォルマントと言います。
低い方から、第一フォルマント、第二フォルマント、第三フォルマント、第四フォルマントと呼ばれ、F1,F2,F3,F4と表されます。
人間は、「あ」「い」「う」「え」「お」を、フォルマント(特に、F1とF2)によって認識しています。


まとめると原音を加工してフォルマントピークを変えることによって違う音に聞こえるようになる(「あ」「い」「う」「え」「お」という違う音として認識できる)ということでしょうか。


・良い音を響かせるにはマフラーは「まっすぐ」


さてフォルマントを理解した上で、LFAのマフラーを開発した「株式会社 三五」のHPを見てみますと、音色を開発する流れとして



こんな図が掲載されています。
つまり求める音を決めて、それにあわせるフォルマントに音を「加工していく」と言う事でしょうか。

ちなみにLFAはF1サウンドを基にこの第一フォルマント、第二フォルマントを合わせこんでいったようですね。


逆を返せば、どこを変えたときに第一及び第二フォルマントがどのように変化していくかの解析やノウハウがないと狙った音は作れないということですね。

またこちらの記事によれば、きれいな音を響かせるためにはマフラーはストレート形状でなければならないこと、そしてその「良い原音」をリアピースにて「天使の咆哮」に作り替えると開発を行った三五の方のインタビュー記事にあります。



確かにLFAのマフラーはリアピースに至るまでほぼまっすぐな形状をしています。
そしてリアピースに届けられた「良い原音」をリアピース内で「良いフォルマント領域」に作り替えていくことで、最終的に官能的な音に変えているようです。

またこのリアピースはバルブを備えた二重構造になっていて、排気流速をコントロールしています。以前のブログで触れたように、排気流速によって音は変化することからでしょう。
(ちなみに自分でできる範囲で、グラスウールをかます場合とかまさない場合(排気流速が遅いor速い)で音質がどう変わるかは実験してます。)




よって排気流速に合わせたフォルマントを変化させる構造、簡単に言うとリコーダーのような構造をリアピース内に設計できれば良い音を作り出せるということでしょうか。
そうなると必然的に良い音のするマフラーは純正のような太鼓型のピースになってきそうですね。


これはS15のマフラー。
左がスポーツマフラー。右が純正マフラー。
(向きが反対ですみません)

スポーツマフラーだとほぼまっすぐで排気効率はよさそうですが、音をデザインすることは難しそうですね。
一方、純正マフラーだとリアピースが多段膨張式のサイレンサーとなっており、ここの構造を排気流速に合わせた構造にすることで良い音を作ることが出来そうです。

実験するには純正マフラーのリアピースを切開して色々試してみるしかなさそうですが。。。個人だとやっている時間も設備もないのでどこかのスポーツマフラーブランドさんがやってくれると信じて今回の考察はここまで。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

How to design "Good muffler sound"?? We learned about LEXUS LFA's muffler.

2019年8月19日月曜日

5-0 Ignite(50イグナイト)のイグニッションコイルについて

最近イグニッションコイルを色々見ているのですが、オーストラリアのこんなコンバージョンキットが日本に入ってきているようです。


"5-0イグナイト"というオーストラリアの会社。
こちらはアウディのR8のコイルを流用するキット等を販売しているようです。なぜR8のを流用するのか調べてみると、
こちらのメーカーが言うに、海外において流用強化コイルとしては下記4種類が人気あるそうです。

①GM LQ9/LS2 D585 ‘truck’ ignition coils
②Toyota Yaris ignition coils
③Audi R8 ignition coils
④Nissan R35 GTR ignition coils

それぞれ長所短所があるようです。こちらのページのメリット・デメリット部分の意訳です。


LQ9/LS2 D585 Coils (GM車のコイル)

利点: (オーストラリアやニュージーランドやアメリカでは)中古が手に入りやすく、安価である。
欠点: ドエル時間を長くとりすぎるとエンジンブローさせるリスクがある。また中古品だと劣化具合を見極める必要があり、偽造品が出回っている。


Yaris Ignition Coils(日本ではヴィッツのコイルでしょうか)

利点: 特になし
欠点: ほかのコイルに比べて強力と言うわけでもなく、純正品は少し高いですし、中古品は劣化しているものがある。


Audi R8 Ignition Coils

利点: (デンソーで作っているR8用コイルは)品質が安定している。点火エネルギーも高ブーストや高馬力においても十分飛ばすことができる。(650PHぐらいまでと書いてありますね)

