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2022年12月25日日曜日

VALINO新グリップ用タイヤと2023スカラシップ

ドリフトのタイヤとして有名、かつ実績があるヴァリノの2023年スカラシップが開始されています。


ここで気になるのは筑波のタイムアタックでも最速ラジアルと言われたVR08GPがスカラシップ対象製品に含まれていない事です。

サーキットアタックやジムカーナ等、JAF競技で使いたい声も少し聞いていたので追加が待ち遠しいですね。

またこんな発表もありました。



VR08GPのNEUMAとSPORTと言う製品です。
詳細は公式発表されていませんが、VR08GPの特性を持ったグリップ用の新作です。
ちなみちペルギアのD1用と言うことで08R JPNと言うのも出るようで、こちらは昨今厳しくなるタイヤ規制の転がり抵抗数値等が改善されているようです。


来年はドリフトもグリップ競技も色々規則が変わって新しい製品が出てきそうなので楽しみです。


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2022年12月4日日曜日

スピードパーク恋の裏の閉鎖⁉︎

年の瀬のこのタイミングで驚きの投稿を拝見しました。


今月末で閉鎖されると言う内容です。



内容をよく読むとオーナーとのコミュニケーションに課題があったようですが、まだ公式HP等で案内されたわけではないので、この内容の真偽を含めて続報を待ちましょう。
(SNS上で2023年に同サーキットで主催されている方のところにも閉鎖のお知らせが届いた旨、見かけたので信憑性は高そうです)

もし本当なら来年の全日本ジムカーナ選手権はじめ、色々な競技にも影響がありそうですね。


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2022年11月30日水曜日

ダンロップのβ11

JAFから来年の2023年におけるPNクラスで使えるタイヤ一覧が発表されました。
その中で気になるのがDUNLOPがまだ発表していないDIREZZA β11と言うタイヤです。






まだ発表されてないタイヤがJAFから先に公開されてしまいましたね。

もうここに乗ると言うことはテストも終わってかなり市販が近いと思いますので年明けオートサロンあたりで発表、発売されるのでしょうか。

なお以前記載したとおり、ある程度硬いゴムでないと2023年の規定を満たさないハズですので、Z3の後継というイメージでしょうか。

いずれにせよダンロップからは久々の新製品(な気がする)なので楽しみですね。


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2022年11月11日金曜日

ND幌ロードスターに2Lモデル追加?

日本におけるロードスターのラインナップは1.5リッターの幌タイプと2リッターのハードトップ(RF)の大きく2タイプでしたが、幌タイプに2リッターが追加になるようです。



開発主査の発言なので可能性高そうですね。

軽量で足回りに定評のあるNDロードスターの幌タイプにパワーのある2リッターエンジンが組み合わさることで、現代のS2000(言い過ぎ?)的な車になりそうですね。





競技する上でもこの情報はかなり重要になる人は多いと思いますので今後の発表を待ちたいところです。

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2022年11月1日火曜日

新品タイヤは「慣らし」が必要?

新品タイヤを買った際に「皮むき」と呼ばれる、タイヤを作る際に金型と触れていた面を削るために少し走行されたりすることがあるのは見たことがありますが、「慣らし」と言うのを初めて聞きました。

今回の出所である海外のタイヤ情報満載のモーターサイトであるGrassroots Motorsportsの記事によると、新品タイヤをタイヤウォーマーや実走行でゴムの分子を整える「慣らし」を行うと良いと書いてあります。

以下上述HPの内容です。

Proper heat cycling involves not just heating–which weakens those bonds and makes them less resilient–but bending and stretching of the tread, which helps more consistently align the granular structure of the elastic tread.ヒートサイクルでは、単に加熱するだけでなく、トレッドを曲げたり伸ばしたりすることで、トレッドの粒状構造をより安定的に揃えることができます。※編注 タイヤを縦方向にストレスを与える、すなわちハードブレーキング等で熱を与えたりしてヒートサイクルを行う)

 When the tire is heated, the weakest molecular bonds are broken and then realigned by the dynamic forces of the tread on the pavement. As the tire cools to ambient temperature, those bonds relink in a stronger, more consistently aligned fashion. Tire warmers, on the other hand, preheat the tire to operating temperature before it’s sent out on track for a massage; then they can be used to slowly cool the tire over 24 or even 48 hours.(タイヤが加熱されると、最も弱い分子結合が破壊されて再調整されます。タイヤが常温まで冷えると、これらの結合はより強く、より密度が増した状態になります。また別の方法としてタイヤウォーマーを使ってタイヤを予熱して(軽く走らせた方が良い?)、24時間または48時間かけてゆっくりとタイヤを冷やす方法もあります。)

Heat cycling dynamically stretches and heats the rubber in the tires, further strengthening the molecular bonds in the tread and carcass by reorganizing the granular structure of the material. It’s a process not unlike heat treating metals. (ヒートサイクルは、タイヤのゴムを動的に伸ばして加熱し、材料の粒状構造を再編成することで、トレッドとカーカスの分子結合をさらに強化します。これは金属の熱処理と同じようなプロセスです。)

The Falken RT660, in particular, greatly benefits from proper heat cycling: improved lap times, longer service life and reduced wear. Competitors have also found reduced instances of unusual wear patterns, like center tread rib graining or separation. (特にファルケンRT660は、適切なヒートサイクルによってラップタイムの向上、耐用年数の延長、異常摩耗の低減といった大きな恩恵が受けられます。競合他社でも、トレッドリブの中央部の粒状化や剥離など、異常摩耗が減少していることも確認しています。) 



 気になるのは最後の部分で、「適切なヒートサイクルによってラップタイムの向上、異常摩耗が減少する」という記載です。




今回の記事はアメリカ等で主流となっているTW200クラスのタイヤにフォーカスしているのでSタイヤのようなタイヤまで含まれるかは不明ですが、日本においてこのような「慣らし」をしている方はあまり見ないですし、聞かなかったのでちょっと実験してみたいですね。

ちなみに調べを進めてみると、例えばブリヂストンのHPにもタイヤの慣らしはした方が良い旨、記載があるので自分が知らなかっただけかもしれません。


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2022年10月24日月曜日

ブレーキダストクリーナーのデメリット

ブレーキダストによってホイールが汚れた際にクリーナーを使う方も多いと思いますが使い方を気をつける必要がある、と言う話のリライトです。




①ブレーキダストは「鉄」

一般的な車だと茶色のダストがホイールに付着していることが多いと思います。このダストはパッドの磨材も勿論、ローターが削れたものも多分に含まれています。


私の車はジムカーナメインなので後ろの方が汚れやすいですが。。。
このダストはホイールのみならず、ボディにも付着し、酸化して汚れがひどくなることも多々あるので早々に取り除ければ一番良いのですが。。。

