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2023年12月28日木曜日

Nankang CR-S V2コンパウンド Part2

以前の記事で、ナンカンのCRSはV2コンパウンドに変わった旨を記載しましたが、続きの情報が出ていたのでパート2になります。

私からも北米のデストリビューターに問合せしていましたが、いち早く台湾のNankangへと言わせされている方の記事を拝見しました。



上記の方の記事によれば、2023年の10週(3月上旬以降)以降に生産されたCR-SはすべてV2コンパウンドであるとのこと。

またV2コンパウンドは「熱ダレに強くなった」というメーカーサイドの見解だそうですが、以前取り上げた海外の方のレビューにおいても同じようなコメントが見受けられます。




コチラの方曰く、こんなコメントをされています。

「71RSに比べると少しラップタイムは早く、71RSよりもタレるまで2週長く持つ。温まった時のレスポンスも良好で、滑る限界領域も使いやすいが、他のTW200に比べて高価」
「温まりはRT660の方がはやく、AutoX(日本で言うジムカーナ)にはRT660の方が優れていると思うが、RT660はピークグリップは低く摩耗も早め」
「でも価格もTW200としては高め」

だそうです。

ゴムを変えたのか、はたまたケース設計を変えたのかまでは分かりませんが、サーキット周回用に熱ダレを抑制したということは、トレードオフとして温まりがV1よりは悪くなっている可能性があるかもしれませんね。

日本で最近購入された方のX(旧Twitter)における製造週のポストを見る限り、既にV2コンパウンドが日本にも入ってきているようなので、これから買われる方は安心して(?)購入できるのではないでしょうか。

上記については日本の輸入代理店であるオートウェイからも返答ありませんが、わかる事実として日本に導入された2022年3月ごろに比べ、約1.6倍の価格で現在は売られているようです。円安の影響もありますが、V2になった影響もありそうですね。

実勢価格は以下の各ネットショップで確認いただければと思いますが、かなり国産タイヤの価格に近付いてきましたね。。。

Nankang CR-S
インチサイズ価格
15
205/50R15
225/45/R15
245/40R15
17
245/40R17
255/40R17
275/35/R17
18
235/40R18
245/40R18
255/35R18
265/35R18
275/35R18
275/40R18
285/30R18
315/30R18
19
245/35R19
275/35R19
305/30R19
20
245/35R20
305/30R20
325/30R20





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2023年12月26日火曜日

LSDの仕組みと特性

最近LSDの特性に話題になっていた&問合せ頂いたのでリライトです。

LSD(機械式デフや機械式LSDと呼ばれる物)とはそもそも何か。下記の説明動画を見つけてきましたが、デファレンシャルギアで本来左右のタイヤの駆動を変動させるとことろを抑え込み、両輪に同じ駆動を伝えることで路面μが低かったり、荷重移動してしまっている状況でも車を前に進めることができる部品となります。



このLSDというのは0.01mm単位でフィーリングが変わる代物ですから、精巧な製造技術が求められます。さらに瞬間的にすごい力がかかる場合もあるため、強固な素材・設計である必要があることから、製造できる会社というのは国内で限られています。

国内のメーカーとしてLSDを販売しているのは

・CUSCO
・OS技研
・KAAZ
・ATS
・IKEYA FORMULA
・TRDやNISMOなどのメーカー系


こんなところでしょうか。
一般的なLSDの構造は下記の図を参照ください。


このようにケースの外側にあるコーンプレートが圧力をかけ、プレートを押し付けることでイニシャルトルクを決めています。駆動力が伝わることで真ん中のクロスシャフトがプレッシャーリングを押し広げ、プレートが密着し、左右の回転差がなくなるという仕組みになっています。

この代表的な構造に最初に大きな改革を起こしたのがCUSCOと認識しています。

CUSCOのRS



このように、今まで外側から圧力をかけていたのを内側からスプリングがプレッシャーリングを押し付けています。
動き方としてはプレッシャーリングがもともと内側から押されてロック気味と言うこともあり、リニアに(すぐに)ロックします。
良い言い方をするとレスポンス良くロックと言えますし、悪い言い方をすると滑り領域が少ない(過渡期のない)ロック特性と言えます。
ショップや走るステージによって意見は異なりますが、FFや4WDだとこのRSのようにカツっと効く特性が好まれ、FRだとMZのような従来型のマイルドな特性が好まれるようです。

