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2024年12月29日日曜日

Cd値の改善(より水温の保温)

 以前コチラの記事でも書いたように、フロントバンパーの開口部を少なくすることで、一般的に空気抵抗を下げることが出来ると言われてます。

一方、富士ぐらいの直線があるならいざ知らず、おそらく普通の速度域ではむしろ街乗りにおけふオーバークール防止ではないでしょうか?


寒ければ暖房をつけると思いますが、EVや一部のHEVを除いて基本的に車の暖房はエンジンクーラント(冷却水)を使って車室を暖めています。



ショート動画を見つけたのでご参考。

なので冬場、エンジン掛けたては勿論、10分走ったぐらいだと暖房は全然効かないですし、アイドリングストップ車は暖めるためにアイドルストップしなくなりますし、ハイブリッド車もエンジン停止回数が著しく減って燃費が悪化します。

よってCd値改善の効果もあるとは思いますが、こんな感じでラジエターの穴を塞いであげると冬場の燃費がかなり改善します。



元々見えているラジエターを



こんな感じで耐光性のあるポリカ等の板で塞ぎます。(全部塞ぐと冬場といえどオーバーヒートしてしまうかもなので、半分ぐらいに留めといた方が良いです。OBDから水温見れる方は見ながらが良いと思います)

また最近の車はADASセンサーがバンパーやグリルに付いている車もあり、その場合バンパー外してしまうとセンサー初期化等、面倒なので外側から簡易的に塞ぐやり方が良いと思います。


ポリカ板をちょうど良い大きさに切り、ナンバーを外し、後ろにスポンジテープをつけて密着性を上げつつ、バンパーに傷つかないようにしました。
(この車はバンパー外しても問題ない車ですが、内側含めポリカ板止めやすいところが無く、結局こうなりました。。。)


効果として、同じ測定条件でやっていないので定量的な比較ではありませんが、23km/ℓだったものが26km/ℓになったので13%程向上してますね。
以前取り上げた記事内に出てきたグリルシャッターの会社も「約9%向上する」と実験結果を記載していた事から、効果シロとしてはこんな感じなのでしょう。

ちなみにクーラントの水自体の熱吸収率を上げることにより、水温上昇しやすくなる添加剤が販売されています。


この商品を用いることで暖気が10分→7分まで縮まり、北海道等の寒冷地ではカー用品店とかでも普通に陳列されている添加剤のようですね。


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2023年2月23日木曜日

タイヤ周辺の空力について考える

車において一番空気の流れを乱すのはタイヤと言っても過言ではなく、以前触れたようにメーカー純正状態でタイヤストレーキやフェンダースリットといった機構が付くようになってきました。



フェンダースリット。効果についての詳細は以前の記事をご確認いただければと思いますが、ようはバンパーで取り込んだ空気をタイヤの外側に流すことでタイヤハウス内の空気を引き抜く作用をしているものです。

これまではいかにタイヤハウスの空気を「車の外」に出すかが重要と考えていましたが、乱れた空気は「車の下」に追い込むことも大事なようです。




こちらのページ様によれば、タイヤによって発生した渦によって車体側面や背面の負圧領域が増えないよう、タイヤストレーキ等で車体内側に空気を追いやることが大事だそうです。

そう言われればタイヤストレーキって純正状態では正面から見ると内側にオフセットしている車が多いですよね。



画像はコチラのページ様から。
赤印つけたタイヤの外側にはストレーキがなく、内側へ少しナナメに取り付けられています。

ここまで見てきてフェンダースリットで外側の流速を上げつつ、乱気流は車体下面に押しやることが重要と分かりましたが、現代の車はどうなっているのでしょうか。

90スープラをみると面白い構造をしています。



こちらのページによればスープラではエアカーテンをタイヤハウス内側に設けて乱気流を車体内側に抜こうとしているようですね。

と言うことでエアロダイナミクスは年々進化しているので動きが面白いですね。
ジムカーナや低速サーキットでは効果が薄そうですが、高速サーキットでは効果がありそうですのでダウンフォースは増やせなくても抵抗を減らしたいと考えている方にはヒントになるかもしれません。
久々の考察シリーズでした。


