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2020年12月31日木曜日

ナンカンCR-1の日本導入予定について

 以前取り上げたNANKANGからアメリカにてリリースされたCR1について日本導入予定は無いのか、現地のメーカーに聞いてみたところ、以下の回答がありました。(概訳)

日本は重要なマーケットで、CR-1を販売することを計画している。
現段階では開発中でもあるため、メーカー公式にリリース出来るのは2021年の後半から2022年の初め頃を予定している。

と言う事で、来年末ぐらいには動きが見えてきそうですね。明確にADVANのA052をターゲットと公言して開発された製品で、以前もテスト結果を記載したとおり、条件が揃えばかなり戦闘力は高そうですが、「開発中」とのことなのでコンパウンドや溝の深さは若干変わるかもしれませんね。


同じくA052がターゲットであるヴァリノのVR08GPとも競合する商品ですが、聞いている限り少し重要視する部分の考え方が違いそうですし、工場からの輸送距離による実勢価格も気になりますので、今後も動向を注視して行きます。

2021.9.2
製品の名前が変わるようです

2022.2.8
日本導入時期が判明しました

2022.3.2
日本に輸入されているサイズと金額については下図のとおりです。輸入時の為替等によって変わるので各リンクよりご確認ください。


Nankang CR-S
インチサイズ価格
15
205/50R15
225/45/R15
245/40R15
17
245/40R17
255/40R17
275/35/R17
18
235/40R18
245/40R18
255/35R18
265/35R18
275/35R18
275/40R18
285/30R18
315/30R18
19
245/35R19
275/35R19
305/30R19
20
245/35R20
305/30R20
325/30R20


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2020年12月24日木曜日

TAKUMIオイル MICRO TITANIUM MELT(チタン)について

TAKUMIオイルが今年から新しい製品をラインナップされています。
画像は全てメーカーサイトより

マイクロチタンメルトと呼ばれる製品。
従来のエステル系が配合されたX-TREMEシリーズに液化チタンを配合したようです?
メリットとしては洗浄性能が高く、金属表面保護が出来るというところのようで、ネット上でも悪いところは見つからず、評判・評価もよさそうです。
ただし逆にデメリットは何なのか気になったので調べてみました。

①チタンは放熱性が悪い
チタンは熱伝達効率がわるく、エンジンオイルに求められる放熱性という点においてはあまり優れていません。この点についてはTAKUMIオイルからはメリットとして1項目目に「熱安定性」と記載してありますが、一般的にはデメリットになる部分かと思われます。



見方を変えると、「保温できる」という事はエンジンが良く止まるハイブリッド車であれば油温を保つことが出来、オイル攪拌抵抗が少なくなり、燃費面で効果があるかもしれません。(サーキット1周のタイムアタックでも油温が保てて抵抗が少なくなるかも?)
ただサーキットの連続周回とかでは油温が下がりにくそうなので適してないのかもしれません。

②ピストン等を傷つけてしまう
チタンの粒子がもし漂っているとすると、ピストン等の金属を傷つけてしまう可能性があります。
TAKUMIオイルからはメリットとして、上の画像のメリット2項目目に「スクラブ効果があってエンジン内のクリーニング作用がある」と記載されています。



詳細についてはコチラのページの酸化チタンという部分に記載されています。
チタンのビーズが金属表面を引っ掻いてゴミを取ってくれるメリットもありますが、同時に金属表面も傷ついてしまうようですね。

〜その他〜
一般的にオイルに添加するチタンと呼ばれるのはジアルキルジチオリン酸チタン(有機チタン)と言う、役割的には普通のオイルによく配合されている有機モリブデンのような作用をするものが配合されているそうで、摺動抵抗を減らす効果があるそうです。レース等ではモリブデンの代わりに使用されることもあるのだとか。(コチラのページ)

まとめると「放熱しにくくスクラブ効果があるが、レスポンスはよくなる?」と言うところでしょうか。

素人の知識寄せ集めなので正しいかわかりませんが、メーカーがやっていることなのでデメリット部分はある程度抑制できるように配合しているのかもしれません?