欠点: Haltech、Link、Motec、PowerFC、Nistune、MaxxECUあたりの社外ECUでの制御がオススメ


R35 GTR Ignition Coils

利点: R8用よりも点火エネルギーがやや優れている。
欠点: 1,000PH以下の出力のエンジンにおいてはオーバースペックであり、高価。


ということで35GT-Rのコイルが一番優れているが、普通のチューニングにおいてはR8のコイルでも十分であり、安く済むというのがメリットのようですね。



コチラのメーカーはコイルだけでなくプラグコードもセットで販売してくださっているようですね。値段を見てみるとキット価格がオーストラリアドル$338で輸送費が$63.23とのことなので合計すると45,000円弱と言ったところでしょうか。
既にECUがハルテックやニスチューンに変わっている方はこの価格でプラグコードも新品になると考えると良いかもしれませんね。

純正書換やポン付けしたいという方は以前ブログを書きましたが、上記でも最高級品と記載されている35GT-Rのコイルを用いているIPコイル(イグニッションプロダクツ)のコイルの方が日本においてはお手軽かもしれません。


プラグコードは含まれていませんが、ポン付けと言うことを考えたり、スペックを考えるとこちらもお手軽ですね。

(2020.8.20 公式ページが少し更新され、上述した内容が変わり、ポン付けできるようになったようですので続きのブログはコチラに)


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



How about ignition coil of 50ignite?? Is it to enhance ignition systems?

2019年8月13日火曜日

IPコイルの評価について(SR20)

評判の良いイグニッションプロダクツ(IP)のコイルを導入してみましたのでその評価等です。



以前のブログで書いたように、高負荷で高回転まで回した後のアクセルオフ等で失火症状が出てしまい、かぶってしまう症状が出ていました。



この動画で言うところの10秒や25秒あたり。
カブって加速出来なくなっていました。

原因としては点火が弱いことによるカブりと現車セッティングのミス等が考えられました。(マップ側での吹き返し対策)
現車合わせについてはこの症状が出てから2回ほどリセッティングし、だいぶ症状が出てこなくなってはいましたが暑い時期になると特に出てきてしまうことから、SR20の泣き所であるイグニッションコイルが熱でダメになったかもしれないと考え、点火系を見直してみることにしました。

昨年純正のイグニッションコイルに交換したところ症状が改善されたのですが、暑くなってきてまた症状が出てきてしまい、同じことをやっても面白くないので違うイグニッションコイルを試してみようと、以前ブログにまとめたIGNITION PROJECTSという、R35GT-Rのコイルをベースにしたイグニッションコイルがドリフト等の競技でも評判が高いことや、ドエル時間が長くとれる等の利点があることから導入してみました。



取り付け方がちょっと特殊ですね。
(今年の夏以降のモデルは現在は形状が純正と同じような外観に変更し、取り付けも簡単になっているそうです。)


取付をして街乗りをしてみると違うと感じたのは下記2点です。

・坂道での1,300~2,000rpmあたりのトルクがある気がする。(それ以上の回転では違いが全く判らなかったです)
・アクセルオフでエンジンブレーキを使っているとき、これまである特定の回転域におけるエンブレではマフラーからパンパン音が出ていた(未燃焼ガスが排出されていた)のですが、ほぼ音が出なくなりました。



1点目についてはプラシーボ的な感じなので明らかに差があるかは微妙なところですが、2点目については明確に差が出ました。
このことから言えることは、今までよりも燃焼効率が上がっているのではないかと推察できます。



街乗りでの違いについては上記な感じですが、一番肝心な競技走行時(全開走行時)における失火が出ないかというポイントです。
先日の富士スピードウェイでの走行においてはこんな感じです。




2速から1速へのシフトダウン回数が結構あるコースでしたが、1度も症状は出ませんでした。
あとは昨年交換した純正コイルは1年しか持たなかったので、それと比べて耐久性については様子見と言ったところでしょうか。
(なお全開走行における出力向上については、改善しているのかもしれませんが自分の体感ではわかりませんでした。)



いずれにしても35GT-Rがベースと言うことで、熱耐性、耐久性や性能も大きく向上しているでしょうから、今後イグニッションコイルを交換される際は選択してみてもよさそうですね。

IGNITION PROJECTS/イグニッションプロジェクツ パワーコイル マルチスパーク S15/SR20DET 商品番号:IP-M134405
by カエレバ

性能は勿論のこと、耐久性もよさそうですし2回以上コイルを交換するようであればイグニッションプロダクツのコイルを選択した方がコスト的にも賢い選択になるかと思います。
(ちなみに以前記載したSplit Fireも安価ですから単純な交換ならば良いと思いますが、製造元が純正と同じ所なので耐久性は純正と似たり寄ったりかと思います。)


2019.9.13
点火だけでなく、吹き返しによるストールも発生したので追記しました。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



How about ignition coil of IGNITION PROJECTS?? Is it to enhance ignition systems??

