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2023年5月26日金曜日

アシストスプリングの上下について

アシストスプリング(ヘルパースプリング、サブスプリング、テンダースプリング)の取付位置の上下についてリライトです。

アシストスプリングというのは、伸び側のストロークを確保するのに有用で、一般的には着地している状態(1G状態)では密着して仕事をしないのを「ヘルパースプリング」、線間密着せずにメインより強めの短いバネを「アシストスプリング」と呼ぶことが多いようですが、要はコーナリング中等でタイヤが浮きそうな時にメインスプリングで届かない部分を補填するという使い方です。

このアシストスプリングの取付位置については、メインスプリングの上なのか、それとも下なのか、それともそれぞれに意味があるのか調べてみました。



結論として、バネのみで見た動きは上にあろうが下にあろうが、かかる荷重が変わるわけではないので動きは変わりありません。


ただヘルパーはジャッキアップした状態から1G状態へのバネの全長の変化量が大きいのでツイスト量が大きいです。今まで何度か「ヘルパースプリングから音」がするという症状をよく見ますが、大体はこのツイストの動きが引っかかっている音だと思われます。


HYPERCOのHPで上図のように解説されているように、スプリングというのは縮めば縮むほどツイスト量が大きくなるので、スプリングの座面(スプリングシート)を滑りやすくしたり、HYPERCOで言えばパーチェ、もっと簡易的なものですとSwiftからはスラストシートを挟むとスプリングの縮みの動きがスムーズになります。


こちらがHYPERCOのパーチェ。ツイストだけでなくスプリングの座面変形にも対応できるスグレモノです。



こちらはSwift。単純に滑りやすいテフロンシートを敷くことによってスプリングがツイストしても滑らしていなそうというもの。
HYPERCOの方が高機能ですがSwiftの方はお手頃でいいですね。

これらをつけることでスプリングのツイストによる車高調全体の上下運動における抵抗を少なくすることが出来、スムーズなストロークが確保されます。

自分は1度、「ヘルパーは下につけた方が動きが良い」とおっしゃっている方のバネを拝見した時に、下にはスラストシートがついているのに上側にはついていない状態でした。その後アドバイスをして上にもシートを導入されたかはわかりませんが、単純にスプリングがスムーズにストローク出来ていないだけだったのかもしれません。

一応私自身も上下両方つけてみてフィーリングの違いを確かめたことがあります。


こんな感じ。
私自身が感じる限りでは、やはり違いは判りませんでした。

ちなみに車高調メーカーによっては、ショックのブーツに干渉するから下側には付けれない等の理由により上になったりすることはあるようです。


ということで、上でも書きましたがアシストスプリングの上下による違いはないということで結論付けられるかと思いますが、バネも足回りの重量物ですから、できる限り重いものは下に持ってきたいということで、あえて重いメインスプリングを下側にするという記事を見た事はあります。
(体感的に違いがある程変わりはしないと思いますが。。。)


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。




This blog is about For TENDER SPRING, "which should be set to upper side or under side??"

2023年5月4日木曜日

タイヤの最適空気圧の設定方法

サーキットやスポーツ走行において現場で出来る簡単、かつ重要なセッティングの1つとしてタイヤ空気圧の変更があると思いますが、どのように空気圧を設定すれば良いかわからなくなることがあります。

手軽なのが同じタイヤを使っている他の選手に聞いてみることですが、車が同じであればまだしも、車が違うと適切か分かりませんし、タイヤサイズが違うとタイヤ内部構造が違うこともあるので難しい所です。

自分も走ってみてフィーリングが良いところを探っていくのですが、「良いフィーリング=タイムが出る(最もコーナリング速度が速い)」とは限らないのはよくあります。

と言うことで自分も忘れていましたが、基本のやり方は愛読しているGrassroots Motorsportsのページに良いことが書いてあったのでご紹介します。
(英語の後ろに要約を入れてます)
  1. Based on experience, tribal knowledge or just some gut instinct, make a good estimate for a starting point. If there’s a range, inflate tires to the high side of that figure. (経験則から適切と思われる空気圧範囲のうち、高い側の空気圧で設定)
  2.  Time three hard, clockwise laps around a skidpad.(広場でハードに時計回りで3周旋回してみる)
  3.  Drop the pressures by 4 psi all around.(約0.2気圧落とす) 
  4. Repeat steps 2 and 3 until the lap times point toward an ideal pressure range.(上記2と3を繰り返して理想値を探る)
  5.  Note the range of pressures that produced the fastest laps.(最速ラップだった空気圧範囲をメモ)
  6.  Inflate all tires to the highest pressure in that range.(上記5のうち一番高い空気圧にする)
  7.  Time three hard, counterclockwise laps around the skidpad.(広場でハードに反時計回りに3周旋回してみる)
  8.  Drop the pressures by 2 psi all around.(4輪とも約0.1気圧落とす) 
  9. Repeat steps 7 and 8 until you home in on the fastest pressure.(最速ラップだった空気圧になるまで7と8を繰り返す)
  10.  Use a probe-type pyrometer to confirm the fastest pressures. Ideally the tire temperatures will be close to even across the entire tread. If they’re a little bit cooler on the outside edge, that’s okay, too. If the temperatures in the center are too high, though, the tire is running too much air. “When in doubt, trust the clock, not the pyrometer,” Hollis adds.(タイヤ表面温度を測定し、均一な温度になっているか確認。中央が高温だと空気入れ過ぎ。外側が少し低いぐらいなら問題なし。もし表面温度が不均等でも最速ラップを出した空気圧が正解である) 
  11. Tires cool as they sit, so waiting even a minute to measure a tire’s temperature can render the data almost useless. That’s why we recommend having at least one helper, so one person can take measurements on each side of the car. We record our data in an old-school notebook.(タイヤの温度は走行後1分でも経過すると正確なデータ取りが出来なくなるため、車外で温度測定してくれる人がいるとベスト)

この方法はトーやキャンバー等のアライメントセッティング出しにも有効なので、こう言った広場が近くにあると便利ですね。

ちなみに同じページにタイヤのトレッドウェア一覧と評価が乗ってました。


日本におけるトレッドウェア一覧についてはコチラのページも参考にしてください。



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