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2020年12月14日月曜日

ダウンフォースとタイヤの耐荷重について考える

近年CFD解析技術が上がってきたという事もあり、一昔前では考えられないぐらいダウンフォースが増えています。 
特にサーキット走行される方は大きいGTウイングを付けたり、車体下面をフラットにしたり、フロントバンパーに「アゴ」を付けたりといったことをすることで飛躍的にダウンフォースが増えていると思います。 




 こちらはアンダー鈴木選手の車両。ダウンフォース凄そうですね。


 一方でダウンフォースが増えるという事は、タイヤへの負担も増えるという事になります。 
以前ストレートでまっすぐ走っているだけなのにSタイヤがバーストした事例がありましたが、考えられる要因として「何か鋭利なものを踏んでしまった」、「たまたまハズレのタイヤだった」もしくは「タイヤの設計耐荷重をオーバーした」あたりが考えれます。
 鋭利なものを踏んでしまった、たまたまハズレだったのはどうしようもありませんが、ストレートで車速が伸びている時が一番ダウンフォースが発生する=入力が増えるので「ストレートにおいてタイヤの設計耐荷重をオーバーした」という可能性は否定できません。 


ただしこの事例はかなりダウンフォースがかかるサーキット車両に限られた話なので、一般道を走れる改造車レベルであれば心配する必要はほぼありませんが、荷重が乗った状態で縁石を踏む場面では、昨今のハイグリップタイヤはグリップが上がっているのに耐荷重の表記はそんなに大きくなっていないので普通の車でも危ういかもしれません。 

タイヤの耐荷重&スピード表記


解決策としては一輪にかかる荷重量を減らす≒荷重移動量を減らすことになるので、王道に帰結してしまいますが「車高は低く(重心を低く)」「車幅を広く」「軽量」であることが、より求められるようになるかもしれませんね。
 (荷重移動を減らす、については以前のブログをご参考に)
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2020年7月9日木曜日

タイヤディフレクターについて(空気抵抗低減)

空力というと「ダウンフォース」とイメージしがち(少なくとも自分は)ですが、「空気抵抗」もとても大切な要素になります。
最近の車はだいたいついていると思いますが、タイヤの前にこんなものがついています。


タイヤディフレクターと呼ばれ、タイヤに空気が当たらないようにし、正圧領域を減らすことでタイヤの空気抵抗を低減し、燃費に寄与するもの。
ほぼ全ての自動車メーカーにおいてついていることからもわかるように、効果もあるのでしょうね。

ただ車種によって空気の流れ方だったりタイヤサイズも違いますのでベストな形と言うのは千差万別かとは思いますが、無いよりはマシでしょうという事でDIYでつけたのが上の写真です。

塩ビパネルを加工して作成しました。
正直これで抵抗が減ったかと言われるとわかりませんが、雨の日を走ると目に見える形で現れたりします。


これは一般道のみ走行した際の後輪前につけたパネル。
結構大きめのゴミが付着しており、パネルがなければこのゴミが吹き飛ぶほどの風(空気)がタイヤにあたっていた事になります。
きっと高速道路を走行すれば燃費に現れるぐらい寄与するのかもしれませんね。
勿論サーキット走行する方も、最高速が伸びる可能性もありますね。

という事で燃費改善やサーキットの最高速を伸ばすのであれば、数百円で出来るのでディフレクターチューンというジャンルが出来てもおかしくないかな?と個人的には思いますが、カッコ悪いので流行らないかもしれませんね(笑)
また塩ビパネルだと縁石や飛び石で割れることがあるので、出来れば柔軟性のある素材で作りたい所です。
(実際写真のパネルもすぐ割れてしまいました。。。)



他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
Is tire deflector effective for air resistance??