2019年6月9日日曜日

S15のカブり対策

先日のジムカーナで出てしまったカブり症状



以前のブログでも触れたように、10秒と25秒のところのサイドターン明けでカブって加速出来なくなっています。

S15に限らず、S13やS14のシルビア系は勿論、R33やR34等も含めたこの世代の日産車の弱点であるイグニッションコイルが原因な気もしますが、このイグニッションコイルは交換してからまだ3,000キロぐらいしか使っていないので(と言ってもその殆どが競技走行なので何とも言えないですが)まだ寿命であってほしくないなぁと思い、まずはプラグを疑ってみました。
(ちなみにこの症状が出てから夜道でヘッドライトをつけて電気消費量が上がるとアイドルアップがやたら激しく、アイドリングが1,500rpmになってしまいました)


ふむ、何ともワカランですね(爆)

何となくプラグのギャップが広がっているような気がしますが、ギャップゲージを持っていないので何とも言えません。
てか白すぎる気がして怖いですね。。。



とりあえず新品のプラグを用意。ちなみにこれまで色々なプラグを試してきましたが、高回転をガンガン使うならレーシングプラグが良いのかもしれませんが、サイドターンからの立ち上がり等、低速からトルクが出るのは電極が引っ込んでいるレーシングプラグよりIRIWAY等のスポーツイリジウムの方がカブりにくいと感じています。


ということで今回もIRIWAYを用意。

こうやって比べるとやっぱりギャップが広がっている気がする(謎

土曜日に交換し、翌日のTMSCジムカーナで様子を見ます。


2019.9.13
イグニッションコイルだけでなく、吹き返しによるストールも頻発したので追記しました。

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

Why does SR20 engine bad feeling? Is that the cause by the plugs??

2019年4月19日金曜日

ツチノコ型のフロントパイプについて(S&Aとムーンフェイス)

フロントパイプについて。
自分は現在こんなものをつけいています。




MOONFACEが販売していた、タービンアウトレットとフロントパイプが一体化、さらに形がツチノコのような形をした特殊形状のもの。

何がよいかって。。。音です(ぁ


自分は排気効率うんぬんかんぬんよりも、(というより純正タービンなので社外であればそんなにフンずまらないので何でも良かった)音が良くなることを考えて選択しました。

この形状のおかげで共鳴するのか、フロントパイプが通る助手席下からいい音がします。



動画は使いまわしです。好みはあると思いますが、個人的にはシルビアっぽくなくて気に入っています。
ただこちらのフロントパイプは廃盤となっていますし、一体型故に割れてしまったりすることがよくあるそうです。

自分も割れたことがあり、修理をしています


最近も別のところが割れてきたので、廃盤ということもあり修理をする予定ですが、最近S&A Auto Create(S&A オートクリエイト)というところからこんなものが販売開始されました。


こだわりのツチノコ形状。アウトレットは一体型ではないですが、公式HPによると

アウトレット一体も削除したい項目になります。一体にする事で構造物として大きな物になり振れと言うか振動と言うかが大きくなりクラックや破損の原因にもつながるので、別の物になればボルト&ナットで止めるのでそこだけでも緩和される事になり有利と考えます。

だそうで、コストの問題と共に耐久性を向上させるためにあえてアウトレットと別体としているそうで、さらに蛇腹を入れ込むことでさらに耐久性を向上。
また気になる記述が。

SR20オーバルフロントパイプ。過去にも存在はしましたが長年使っている当社ユーザーのSR20は何故か調子が良い事は10数年前から知っていました。そんなフロントパイプは年数的に劣化が進み2年に一度は溶接修理を行いだましだまし使っていました。

~中略~

製作したフロントパイプですが使った印象はまず、音が軽くなりワイドオープンのアクセルにも反応を見せます。また、A/Fセンサーから見るとアクセルOFF時のリーンに入るスピードが格段にあがります。これは上手く伝えれませんが掃気が促進されていると考えれます。その状態から考察すると、シリンダー内の掃気も良く、残留物が低減され吸入されたガスはクリーンな状態に近い確率がうまれて燃焼効率が上がる雰囲気です。簡単に言うとトルクが向上しエンジン回転スピードが上がると言った事につながります。また、シリンダー内温度の低下も考えられ通常SR20の点火時期でノックする状態でもノックの確認は見られませんでした。ノックは様々な要因があるので一概には言えませんが。


ということで、この形状のおかげかどうかわかりませんが排気効率も普通の太くしただけのパイプよりも良いのかもしれませんね。
多分エキマニなどでよく考慮される排気脈動が影響しているのかな?とか考えたりしますが、結果としてよくなっているのであればそれが全てですね。

音もよければ排気効率も良いとなればよい選択肢になりそうです。

次修理する際にはこちらのフロントパイプも視野に入れておこうかと思います。

What is front pipe of S&A's??