上記が正しいなら、エンジン内部をフラッシングしたい、一周のタイムアタックのようなショートスプリントで油温が上がらず攪拌抵抗を減らしたいと言う使い方には適しているかも知れません。

ラインナップ(固さ)としては4種類あります。
基本は20Lのペール缶で、一部4L等の小分けで販売されているようですので、下のメーカー公式ショッピングサイトから探してみてください。

5w-30
5W-40 10W-55 15W-60 ベースはエステルが配合されたX-TREMEシリーズとのことなので以前も触れましたが燃費や週末しか乗らない方にも適しているかもしれません。

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2020年12月18日金曜日

RX-7の部品再販について

マツダからFC、FD3SのRX-7の部品再販についてアナウンスされています。



ありがたいですね。
RE-13エンジンは確かブロックがもう出ないという話を聞いたような?
今日現在の復刻リストにはないですが、エンジンも含めて再販されるのであればありがたいですね。


RX-7は良くも悪くもローターリーエンジンなので、運動性能はピカイチ(?)ですがメンテナンスが普通のレシプロエンジン以上にシビア管理する必要があるように感じています。

特に熱による電子部品等への影響が凄いので、そのあたりの部品ももし廃盤になっているとしたらオーナーさんにとってはありがたい話になるかと思います。


ただ一方で現存する車体はこれしかないのか。。。という事実もあります。


この手の車は車検を取っていない(サーキット専用車)可能性も高いのでもう少し実際はあるかもしれませんが、少なくなってしまいましたね。

2000年初頭までの車は1台1台が貴重になってきました。欧州車のように長く乗れるインフラが整うことはうれしい限りですね。

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2020年12月14日月曜日

ダウンフォースとタイヤの耐荷重について考える

近年CFD解析技術が上がってきたという事もあり、一昔前では考えられないぐらいダウンフォースが増えています。 
特にサーキット走行される方は大きいGTウイングを付けたり、車体下面をフラットにしたり、フロントバンパーに「アゴ」を付けたりといったことをすることで飛躍的にダウンフォースが増えていると思います。 




 こちらはアンダー鈴木選手の車両。ダウンフォース凄そうですね。


 一方でダウンフォースが増えるという事は、タイヤへの負担も増えるという事になります。 
以前ストレートでまっすぐ走っているだけなのにSタイヤがバーストした事例がありましたが、考えられる要因として「何か鋭利なものを踏んでしまった」、「たまたまハズレのタイヤだった」もしくは「タイヤの設計耐荷重をオーバーした」あたりが考えれます。
 鋭利なものを踏んでしまった、たまたまハズレだったのはどうしようもありませんが、ストレートで車速が伸びている時が一番ダウンフォースが発生する=入力が増えるので「ストレートにおいてタイヤの設計耐荷重をオーバーした」という可能性は否定できません。 


ただしこの事例はかなりダウンフォースがかかるサーキット車両に限られた話なので、一般道を走れる改造車レベルであれば心配する必要はほぼありませんが、荷重が乗った状態で縁石を踏む場面では、昨今のハイグリップタイヤはグリップが上がっているのに耐荷重の表記はそんなに大きくなっていないので普通の車でも危ういかもしれません。 

タイヤの耐荷重&スピード表記


解決策としては一輪にかかる荷重量を減らす≒荷重移動量を減らすことになるので、王道に帰結してしまいますが「車高は低く(重心を低く)」「車幅を広く」「軽量」であることが、より求められるようになるかもしれませんね。
 (荷重移動を減らす、については以前のブログをご参考に)
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2020年12月9日水曜日

【売】S15シルビア ジムカーナ車両

【2021年2月12日、完売しました。】
知人のジムカーナ用に作られたS15の売却情報です。
かなり手入れをされており、大きなメンテナンスをしてからあまり走行してないので、ドリフトに使われる方含めて検討頂ければ幸いです。
以下、オーナー様から頂いた写真、資料です。



※ウイングはしまってあるだけで、付属してます。↓↓の写真を参考にして下さい。

資料はこちら



屋根下にて大事に保管していたので状態も良いと思いますが、現車優先です。
改めて見ると同じステージを走っていたのもあり、ほとんど私のS15と一緒ですね←


ステッカー貼る前の状態も添付します。
ステッカー剥がしてお渡しも可能との事です。
金額は200万円でお願い致します。

現車確認や価格交渉等、オーナー様と連絡取られたい場合は各種SNS等から私にご連絡頂き、繋がせて頂きます。なお個人取引なのでテンプレになりますが、購入意思表示後はNC,NR、現金一括でお願い致します。
宜しくお願い致します。

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2020年12月2日水曜日

EVのチューニングについて考える(改造)