②クリーナーは「鉄」と反応

一般的に販売されているホイールクリーナーは洗浄成分もそうですが、「鉄」と反応させて汚れをきれいにしている製品が多いです。
代表的な製品として、パープルマジックがありますね。


噴射後は紫色に化学反応してめちゃくちゃ汚れが取れている気分になります。
ある程度こすり洗いをすることでかなりキレイになるような印象を持っています。

が、後述する理由により飛び散らないように配慮する必要があります。


③クリーナーによる弊害と解決策

上述したとおり、ローター等の削りカスであるブレーキダストの鉄と反応して汚れを落としてくれるので助かる製品ですが、弊害があります。
注意書きにもあるアルミホイールのメッキ等への影響もそうですが、見落としがちなのが「ローター本体への攻撃性」です。



ブレーキローターダストに反応するクリーナーですから、もちろんローター本体にかかると反応します。
1回や2回かかったぐらいでは大きな影響は無いかも知れませんが、洗車のたびにパープルマジック等を使用しているとローター表面がガタガタになり、ひどい場合ローター交換する必要が出てきてしまいます。
どこかのショップに入庫した街乗りしかしてないのに年に2回以上ローター交換した方の原因がこれだった、と言う記事も見たことがあります。

なので解決策としては「ローターにかからないようにクリーナーを噴射する」もしくは「クリーナーを用いなくても良いようにこまめに掃除する」になります。
一番確実なのはホイールを車体から外してホイール単体で洗浄する事でしょうか。


④水垢取りがベスト?

一般的にはクリーナーとしてパープルマジック等が有名ですが、それでも取れない汚れについて、Twitterでこんな投稿を見かけました。


水垢取りを用いると黒ずんでしまって取れないような汚れも取れるというものです。
ちなみにホイールを外した状態であればサンポールも個人的にはオススメです。
モータースポーツをしていると特に熱等でホイールに黒ジミ化したダスト汚れが残りがちなので試してみても良いかもしれませんね。



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2022年10月17日月曜日

ポテンザサーキットチャレンジ@幸田

富士に続き、第二回目となるポテンザサーキットチャレンジ(PCC)が幸田サーキットで開催されるとのことでまたオフィシャル参加してきました。


幸田は仕事で来て以来5ヶ月ぶりです。
今回も盛況で60台弱のご参加を頂きました。




自分は朝以外はポスト員でずっとコース内に張り付いていたので参加者の方と会話できなかったのが残念ですが間近で車の動きが見れるのでこれはこれで楽しいです。


下里選手。軽でポルシェやスープラと戦う猛者!

ドリフトだとゴミ飛んできて目が痛いし服がタイヤカスだらけになるのですがグリップ走行はその辺が平和です←

競技終了後は表彰式やっている間に片付け開始。18時前に撤退することが出来ました。

帰りはマネージャー君と幸田→東京まで下道レーシングで帰宅。



静岡は高速使わなくてもスイスイでいいですね。
燃費もエアコン使っても良さげでした。


これにて今年の国産タイヤメーカーさんのお手伝い終了。
今回も前日入りして色々打合せて頂き、来年はジムカーナ業界にとっても激変の年になりそうです。





2022年9月27日火曜日

車検におけるハイビーム検査の廃止?

Twitterでこんな記事を見かけました。


来年の2023年からこれまでハイビーム検査で車検が取れていた車両(平成10年以降)も、ロービームでないと車検に通らないとする記事です。

この投稿にぶら下がりで旭川の陸運局から発表されていると思われる資料が添付されていました。




こちらを見る限りだと、赤枠で囲ったようにロービームの光軸が取れないと車検が通らないことになっています。
こちらの真偽を確かめるべくもう少し調べたところ、四国の陸運局からはこんな記事が出ていました。


こちらの資料を見る限りだと基本は旭川から発表されているようにロービームでの検査ですが、どうしても計測範囲外になってしまう場合は赤枠で囲ったフローに基づき、ハイビームでの検査を行い、車検を通すことができると読むことが出来ます。

よって地域差や検査員次第なところがありそうですが、いずれにしてもロービームでの検査が主軸になることは間違いないようです。


ロービームが光量不足の場合はバルブを変えたり、レンズを磨いたりといった整備が必要になりそうですね。

2022年9月24日土曜日

2023年シバタイヤの使用可否⁉︎

今年、2022年は破竹の勢いでユーザーが増えているシバタイヤ。
安くてグリップして、それなりに持つと言うかなりユーザー想いのタイヤで、ドリフトやジムカーナに限らず色々使われている印象があり、個人的にも大注目のタイヤです。

一方で大きなJAF行事である、来年の全日本ジムカーナの規定が以下のように発表されました。


ピックアップすると「シーランド比(地面に触れない溝の部分の面積)が25%以上」という規定が追加され、RE-12Dやβ10等のウルトラハイグリップタイヤが使用できなくなる規定となり、ゴムの硬さも一定以上となることからシバタイヤのの出番がやって来るかな?と考えてました。





ところが一筋縄ではいかないようです。


シバタイヤから発表されている現状のシーランド比は23%とのことなので、少なくとも全日本ジムカーナでは使うことが出来ないことになりますし、他社も23%ギリギリのタイヤがあるので合わせて締め出されます。
全日本の規則ベースとした試合ではシバタイヤも締め出されてしまうので各地区でどのような規定になるか、要注目ですね。
(少なくとも関東はオリジナルのTW280規制を敷いているので使えそうです。トレッドウェアについてはコチラの記事をご覧下さい)





そんなシバタイヤも上記のブログによれば新しいタイヤを開発中、と記載があるので期待したいところですね。

いずれにしても来年のタイヤ動向は大きく変わりそうですので今から要注視です。


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2022年9月13日火曜日

SR20エンジンの再生産

 東京の八王子にあるマーキュリーエンタープライズから嬉しい発表がありました。




SR20DETエンジンが再販されるというもの。
値段は小ロット生産でしょうから勿論以前よりは高いですが、中古で素性不明のものを買って苦労するぐらいならこちらの方が良いと思います。

態度の良い中古が手に入りずらくなってることからとても有難いことですね。
詳細は下田選手のYouTubeをご覧下さい。


2022年8月24日水曜日

YOKOHAMAの新しいADVAN A055について

 今年6月ごろ、海外のYokohama Tireからこんなリリースがありました。



A050やA052よりもかなり攻めたトレッドパターンをしています。


以前も紹介し、一部のサーキットユーザーで重用されているHoosierと似たようなデザインで、公道走行可能な溝はありつつもドライグリップを極限まで攻めた形状になっています。
(デザイン的には公道OKですが、横浜からも一般道での使用は控えるようアナウンスされています)


