Translate ~Select your language~

2019年3月22日金曜日

ベルハンマーLSとゴールドの違い・腐食について

本日モーターサイクルショーにスズキ機工さんが出展されていたので、ベルハンマーについて聞いてみました。
以前のブログでベルハンマーのLS及びゴールドは塩素系の添加剤で、気を付けるべき点がある旨を記載しましたが、メーカーはどのように考えているのでしょうか。



Q1:ベルハンマーのメリットは分かったがデメリットは何か。
A:湿式クラッチが入っているような部分には添加してしまうと滑って駆動できなくなる可能性がある。
(これについては、出展車両の全日本モトに出られている選手から、競技用のクラッチではベルハンマーをいれてもクラッチは滑らないので、圧着力とクラッチの面積や素材にもよるかもしれないとのことでした。)

Q2:ベルハンマーLSとゴールドの違いは何か。
A:即効性に大きな違いがある。ゴールドのほうが即効性が高く、極圧剤としての濃度が高い。

Q3:金属表面を溶かす(腐食・浸食)してしまうことはないのか。
A:加える箇所によるが、ホワイトメタルや真鍮については切削してしまうことがある。(腐食ではなく、切削という表現を使われていました。)
ただ加える箇所によるが、添加して表面が軟化し、一度冷却する工程が入れば、表面が再び硬化して円滑な表面の状態を構築できる。
たとえば工場のラインの機械のように、24時間休むことなく=冷却する時間がない状態の金属部に添加すると、軟化した状態で使うこととなり、一時切削が進んでしまうことがある。
また1000番台のアルミであれば少し切削の可能性があるが、4000番台などのジュラルミンであれば心配する必要がない。

Q4:車やバイクに使うのはLSとゴールド、どちらが良いのか。
A:基本的にはLSで問題ない。むしろメーカーとしてもGOLDはオーバースペックと考えている。
ただ内燃系(エンジンとか)に添加するのであれば、成分的にGOLDの方が極圧性能が高いので、結果、添加量を少なくでき、エンジンオイルに占めるベルハンマーの濃度を低くすることができるのでGOLDがおすすめである。(これは以前のブログでも書いたように、塩素化パラフィンの濃度は低ければ影響が少ないからかもしれませんね)

Q5:ベルハンマーには極圧剤による腐食を抑えるような防腐剤のようなものは含まれているのか。
A:含まれていない。基本的には極圧剤とオイルのみ。

というような回答でした。




こちらは通常のベルハンマー
1番お手頃サイズです?

 

こちらはベルハンマーゴールドのスプレー 


ゴールドとの違いは極圧剤(≒塩素化パラフィン)の濃度の違いが大きいのかな?という印象を持っております。

なかでも気になったのが上記のQ3の中の添加して表面が軟化し、一度冷却する工程が入れば、表面が再び硬化して円滑な表面の状態を構築」というところです。

一度溶けた(腐食した)金属表面が再び硬化するというのはどういう作用原理なのでしょうか。
よくよく見ると、スズキ機工が公開している腐食テストにも同じようなことが記載されています。


画像の赤丸の部分の表記。

さて表面を変化させる(=化学反応させる)ことで良くなる例はあるのでしょうか。

自分が知っている例だと、腐食という言葉の最も一般的な例として鉄の「サビ」がありますが、よく「赤サビはダメだが黒サビは赤サビを発生させないいいサビだ」というのを聞きます。
こちらのページによくまとまっていますが、要は自然では発生しえない酸化鉄(黒サビ)に表面を変化させることで、赤さびを発生させなくするというものです。
よく車だと古い車や雪国の車で「サビチェンジ」的な名前でレストアに使われている塗剤はこういうことだったんですね。

中でも有名なのがENDOXという錆転換剤。

ENDOX 80038 錆転換剤RSスプレー400ml

ベルハンマーで塩素化パラフィンが一度腐食させたものが硬化するというのは、上記のサビの例と同じようなのかもしれないのかも?と考えましたが、科学的にどう変化しているのかきになりますね。(→化学変化させているらしいので考察してみました。

もしお求めになる際は下記の製造元であるベルハンマーSHOPから直接購入されるのがお得なのかもしれません。時々セールとかやっていますし。



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

1 件のコメント:

  1. 私は2st乗りで長くスーパーゾイルを使っていましたが、最近、ベルハンマーを知り車にのみ使っています。
    ベルハンマーのみは100km未満ですぐに効果感じなくなる。ゾイルのみは新車から使ってるからよくわからず。半々に混ぜて使用したところ「お~!?速い!」となりましたがやはりすぐに効果は体感出来なくなりました。バイクにベルハンマーは何か怖くて使っていません。
    何かの参考になればとコメントしました。
    記事、面白かったです!

    返信削除