2020年2月16日日曜日

ボディコートで低速域での空力!?(GRエアロスタビライジングボディコート)

空力と言うのは大雑把に言うと速度の二乗で効いてきますから、ウィングなどをつけることで質量が増えることなくグリップを増大させたりすることができると強い武器になります。
逆に低速域ではほとんど意味がないことから、空力よりはメカニカルグリップに頼るしかありません。

ちなみに以前のブログでふれたファンカーであれば低速でもダウンフォースを手に入れられますが。。。。


ところがトヨタのGRからこんな製品がラインナップされたという記事を発見しました。



ボディに塗るとことで帯電をコントロールできるという商品。
確かに帯電をコントロールすることで空気の流れが変わることは事実だとは思います。以前アルミテープを車体に張り付けることで帯電をコントロールする商品も同じくGRからリリースされていた記憶があります。

個人的に気になるのが上のTweetでも触れましたが、こちらの記事の後ろの方にあるこの写真


こちらの写真を見ると、スラロームで1車身弱差がついている結果を示されています。

例えば富士スピードウェイのストレートのような高速域であればちょっとした空気の流れの差で1車身ぐらい変わってくるというのであれば理解できますが、パイロンスラロームでこれだけの差(車速を考えると0.2~0.3秒ぐらい?)が出るというのは素人目には信じがたい効果ですね。。。


もしこれだけの効果があるのであればジムカーナやショートサーキットでもタイムに影響がありそうですが…実際どうなのでしょうね?
帯電とは違う視点ですがSUBARUは塗装表面をザラザラにした方が空気抵抗が少ないと言っていたこともありますし、素人には検証難しいですね。。。


関連記事などは↓の関連ページや検索等からご参照ください。

I found the review of GR AERO STABILIZING BODY COAT. Is that effective for lap time??

2020年2月10日月曜日

フェンダースリットによる燃費(空力)

街乗り車として導入したフリードにこんな穴が開いていました。


フェンダースリット?という名前だそうで、場所はフロントのインナーフェンダー前側です。

調べを進めてみると、前から吸い込んだ空気をここから排出してエアカーテンを生成することで、タイヤの乱気流を抜くこと(抑制する)が目的のようです。


こちらのページを参照しています。


タイヤは走行中の車において空気の流れを乱す一大要因ですので、タイヤ周辺の空気の流れを変えてあげると燃費の向上が望めます。モータースポーツで用いられるカナードはタイヤの頂点になる正圧付近の空気を抜出すことがメインですが、同時にダウンフォース(≒ドラッグ)が発生するので燃費を良くすると言う目的には合いません。

燃費向上のための代表的な空力部品としてタイヤストレーキと呼ばれる、タイヤの前についているフィン


こんなやつを付けることでタイヤに当たる空気量を減らすことは15年ぐらい前の車?から採用されています。最近はどのメーカーでも採用しており、タイヤへ当たる空気の流れを制御するのは燃費に効果的と言う事は間違いない事実となっています。
ホンダはタイヤストレーキにとどまらず、エアカーテンを併用することで空力改善しようとしているみたいですね。(BMWとかも採用してますね)

ただこの構造だとフェンダースリットはタイヤより外側へ空気が抜けないと意味がないでしょうから、ホイールを社外にしてオフセットをツライチにしてしまうと走行抵抗になってしまいそうです。
MAZDA3などのマツダ車でもフェンダースリットが設けられていますが、純正でかなりツライチを攻めているのでスリット出口を外側に傾斜させているのでしょうか?




ちなみに以前も触れたようにS15シルビアのOPバンパーについている穴


コチラも日産が狙っていたかどうかは別にして、ここから空気が排出できるように小加工したら燃費が目に見えて改善されたので、フロントタイヤ周辺の乱気流の引抜きに効果はありそうです。
下手ににカナードをつけるよりフェンダー内で整流できるのであればこちらの方がスマートですね。

アウトバーンを走る欧州車はインナーフェンダー内に空気を流すことでタイヤの正圧を減らそうとしてますし、富士とかの大きなサーキットを走られる方でレギュレーション上許すのであればカナードでは無く、インナーフェンダーを加工してみるのも最高速が伸びて面白いかもしれませんね。
そのうちインナーフェンダー内に流す空気による乱気流抑制についての文献をまとめて、ブログを更新したいと思います。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

Recently, HONDA car's has fender slit. Is that effective for fuel consumption?