2019年4月9日火曜日

EPL(PL-500)について

最近こんな記事を見つけました。




エンジンやミッションに入れる添加剤のEPLのPL-500と呼ばれる商品です。
評価が高く、公式HPを見てみるとかなり古くからやっている商品のようで、即効性があることと、わりとどこの油脂に入れても問題ないというのが売りに見受けられます。


このPL-500の成分について調べてみると、Yahoo知恵袋によると塩素系の添加剤、つまりベルハンマーやナスカルブ、ゾイル(ZOIL)、ミリテックなどと同じ系統の添加剤であるらしいです。

ただベルハンマー等の注意書きと違い、EPLは車やバイクの「どこに入れても良い」という点が気になりました。
以前のブログでベルハンマーは塩素系でありつつも、ZnDTPというトライボフィルムを形成させる成分と、その上に摩擦を軽減させるMoDTCが入っているかもしれないので、メーカーから「LSDや湿式クラッチ等の摩擦を利用する機構が入っているところには使わないでください」という旨の注意書きが書いてあるのではないかと勝手に考察いたしました。(あっているのかについて、今度お話を伺いたいと思います。)


ところがこちらのEPL-500はLSDオイルへの注入も可となっていることから、純粋に塩素化パラフィンを主成分とした添加剤なのかもしれませんね。(塩素化パラフィンの効能については以前のブログも参考にしてください。)

2019年4月6日土曜日

ハイスパークイグニッションコイル

こんなイグニッションコイルメーカーさんを最近見つけました。


HIGH SPARK IGNITIONCOILという商品。
調べてみると日本で設計、ドイツと日本の部材を使って中国で組立をしているそうです。

お値段もお手頃で手を出しやすく、評判も調べてみると、みんカラをはじめ、今のところかなりの高評価ばかりです。




シルビア用で34000円を切るというのはなかなか魅力的ですね。
イグニッションコイルの火花が強くなると高回転はもちろん、燃費にも影響しそうです。

スプリットファイアやオカダプロジェクツのイグニッションコイルは良く聞きますが、品質に問題無いのであればこちらのイグニッションコイルはかなり気になります。
残念なのは今のところネットでは小売販売してないようです。

この手の部品は自分で交換される方も多いでしょうから通販があると便利ですね。(HPを見るともう少しで開始しそうな感じではありますね)
都内のお店のようですし、イベント等で出展されればぜひお話を伺いたいですね。

What is High spark ignition coil?? How was the review?? What country was this made in?


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

2019年4月3日水曜日

ベルハンマーの表面処理(ZnDTP)について

以前のブログで「ベルハンマーは塩素系で金属表面を軟化させたのちに平滑化した膜を形成する」ような効能があると担当の方からお話を伺いましたが、「表面が軟化」した後にどのようにして「平滑化した膜を形成」するのか。(スズキ機工公式HPでは「表面を鍛える」という表現がされています。)

調べてみるとこんな動画をアップロードされている方がいらっしゃいました。



本当かどうかわかりませんが、ベルハンマーには以前のブログで塩素化パラフィンの代わりに用いられる極圧剤として取り上げたZnDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)というものが含まれていて、これが表面を平滑化しているそうです。あくまでこのZnDTPというのは金属表面を平滑化するだけで摩擦を減らしてるわけではなく、一般的には摩擦低減剤であるMoDTCという有機モリブデンをセットで加えることによって摩擦を低減させることができるのだとか。(二硫化モリブデンというものとは違うそうですが、イメージとしては金属表面をパチンコ玉で埋め尽くして表面が転がりやすくするような感じでしょうか)


このZnDTPというのは、市販のエンジンオイルによく添加されている成分で、コチラのページによれば「酸化防止剤」として用いられているようです。
ただ一方で表面の平滑化として塩素化パラフィン等の極圧剤の代わりにもなりえるが、分解した際に発生したリンが触媒を痛めてしまうのだとか。

とは言えこのZnDTPは安価で手に入りやすく、トライボフィルムと呼ばれる金属表面に膜を形成することで耐摩耗性が向上するので、リンを含めたスラッジが発生してしまう問題を除けば有用で、長年エンジンオイルやミッションオイルに用いられてきたそうです。


さらに2016年に公開された昭和シェルの論文をみると、カルシウム・サリシレートと呼ばれる清浄分散剤を添加することで、ZnDTPの分解や酸化が抑えられ、スラッジの発生も抑制するそうです。