ちなみにRSをマイルドにするためにCUSCOではスペックFと呼ばれる、溝のないプレートを開発し、プレートが密着(ロック)しにくくすることでマイルドさを出せます。
ですがこの「過渡期」を作り出すのはプレート同士の摩擦力だけではありません。

これが4年ほど使用したCUSCOのデフケース内側です。



外爪プレートがデフケースに食い込み、くぼんでいます。(食い込み)
寿命と言われればそれまでですが、これだけ食い込んでいるということは、プレッシャーリングが押し広げられ、この溝にそってプレートが動かなければならないのに引っ掛かっかる、業界では「ヒスが発生している」と呼ばれる状況が発生しているということになります。
つまりアクセルONで駆動を入れても、プレートが素直に動けず、一定以上のトルクが掛かって突然動き出し、ロックするという動きがこの溝の部分に起因して出てしまいます。事実、このケースを開封する直前はコーナリング中にアクセルを入れるとある一定のところから突然ロックという動き方をしていました。



次に革新的な構造を作ったと認識しているのがOS技研。
これは上記のCUSCOのプレッシャーリングを外側に押さえつけるのとは反対に、プレッシャーリングを押しすぼめる方向にスプリングの力を利用しています。
つまりプレッシャーリングが徐々に広がるため、マイルドなにロック設定が理論上できそうです。


負荷をかけていない状態。


アクセルオン等で負荷が掛かっている状態。

こちらも購入して試してみたところ、アクセルを軽くONし、駆動力をかけても初期がロックしずらく、またロックし始めても滑り領域(過渡期)が広すぎてロックタイミングが遅い傾向です。感覚的にはプレートとプレートの間にあるオイルがプレッシャーリングに押されても排出されず、滑ってしまっている感覚です。
様々なスプリングレート、スプリングの本数を試し、セッティングを変更しててみても、改善はしましたが基本的な動きは変わりませんでした。当方からもオイルスルーの改善要望を出させて頂き、現在ではプレートの溝の切り方を変えられているようです。ちなみにケースが鍛造で出来ているので、上述したヒスは出にくく、製品品質は高いです。

また86やスイフトスポーツなどの車種限定で左右回転差感応式のプレッシャーリングのデュアルコアと呼ばれる構造を導入しており、片輪浮いているときでもLSD効果を得られるという特殊構造を有していたり、フリー方向のスプリングのおかげでチャタリングが少ないので街乗りメインや、過渡期が長いのでウェット路面では使えるかもしれません。
(イメージ的には強めのトルセンデフのよう?な感覚です)

ちなみに競技ユースだと自分がOS使う場合はバネ抜きにしています。



OSに加え、さらに新しい構造を投入してきたのがIKEYA FORMULAです。
ピロアームは有名かと思いますが、実はLSDも製造していたりします。


こちらはオーソドックスな外圧式のコーンプレートがいる構造ですが、プレートの爪がケースに接続されるのではなく、プレート専用の稼働用軸を配置し、上記したヒスがない設計となっています。
つまり滑り領域(過渡期)とロックのリニアさを兼ね備えた設計となっています。
根本的な構造は勿論、ロックプレートの設計や製造にもお金がかかっており、プレート一枚一枚の圧力の分散等を解析し、表面処理だけの開発だけでも相当手が込んでいるそうで、チャタリングのような圧が一瞬溜まってしまうような動きがしにくいです。
競技ユースでは一番理想的な動きをしますが、カム角の設定が少ないことや、そもそも設定がない車も多いのが悔やまれるところです。


ということでLSDは開発にどれだけ時間とお金を費やせたかで出来がかなり変わってくるようです。ちなみに以前LSDの製造元にフォーカスしたこともあったのでご覧いただければと思います。


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2023年12月13日水曜日

AE86のレストア部品続々

こんな投稿を見かけました。


レストアパーツ.comさんというサイトで、AE86の外装パネルを中心とした再販、開発が順次進んでいる、という内容です。




画像をよく見ると、バルクヘッドとフロアさえあれば、ドアやフェンダーは色々なメーカーからもでているのでAE86をボディレベルからレストアが可能になりそうですね。


もちろんサイドパーティーだけではなく、近年はメーカーサイドも再販部品が充実しており、AE86は現時点で駆動系を始めとして18部品が再販されているようです。





充実していますね。
あとはエンジン関連の部品が出てくればと言うところでしょうか。
(経年劣化が激しいドアモール等も気になる所でありますが。。。。)

いずれにしてもAE86ユーザーはドンドン維持環境が良くなっていきそうですね。



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2023年12月10日日曜日

カインズのオイルはVerity !?