2019年8月23日金曜日

低速における車のダウンフォースの獲得

モータースポーツをする上で無視できないのが空力です。

この空力によってF1などでは大きな差がつくのはご存知の通り。一般車のように1Gではなく3Gぐらいタイヤに掛けることが出来るので速いコーナリングが可能な訳ですね。



でも低速コーナーやジムカーナにおいてはどうだろうか?




空力はジムカーナのように速度域が低いことや、空力を得るには車高が高すぎるためほとんど頼ることが出来ないので車の基本的な性能だけで勝負が決まることが多いです。
だからこそ全日本選手権レベルになると、ドライバーの腕の差が少ないのに車の性能差があると勝負にならないため、そのクラスに出場している車種がみんな一緒になる(一部例外アリ)わけです。

ということで基本性能を上げていくことが今後弄っていく上で重要なファクターですし、ジムカーナだとみんなそこをどうやってレベルアップさせて1Gを使い切るかに躍起になるわけです。



では基本性能だけで本当に空力に頼ることが出来ないのか?




それこそ他人がやっていない低速のダウンフォースを味方に出来れば大きなアドバンテージになるはずという安直な発想から考えてみました。


ここで話は戻りますが、そもそもダウンフォースはどうやって発生するのか?


ダウンフォースとは逆に揚力の話ですがwikiによれば

>揚力は、物体が流れを変えた事で生じた圧力差により、その反作用として生じる。 上図のように、平板が流れに対して斜めに存在する場合、流体は平板に沿って流れる。平板の下面においては流れと平板が衝突する事によって、平板の上面ではコアンダ効果によって流れが平板に引き寄せられる事によって、流れの方向が斜め下向きに変えられる。流れが上下非対称になり、平板の下面より上面の方が圧力が低くなる。(上図において、流線の間隔が詰まっていると圧力が大きく、開いていると圧力が小さい事を示している。但し、流線の密度が常に圧力を表しているわけではない。)その圧力差によって揚力が生じる。


らしい。つまり物体を挟んで上下の圧力差を作って、圧力の低いほうにその物体が引き寄せられるという物。
F1のウイングなどではこの作用を利用し、ボディ下面ではグランドエフェクトを得ています。
グランドエフェクトとは、調べると連続の方程式(断面積が狭ければ流体の速度は上がる)とベルヌーイの定理(流体の速度が上がれば圧力は下がる)によって発生するものらしい。
だからGTカーなどは車高を低くして断面積を狭くし、流速を上げてボディ下面の圧力を下げてやることによってダウンフォースを得ることが出来るみたいです。



でもこれは上にも書きましたが、あくまで車高が低くて速度が速くなければ獲得することは難しいのです。



じゃあここで発想を昇華させて。強制的にボディ下面の圧力を低くしてあげたらいいのではないのか?
実は自分のこの疑問を実行している人達がいました。それは
「もしこの世にレギュレーションなど存在せず、サーキットにおいて最速の車を作るとしたらどうなるのか?」という考えのもとつくられたのがこの車。(といっても結構前)


レッドブル X2010-X2011


これはGT5(ゲームです)の架空世界の車ですが、現在の最先端のテクノロジーを結集して出来た車だそうです。
この車は以前話したように乱気流を発生させるタイヤにはカバーをしたりウイングを可能な限りバランスを見ながら大きくして、レギュレーションに縛られずセオリー通りの事をとことんやっています。(ちなみにニュルブルクリンクでF1より20~30秒速いそうです!!)