サリシレートは一番右のSalとなっているやつで、確かにスラッジも、同に対する腐食もあわせて減っています。

なので「塩素フリー」と呼ばれている極圧添加剤はこのZnDTPと清浄分散剤であるサリシレートの組み合わせの製品もありそうですね。(こちらのページにそのことが記載されています。)




以上のことから、塩素化パラフィンの他に本当にベルハンマーにZnDTPが配合されていると仮定した場合、スズキ機工の担当の方が言っていた「表面が硬化する」という表現があながち間違ってなさそうですし、さらにセットで摩擦低減剤である有機モリブデンが配合されているのであれば、この成分は湿式クラッチを滑らせてしまうらしいので、ベルハンマーの注意書きに「湿式クラッチには入れないでください」と書いてあるのかもしれませんね。


あくまで仮定論になってしまうので、改めてお話を聞く機会があれば聞いてみたいと思います。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

2019年3月26日火曜日

TAKUMIモーターオイルのベースオイルについて

以前製造元や評価についてブログを書きましたが、製造元はしっかりしていたとしてもエンジンオイルやミッションオイルの大部分を占める「ベースオイル」がどのようなグレードのものを使っているかでその製品の品質が決まってきます。


車に使うオイルというのは粘度グレードとは別にオイルのグループ(Gr)というのがあります。

コチラのページによりますと、このような分類になるそうです。


APIによるベースオイルの分類

グループ1(Ⅰ)・・・・・・一般的にミネラルとか鉱物油、ニュートラルオイルなどと呼ばれます。


グループ2(Ⅱ)・・・・・・ハイドロクラック、水素化精製油、HIVI、HVI(※)や高粘度指数基油等と呼ばれます。
多くのオイルメーカーではこのグループⅡまでをミネラル(鉱物油)としますがオイルメーカーによってはこれを合成油と表記することもあります。おおよそ安価なエンジンオイルはグループⅠやグループⅡのベースオイルを採用していると思って間違いありません。


※HIVIとはHighViscosityIndex=高粘度指数のこと。

※2・・・VI(ヴイアイ)とはViscosityIndex(ヴィスコシティ・インデックス)=粘度指数のこと。この数字が高いほど高温での粘度の低下が起こりにくいという指標であると、とりあえず覚えて下さい。多くの場面でこのVIという言葉が出てきますので必須用語です。


グループ3(Ⅲ)・・・・・VHVI(VeryHighViscosityIndex)超高粘度指数基油、高度水素化精製油、合成油、シンセティック等様々な呼び方がなされますので実に曖昧です。


・・・・・・・・・・以上ここまでは鉱物油(原油)を出発点としたベースオイル・・・・・・


・・・・・・・・・・以下は化学合成油とされるベースオイル・・・・・・・・・


グループ4(Ⅳ)・・・・・・ポリαオレフィン、通称PAO、パオと呼ばれます。


グループ5(Ⅴ)・・・・・・以上のどのグループにも属さないベースオイルとなります。最も代表的なものはエステル類、一般的ではないですがアルキルナフタレン等もありますし、リサイクル油なんかも含まれますので色々書くとややこしいので、ここではほぼエステルと覚えてください。


だそうです。ホームセンターで売られているのはⅠ~Ⅲが多いのかもしれませんね。ちなみにグループ4はコチラのページによると、原油から精製したナフサを分解してできたエチレンを重合ししてできたもの、グループ5は植物油などから精製されるエステル系で、卓越した耐熱性と潤滑性を持っているが酸化(劣化)が速いそうで。
これに対しTAKUMIからラインナップされているオイルのベースオイルはどうなっているのか調べてみると、公式から発表されていました。


概要としては

X-TREMEシリーズ
グループ5
0W-40
5W-50

グループ4
10W-40
10W-60

グループ5の方がよさそうに見えますが、あえて10W-60は「PAOを配合」、つまりグループ4と記載されている理由を調べてみるとコチラのページで、PAOというのは高熱になってもせん断につよく、粘度低下を引き起こしにくいんだとか。

とは言えグループ5のエステル系も熱安定性等が良いのにあえてグループ4のPAOにしているのは、剪断の強さもそこそこに、酸化がしにくく(劣化しにくく)ライフが長いことと、価格を抑えるためなのかもしれませんね。


さらにグループ5のエステル系は、金属表面から流れ落ちにくい=ドライスタートに強いそうで、時々しか乗らない自分のような使い方であればぴったりです。
ただエステル系にも弱点があって、上記したように酸化しやすい(劣化しやすい)ことと、オイルシールを膨張させてしまう傾向があるそうですが、最近市販されているものは色々なエステルを組み合わせてコンプレックス化して膨張させないよう克服しているのだそうです。



