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2026年1月30日金曜日

車検における改造車定義の変更

自動技術総合機構と言う、いわゆる車検の陸運局の運営からこんなアナウンスがでているようです


純正流用品を用いた改造であれば届出不要とする内容です。

ネット上で色々な憶測が広がっていますが、既に陸運局で具体的な改造内容について掲示があったようです。


やはりAT→MT載せ替えもOKのようですね。
ここから先は憶測になりますが、社外アームについてはイケヤフォーミュラさんがやっているような強度計算書等、アフターパーツメーカー側が証明できる状態の製品であれば改造申請が不要になりそうですね。

この制度変更はモータースポーツ業界にもいろいろな影響がありそうですね。
(例えば車検証に「改」が付かない改造範囲とする、みたいな車両規則で運用しているレースは大幅な規則改定が必要になりそうです)



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2026年1月21日水曜日

トレッド幅拡大でコーナー速度は何%向上?

車幅を広げるとコーナリング速度が速くなるのか気になり計算してみました。
結論としては1~2%、コーナリング速度が上がるようです。
(※下述の条件の場合)

感覚的に車幅が広ければコーナリングスピードが上がりそうな気がしますし、サーキットアタック車両等ではオーバーフェンダーをつけて拡幅し、荷重移動量を減らして限界を高めています。
(なぜ荷重移動を減らすと速いコーナリングが出来るかはコチラをご覧ください)


では具体的にどの程度違うのか。


仮に同じ同じ重心、車重で車幅のみ変わった場合を計算してみます。
仮想として同じ車両で5ナンバーだった場合の1695㎜と、86/BRZと同等の1780㎜で比べてみます。



計算式は苦手なのですが、数字出さないと比較できないので記載します。
荷重移動量ΔWは以下の式で計算できるようです。


分母にトレッド幅が来ており、車幅(≒トレッド幅)が広くなると荷重移動量が変わります。この式に以下の数字を入れてみます。

車両重量(m)= 1,200Kg
重心高(h) =500㎜(0.5m)
旋回G(α) =0.8G(それなりの速度で旋回)
トレッド幅:
 Case A 1,450㎜(1.45m) ※車幅1695㎜の想定トレッド幅
 Case B 1,540㎜(1.54m) ※車幅1780㎜の想定トレッド幅



そうすると結果としては約6%(約19kg)の差が出ました。

これを1輪当たりの静止荷重を300kgとした場合における内外輪差を見ると、より違いが明確になります。



実際にはスタビライザーや前後ロール剛性でも左右されますが、1つの例としてみてください。
タイヤの限界を使いながらコーナリングしている時の19Kg の差と言うのは大きく、外側のキャパが19kg増えるだけでなく、内側も19kg浮かなくなるので両輪トータルのグリップ限界が飛躍的に向上します。
AIに算出させてみたところ、上記の例だと5ナンバーだと80㎞/hだったコーナリングが82~83㎞/h程度になるそうで、コーナリング速度としては2~3%向上するようです。


と言うことで約9㎝のトレッド幅の差が生み出すコーナリング限界は計算上1~2%向上します。ただしこれはワイドトレッドスペーサー等で広げたトレッド幅によるスクラブ半径やキングピン角の影響は無視しているので注意が必要です。
(スクラブ半径等の影響がどうなるかはコチラをご覧ください)



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2025年12月17日水曜日

2025ハイグリップタイヤのランキング

海外のモータースポーツ系メディアのGrassroots Motorsportsにハイグリップタイヤの評価一覧がアップロードされていましたのでシェアします。
定量的な検証を年間とおしてやっているメディア&製品評価尺度が価格も含めて8つあり、中々信憑性高そうなランキングです。

評点はAAA, AA, A, B, C, Dの順、さらにそれぞれのグレード間における微妙な差については+や-をつけているようです。
また同ページによれば、どの使い方をするかによって以下の4つの視点で見てほしいそうです。
  • ジムカーナ:WarmupでA以上&Time trial paceはB以上で選ぶべし
  • タイムトライアル:Time trial pace&Wearで選ぶべし
  • 練習/エンジョイ:Heat tolerance&Wearで選ぶべし
  • 一般道:Heat tolerance& Wear& Wet performanceで選ぶべし
また8つの評価を日本語で言うと以下のような表現になると思います。
  • Time trial pace:タイムの出やすさ(ようはグリップ高い)
  • Warmup:暖まりやすさ
  • Heat tolerance:熱サイクル耐性
  • Tread depth sensitivity:溝の深さによる動きの変化しろ
  • Wear:減りやすさ
  • Wet performance:ウェット性能
  • UTQG treadwear:カタログ上のトレッドウェア表記
  • Price:価格($が増えると高いタイヤ)