X(Twitter)でこんな話題を見かけました。


製造元がきちんと明記されてて良いですね。
この三和化成工業というのは、自社ブランドとしてVerityという名で販売しています。
Verityは4輪は勿論のこと、どちらかというと2輪ユーザーが多いブランドのイメージです。


三和化成というのは以前、TAKUMIオイルの製造元の話をさせて貰いましたが、所謂「ブランド及びパッキング」されている会社さんで、かなり少ロットからPBブランド品のオイルを製造してくれている会社さんです。
カインズだけでなく、ショップオリジナルオイル含め、知らず知らずにお世話になっている人も多いのではないでしょうか?




上記とは別にTwitter上で「カインズオイル=Verityのラベル替え」のような書込みも見かけましたが、製造元が一緒でもブレンド内容が異なるので、性状(スペック)も異なるでしょうから早合点しすぎるのも気をつけた方が良いと思います。


とは言え、三和化成さんで作っていると言う事はオイルに求められる最低限の品質は担保されていると思いますので、その点に関してはカインズオイルも安心ですね。

もしレースユースで使われるのであれば、やはりそれに見合った(高温時の剪断特性、等)性能を持たせたVerityのRacingシリーズの方が良いと思います。

下手なPB製品よりも、自社でブランド、実験出来る会社さんのは品質検証がしっかりしているでしょうから安心です。



でも4輪の人で使ってる人が少ないのはなんででしょうか?


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2023年11月8日水曜日

ジャパンモビリティーショーのジムカーナデモラン

ジャパンモビリティーショー2023において、11/4のジムカーナデモランに出演させて頂きました。




ジムカーナデモランは以下の2つのプログラムで進行されました。
  1. 単走デモラン(選手・車両紹介がメイン)
  2. ツインデモラン(2台の走りを見比べてどのような走り方・車の違いでどのぐらい差がでるのか、ジムカーナの醍醐味を体感いただく)

ジムカーナは外から見た人に全日本選手の引き出しの多さや、巧みな技が伝わりづらいことから、ツイントライアル方式は分かりやすかったのではないでしょうか。
このAJGA選手会の皆様が考案されたプログラムは素晴らしかったと感じています。



このプログラムの中で、私自身は「普通の車」で「こんなことが出来る」ことをアピールすることを目的に、単走デモランでは出来る限り白煙を出すことで会場を盛り上げ、ツインでキチンとジムカーナ走行をして色々な走り方ができることをアピール、演出するよう心掛けました
(けして前日から「煙を出せ、煙を!」と言われたせいではない←)


と言うことでパイロンを小回りすると煙が出ないので、煙を出すべく大回りでグルグルした単走。



そして真面目にジムカーナ走行したツイントライアル。



同乗走行された方からは「すごいスピードでも走れるし、ドリフトのように魅せる走りも普通の車で出来ることに驚き」と言う、個人的に感じて頂きたかったことをコメントでも頂けて非常に嬉しかったです。


また走行後のプレゼント配布時に観客の方から「ヴァリノを初めて知った」等のお声も頂き、PRに繋がって良かったとも感じています。


私は都合上、2枠目からの出演でしたが、1枠目は相方であるチーム VALINOの下里選手にご対応頂きました。
その1枠目ではモリゾウこと、豊田章男会長がジムカーナについて語っていただく場面もあったそうです!



この日は約5,000人の方に観戦頂いたとのことで、多くの方にモータースポーツを身近に感じて頂ける機会になったのであれば、と願っています。



ご観覧頂いた皆様、AJGA選手会の皆様、チームVALINOの皆様ありがとうございました。
(主催HP等や告知については前回のブログをご覧ください)


2023年11月1日水曜日

Nankang CR-SのV2コンパウンド part1

TW200クラスの新しい製品としてナンカンのCRSがリリースされたのは記憶に新しいですが、コンパウンドが変更されたV2(2023ver)がリリースされた旨の情報を頂きました。