気になるレビューですが、本国のユーザーサイト等も発表後にアクセスしてみていますが、投稿が少なく判断が出来かねますが、Tirerackの記載によれば「A055は氷点下や雪道、氷上での走行を想定しておらず、華氏32度以上(摂氏0度)の室内で保管することが必要です」と記載があることから、A050のように温度感受性があるタイヤであるがゆえに、ピークグリップは少なくともA052の上位になりそうです。一方で冬場や強ウェット路面はダメそうですね。

またタイヤの重量も205/50R15というサイズで比べた場合、A050は約9.4㎏なのに対し、A055は約8.1㎏(17.8lbs)であることから、軽量化にもかなり力を入れた新世代のタイヤであることがわかります。(ちなみにA052は約8.5kgなので、溝がA052より少なくなっているにも関わらず軽量化を達成していることになりますね)




気になるトレッドウェアについては40ということで、かなりのソフトコンパウンドであることがわかります。これだけ柔らかいとユニフォミティ(真円度)を維持し、ロス出さずに製造するのも大変そうですが。。。
(トレッドウェアって何?な方はコチラをご覧下さい)

日本正式導入時期についてはまだ回答貰えていませんが、正式導入するには色々課題がありそうですね。


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2022年8月13日土曜日

ドリフトとグリップにおけるバンプステアの違い

日が空いてしまいましたが、足回りに関する記事のリライトになります。

以前記載したスクラブ半径の他にも、ハンドリングを考察する上で外せない要素の一つに「バンプステア」と呼ばれるものがあります。
バンプステアとは、バンプ(ストロークした時)にアーム類の位置関係によってトーアウトになったりトーインに変化することを指します。
多くの車はフロントのナックルの後ろ側にタイロッドがあり、ロアアームと取付角度が違っています。ではバンプステアをどうセッティングしていけば良いか考察してみました。



今回はストラット車を例に図を見ていきます。なおバンプステア以外の要素は考慮に入れていません。
下図はタイヤを車体後ろ側から見た図です。

まず停止状態(1G)でのロアアームとタイロッドの位置関係。
多くの車の場合、ロアアームよりもタイロッドのハの字は浅めについていることが多いです。この時のロアアームとタイロッドの長さ関係を抜き出してみます。


こんな感じ。
ナックルと車体までの距離を「A」とします。これを踏まえた上でタイヤを単純にバンプさせます。


そうするとロアアームとタイロッドの角度が変わるので相対的な長さも変わってきます。
どう言うことなのか、上図と同じようにロアアームとタイロッドだけ取り出してみます。


このように緑のタイロッドは平行より上となって相対的な長さがAより短くなります。
逆にロアアームは水平になるので相対的な長さが1Gの時のAより長くなります。
(画像はわかりやすいように誇張表現してます。)



その結果どうなるかと言うと、バンプさせるだけでタイヤはトーアウトの方向に動いていきます。
トーの関係を表すため、下図はタイヤを上から見た図ですのでお間違え無きよう。

車体上側から見た、バンプさせた時のタイヤのトー角度。

左が1Gの状態で、右がバンプさせた時のタイヤのトー角です。
勿論この図もかなり誇張して表現していますが、バンプさせるとフロントタイヤのトー角はこのようにトーアウト側にズレるよう設計されている車がほとんどです。

グリップ走行におけるドライバーの感じ方はコーナリング中、外側がバンプして縮むと、外側のタイヤはハンドルを切ってストロークすればするほど(つまり荷重を掛ければ掛けるほど)切れ角が減っていくのでアンダーステアなハンドリングになります。(メーカーサイドからすれば、荷重が掛かる=無理なハンドルで車体が乱れてしまわないようアンダーなセットにしてるのだと思います)



なのでスポーツ走行的にはロアアームの取付角度とタイロッドの取付角度が平行が理想…ですが実際には少しバンプステア残さないと、低速でのコーナリング等で左右アングル差が出来ずナチュラルなハンドリングにならないので、少しだけ角度差があるのがベストでしょうか。
ちなみにイケヤフォーミュラさんのタイロッドエンドは絶妙な取付角度設計になっています。


手持ちで1番わかり易い写真の、ちょうど良いところに写り込んでるマネージャーくん←
ロアアームとタイロッドの角度が絶妙に差がついているのがわかるでしょうか。(殆ど平行ですが、よく見ると赤線のような角度差が少しついてます。もちろん赤線も誇張して角度付けてます)
少しバンプステアも利用できるので、ドライバーの体感的にはナチュラルなハンドリングになってます。

ロアアームとセットなら純正と遜色ないバンプステアになるのでしょうが、やっぱり足回りを交換するならキチンと計算(強度、防錆要件とか)されて作られている製品を使いたいですね。


一方ドリフトだと荷重がかかっている外側のタイヤがトーアウト=切れ角が増えるので、前回のスクラブ半径の考察に基づくと、バンプステアが発生した方がキレ角が増えます。更に内側のタイヤもドリフト中はリバウンド(伸びる)すると、コチラもハンドルが切れる方向になるのでなおさらハンドルが切れます。

この図はフロント左右のタイヤを上から見た図。ドリフト中における外側のタイヤは左側になりますね。


ドリフトだとあえてバンプステアになるようにすると荷重移動した際の切れ角が増えるので良さそうですが、言い換えるとストロークする程勝手にハンドルが切れてしまうのでそれを良いと判断するか否かでドライバー評価は分かれそうですね。
(バンプステアを増やす具体的な方法としては、ロアアームにロールセンターアジャスターを付け、タイロッドエンドはあえて純正のままにすると、角度差が出来るのでバンプステアを積極的に利用出来ます)

かなり大雑把に考察してみましたが、バンプステアについてはドリフトとグリップ走行(タイムアタック)で正反対の動き(評価)になるという話でした。
(間違ってたらすみません)

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What is bump steer?? Is that best setting different from time attack situation and drift situation??

2022年7月12日火曜日

2022TMSC富士ジムカーナ第3戦

TMSCのシリーズ第3戦に参戦してきました。
今回は子供がどうしても行きたいと要望されたのでタイヤも交換しておき、虫網、虫かご、自転車、その他、遊び道具満載で会場入りしました。


雨の心配もありましたが、一日快晴で過ごせました。
コース図はこちら。




スラロームありのバランス良いコースですね。
ただし完熟歩行の時間も含めて子供の虫取りや追いかけっこの遊び相手をしていて、まともにコース覚えられませんでしたがとりあえず走ってみました。


ミスコースは回避。
走り始めてから空気圧すら変えてなかったことに気づきました←

1本目終わるとお昼で子供とご飯。また虫取りしてたら2本目の時間に。


結局ドラがダメであまり変わらず。
タイヤも硬いなーと思っていたら、メーカーの方からもその場で硬化が進み交換を推奨されてしまいました(さすがに3年落ちだと違いが判りますね←)

ということで上手な方々にビハインドして3位という順位で終了。
違う車種で1,2,3という事で、他の車を見てると自分とまた違った走りが見れて楽しかったですが、ゆっくり見ている暇もなく←


もうカマキリの子供もこんな大きさになる季節ですね。

遊び相手をして下さったA池さん御兄弟ありがとうございました。その他色々ありましたが電車の中だと限界があるのでこの辺で。

今回も各社色々サポート頂きありがとうございました。

2022年7月3日日曜日

GR86/BRZのFA24の初期不良?