中でも自分の疑問に対する答えが


コレ。一昔前にはファンカーと呼ばれて出場した試合ではあまりにラップライムが速すぎて即座に出場停止となった仕掛け。ちなみに2010年モデルから2011年モデルではより効率の良いファンへ変更しています。
何をしているのかというと、このファンによって強制的に下面の流速を上げ、かつ空気を抜き取り圧力を下げることが出来るので走っていなくてもグランドエフェクトを発生させることが出来ます。これによってこのマシンは理論上スペースシャトルの離陸を遥かに凌ぐ8.25Gのコーナリングができるらしい!?
実際にあったらドライバーの気力が持ちませんね(笑)

結局言いたかったことはこのような反則ワザを駆使すれば低速においても空力を味方につけることが出来る!?と言うことでしょうか。


しかしこんな感じのファンにエンジンの動力を伝える構造は個人レベルだと製作不可能です・・・重くなりそうだし。
一方で効果は圧倒的に落ちますが簡単な構造で強制的にボディ下面の圧力を下げる方法はあるのでやってみようかな?と考えてます。(体感できるほど効果は無さそうですが…)




プラスしてGTウィングやダウンフォースにはならないですがプリウス等で採用されているグリルシャッターの方が効果は簡単に体感できるかもしれませんね。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

How to get ground effect(downforce)?? Is it get at slow range of speed??

2019年6月15日土曜日

車体前面の空力(正圧と負圧)について考える

先日ジムカーナをしに富士スピードウェイへ向かう道中、霧雨が降っていました。

雨の日というのは水の流れを見ることによって車の表面の空気がどう動いているのか見えるので走っていて楽しいです。
ちなみに空力解析するとこんな感じで車表面における空気の圧力は分散しています。


35GT-Rの空力解析の拾い画像。


さらに普通の雨ではなく霧雨というのは車の表面の空気の流れを見るとき、結構参考になることが多いです。

これを検証すべく、たまたま時速90~100km/hぐらいで高速を走行してすぐパーキングに入れたので写真を撮ってみました。
なお携帯の画像なので残念な感じですが。。。


画質が悪くて申し訳ないですが、拡大してみて頂くと水の流れがよくわかります。。。。。。はい、わからない人の方が多いと思うので図示します。






ボンネットの前側から中央ちょっと後ろぐらいまでは水が流れているのがわかります。(赤いライン)
そして一度赤いラインが途切れて緑の〇をつけたところはまばらに雨が付着しています。
そして一番奥の窓に近い部分(青い〇)はほとんど雨に濡れていません。


ボンネットの中央あたりまでは風が流れているが、緑のあたりで風がたまり始め、青い部分では風が巻いて空気が溜まってしまい雨が到達できていないということかと思います。




次はフロントガラス。写真撮るからワイパー使わなかったのに写っていないのが悔しいところです。




ワイパーがあるというのも大きいと思いますが、ボンネットの奥の方と同じく空気が巻いてしまって緑の部分はあまり濡れていません。
逆に青い部分は雨に濡れて流れもできています。





最後にサイドウインド。
シルビアやインテグラを始め、クーペボディの車は窓を開けても全然が涼しくない(風が入ってこない)のが霧の日だとよくわかります。





図で青い〇で囲ったところが濡れて、中央あたりは全然濡れていません。
ドアミラーの後ろはフロントガラスから巻いてきた空気の渦が当たっている感じです。
その後ろは逆に空気が剥離して雨が当たってない=窓を開けても運転手に風があたらないというのがわかります。


ということで35GT-Rの解析結果と同じような圧力分散が起きていることがよくわかります。

じゃあどうしたらいいのかということになりますが、例えば「ボンネットの後端部分が正圧だからそこにモールをつけて整流」ということをやると、もしかしたらその部分は良くなるかもしれないですが、空気渦が変化してサイドガラスあたりで正圧が発生してしまったり、と言うことがあるので車全体で見たときのドラッグが減ったのかを考えないとあまり意味がないかもしれませんね。

最近読んだ論文だとマツダが発表しているCX-9の空力に関する論文が面白いので興味ある方はぜひ読んでみてください。
今回は触れませんが、車の後部に発生する一番大きな負圧領域を減らすand利用する空力も考えていかないといけないので難しいですね。



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


This blog considered about "How to realizing aerodynamicsdrag reducing??"