見る限りパターンはあまり変更なさそうですね。
ナンカンの公式からの発表はありませんが、海外の方が早速レビューしている動画があります。


コチラの方曰く、こんなコメントをされています。

「71RSに比べると少しラップタイムは早く、71RSよりもタレるまで2週長く持つ。温まった時のレスポンスも良好で、滑る限界領域も使いやすいが、他のTW200に比べて高価」
「温まりはRT660の方がはやく、AutoX(日本で言うジムカーナ)にはRT660の方が優れていると思うが、RT660はピークグリップは低く摩耗も早め」
「でも価格もTW200としては高め」

だそうです。
ちなみに日本の輸入代理店であるオートウェイにいつ頃V2が輸入されるのか確認したところ、まだV2になる情報すら掴んでいない感じでした。
(ので、まだ日本に入ってくるのは先になりそうです)
引続き情報入手出来次第連絡頂くようにしましたので、今回は「パート1」とさせていただきます。
(ハイグリップタイヤのTW一覧はコチラをご覧ください)

(2023.12.28)
続報がでたのでパート2にまとめました。

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2023年10月27日金曜日

ジャパンモビリティーショーでのデモラン

現在開催中のジャパンモビリティショー(JMS)、つまるところ旧称 東京モーターショーにおいて、デモランさせていただくことが決まりました。

ヴァリノワークスGR86

日程によってデモランされる方は変わりますが、ユウさんや西野さんを始め、そうそうたるメンバーが出演されます。(こちらのページで案内されています)



私自身は都合上、11/4、15時〜の1日程のみの出演ですが、よろしくお願いいたします。


2023年10月24日火曜日

机上ラジコン「ターボレーシング」

実車でのモータースポーツは勿論好きですが、子育てで土日も時間が取れない上に、諸々コストが高いので気軽に遊びにくくなっています。
そんな時はeスポーツでゲームは勿論良いのですが、子供と気軽に、しかも仕事後やスキマ時間で遊べるトミカサイズの本格ラジコンが販売されているのを見つけました。




名前は「ターボレーシング」

小さな子供がよく遊んでいる、いわゆる「トイラジ」と呼ばれるラジコンだと舵角調整もアクセル開度の調整もできませんが、本格的なRCになるとステアリングもアクセルもリニアにコントロールできます。
室内本格RCでメジャーなのは京商からリリースしているMINI-Zですが、こちらはミニ四駆サイズで、6畳~8畳程度のスペースが必要で、自宅で気軽に遊ぶには少しハードルが高いのが難点でした。

一方で台湾メーカーのターボレーシングはトミカサイズなのにリニアにコントロールできる本格RCで、机の上でも気軽に楽しめてしまうサイズです。



大きさはこんな感じ。
本体を置いている紙は無地の名刺です。
プロポ(コントローラー)も本格的なステアリングホイールタイプです。

机の上やフローリングでも楽しめますが、ネットで調べてみるとソフトマットを用いてコースを作るのがお手軽で楽しい、という記事を見かけたので、余っていたソフトマットを9枚使って楽しんでいます。



幼稚園児の子供が運転してこんな感じ。
上記記事でも「隙間テープ」を用いてコースレイアウトしていますが、同じコースだと子供があっという間に飽きるので、すぐにレイアウト変更可能な割りばしを養生テープ貼付で作成(見た目はよろしくありませんが。。。)

子供の成長はあっという間で、数時間練習したらこんなになりました。




子供には速度制限をかけて遊ばせていましたが、自分は速度MAXでトライ。
結構難しいです。(子供撮影)



充電はtypeCで40分と書いてありますが、実際は20分ぐらいで完了、30分ぐらい遊べます。




ちなみにターボレーシングは以下の種類があります

種類ボディメモ
C70ミニクーパーGEN1
C71RX-7
GEN2
C72エクリプス
C73スープラ
C74スカイラインGT-RC6シリーズベース
C61RX-7
ドリフト専用
C62エクリプス
C63スープラ
C64スカイラインGT-R
C81モンスタートラック大径タイヤ

GEN1が一番手頃で扱いやすく、最高時速も2km/h程度なので机の上でもOK
GEN2以上になると速すぎて出力制限モードでないと机の上で遊べません(;´Д`)


と言うことでターボレーシングのご紹介でした。
C70は実質7000〜9000円弱で買えるお手頃価格で、本格RCに触れられるのでありがたいです。