街中でもよく見かけるようになってきたGR86とBRZがサーキット走行でエンジンブローした人を聞いたことがありましたが、もしかしたらこんな初期不良(?)が原因だったのかもしれません。







このような事例が何件か見受けられたので、たまたまと言う可能性も否定はできないですが、FA24エンジンの方でスポーツ走行される方は特に一度点検された方が良いかもしれ無いと思い、シェアします。 


(オイルパンのバッフルプレートを取り付けることがブロー回避になる、と言う話も聞いたことありますが、もしかしたらオイルパン外す際にガスケットを綺麗に取り除く作業がブロー回避につながっていたのかもしれません!?)


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2022年6月23日木曜日

NEXEN N FERA SPORT Rの定量評価(vs A052, 71RS, RT660)

日本では86レースで使われ始め、その性能を評価されているNEXENの新作タイヤですが、国内だと中々定量的な比較がなかったのですが、海外のサイトで良い定量比較があったのでご紹介です。

結論からすると「A052はオールラウンドで速い。RE-71RSは近しいがどちらかと言うと高速サーキット向け、AZENIS R660は一歩引いた感じ、N' FERAはドライだと縦方向は最も評価が高いがウェットは苦手」という評価でした。


全製品225/45/R17のサイズを8Jのホイールに組み込み、同じ車でテストという条件。
定速から何mで停車できるかといった客観的なものと、ドライバーが「のりやすい」と感じる主観的なもの、色々な評点の合計値が上図の結果だそうです。

詳細について、サマリー部分を要約すると以下です。

ADVAN A052
「ADVAN A052はドライでの最速ラップに加え、ドライバーの主観的スコアも最高。ドライでのトップタイムに加え、1位と僅差の2位であるウェットトラクション性能は、このクラスの指標にふさわしいタイヤです。さらに、路面追従性でも最高の評価で、他の追従を許さない総合的な性能を持っています。」

POTENZA RE-71RS
「ブリヂストンのポテンザRE-71RSは、総合評価でA052に一歩及ばず。ウェット路面での優れたトラクション性能は1位でこのカテゴリーにおけるベンチマークとなる。ドライでの横方向のトラクション(訳注:横方向の発生G)がテスト中ベストで、チームからの総合的な評価と同様に高いポイント。客観的にはドライでのラップタイムは劣ったものの、個性と性能は、スラロームのような荷重変動が大きい小規模なテストとは異なり、サーキットでの走行に適しているように感じます。」

FALKEN AZENIS RT660
「ファルケンアゼニスRT660もこのカテゴリーの中ではトップ層です。ドライ路面での性能は、テスト項目のうち半分は1番となっており、高いレスポンスと張りのあるステアリングは、主観スコアでは1位のポイントを獲得。ウェット路面でのトラクションはそれなりに強力だが、テールハッピーな傾向もあり、前述のようにステアリング応答性が高いため、限界まで攻められると神経質な印象を受ける。凹凸のある一般道では、ハイグリップタイヤのカテゴリにおいては特筆するほどではないが、鋭いステアリングと軽いハンドリング特性は、この指標でもテスターから良い評価を獲得しています。」

NEXEN N'FERA Sport R
「N FERA Sport Rはドライ路面では、時速50マイル(約80kmh)の制動距離が69.5フィート(約21m)と、今回のテストでは最も短く、それだけがトップですが、他のすべての測定項目で2位という数値を示しており、ドライバーとしてはどんな状況でも一貫して使いやすい運転特性に感心。一方でウェット路面では、客観的にも主観的にもすべての項目で劣っています。」

A052は以前R1Rと比較しましたが強いですね。
ということでストップ&ゴーの大きいジムカーナみたいな使い方だとネクセンもありなんじゃないかと思えるこの結果ですが、日本だと1サイズしか導入されていないことがネックですね。
今は普通の通販では扱ってないようなので時々出てくる新古品とかを狙うしかないのが玉に瑕。。。(各通販サイトでも6/23時点では新品なしです。。。)


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2022年6月16日木曜日

久々のニュートンランド練習会

コロナ禍ということもあり2年半ぶりとなるニュートンランドの練習会が富士スピードウェイで開催されました。
今回はスタッフではなく一般参加と言うことでスタビ交換したりしに遊びに行きました。

コース図はこちら。



シンプルでいい感じですね。
セッティング出しなので転がしタイヤの昔のゼスティノ07Rで走行。古いタイヤの方が限界が低くて純粋な車の挙動変化がわかりやすい気がします。


セットは良くなってきましたが、いかんせんクラッチがダメで2速に全然入りません。。。
何とか部品目途はついたので次の走行までに何とかしたいところです。。。ちなみにドライバーはハンドル回しすぎて肩をやっつけました←

一方で最近絶好調のマネージャー君。試作品のSPタイヤでの走行です。
コンセプト的にはセカンドグレードの位置づけなのでTW280クラスに食い込めればいいなー程度のタイヤです。


調子良さそうですね。

この日は後輩君もFSWにいてドリフトコースやショートコースに見学。



凄い角度ですね。。。。ドリフトはジムカーナと違って技も部品開発も新陳代謝が激しく見ていて楽しいですね。


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2022年6月13日月曜日

TOYO R1RとADVAN A052の差(とチャンピオン戦 優勝)

久々登場のマネージャー君の検証記事となります。
今回の題材はTOYO R1RとYokohama ADVAN A052を比較するとどの程度タイムが違うのか、という検証になります。

ジムカーナ界隈だと比較されている方もいらっしゃるかもしれませんが、フレッシュな状態で2つの銘柄を比べたのはあまりないと思いますので検証してみた、という話です。

結論としては最低気温20度、最高気温27度の状態において「A052の方が5%ぐらいコーナリング速度が速い」という結論でした。
(約1分のコースで3秒程度の違い。路温はデータなし←ですが曇りだったので気温+α程度と想定)


テストした時の生動画は以下のとおりです。


R1Rの走行

コチラはA052

2つの動画を使って色々な分析をしてみました。
細かな分析動画は割愛しますが、単純に言うと「スタートダッシュ、ブレーキ減速距離はほぼ同じ、コーナーリングだけ違う」という結果でした。
具体的には以前触れたように横方向の剛性が低く、コーナリングフォースの立ちあがりが遅く、コーナー出口で踏んでいけない挙動を示しています。