その他のラインナップされているシリーズにおけるベースオイルのグループは下記のとおりです。

HYBRID(ハイブリッド)シリーズ    ・・・グループ4
HIGH QUALITY(ハイクオリティ)シリーズ・・・グループ3
STANDARD(スタンダード)シリーズ   ・・・グループ1~2

なお公式にも書いてありますが、X-TREME及びHYBRIDシリーズのベースオイルはグループ3と、グループ4か5の組み合わせであり、ベースオイルが100%グループ4or5ではないというところは見逃せないポイントで、ベースオイルの大部分をきっとグループ3で構成しているから安価にできているのかもしれませんね。


ということでTAKUMIモーターオイルを使うのであればシリーズによってグレードも明確にされているので、自分にはどれが適しているのか選びやすくて良いですね。


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2019年3月24日日曜日

エンジンコンディショナーやフューエルワンのデメリットについて

PCVバルブについて以前ブログを書きましたが、結果としてブローバイガスをそのまま吸入してしまうため、インマニやバルブ、燃焼室が汚れやすくなってしまいます。
のでPCVバルブを殺して、ブローバイ配管を1系統のみにして、そこにオイルキャッチタンクをつけることでブローバイをできるだけエンジンに吸わせないようにしたけれど、デメリットとしてアクセルオンでブローバイをものすごく吸ってしまう、街乗りなどの負圧領域においてはトルクが少し減るかも?というのが前回の内容でした。


自分はアクセルオンした瞬間の白煙が凄すぎるのでPCVを生かす(純正に戻した)ことにしたのですが、欠点としてはよりブローバイをエンジン内部に吸わしてしまうことです。

なので定期的にエンジンコンディショナーやRECS、燃料添加剤のフューエルワン等を使用しようかな?と思っていますが、それらにデメリットがないのか調べてみました。


まずは燃料添加剤であるワコーズフューエルワンについて。
よくネット上で効果がある!的なレビューを見ておりますし、評価も高いですが、デメリットはあるのでしょうか。

調べてみるとそこまで大きなデメリットは出てきませんでしたが、含まれている成分について他の添加剤にもよく含まれているPEAという成分があります。
これはアルカリ性で汚れを溶かしてくれる作用があるそうですが、あまり濃度を高く入れてしまうとゴム等を侵してしまうみたいです。確かにフューエルワンの注意書きにも「指定された濃度以上は添加しないでください」的なことが書かれています。
詳しくはこちらのサイトによくまとまっていますね。


同じくエンジンコンディショナーと呼ばれる、インマニ等の汚れを強力に落とす溶剤がありますが、これに含まれるトルエン等もやはりシール類への影響があるようです。
(メーカーによって値段に若干差がありますね)



とはいっても、こちらのページによれば自動車のガソリン系のシール類はこういった溶剤に対する耐油テストで70時間浸けてテストしたりしているので、エンジンコンディショナーを数分入れたぐらいでは心配する必要ないかと思いますが、浸け置きと言う事でインテークホースの中に入れて何日も放置。。。というのは避けた方がよいのかもですね。


フューエルワンも必要以上に添加は避け、長時間入れておくというのも避けたいところですが、よくバイクでは冬の間乗らないから入れて腐食防止に使っている例もあるらしいので、もし長期間入れたままになるようなことがあるのであれば、薄めに入れるのが良いのかもしれませんね。


2019年3月21日木曜日

PCVバルブについて

PCVバルブとはエンジンのスロットルより後ろに繋がるブローバイ配管内に設置されている逆流防止ワンウェイバルブのことです。

具体的にどうなっているのか、下述します。




①PCVの配置

エンジンは動いているときはブローバイガスと呼ばれる、燃焼室から漏れ出たガスとエンジンオイルミストが混ざり合ったものが必ず発生します。


こんな感じですね。

このブローバイガスというのは未燃焼ガス等が含まれており、エンジンオイルの劣化を促進させてしまうので速やかに排出させることが求められます。
以前ブログを書いたように、ブローバイガスはスロットルの前と後の2系統の排出系統を持っており、おおざっぱに言うと「アクセルオフの際はスロットルより後ろ側から、アクセルオンの時はスロットルより前側から」ガスを排出しています。スロットルより後ろにつながるホースはエアの噛みこみを防止するためPCVバルブと呼ばれる、ワンウェイバルブが設けられています。


エンジンルームの


インマニに繋がる、こちらのホース。


根元に黒いプラスチックがいますが、これがPCVバルブです。



②PCVの役割、効果


2系統を用意することでアイドリング状態でもクランクケース内に常にフレッシュなエアを送り込むことができ、エンジンオイルの寿命を延ばすことができるようになったのだとか。(最近は1万キロ以上無交換というのも聞きますね。)

さらに副次的な効果として、ブローバイガスがクランクケース内に溜まったままだと圧力が高くなってピストンが動きずらくなる=エンジンの出力が落ちるので、クランクケース内を負圧にしてあげることで出力向上にも買っているそうです。



③PCVバルブを塞いだら?


