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2023年1月21日土曜日

断熱&放熱塗装について(HDP)

エキマニ等の排気系に塗装を施すことによって断熱できるものがあることを最近知り、効能について調べてみました。




株式会社三陽さんより

排気系に塗装することで断熱できるのでエンジン近くのホース類や配線系に熱害(劣化)がおきにくくなるのがメリットでしょうか。
またターボ車であればエキマニを断熱すると排気流速が落ちにくくなるので、以前は断熱材をグルグル巻いている車もありましたが、塗装でキレイに同じ効果が見込めそうですね。

一方でデメリットはエキマニの素材によっては熱の逃げ場が減るので、サーキット走行を繰り返すと割れやすくなる可能性がありますね。



逆の効果をもたらす放熱型の塗装もあるようです。




これはインタークーラーに塗装した例ですね。(少し黒っぽい)
金属の表面を伝熱性のよいザラザラの素材で塗装することで実行表面積を広げ、冷却効率が上がるという代物です。
三陽さんの結果だと同条件で32℃→25℃と、約20%ぐらい冷却効率が上がっています。
(フィンの奥まできちんと塗装しないと効果が得難いと思いますが、、、)

あとは塗料のベースに含まれる素材が銅系なのか、アルミ系なのかでも特性が変わりそうですね。(銅は自己放熱性が高く、走っていなくても放熱しやすいですが重い。アルミは風が当たると放熱してくれるが止まってると放熱しにくい)


これらの塗装は近年のJAF競技を始め、あまり改造が出来ないクラスのターボ車でちょっとでも差をつけたい方は効果的な手法かもしれませんね。

また他に使えそうな場所としては、ブレーキの熱害影響が大きい、タイヤの空気圧変動を少なくするためにホイールの内側に塗装を施すことで周回レースではタイヤマネジメントがしやすくなるかもしれませんね。(断熱した方が良いのか、放熱しやすくした方が良いのかは実験してみないとわかりませんが、、、)


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2022年9月13日火曜日

SR20エンジンの再生産

 東京の八王子にあるマーキュリーエンタープライズから嬉しい発表がありました。




SR20DETエンジンが再販されるというもの。
値段は小ロット生産でしょうから勿論以前よりは高いですが、中古で素性不明のものを買って苦労するぐらいならこちらの方が良いと思います。

態度の良い中古が手に入りずらくなってることからとても有難いことですね。
詳細は下田選手のYouTubeをご覧下さい。


2022年7月3日日曜日

GR86/BRZのFA24の初期不良?

街中でもよく見かけるようになってきたGR86とBRZがサーキット走行でエンジンブローした人を聞いたことがありましたが、もしかしたらこんな初期不良(?)が原因だったのかもしれません。







このような事例が何件か見受けられたので、たまたまと言う可能性も否定はできないですが、FA24エンジンの方でスポーツ走行される方は特に一度点検された方が良いかもしれ無いと思い、シェアします。 


(オイルパンのバッフルプレートを取り付けることがブロー回避になる、と言う話も聞いたことありますが、もしかしたらオイルパン外す際にガスケットを綺麗に取り除く作業がブロー回避につながっていたのかもしれません!?)


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2022年2月14日月曜日

低回転域のドエルタイムについて

多くの車の点火系がダイレクトイグニッションになって久しいですが、ECUの現車合わせをするにあたり重要になるドエルタイムについてこんな記事を拝見しました。


ドエルタイムとは「イグニッションコイルに通電する時間」で長い方が点火力が強くなるはずですが、長すぎると低回転域で失速したとする記事です。
(ドエルタイムについての詳細はコチラ

街乗りやミニサーキット、ジムカーナ等、低速域を使用する乗り方においては死活問題なので調べるとこんなサイトをみつけました。



要はコイルの限界容量以上にドエルタイムを長くしても逆にコイルがダウンして点火できなくなる、と言うものです。
なので高回転域は出来る限りドエルタイムを長くすべきですが、低回転域では適した長さに揃えて設定してあげる必要があるようです。



現車合わせでドエルタイムをいじらない方で点火を強くしたい場合、「電圧×ドエルタイム」でコイルの力が決まるため、バッテリーのコンディションに気を使うだけでもパンチに影響があるかもしれませんね。

基本的に一般の方は気にする必要ありませんが、ショップの方や自分でセットされる方は注視するポイントの一つですね。

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2022年1月24日月曜日

トヨタ1JZおよび2JZエンジンの生産廃止

ドリフトを始めとした競技で使用率の高いトヨタの6気筒である1JZや2JZが生産廃止になった情報をTwitterで見かけました。Twitterをやっていないユーザーも多いと思うのでシェアいたします。

 