実はタイヤ比較する時には色々と条件を揃えないと定量的に評価が難しく、R1Rの動画でもいくつかドライバーに起因するタイム変化をなるべく除去して比較するのが大変でした。。。ので次回から評価の時にはそのあたりを揃えてもう少し面白いネタをください←

そんな比較をしつつ、今回はOS技研さんにご協力頂き、スペシャルセットのLSDで関東チャンピオンシリーズに翌日出たらPN1優勝してしまいました。



親子で優勝、その翌週はジジ様は地区戦でも優勝というイケイケな結果に。

ということでまだ載せられない製品評価もやってますが、タイヤレポート第1弾でした(by マネージャー)

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2022年6月9日木曜日

ジムカーナ用5Fivex Gerun 055A

ZESTINOの派生として日本で販売している5Fivexからジムカーナの規定でできているTW280クラスに向けたタイヤがリリースされるようです。





最近だとシバタイヤからも出ているこのクラスで戦っていけるか要注目ですね。
ただ懸念なのはトレッドウェア規制だと以前の記事の「トレッドウェアはグリップの比較指標にはならない」で記載したようにメーカーごとによって数字基準が違うので、今年からD1では転がり抵抗規制に移行しています。
個人的には横溝がないタイヤが増えそうな予感ですが。。。

それ以外では日本に来るか未定ですが86/BRZで存在感を示すNEXENからは新しいTW200タイヤがリリースされる情報を頂きました。
国産以上に開発スパンが早い海外勢ですが、やはり世界情勢をうけて各社少しビハインドしてますね。

今年末ごろには色々情報が出てくるような噂もきいてるのでたのしみです。


2022年6月7日火曜日

ジャッキ融合型リジットラック⁉︎(ウマ)

車の整備時には安全のためにもリジットラック(ウマ)を掛けて作業すると思いますが、作業性を良くするために車を高く持ち上げようとすると小型ジャッキでは長さが足りなかったり、かといって大型の物は一般的には重いし収納に困ることも多いと思いますが、こんな便利商品を見つけました。


 
ジャッキとウマが合体したもの。 上げたらリフトのように自動でロックも掛かっていくので安全です。 ただし最低地上高が高めなので以前紹介した簡易リフトの方が使いやすいかもしれませんが、安いのがいいですね。


 

 四輪用に4個買っても高いガレージジャッキ買うのと同等ぐらいなので片付けしやすく良さそうです。 ヘビーユーザーなら厚手のスロープとセットで持ち運びも出来そうですね。

2022年6月5日日曜日

富士ジムカーナ練習会 ニュートン練再開

最近は過去の予約投稿ばかりで久々の執筆&告知です。

コロナ前まで富士スピードウェイのジムカーナ場で開催していたニュートン練が復活します。

いつの写真だろう。。。


詳しくはコチラのページをご覧下さい。

以前とは違ってチーム員有志主催なので若干違うところもあるかもしれませんが、富士での練習会は少ないのでありがたいですね。

第1回は6/12開催予定です。

2022年6月3日金曜日

タイヤとホイールの太さの関係について

前回までの記事では「タイヤの横力剛性にはホイールサイズが寄与」と書きました。

(このブログはリライトです)


その考察をもとに自分で確かめるためにタイヤを組み替えて実験(実走)したことがあります。
内容としてはフロント7.5j、リア8.5jに235/40/17と255/40/17(銘柄はZⅢ)だったのを、フロント8j、リア9j変えたらどうなるか、です。

ダンロップの公式サイトより実タイヤ寸法幅は243、262mmです。
ホイールは1インチ=25.4mmで計算すると

フロント:
 7.5j=190.5(mm)
   ↓
 8j=203.2(mm)

リア:
 8.5j=215.9(mm)
   ↓
 9j=228.6(mm)

になります。この値からホイールの幅とタイヤ幅の関係を計算すると、

フロント:
7.5Jから8Jにした場合ホイール/タイヤ 
 78.39%
  ↓
 83.62%

リア:
8.5Jから9Jにした場合ホイール/タイヤ
 82.4%
  ↓
 87.25%


それぞれ5%程太くなりました。






ちなみにメーカーは235/40/17は8~9.5J 、255/40/17は8.5~10Jが適正となっていますのでそれぞれ

235/40/17  83.62~99.3%
255/40/17  82.4~96.94%

がメーカー指定ホイールサイズになります。大体80~100%ぐらいですね。ここで概ね100%を超えないのがポイントです。
昔のSUPER GTでは330/40/17or18が使われており、タイヤ実寸法幅はZⅢと同じく表記3%増しの339mmとした場合、組み合わされているホイールが13Jなので


13J = 330.2

タイヤに対して約97%の太さのホイールを使用しています。つまりメーカー推奨ホイールサイズの上限値あたりでレースでも使っていることになります。


ただしこれらのレースタイヤはハイトも厚いので一概に同じには考えられないかもですね。。。。330/40/18ってハイトが132mmもあるので、235/40/17の94mmとはエライ違いです。



考察後の運転インプレッションとしては・・・










Σ(・Д・ノ)ノこんなに変わるのか












って感じです。

言葉にすると難しいですが、フロントはスッと舵が利くイメージです。
ただやっぱり弊害もあって、フロントはブレーキロックが出やすくなったし、リアはスタートダッシュやサイドからの立ち上がりがピーキーになりました。


ということで一般的にはにホイールサイズは適正範囲の上限ギリギリのサイズを使うのが良さそうですが、前回の考察のとおり、スタートダッシュ等の縦方向を重視する場合はあえてホイールサイズを落としてみるのもよいのでケースバイケースですね。


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2022年5月24日火曜日

タイヤのグリップについて考察3

前回に引続き、タイヤについての考察です。

今回はタイヤは太ければコーナーが速い(CFが得られる)のか、また縦方向のグリップはどうすれば良くなるのかについて、です。


・太いタイヤは横力に対抗できる?