2019年5月18日土曜日

GTウィングの効果について

先日こんな記事を見つけました。




鈴鹿サーキットにおいてGTウイングの有無で4秒の差が出たとする検証。

やはりこれだけの効果が有るとウイングを付けたくなりますが、3速位までのジムカーナやショートサーキットに置いては、全日本選手権を見ている限りでは違いは感じられないですし、自分自身も有無での違いは分かりませんでした←


強いて言える事があるとすれば、高速の燃費が1〜2km/l悪化する事ぐらいでしょうか。

鈴鹿サーキット本コースや富士スピードウェイ本コース、岡山国際サーキットを走る機会があれば、以前記載したグリルシャッターの効果とあわせて実験してみたいですね。



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

Is the GT wing has effective for lap time??

2019年4月23日火曜日

車の表面(マット塗装)の空気抵抗


空気抵抗に関するこんな記事を見つけました。




車の表面をザラザラに(マット塗装)にすると空気抵抗が下がるというもの。
得に空気抵抗がある箇所なのか、ミラー、ルーフ、フェンダーあたりはザラザラの凹凸を深くしてより抵抗を減らす工夫がされてあるらしいです。

調べを進めてみると、実は飛行機においてこのサメ肌塗装をすることで空気抵抗が減り、燃費が1%改善されたという記事を見つけることができましたし、2019年においてはフェラーリがF1で導入しているようですね。


ただ単純にマッド塗装すればいいだけなのか、それともザラザラにも種類があるのかは気になるところですね。

2019年2月2日土曜日

風洞実験装置とエンジンベンチ室等の見学

先日は浜松(正確には磐田)にあるモンスター静岡磐田にて行われた工場見学にお誘いいただき、行ってきました。
目的としては同社がもともとスズキスポーツだった頃からある車のための「風洞実験室」、「エンジンベンチ室」、ドライカーボンを焼くための「真空窯」の見学です。



見学開始が13時からで、かつサーキットに走りに行くわけでもないので体力も気にしなくて良さそうだったので下道にて行ってみました。
5時過ぎに自宅(ほぼ千葉県)から都心を抜け、246を南下。御殿場あたりで7時過ぎですっかり明るくなり。


富士山が良く見えました。
裾野を超えて1号線に入ってからはバイパスになっていて、清水のあたりでの道路工事による渋滞以外は半分高速道路みたいな感じで進めました。


藤枝ちょい手前の宇津ノ谷峠にて休憩。
思い返せばここ以外で休憩してない。。。

その先もわりとサクサクと進み、11時30分ごろには現地着。


バイパスに乗ってしまえばクラッチ操作もないので、下道移動でも割と楽に進めますね。
先日も日光まで下道でしたが、慣れちゃうと高速使えなくなってしまいます(笑)


同日は「蚤の市」と呼ばれるイベントでアウトレットセールが開催されてました。


13時になっていよいよ工場見学ツアーの開始です。
まずはエンジンのポート研磨を行う専門の部屋から。


ポート研磨専用の部屋があることにも驚きですが、何名も作業ができるスペースがあったのでピーク時は結構研磨作業があるのかもしれませんね。


研磨室の横にはカプチーノもありましたが、ポルシェもエンジンが下ろされ何やら開発されてるご様子。


続いて見させていただいたのは、駆動系関連の検査及びポートの空気流入量測定する部屋。




こちらの磁気探傷装置を使うと、クランクシャフト等の金属の見えないクラックを可視化することができ、OHで再使用してよいのか判断できる機械だそう。
普通のショップは細かなクラックチェックが出来ず、気が付かないまま組み上げてブローすることもあるんだとか。



その横にはフローベンチとよばれるポート空気流入量を測定する機械。
カムシャフトのプロフィールを変えてバルブリフト量を増やしたとしても、ポート形状が悪ければ空気が入らない=意味がないので、ポート形状を最適化するためには測定して形状を決めるのだとか。