パワーが出せるエンジンのベースとして絶大な支持を受けていたエンジンなだけに、これらの代替となるエンジンの模索がアフター業界で一気に進みそうです。
画像はwikiより

今生きている部品取りエンジンの争奪戦もより苛烈になりそうですね。。。

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2021年10月28日木曜日

SR20 NVCSの今後

シルビアに代表的な縦置4気筒のSR20エンジンですが、やはり生産終了から年数がたっていることもあり、純正部品がどんどん値上がりしています。

特に可変バルブタイミング機構、通称NVCSは音が出てきたりしてOHついでに交換する方もおおいですが、近年の値上がり方は半端ないです。



DIYで交換されている方も多いですよね。

ただし、SNSの情報を見ると2021年現在で8万円近くするのだとか。
部品一つで8万円は痛いですね。。。

と思って調べてみると、NVCSのオーバーホールをやってくれるお店もあるようです。


岡山県にあるジュラテックさんより。
以前記載した、ガソリンエンジンに点火が強力になるガスコイルを取り付け出来るようにするなど、とてもよく考えられた部品をリリースされているメーカーさんです。
異音が出ないように対策もしれくれるうえに、加工までしてくれるようです。

また喫緊ではジュラテックさんオリジナルのNVCSも開発されているようです。

内蔵されているスプリングに頼らず、油圧にて制御するため異音も出ずらく、レスポンスにも優れているのだとか。
ほとんどポン付けで価格も3万円代を目指す、とのことで非常に楽しみです。

古い車でも社外メーカーから補修部品が出てくれる時代となり、ありがたい限りです。


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2021年10月23日土曜日

PCVバルブの作用について

PCVバルブとはエンジンのスロットルより後ろに繋がるブローバイ配管内に設置されている逆流防止ワンウェイバルブのことで、最近質問いただくことも増えてきたのでリライトいたします。




①PCVの配置

エンジンは動いているときはブローバイガスと呼ばれる、燃焼室から漏れ出たガスとエンジンオイルミストが混ざり合ったものが必ず発生します。


こんな感じですね。

このブローバイガスというのは未燃焼ガス等が含まれており、エンジンオイルの劣化を促進させてしまうので速やかに排出させることが求められます。
以前ブログを書いたように、ブローバイガスはスロットルの前と後の2系統の排出系統を持っており、おおざっぱに言うと「アクセルオフの際はスロットルより後ろ側から、アクセルオンの時はスロットルより前側から」ガスを排出しています。スロットルより後ろにつながるホースはエアの噛みこみを防止するためPCVバルブと呼ばれる、ワンウェイバルブが設けられています。


エンジンルームの


インマニに繋がる、こちらのホース。


根元に黒いプラスチックがいますが、これがPCVバルブです。
ちなみに社外のワンウェイバルブをつける方もいるそうですが、こちらのページにも記載されているように、一般的には液体の圧力でしか開閉しないので、PCVとして使うと不具合を起こす可能性もあるそうです。



②PCVの役割、効果


2系統を用意することでアイドリング状態でもクランクケース内に常にフレッシュなエアを送り込むことができ、エンジンオイルの寿命を延ばすことができるようになったのだとか。(最近は1万キロ以上無交換というのも聞きますね。)

さらに副次的な効果として、ブローバイガスがクランクケース内に溜まったままだと圧力が高くなってピストンが動きずらくなる=エンジンの出力が落ちるので、クランクケース内を負圧にしてあげることで出力向上にも買っているそうです。



③PCVバルブを塞いだら?


メリットばかりに見えますが、デメリットもあります。
アイドリングや街乗り程度の負荷だとPCVバルブ側からブローバイガスをメインで吸い込むため、インマニや燃焼室がドロドロになりやすいという点があります。
そのためしばらくPCVバルブを塞いでスロットル前側のホースだけにし、キャッチタンクを付けることでガスを可能な限り吸わせないようにしていました。




メクラキャップを使ってPCVバルブとインマニ側の入り口を塞いでました。

ところがアクセルオフの状態ではブローバイガスが溜まりやすくなるため、アクセルオンした瞬間に一気に吸引してしまい、白煙を吐きやすくなってしまいました。
例がこちら。




アイドリングで溜まったブローバイガスが、アクセルオンで一気に吸引されてスタート直後はすごい白煙を吐いています。
とは言えここまで白煙吐くのは競技のような全開走行時だけで、普段は離されているためか、以前よりキャッチタンク油量が増えていたので「エンジンにブローバイガスを吸わせたくない」という目論見は達成されています。(なおエンジンオイルの劣化が進みやすくなるデメリットがありますが、そもそも競技2~3回に一度、500km程度で交換しているのであまり気にしてませんでした。)

この状態で4年ぐらい乗っていましたが、特に最近オイル粘度を変更したこともあってかスタート時の白煙が上記の動画のように増えてしまったので周りから「タービンブローしてない?」的なツッコミが増えてしまいました(笑)


④PCVバルブを戻したら?