EV化の流れに伴い、将来的にはEV車メインのモータースポーツ時代が来るかもしれません。現代だと大きいところではフォーミュラEですね。


一般車もEV車になった場合、これまでエンジン車で行っていたチューニングメニューが大きく変わってくると思われます。
具体的にはエンジン車ならではのメニューである

①エンジンの効率の良い回転域を使うための複数ギア(クロスミッションへの変更等)

②出力向上を目的とした改造(ポート研磨等のエンジン本体の改造やマフラー等の排気系の変更など)

このあたりの改造がなくなり、EVならではのアプローチが必要になってきます。EVを動かす為の主なコンポーネントは大体4つです。

VCU⇒インバーター⇔バッテリー⇔モーター

VCUはエンジン車もありますが、車の頭脳です。インバーターはVCUからの命令(アクセルONとかOFFとか)を受けて、モーターに供給する電力をバッテリーから吸い上げ、供給する流れです。


今回は動力の要となるモーターを中心にチューニングについて考えてみます。

これは最大出力が約220kW(約300馬力)、最大トルクが約460Nm(約46kgf)という、現行車ではSUBARU WRXあたりの性能をもったモーターの出力曲線です。4500~4600回転あたりが最大出力となるようです。(濃い緑の線)

ただしエンジンと違って4600回転以降も出力はそんなに落ち込みませんので、ギアチェンジをさせる意味があまりありません。

例えば筑波サーキットを想定し、使う速度域が70km/h~180km/hだった場合、モーター回転数4500~12,000rpmが70km~180km/hになるギア比であれば、変速させる必要がないという事になります。(むしろ変速させた瞬間のラグの方がもったいない場合もある)

仮に225/45/17のタイヤを履いた車のファイナルギアが4.1とした場合、モーターのピニオンギア比(エンジン車で言うミッションの減速比)が1.9ぐらいであればベストマッチな感じです。(1.9というギア比は一般的な車の2速と3速の間ぐらい)

という事で、EV車でギア比チューンと言うのは「クロスミッション」という選択肢から、ピニオンorファイナル変更で使用する速度域に合わせた「固定ギア比」となりそうです。

ただギア比変えちゃうとスピードメーターが狂うのでVCUエラーが出そうですが、そこはキャンセラーがきっと出てくるでしょう←


一方で難しいのが出力向上です。

エンジンのボアアップのような、外見はそのまま中身を変えて出力を上げるのは難しく、モーターとインバーターの大型化、それを制御するVCUも制御変更することになります。さらにバッテリーも大出力に耐えられるか、という話にもなってくるので気軽に手が出せなさそうです。

もし流行るとしたらアクセルレスポンスを少し上げる程度のVCUセッティングぐらいでしょうか。


もしかしたらスワップキットという形で、モーター、インバーター、VCUのセットで販売される可能性は無くもないですが、全てをインテグレートできる会社は中々ないですし、バッテリーまで交換となると個人で購入するには高価すぎるので、2020年現在では想像しにくいビジネスです。とはいえ、色々な国で2030年を境にEVしか販売できない国も増えてくるので、現代の常識すら変わってくるかもしれませんね。(年々安くなってますし)

エンジンと違って部品点数は少ないですが、一つ一つが高価な上に制御変更が必要になるので、DIYやちょっとしたガレージでの改造は足回りやLSD、ギア比ぐらいしかできなくなるのでしょう。ある意味、強制的にイコールコンディションになるのでレース的には良かったり?

ちなみに日産関連会社のオーテックがリーフをチューニングしている記事がありますが、こちらにもVCUはチューニングできるが、駆動系(モーター、インバーター)の開発はコストが掛かりすぎるから断念した旨が記載されています。


世界各国で2040年までにほぼエンジン車の販売が禁止になる見込みなので、2030年頃に販売ているであろう最後のガソリンエンジンモデルはその後20年ぐらいは今の90年代のスポーツカーよろしく価格が高騰しそうですね。ただしガソリンスタンドも激減して不便になりそうですが。。。


改造するというハードルが高いですし、そもそも公道を走る車を改造するという概念も無くなり、手軽にいじれるラジコンやカートみたいなモータースポーツがメインになったりするかもしれませんね。