WRCやパイクスピーク等でバルブサイズが規定されている場合は特に、空気が入りやすいようにポート形状を決め、実際に空気が流れるか計測しながら開発してきたそうです。





続いてエンジンを組むための恒温室。1年中20℃に保たれ、バルブクリアランス等の値を正確に測定しています。


ここで組み上げたエンジンをお隣にあるエンジンベンチ室で回してチェックを行うそうです。


当日は搭載されていませんでしたが、ここに載せて求められるパワーが出ているかどうか、組み上げたすべてのエンジンを確認しているそうです。
全国のモンスタースポーツで受注したコンプリートエンジンやOH依頼されたエンジンは全てここで組み上げとベンチテストを行ってから返却されるので、慣らしもいらないそうです。


その後は風洞実験室へ。
実験台に載っていたのは33スイフトで、モンスターの新作エアロを装着した車両。
実際に回したところを撮影させてもらえました。



これでcd値などを測定したり、ダウンフォースなどを加味してエアロ形状を決めているそうです。高い値段はしますが、効果があるエアロになっているそうです。
その他にもWRCマシンやGTウィングも様々な形状のモデルがありました。
国内でも風洞実験ができる施設はあまりないですから、色々なところから試験委託されるのでしょうね。

その後エアロの開発部屋を視察させて頂き、最後にドライカーボンを焼くための窯を見せてもらいました。
写真は撮れませんでしたが、バンパーやボンネット、ウィングなどが焼ける国内でも中々大きいオートクレーブでした。


帰りは夜に予定があったので高速にて。
高速使っても3時間半ちょっとかかったので、下道より2時間ほど短縮という感じで終了。




下道と高速の半々でしたが、燃費は23.6km/lと中々の数字を記録。


EFエンジンのL700も古いですが中々優秀ですね。
また変更した現在のギア比だと70km/hあたりで走れれば26km/lはいけそうな気がします。

次はホイールとかの工場見学してみたいですね。

2018年9月14日金曜日

フロービズについて

フロービズについて


今回も空力に関わる、フロービズという単語。自分は知らなかったので調べてみました。

サーキット等の高速で競技をする際に有効なのはダウンフォースをはじめとした空力ということは現代では当たり前になってきました。
一般道を走っている一般乗用車ですら、車体のどこかに空力に関与する部品や造形をしてますし。


トヨタのアクアではこのようにパゴタルーフにすることで空気抵抗を減らせるそうです。

この時、空気の流れがどうなっているのかを計測するのに一般的なのが「風洞実験」かと思います。


こんな写真を車好きの方なら見たことないでしょうか。
巨大な扇風機で風を起こして車にあてた時、どのような空気の流れになるか解析するものです。
煙を流してその流れを見る方法を「トレーサー法」と呼ぶようです。



ただこの施設を借りるには、ネットで調べてみると1時間あたり200万~500万もかかるようで、個人やアフターパーツの開発ぐらいでは到底手が出ません。。。


そんな時皆さんがやられるのがボディに等間隔に糸をつけたりして風の動きを観察する「タフト法」と呼ばれる方法です。

こんな感じでボディに糸を貼り付けます。

手軽に空気の流れが見れますが、外から下の動画のように撮ってもらうか、個人でやるのであればGoProなどを車体に張り付けて常に糸の動きを録画しないと解析することができません。



そこでもっと手軽に見る方法がないか?と調べてみると「フロービズ」と呼ばれる空気の流れを見る方法があるとのことでした。


こんな感じ。
風の流れを可視化するため、流れやすい塗料をボディに塗るという方法です。
F1でも用いられているようですので、ちゃんと測定条件を揃えられれば個人でもエアロパーツ(カナードなど)による空気の流れの変化を測定することが出来そうです。

特に空力的に邪魔となるタイヤ周りの空気の流れをどうするのかというのがハコ車の悩みですが、これを使って測定し、カナードやフェンダーの造形によってどのように変化するのか測定してみたいですね。


測定するためにはフロービズに用いる液体を購入する必要があるのですが、検索しても中々出てきません。
更に調べてみると、F1等で用いられるこれらフロービズペイントはパラフィンオイルに蛍光塗料を混ぜた物らしいです。

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こちらに蛍光塗料を適宜混ぜて使えば良いのかな?

参考にして頂ければと思います。




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