上述したようにバックミラー越しに白煙が見えるねは精神衛生上あまりよろしくないので、ブローバイPCVバルブ系統を復活させてみたところ、先日のブログで上げた競技走行の動画をみても白煙が如実に出なくなりました。

また驚いたのが、競技走行時にはあまり感じませんでしたが、普通に坂を重めのギアで上っていたところ、PCVバルブを殺していた時より気持ちトルクがあるような気がしました。(プラシーボ?)
もしかしたら微々たるものかもしれませんが、街乗り時のようなあまりスロットルを開けてない状況において上記したクランクケースの内圧が下がったことによる副次的な効果かもしれません。

定量的に示せる変化としては、PCVバルブを復活させたことでアイドリング回転数が70~80rpm上昇しました。つまり70~80回転分PCVバルブから空気を吸えるようになったのでしょう。

メリット・デメリットありますが、結局純正の2系統のブローバイホースがあった方が良いような気がします。一方でインマニがブローバイで汚れやすくなるので定期的にエンジンコンディショナーやワコーズのRECSを実施すれば良いのかもしれませんね。
エンジンコンディショナーやRECS、燃料添加剤であるフューエルワンのデメリット、注意点について調べてみましたが、またこちらのブログにて。


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2021年9月12日日曜日

EZオイルドレンチェンジャー

オイル交換が劇的に楽になる商品を見つけました。




EZオイルドレンチェンジャーという、コックがついたドレンボルトです。
これを付けてしまえばドレンパッキンの交換も不要になりますし、工具も不要になりオイル交換作業が劇的に短縮できます。



既存商品としては麓技研から発売されているエコオイルチェンジャーがありますが、そちらよりも小型で、2~3割程度安価なところがポイントでしょうか。

バイクや車でも頻繁にオイル交換される方にとっては、先日紹介したK&Pオイルフィルターとあわせて便利なツールです。
種類、サイズもたくさんあり、適合表をまとめてみましたが、詳細は下記メーカーのリンクから金額と共に確認してみてください。
エコオイルチェンジャーのバイクなどの適合表としてもお使いください。

四輪
日産EZ-103
トヨタEZ-10386はBRZと同じ
スバル
EZ-105
EZ-108BRZ、レガシィ(BM/BR)
三菱EZ-106
ホンダEZ-106
マツダEZ-106
スズキEZ-106
ダイハツEZ-103
BMWEZ-109
MercedesEZ-106
VWEZ-106
AudiEZ-106

86、BRZは要確認してください。



二輪•バイク
ホンダ
EZ-109下記ホンダ①参照
EZ-106下記ホンダ②参照
ヤマハ
EZ-109下記ヤマハ①参照
EZ-106下記ヤマハ②参照
カワサキEZ-109
スズキEZ-111
BMWEZ-109
DucatiEZ-7B

バイクは各社下記車種毎にサイズが異なります。

ホンダ二輪①
KZ250 L 82, KZ250 W 83, EX305 B 83-85, KZ305 B 87-88, KZ400 A 77-78, KZ400 B 78-79, KZ400 C 78, KZ400 D 75-77, KZ400 H 79, KZ400 S 76-77, KZ440 A 80-83, KZ440 B 80-81, KZ440 C 81, KZ440 D 80-84, KZ440 G 83, EN450 A 86-96, EN500 C 95-96, EX500 A 87-93, EX500 D 94-97, KZ550 A 80-83, KZ550 C 80-83, KZ550 D 81, KZ550 F 83-84, KZ550 H 82-83, KZ550 M 83, KZ550 B 90-93, ZX550 A 84-86, ZX600 A 85-87, ZX600 C 88-97, ZX600 D 90-92, ZX600 E 91-98, ZX600 F 95-97, KZ650 C 77-79, KZ650 D 78-79, KZ650 E/F 80, KZ650 H 81-83, KZ750 B 76-79, KZ750 D 84, KZ750 E 80-82, KZ750 F 83, KZ750 G 80, KZ750 H 80-83, KZ750 K 83-84, KZ750 L 83, KZ750 M 82, KZ750 N 82-83, KZ750 R 82, VN750 A 85-97, ZX750 A 83-85, ZX750 E 84-85, ZX750 F 87-90, ZX750 H 89-90, ZX750 J 91-92, ZX750 K 90-92, ZX750 L 93-95, ZX750 N 96-97, ZX750 P 96-97, VN800 A 95-97, VN800 B 96-97, ZL900 A 85-86, ZX900 A 84-86, ZX900 B 94-97, KZ1000 P 82-90;96-97, KZ1000 R 82-83, ZX1000 A 86-87, KZ1100 A 83, KZ1100 B 82, KZ1100 D 82-83, KZ1100 L 83, KZ1100 B 84-85, ZX1100 B 88-90, ZX1100 C 90-93, ZX1100 D 93-97, ZX1100 E 95-97, VN1500 A 87-95, VN1500 B 87-90, VN1500 D 96-97