EVについては仕事柄携わることも多いので、今後も取り上げていければと思います。

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2020年11月23日月曜日

タイヤカスの削り方

スーパーGTやドリフトで有名な谷口選手が、走行後に気になるタイヤカスの取り方についてこんな記事を書かれていました。

なるほど、便利な器具ですね。

自分でもプラスチックの丸棒を用いて、表にローラーを付けて走行後のタイヤカスを取りやすい台をいつも持ち歩いています。

こんな形。





黒い方はローラーもつけているので、走行後にタイヤカスやブレーキダストをこの台を使って洗浄してから車に積んでいます。

これならそんなに費用も加工手間もかからず、軽量なので持ち運びにも便利です。


またサーキットアタック系の方では必要になる、タイヤ削りですが、電動カンナで削る際にこういった台があるとより便利ですし、最近はこの電動カンナも有線ではなく、バッテリー式のものまで出てきているのでサーキット等の現場でタイヤ削り作業が出来てしまうので便利ですね。


Twitterでは電動カンナを使って削ることをDKCと呼んでいるようです?電動カンナも前よりだいぶ安くなってきた気がしますね。
タイムアタックシーズン到来ですが今年も自分は冬は走れなさそうです…。

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2020年11月20日金曜日

ヴァリノ VR08GPの評価(空気圧と温度依存性)

前回に続きVALINOから発売されたグリップ走行専用のVR08GPについてレビュー第2段です。 

今回は空気圧と温度依存性(ライフの考察)についてです。 

1.空気圧について 

結論から書くと2.2kpaあたりがちょうど良いと感じています。
(ホイールとタイヤの太さによって変わります。8Jに225の場合は2.4ぐらい)
 冷間1.8でスタートすると前回のブログで課題としていたとおり、ブレーキング時にトレッド面が左右方向にヨレやすくなってしまい、ジャダーが激しい印象でした。
左がフロント、右がリア

 3本走って1本目は1.8、2本目2.2、3本目2.4でテストしましたが、2.4はすごくコーナリング中のシッカリ感が出るのですが、これまた1.8の時に顕著に出た課題のブレーキングがシビアになってきた気がするので、2.2~2.3あたりがベストなのかなと、今現在は感じています。 

聞くところによると開発側としても2.2ぐらいがベストだったそうで、だいたい合っているのかもしれません。 
ただしまだ皮が剥け切れていないですし、車側のセットもそのままのポン乗りなのでもっと違う良いところがあるかもしれません。またタイヤの溝が減れば表面のヨレが少なくなるのでもう少し空気圧を落とせそうです。 


 2.温度依存性について  

Sタイヤのようにコンパウンド分けしている場合は最適温度域というのが明記されていますが、このタイヤは明記されていません。 
トレッドウェアは200という事でA052と同じ数字になっています。一般的に200程度の硬さがあれば温度依存性は低くなるので、比較的広い温度域でグリップを発揮することが出来ます。  



これは3本走行後のフロント表面。 
VR08GPはDUNLOPのZ3みたいな奇麗な削れ方をしていますので、ハイグリップタイヤとしてはライフも長そうですから、サーキットで走り込んでもお財布に優しそうです。
またゴム自体はPERGEAに比べると硬いので、経年劣化も少ないと思われます。



ちなみにこちらはぺルギアの走行後の表面。
(フロントは左側)

 使用した温度域がそこそこ一緒の写真を持ってきたつもりです。センターがエグれてますし、表面が波打って削れていることからも、PERGEA 08RSの方が柔らかいゴムと言うことがわかります。(ちなみに適正温度域に入ると縦方向は08RSの方が表面が溶けて凄まじいグリップになります。)

メーカーサイドとしてVR08GPの最適温度域はサーキット周回もにらんで表面温度70℃らしいです。低温でも高温でもサラサラしたゴムのため挙動変化は少なく、PERGEAは適正温度域を外すと進まなかったので、大きな違いかもしれません。 これからの冬場で試さないと確実なことは言えませんが、使用できる温度域は広そうですね。

 
↑↑のネット価格を見てもらえればと思いますが、国産に比べ安価ですので「お値段以上」な品質&グリップだと思いますし、前回書いたデメリット部分もそこまで致命的ではないので、総合的にはとても良くできたタイヤだと思います。 

ただしジムカーナのような「冷間からのここ一発」はA052等のスーパーハイグリップに分があると思いますので、一周のベストラップで競うのか、周回の平均ラップタイムを削りたいのかで使い分ける必要があると思います。 



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I tried to confirm the appropriate air-pressure and tread-thermal condition of VALINO VR08GP.