メリットばかりに見えますが、デメリットもあります。
アイドリングや街乗り程度の負荷だとPCVバルブ側からブローバイガスをメインで吸い込むため、インマニや燃焼室がドロドロになりやすいという点があります。
そのためしばらくPCVバルブを塞いでスロットル前側のホースだけにし、キャッチタンクを付けることでガスを可能な限り吸わせないようにしていました。




メクラキャップを使ってPCVバルブとインマニ側の入り口を塞いでました。

ところがアクセルオフの状態ではブローバイガスが溜まりやすくなるため、アクセルオンした瞬間に一気に吸引してしまい、白煙を吐きやすくなってしまいました。
例がこちら。




アイドリングで溜まったブローバイガスが、アクセルオンで一気に吸引されてスタート直後はすごい白煙を吐いています。
とは言えここまで白煙吐くのは競技のような全開走行時だけで、普段は離されているためか、以前よりキャッチタンク油量が増えていたので「エンジンにブローバイガスを吸わせたくない」という目論見は達成されています。(なおエンジンオイルの劣化が進みやすくなるデメリットがありますが、そもそも競技2~3回に一度、500km程度で交換しているのであまり気にしてませんでした。)

この状態で4年ぐらい乗っていましたが、特に最近オイル粘度を変更したこともあってかスタート時の白煙が上記の動画のように増えてしまったので周りから「タービンブローしてない?」的なツッコミが増えてしまいました(笑)


④PCVバルブを戻したら?


上述したようにバックミラー越しに白煙が見えるねは精神衛生上あまりよろしくないので、ブローバイPCVバルブ系統を復活させてみたところ、先日のブログで上げた競技走行の動画をみても白煙が如実に出なくなりました。

また驚いたのが、競技走行時にはあまり感じませんでしたが、普通に坂を重めのギアで上っていたところ、PCVバルブを殺していた時より気持ちトルクがあるような気がしました。(プラシーボ?)
もしかしたら微々たるものかもしれませんが、街乗り時のようなあまりスロットルを開けてない状況において上記したクランクケースの内圧が下がったことによる副次的な効果かもしれません。

定量的に示せる変化としては、PCVバルブを復活させたことでアイドリング回転数が70~80rpm上昇しました。つまり70~80回転分PCVバルブから空気を吸えるようになったのでしょう。

メリット・デメリットありますが、結局純正の2系統のブローバイホースがあった方が良いような気がします。一方でインマニがブローバイで汚れやすくなるので定期的にエンジンコンディショナーやワコーズのRECSを実施すれば良いのかもしれませんね。
エンジンコンディショナーやRECS、燃料添加剤であるフューエルワンのデメリット、注意点について調べてみましたが、また次回のブログにて。


What is PCV valve??(Crankcase breather, Positive Crankcase Ventilation valve)
I tested it what happened when I removed PCV valve.

2019年3月8日金曜日

ベルハンマーの効果・評価について(エンジンオイル、ミッションオイル)

塩素系の潤滑剤(添加剤)であるベルハンマー。(現在の製造元は違うそうですが、似た成分なのがナスカルブ)

先日のブログで書いたように、腐食というネガな部分はありつつも、極圧剤として機能する塩素化パラフィンが入っているベルハンマーをエンジンにはオイル交換と共に添加、またミッションはオイル交換はせず、添加のみしてみました。


ベルハンマーLS、原液の1リットル。
メーカー推奨値は5~10%ですが、以前のブログのとおりあまり濃度を高くするとデメリットが多くなるので少なめにしました。
なおベルハンマーの成分のうちどのぐらいが塩素化パラフィンなのかわからないので、エンジンオイルにおけるベルハンマーの濃度を5%に抑えてみました。
ミッションはオイル交換をせず、ただ足しただけなので約2%ぐいらいの添加です。


入れてみた評価としては、それぞれ下記のとおりです。

①エンジンオイル添加効果



入れた直後は「なんか回りが軽い」と感じました。
体感的にもアクセル開度が少なくても進みますし、ブースト系でインマニ圧を見ててもいつもより少ない圧で回っている気がします。(が、あくまで主観です)