前回までの考察だとタイヤを太くしても接地面の縦横比が変わるだけで接地面積が変わらない条件で考えてきました。ところが実際は若干変化(面積が拡大)します。

面積が増えるとなぜ速いコーナリングができるのか。

その答えがここのHP様の「タイヤを太くすると何故グリップが上がるのか」を見てもらうと分かります。
このHP様の結論は太くすると最大荷重時の摩擦限界が高くなると言うことです。




太くすると赤い所まで限界が上がる。(自動車を物理する 様より)


300kgぐらいまでの荷重では細いタイヤも太いタイヤも比例的にグリップがあがりますが、そこから先の限界の伸び具合に差が生じます。つまりこのグラフで用いたタイヤで行くと、仮に荷重移動したとしても片輪に300kgしか掛からない車であれば細いタイヤだろうが太いタイヤだろうが一緒なワケです。
逆に太いタイヤを履かせた場合、バネ下重量が重くなるし、走行抵抗増えるし・・・なにより値段が高くなるのでマイナスしかないわけです。



また補足として前回説明したように空気の働きだけを見ると、サイドウォールの厚みが高い方が剛性が高いという理論が成り立ち、トレッド面全体が偏心しやすくなる(タイヤを正面から見たときにトレッド面がホイールセンターからずれる現象)のですが、単にサイドウォールの「ヨレ」だけみると、ゴムなので横からの力がかかった時の変形が大きく、ある程度はサイドウォールを薄くした方がCPが得られるという工学書の実験結果が乗っていました。


また横幅を広くしたときのグリップに関しての補足説明としては、金属やゴムなどの表面は一見平らに見えてもミクロの目で見ると凹凸があって、目で見えている接地面積と、実際に地面にタイヤが触れている真実接地面積は違います。


「車両運動性能とシャシーメカニズム」の図2-66より

実際地面と接している面積は見かけの接地面積、世間一般的に「ハガキ一枚分の面積」よりも少ないという事実があります。
細かいことは省略しますが、ゴムを柔らかくすると地面の凹凸に沿ってゴムが変形するので、真実接地面積が広がり摩擦力が上がるというからくりになっているのですが、真実接地面積も前回の「横滑り角とコーナリングフォース」の図のように、面積と摩擦力が比例関係にあるのは初期だけで面積が大きく(タイヤでいうと温度が上がったりして柔らかくなる)っても、それ以上は摩擦が上がらなくなります。つまり上のHP様のようにある程度まで荷重を掛けるとそれ以上限界は上がらなくなります。

よって熱が入らなくても最初から柔らかいSタイヤはいきなりタイムが出ますし、熱が入りすぎてもグリップが上がらない(タレる)症状が出てくるわけですね。





以上説明してきた摩擦力は接触している物同士の表面の分子の間に引き合う力が働いており、滑らせようとすると「分子間力によるせん断抵抗力」が発生するために生じる現象でした。
しかし摩擦力を生じさせるにはもう一つ「変形損失摩擦力」というのがあります。
これは凹凸のある路面の上を走ればゴムの接触部分は変形と復元を連続して発生し、運動エネルギーが消費されることによって生じる摩擦力です。
つまり縦方向に柔らかくて粘り気のある(ヒステリシスロスの大きい)タイヤであれば得やすい物になります。
具体的にどういうものか考えを進めてみました。








・ゼロ発進におけるタワみの極み

今まで横向きの力に対してどの位タイヤが耐えれるか見てきましたが、この摩擦力(ヒステリシスロス等によって生じるもの)は主に縦向きの力に対してどうかと考えて良いと思います。
即ちサイドターンやゼロ発進時に、どんなタイヤがどの様な特性を持つかと言う事です。


タイヤの地面に触れている所は、外径に対してある一定の割合で潰れて平らになります。(例えば上図の接地長は仮に直径640mmのタイヤの3%とすると60.23mmとなります。もちろん空気圧が一定の場合で考えます。)
接地長というのは細いタイヤの方が長くなるのは前回の通りですが、接地長のタイヤ外径に対するパーセンテージは同じ銘柄、同じ荷重の場合あまり変わらないらしいので大きい外径のタイヤの方が接地長を稼げます。(上の条件だと640mmのタイヤだと60.23mmですが、650mmのタイヤの場合61.23mmになるわけですね。ただ実際は勿論この通りに3%のままではなく、2.998%とかに減るとは思いますが。)


と言うことで同じ太さのタイヤでも外形サイズが大きい方がより接地面を稼げるわけです。軽自動車とGT-Rじゃタイヤ幅も違いますがそもそも外形サイズが全然違うのは接地面積と内空気量を確保するためのようです。

コレを生かした極端な例で言うと、ゼロ発進を重視するドラッグレースカーが太くて外径が大きなタイヤを履いてます。



彼らはヒステリシスロスを最大限に発揮させるためホイールは出来るだけ小さくしてハイプロファイリングなタイヤを履いています。これは縦方向にタワむゴムの領域を広く取ることで、発進時の荷重が掛かった瞬間に縦方向にタワみやすくなり接地長が伸びる=接地面積が増えるようにしているみたいです。
ただ注意しなければならないのは接地長が長くなるとステアレスポンスが落ちますので後輪には良いかもですが、前輪につけるのは??



ということでタイヤを太くしたり大きくすることは確かに速く走る上で効果があるようですが、縦横両方のことを考えると無限に太く&大きくすれば良いわけではなくバランスなワケです。
これらの理論の延長線上に、サーキットを走るハードなチューニングカーではサイクルフェンダーとかにしてタイヤハウスを広げ、太くて大きな薄いタイヤを入れ込んで接地面積を広げ、縦にも横にも限界を上げているのでしょう。。。が、一般的な公道を走る車や公認競技に参戦するのであればそこまでできませんよね・・・ってことで




結論

普通にスポーツ走行をするには
太くてもダメ、細くてもダメ。ちょうど良いあんばいが一番いい。





前ホイールを18インチにしてステアレスポンスを、後ろを17インチにしてスタートダッシュを得ると言うSUPER GTがよくやっているセッティングもこれらの理論から「アリ」と判断できるわけです。
ただ一般車競技をする上でタイヤの太さ、大きさなんて同じ車種、同じクラスであれば大体一緒ですし、銘柄まで一緒なことが多いのでアドバンテージにはならないですが。。。

じゃあどうすれば良いかと前のブログに書いたホイールサイズを変更してあげるか、タイヤを上手く使いきれる線形内に収まるよう「荷重移動を少なく」して、4輪へ均等に仕事させるようにすれば効率よく車全体でCPが得られることになります。

荷重移動を少なくするにはトレッド、重心、重量などを考えればいいのですが非常にメンドクサイのでまたいずれってか上記のHP様に詳細に載っているのでそちらをご覧下さい。
GT、F1などは上記の「トレッド、重心、重量」どれを見ても「広い、低い、軽い」を追求している所からもその重要さが伺えます。またそれに伴ってアームの構造も素晴らしいですよね。