ちなみにタイヤは勿論ゴムでできておりますので「熱」に非常に敏感です。
暖まれば柔らかくなり、グリップしやすくなるのですが、暖まったり冷えたりのサイクルを繰り返すと「硬化」していきます。下表ではその「熱サイクル耐性」も評価しています。
また「溝の深さによる動きの変化しろ」については、溝が深いとグニョグニョして扱いづらいが、減ると良い感じ!みたいな動きまでも評価しています。

上記ご理解いただいたうえで、表を見てみます。


この表で言えば暖まりやすくタイムが出るRE-71RSやA052がジムカーナ向き、Vitour P1がサーキットタイムアタック向きと言った感じでしょうか。
逆にA052は熱サイクル耐性が低いので、もし使うなら数回で使い切る覚悟が必要そう、とかに見えますね。

日本に導入されていないタイヤも多いですが、個人的に気になったのはTW200で一番タイムが出るとされたVitourのTempesta P1ですが、以前日本ではWaithという商品名で売られていました。以前から北米でも評価が高く、一方で国内で利用者数は少ないものの、使った人の筑波タイムはかなり驚きの数字が出ていた印象は確かにあります。


国内の代理店が変わって入荷されているようですし、これからのアタックシーズンに気になる方は試してみても良さそうです。
ちなみに以前は見かけたTW100の方は日本に再供給されるのか、謎ですね。

RE-71RSはRE-71RZに商品変更されて上図のポジションがもう少し上へ行くでしょうし、サーモグラフィデータの分析結果からも期待大です。


一部日本のモデルと若干違うのかな?と言う所もありますが、サーキット周回での定量的な測定をしているので信憑性は高いのだと思われます。(VALINO VR08GPの開発に携わった身としては、減りが早い初期モデルを除きNEUMAからはADVAN NEOVA AD09同等を目指していたので手厳しい評価ですね。。。)

(Tempesta P1についてはコチラ、RE71RZの分析結果はコチラをご覧ください)




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2025年12月12日金曜日

RE71RZの構造的な改善点の分析

BRIDGESTONEからRE71RSの後継となるハイグリップタイヤ、RE71RZが発表されました。自分もタイヤ開発に関わっていた知見から変化点を分析してみます。

今回は大きく変わったトレッドパターンについて見てみます。


左が従来品のRS、右が新製品のRZです。
タイヤを一周しているグルーヴが内側にオフセットされ、外側のブロックが大きくなり、また外側ブロック内の溝が減りました。
この形状からいえることは「コーナリング中の踏ん張りが効くようになった」でしょうか。


こちらはブリヂストンが発表している技術資料ですが、画像右下にあるサーモグラフのような画像が注目ポイントです。
この画像の見方としては接地面において「荷重が乗っているほど赤、乗っていないほど青」です。



こちらは製品画像とサーモグラフのような画像を重ね合わせてみたものです。
71RSは一番外側に荷重が集中して荷重過多が起きています。実際の解析データ見ないと正しいことは言えませんが、この荷重分布の仕方を見る限りおそらく赤の内側に「ヨレ」が生じてしまい、濃い青の部分が凹んで接地圧が弱まっていると推察されます。
一方の71RZも一番外側に荷重集中はしているものの、ヨレはすくなく均等に接地できている面積が比較的広いということが出来ます。

ゴムと言うのは荷重を乗せても、乗せたら乗せただけグリップが上がるような物性ではなく、出来るだけ均等に荷重分布させた方がトータルグリップがあがる特性があります。
(だからタイヤを太くするとタイムが上がったりするのですが、この特性についてはコチラの記事をご覧ください)


内部構造については、ブリヂストンが近年取り組んでいるENLITENと呼ばれる技術が採用されており、要は「質量が軽く」なっているようです。ADVANのA052の255/40/R17同士の比較で約1.2kg重いRE71RSがどこまで軽くなるのか。また整備士目線だと、ENLITEN採用製品はタイヤが組みやすくなるらしいのでありがたいですね。
肝心のトレッドゴムはシリカの配合に新技術が用いられて耐摩耗性も上がっているという記事も見かけましたが、こればかりは実際に走ってみないと何とも言えませんね。
ただ上図の結果からサイドウォールの肩減りは少なくなるのは間違い無さそうです。

上記記事で触れられていますが、今回RE71RZで新規に設定された315等の太いサイズについては排水性確保のためにセンタグルーヴが追加されているので特性が異なりそうです。



なぜタイヤは太くすればタイムが上がるのか、太くし過ぎてもタイムが上がらなくなるのかについてはコチラの記事をご覧ください。
ハイグリップタイヤのTW(トレッドウェア)一覧についてはコチラをご覧ください。




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2025年10月28日火曜日

ストラットだと曲がらない要因

現行車でもスイフトや86/BRZ等、多くの車がフロントサスペンションの形式としてストラット式を採用しています。
ストラット式とは、ショックアブソーバーがナックル上部を支え、サスペンションアームの1部を兼ねている形式になります。