とは言え「エンジンオイル交換したから」軽くなったと言われればそんな感じですし、500kmぐらい走ると最初感じた違いがよく分からくなりました。

燃費も若干良くなったような気がしますが、同じ道、同じ気温条件ではないので一概に比較できませんが、下道(山道・都心含む)のみ、スタッドレスタイヤという状態のL700ミラジーノ(ターボ、MT)の燃費としてはソコソコな気がします。




最近のアルトやミライースに比べれば当たり前な数字だとは思いますが、この年式・EF-DETエンジンでこれだけ走れば優秀と思っています。
ただベルハンマーを入れなくても20km/ℓは出てたので、燃費改善のために入れるのであれば費用対効果は微妙ですね。

また洗浄(剥離)作用ですが、以前撮ったこの写真から変化ありません。



もっと長期的に見ないといけないのか、はたまた目に見えるほど洗浄効果がないのかわかりません。

②ミッションオイル添加効果



入れた直後から「ミッションの入りが良い」と感じました。
これはエンジンオイル以上によくわかりました。
元々シンクロが摩耗していて入りにくいのですが、「入りずらい」と思ったことが6割だったのが3割ぐらいに減りました(主観)

この効果についてはエンジンオイルと違って現在も続いているので、腐食が進んでいるのかもしれませんが、体感的には「効果あり」と思っています。


③結論


よって燃費改善を目的に入れるのであれば「微妙」だが、ミッションの「入り」を改善するには「効果あり」という感じでしょうか。
なおミッションに入れる場合は以前のブログでも書いたように、超極圧になるような条件は良くなさそうなので使い方次第でしょうか。(特に極圧になりやすいLSDは勿論、デフが内蔵されているFFや4駆のミッションは注意かもですね)

自分が使ったのは通常のベルハンマーです。製造元であるベルハンマーSHOP楽天市場支店から直接購入されると時々セールもやっているようですし、お得なのかもしれません。



きっと自分が認識していること以外にもメリット・デメリットがあるでしょうから今後も添加剤(極圧剤)については注視していきたいと思います。

2019.3.22
販売元のスズキ機工にお話を伺いました。


オイルや極圧剤など、他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。

2019年2月19日火曜日

走行準備と経年劣化

先日の土曜日は、翌日に富士スピードウェイで行われるニュートンランドのジムカーナに参加するための準備を行っていました。

まずブローしてから2回目のミッションオイル交換とエンジンオイル交換。
ミッションオイルは積み替えてから300km、そして今回はそれから900km、新ミッションとしては合計1,200km走行しました。
さすがに1回目程ではないですが、鉄粉量はまだまだ多めでした。だいぶシフトの入りも良くなってきましたが、まだまだ固いですね。

2019年になって車に触るのが2回目ですが、久々に時間が取れたのでそれ以外の部分の点検を行ったところ多々問題点が。。。。
フロントパイプに亀裂が入っていたのでとりあえずマフラーパテを塗っておきましたが、こちらもその内溶接修理が必要です。

それより一大事だったのが、2年前の夏に交換したアーム(トラクションロッド)のブッシュが飛び出して来ていました。


ブッシュの圧入穴が緩くなっているのでしょうね。
外してハンマーで打ち込めるぐらいでした。


ちなみに翌日の走行後様子をみたら、やっぱり飛び出してきていたのでそのうち対策します。



また久々にエアクリーナーを掃除しようと外しました。
乾式なのでバケツに水をためてジャバジャバしてもみ洗いをした瞬間このような状態に。。。。


ボロボロ。
もみ洗いする前まではこのような状態ではなかったので、スポンジが固くなっていて力が加えられた瞬間ボロボロになったのだと思われます。なのでエンジンに吸い込まれては無かったと思いたい。。。。経年劣化って恐ろしい。

ということで新品フィルターに。


最初150φのものかと思って購入したのですが、200φが正解でした。
HKSのフィルターはオートバックスでも通常在庫品として置いてくれているので助かります。


同時にL700、ミラジーノのエンジンオイル交換を行いました。
その際に以前のブログで記載した塩素系の添加剤であるベルハンマーを入れてみました。


エンジンだけでなく、ミッションにも添加してみました。
これでどれだけ動きが(腐食されて)滑らかになるのか、また塩化パラフィンには汚れの剥離効果があるようですのでどれだけきれいになるのか見てみたいと思います。


エンジンオイルのフィラーの部分。
目で見えるぐらいの変化があるとは思っていないですが、一応確認していきたいと思います。


弟子くんも何やらゴニョゴニョしてるパパラッチ画像が…


翌日の走行会に続きます。