タイヤの構造からくる大まかな特性をまとめたシリーズでした。次のブログでは続いて上記の考察に基づいた実験の結果、体感について記載していきたいと思います。


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2022年5月19日木曜日

VITOUR TEMPESTA Wraith

ヴィツァータイヤから新しいタイヤのリリース情報です。



トレッドウェアは100と200とのことですが、写真の色写りかもしれませんが、固そうなゴムのイメージを受けます。

ただトレッドパターンは個人的な見解として熱が入りにくそうなので実際に見てみたいですね。


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2022年5月18日水曜日

2022TMSCジムカーナ第2戦と製品テスト

前回の課題だったブレーキ系のトラブルとアライメントの効果について確認、そして主な議題はとある製品テストでした。

コース図はコチラ。



わりとコテコテな設定。
特に大先輩のコース設定者、ユウさんのパイロン配置に悩まされます

アライメントの効果は街乗りでかなりの違いを感じてましたが実際に全開で走ると思った以上にフロントが入るようになって早速パイロン吹き飛ばすの図。


自分が思っているラインより内側を車が走ってしまい吹き飛ばしてしまいました。
と言う事でドライバーの性能改善は難しいのでヒヨったライン取りで走った二本目。

路温も1本目から下がったこともあり全体的にタイムダウン。


マネージャー君のパパに負けてしまいました。


で、メインは製品テスト。今回はマネージャー君に全権委任です←

彼は前日は幸田で周回テスト、そしてジムカーナテストと2日連続のテスト。お疲れ様でした。



囲まれるの図。

写真は下里選手より。

今回も皆様お世話になりました。
一方の自分は今日から3日間、仕事でK田サーキットに篭ります。


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2022年5月12日木曜日

タイヤのグリップについて考察2

 前回の続きでリライトです。タイヤの大切な要素は「走る、曲がる、止まる」だったと思います。



ただもう一つ大事な要素として「支える」と言うのもあると思います。
支えているのは勿論空気なのですが、ゴムにただ空気を入れていくだけだと風船のように四方八方に自由に膨らんでしまい、上記の性能をうまく発揮できなくなるため、タイヤにはカーカスという骨組みが入っています。
ゴムとゴムの間にカーカスを挟みこみ、それをどんどん重ねてタイヤの形を保てるようにしています。この重ねた数をプライスとか言うみたいですが。

ちなみに「ラジアル」と「バイアス」という2つの種類のタイヤが存在していますが、ラジアルタイヤはカーカスの重ね方が円周方向に直角に交差させた物。バイアスは円周方向から90度ほどずらした形で重ね合わせた物らしいです。
最近の乗用車用のタイヤでラジアル以外を見つける方が難しいですが。ちなみにラジアルの方がトレッド面の剛性が確保されていて走行が安定する構造みたいです。




・ホイールのインチアップによる影響

「剛性」という面でやりがちなのがホイールの大径化、ロープロファイリング化があります。
例えばシルビアなんかだと純正で205/55/16のサイズですが、255/40/17とかにすることを指します。この場合だと15%ロープロ化されています。(パーセンテージ表記ではなく、実際のハイト差は10mmぐらいです)
このように横幅を太くすれば接地面積が増えて、ハイトが薄くなってタワむゴムの部分が減るんだから速く走れてあたりまえじゃないかと考えていたんですがそうではないようです。


接地面について今はもうホームページが閉鎖されてしまいましたが、Motor city Rally様によれば

>まず、一般に「太いタイやはグリップがいい」って言われているし、実際その通りですよね。でも、ここで注意したいのがその理由、そう、決して「太いタイヤは接地面積が広いから」ではないという事です。
物理学の法則に「風船のように内部を空気で満たした薄膜の空気袋を考えたとき、荷重が一定なら、接地面積は内圧に反比例する。」というのがありまして、それはタイヤに関しても同じことが言えます。つまり、「185/60R14でも195/50R15でも205/45R16でも車重とタイヤの空気圧が一定なら接地面積は常に一定=一緒」といいかえられるんですね。
太いタイヤの方がタイヤの中のベルトが太いので細いタイヤと比べてワッカとしての剛性(リング剛性)が高いんです。つまり、タイヤが太いので横方向には太く接地している反面、上から荷重がかかった時につぶれにくいので縦方向への接地長が短くなり、結局、接地面積自体は同じとなってしまうわけです。まあ、若干の違いがあるにしてもトレッド幅ほどの違いは無さそうです。


ということで接地面積はタイヤを太くしたとしても同じタイヤ構造であれば変わらないと言うことになります。(外径も同径の時)
じゃあなぜタイヤを太くするとタイムがあがるのでしょうか?それについても上記のHP様で

>答えは簡単。タイヤのトレッド下にあるベルトが、タイヤが太くなるほど太くなるため、平面的な捩れの力に対して強く、ゆがみにくくなるってワケです。そのため、太いタイヤのほうがスリップアングルがついた時に出すことの出来る力が高くなるって事だったんですね。

と書かれていました。
ベルトとはカーカスとかを指しているのだと思いますが、サイズごとに構造を変えるというより、縦長だったトレッド面が横長になることによって接地長が短くなり、トレッド面が歪みにくくなるというのが正しい気がします。


路面からの入力に対してねじれずにグリップできる=コーナリングパワー(CP)が獲得できるというメカニズムのようですね。


また扁平率についても

> 空気を入れることによってその内圧でサイドウォールがパンッと張ります。これによってタイアのサイドウォールに剛性、つまり張力剛性が生じるわけです。
 タイヤの扁平率を上げていくとサイドウォール部の上下長が短くなり、上下に潰されたように丸い形になっていく。形が丸くなっていくと、このタイヤの張力剛性は下がっていく。一方、扁平率を下げると、サイドウォール部がまっすぐ立ち上がるので張力剛性は向上していく。張力剛性があがると、タイアのサイド剛性、引いてはタイア自体のボディ剛性が向上するという事です。
 つまり、超扁平タイアはベルトが太くリング剛性が高いので輪っか自体は潰れない一方、サイド部の剛性が低いため中心がずれるような偏芯性が大きくなってしまうわけです。つまり、グリップがよくなる反面、操縦安定性などの初期レスポンスなどに問題が出てくるわけですね。


薄いタイヤの方が剛性が低いと言ってますね。確かに薄いタイヤにしたら空気圧を少し高めに入れろと言われるのも張力剛性を高めるためなのかもしれません。

つまりロープロ化すればするほど理論的にはレスポンスが悪いタイヤになってしまうわけですね・・・ただそうならないようにメーカーは低扁平のタイヤになればなるほどサイドウォール剛性を上げています。
計測頂ければと思いますが、16inchのタイヤより17inchのタイヤ単体の重量も重いことが多いです。


ただ上記では「ハイトが低いとサイドウォールが相対的に丸くなるから剛性が下がる」と書いてありますが、単純にタイヤのサイドウォール面積が狭くなって空気張力を得られる面積が狭くなるというのも一因だと思います。
(ちなみにホイールを太くしてタイヤを若干引っ張ってあげるとサイドウォールの丸みをなくすことができるので横剛性を確保できるみたいです。また理論ではハイトが高い方が剛性高いと言ってますがですがやっぱりゴムなので伸びる領域が広いとどうしてもタワみます。詳しくは次のブログで)

Sタイヤのサイドウォールが恐ろしく硬いのもCPを得るためには合理的な手段だったんですね。
ちなみに自分もテストに携わらせていたZESTINOタイヤもサイドウォールはめちゃくちゃ硬いです。硬すぎて自分で組みたくありません←
(路面追従性を確保する為にも、やみくもに硬くすれば良いって訳ではありません)