画像はTein HPより

上図のようにアッパーアームをショックアブソーバーが兼ねているような構造です。

現場でよく聞くのは「ストラットだから曲がらない~」という話です。実際には重量バランスや重心、キャンバー変化量等の影響も大きいのですが、今回は「ストラット構造」しかも「フリクション」に注目するため割愛します。

よく気にするのは減衰力とスプリングレートだと思いますが、忘れがちなのはストラットは構造上「ショックが動きにくい」と言う点です。

コーナリング中はアッパーアームを兼ねているため「横力」がショックに加わります。上図で「強度が不足していると破損」と記載されていますが、別の解釈をすると「普通の構造/材質だと破損するぐらい横力がかかる」と言う意味です。
それだけ横からの力がかかるにも関わらず、ショックアブソーバーとして上下運動も兼ねないといけないわけです。

ここまで書けば気づく方も多いと思いますが、それだけ横力がかかる時(≒荷重が乗ってる時)にショックの動きが良い訳が無いのです。

具体的にはハイグリップタイヤを履いて曲がるシーンで、荷重がかかる(≒横力も増える)状態になればなるほど、ショックアブソーバーは動きにくくなり、バリアブルな抵抗が発生します。

様々なストラット車のフリクションを計測した学術文献を拝見させてもらい、絶対値は公開出来ないものの割合だけ計算したものが下図です。



ストラットと言ってもブッシュが硬かったり、特殊な車種もあるため6車種の平均値をグラフ化してみました。
注目したいのが赤で示したストラットの横力抵抗です。ストラット式サスペンション全体におけるフリクションの約半分は横力抵抗という結果が示されています。またこの結果は一定の横力における平均値であり、スポーツ走行で荷重を掛ければ横力抵抗が増えることは想像に難くないです。

結論としてストラット車は荷重をかければかけるほどショックアブソーバーが動きにくくなる≒バネレートが高くなったような動きをするため、コーナーの奥の方でアンダーステアが強まる可能性があります。


また直巻車高調等の車は上記に加えて「スプリングの捩れ」というフリクションも加わります。

着地状態でホイールの間からショックを観察した事がある方は経験あるかも知れませんが以前記載したようにスプリングは縮む際に捩れます。




写真の赤丸ようにスプリングの上下にテフロンシートを履くのがオーソドックスですが、これでも大きな荷重変動がある時は動きにくく「ガガッ」と引っかかる音がします。


これは外からでも音が確認しやすいものです。(動画2秒あたりと6~7秒あたりが顕著にガガッと聞こえます)
こんな状態でセッティングしようにも、荷重によってフリクションが変わり過ぎて沼に陥ります(実体験)。


構造上仕方ない横力のフリクションは減らせずとも、それ以外の要素をいかに低減させるかが意図したサスペンションセットアップに繋がる近道となります。


そこで出てくるのがパーチェ。
これは3次元的にバネの捩れと座面変形を吸収する代物。理論的にもストラットにはコチラがベストと思います。
ただし価格もそれなりにするので、自分は安価な下記を定期的にメンテナンス/交換してフリクション低減してます。

一般的なID65であればコチラ



ちょっと細めのID60のバネの方はコチラ



NTNの方が高品質ですが、スラストベアリングは消耗品と割り切って安価なこちらを定期的に交換してます。
スラストベアリングを付けてからはフロントの動きが劇的に良くなりました。



勿論ダブルウィッシュボーン等のサスペンション形式においてもスプリングのネジレは発生するので有用ですが、特にストラットはフリクションが多すぎるので、より効果的だと思われます。
(ストラット車はキングピン角を簡単に変更出来る&動き方が変わるのでコチラの記事もご参考までに)


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2025年10月18日土曜日

RE-71RSの廃盤とRE-71RZの登場

海外のモータースポーツ系の媒体であるGrassroots Motorsportsにおいて、RE-71RSの廃盤と、新たにRE-71RZがリリースされる記事を見かけました。


RE-71RSと言えばBRIDGESTONEにおけるTW200クラスの最上位タイヤになりますが、これがモデルチェンジになるという記事です。

この記事の信憑性ですが、オーストラリアの市販車レースルール管理団体であるIPRAAに対し、ブリヂストンがプレゼンを行った内容が議事録として公開されています。



内容を拝見し、新製品であるRE71RZの要約としては以下の通りです。

・RE71RSの代替品であり、筑波サーキットにおける開発テストでは0.5~1秒ラップタイムが速い
・キャンバーは付け気味(ネガティブキャンバー)でウェット性能に影響あるよう設計されている(注釈:おそらく71RSよりつけた方が良いという文脈と思われます
・ブリヂストンとしては4世代目となるRZは、2026年に投入し豊富なサイズラインナップ

やはりBRIDGESTONEと言うこともあり、開発は日本でやっているようですね。
またキャンバーのくだりも気になる所で、トレッドデザインがどうなっているのか。とても楽しみですね。

ハイグリップタイヤのTW(トレッドウェア)一覧についてはコチラをご覧ください。



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