・タイヤの性能を生かし切るホイールサイズ

上記で引っ張るのが良いと触れましたが、実際どの位の太さのホイールにタイヤを組めばよい分からなかったので各タイヤメーカー様にインタビューしてみました。以下255/40/17サイズについての話の要点をまとめてみました。


>255/40/17の適正ホイールサイズは8.5-10J

ジムカーナなどの競技においてはその適正サイズの一番太い物に履かせるのが一般的。(この場合10J)

太いとショルダーが張って、トレッドが平らになるので引っかかるような限界挙動を示す。
逆に細い物に組むのはFFのリアなど。サイドなどで引きずる時に引っかかりをなくしたような挙動を示す。また乗り心地的には細いホイールに組んだ時がソフトになる傾向がある。また0.5Jホイールサイズを変えるとタイヤの最大幅(トレッドじゃないですよ)は5mm程変わっていく。 (D,B,Y各社へのインタビュー)


やはり限界自体は太いホイールの方が上がると言うのはメーカーでも公言しているわけです。

ただしタイムは扱いやすさの「バランス」なので上限いっぱいのホイールに組んでしまうと色々影響がでてきそうですよね。GTカーのタイヤを見ても引っ張ってる車なんて見ないので255であれば9か9.5Jあたりに組むのが良いのかな?










・番外編-タイヤの乗り心地!?

ちなみに上で触れた乗り心地についてですが、時々自分の車に乗っていてそんな大きな段差じゃないのに「ここの段差だけはやたら突き上げが激しいな?」と思ったことはないでしょうか?少なくとも自分は大学生の頃の通学路に2つありました。

これについて調べてみると、タイヤ屋さんはちゃんと実験しているのですね。
ラジアルタイヤを上下方向にハンマーで加振すると約80Hzにピークをもってトレッドが共振するみたいです。
また接地して荷重をかけた状態でトレッドを前後方向に加振すると約10~80Hzの広範囲で共振する報告がありました。(走りを支えるタイヤの秘密 より)


>タイヤの接地長を21cmとした時、ここを路面の突起が通過する間に1.5回周期が訪れるため、共振80Hzになるのは約40km/hとなり、この時の上下方向の衝撃が最大となる

つまりタイヤの共振数と一致してしまう速さで決まった入力の突起を通過すると、そのタイヤにとって最悪の乗り心地が得られる場所と化すわけですね。
ただ乗り心地についてはタイヤだけじゃなくてサスペンション等の共振なども加わってくるので実際にはズレますが・・・。あくまでタイヤだけで考えた場合です。





理論的に太いタイヤにすると平面的ネジレ剛性が上がることでCPが得られることは分かりました。またサイドウォール剛性も重要ということも。


でもそれ以外のCPが上がる要因はないのか?



長くなってしまったので今回はこんな所。次回は意外と見落としがちな「あの」違いについて考えてみます。



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2022年5月10日火曜日

タイヤのグリップについて考察

タイヤは漠然とグリップするゴムとしか捉えられてないことが多いですが、どうすればグリップが上がるのか考察してみた記事のリライトです。


まずタイヤの機能とはなんでしょうか?


「走る、曲がる、止まる」が一般的な解答でしょうか。



「走る、止まる」はまっすぐ進む分においては単純に荷重とタイヤの摩擦係数によってその性能を左右されます。

しかし「速く走る」上で重要なのは、もちろんまっすぐが速い=パワーがあることも重要ですが、「曲がる」性能も大事です。

一般的にハンドルを切れば曲がると思います。この時車の進行方向とタイヤに横滑り角(スリップアングル、θ)が付きます。

この時タイヤの回転面に直角な力を横力と呼び、車輪進行方向に直角な力をコーナリングフォース(CF)と呼びます。


楕円がタイヤです。

まずCFは荷重をかけて行けばかけて行くほど上がっていきます。皆さんコーナー曲がるときにブレーキで前荷重作ると曲がるはずなのでイメージしやすいと思います。



ここで注目したいのが、横滑り角8度ぐらいまでは直線的にあがりますが、そこからだんだん飽和していってしまってます。ちなみに400kgの荷重だと、立ち上がり6度ぐらいまでは300kgより低いと言うのもミソです。

更にスリップアングルが増加するにつれて増えてくるCFの割合を示す、つまりスリップアングル1度あたりのCFをあらわした値をコーナリングパワー(CP)と呼び、データ化したのが下図です。


以上から、荷重を一輪にかけるのは400kg以内(サイズによって変動)に収めると良さそうですね。
(そしたら荷重移動を減らして四輪に分散させれば良いのですが、そちらは少し以前に触れてみたりしました。しかしタイヤの話からはみ出してしまうのでまたの機会に。)

また一部のFFやAWDを除き普通の車のタイヤ切れ角は30~40度ぐらいですから、ハンドル操作が半回転以内であれば効率良くCFが得られることになります。そして16度(ハンドル操作約1回転)ぐらいで飽和してしまい。それ以上切ってもCFを得るにはあまり意味が無いことになります。



またよくサーキットなどで空気圧を調整したりしますが、理論的に空気圧があがれば耐荷重も増え(ロードインデックス)、コーナリングフォースも上昇します。
ただ実際には無限に増大するわけは無く、空気圧が上昇しすぎるとトレッドの接地長が減少するため限界が訪れます。


こちらもタイヤの構造によって左右するので、サーキットでそのタイヤを使っている方のアドバイスを受けるのが一番だと思います。



その他にキャンバーをつける事でCFを得ることも可能です。




上図より切れ角4度ぐらいまではキャンバー0、むしろポジキャンの方がCFが得られているのでレスポンスが良いことになります。
しかしピークCF値を獲得できているのは、ネガティブ側に4度です。
実際キャンバーをつけるとコーナーの奥で踏ん張ってくれるようになりますが、逆に付けすぎると縦方向の踏ん張りがなくなってしまい、自分の車で実験してみると同じコーナー、同じ踏力でフロントロックするようになりました。



と言うことで付けないよりは付けた方が良さそうですが、4度以上付けるのはたとえFFであってもやめた方が良さそうです。
ちなみにドリフトだとカウンターを切ったときに外側のタイヤがキャスターのせいでポジキャンになってしまうので、6度とかつけてもカウンターステア中の実キャンバーは起きてくるのでナックルによりますが寝かせ気味ですね。




今回速いコーナリングをするためCF、CPがどのように得られるかまとめてみましたがまだまだ要素はあるようです。
タイヤを太くしたり、外径を大きくしたり・・・。
でもそれらは本当に意味があることなのか?全日本ジムカーナやGTカーで逆にサイズダウンして早くなったという話を聞いた事もあります。
長くなりそうなのでまた次回に。

(荷重移動とステアバランスについて記事を書きました。



(図は自動車の運動と制御第二版より引用)