ホンダ二輪②
CB400 A 1978, CB400 T 1978-1981, CM400 A 1979-1981, CM400 E 1980-1981, CM400 T 1979-1981, CB450 SC 1982-1983 & 1985-1986, CM450 A/E 1982-1983, CM450 C 1982, VT500 C 1983-1986, VT500 FT 1983-1984, VT600 C 1988-1998, CX650 C 1983-1984, CB750 A 1976-1978, CB750 C 1980-1982, CB750 K 1979-1982, CB750 L 1979, CB750 SC 1982-1983, VT750 C 1984-1986-1988-1998, PC800 1989-1990, VT800 C 1988, CB900 C 1980-1982, CBR1000 F 1987-1988-1993-1996, GL1000 1980-1983, CB1100 F 1983, VT1100 C 1985-1998, GL1200 1984-1987 Valkyrie, Gold Wing

ヤマハ二輪①
1985-2007 V-Max, YFZ350 Banshee 1987-2005 & YFM660 Raptor 2000-2005 (Large), Roadliner

ヤマハ二輪②
YZ80, YZ85 1998 YZ250, 1984-2004 YZ125, YZ175, YZ360, YZ400, 2003 CR250, 1990-2004 Blaster (Small), WR400F-426F

あくまでご参考として頂き、リンクのメーカー説明をご覧下さい。

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2021年8月19日木曜日

K&Pオイルフィルターのメリット・デメリット

繰り返し使える上に、オイル流路抵抗が激減すると噂のK&P製オイルフィルターの記事をよく目にします。




中身のフィルターはステンメッシュで出来ており、洗浄すれば繰り返し使用することが可能という製品です。
飛行機等にも純正採用されているそうですが、車に純正採用されている普通の紙オイルフィルターと比べ、デメリットがないのか調べてみました。


①濾過能力について

K&Pオイルフィルターはレーザー加工された35μmのステンメッシュで、小さなスラッジも濾過できると謳い文句があります。
一方で普通の紙オイルフィルターは、20μm程の粒子を捕捉できるものが多いようです。
よって濾過能力だけを見るのであれば、やはり紙フィルタに軍配が上がりそうです。

ただし紙フィルターであっても、特に高回転時や目詰まりした時のためにリリーフ機構が設けられていてそこからオイルが素通りするので、全部が捕捉できるわけではありません。





内部構造については上画像のコチラのページが詳しくて分かりやすいです。


②リリーフバルブスプリングの設定について

エンジンによって油圧や油流量は異なります。
純正品はリリーフバルブ閾値も確認していると思いますが、K&P製をはじめとした社外品の設定値はどうなのかが気になります。
いくらフィルターが優れていたとしても、バルブが開いてオイルがフィルターを素通りしている状態であれば意味がありません。

この辺の情報は開示されていないので推測の域を出ませんが、コチラのサイトで純正品とK&P製を付け替えた時の出力差を検証されています。



どの回転域でも出力向上=オイルポンプ抵抗が少ない(フィルタの抵抗が少ない)結果だそうです。

個人的にはリリーフバルブが比較的閉じているであろう低回転域でも違いが出ていれば、フィルター自体の抵抗の差であると推察できますが、上記のページの実験3と4で低回転域の結果が前後しており、結論としてはよくわかりません。
純正含め、各回転域においてどの程度バルブが開いているのか、データが欲しいところです。


という事で、リリーフバルブについては分かりませんが濾過能力については純正品に劣る可能性があります。

一方のメリットは

・繰り返し使用可能
・温度上昇による濾過能力に変化が少ない(ステンレスフィルタのため)
・フィルター抵抗が少ない(濾過能力の裏返しですが)

このフィルタを使う方はオイルもまめに交換される方が殆どだと思いますので、多少濾過能力が劣っていたとしてキチンとオイル交換されればメリットの方が大きそうです。
価格は純正品の10倍程しますが、長い目で見ればローコストになりそうです。



微々たるものだと思いますが、表面がフィン形状なのでオイルクーラー的な役割も期待できるかも?しれません。


他にもオイルに関する豆知識を記載してたりしますので是非ご覧下さい。その他は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください

2021年6月8日火曜日

ターボ車のレスポンスアップ加工

先日インタークーラーの加工についての記事を見かけたのでリライトです。 

 ターボ車はタービンで加圧されて熱くなった空気をインタークーラーで冷却させ、酸素の充填効率を向上させています。
以前少し考察させていただきましたが、このインタークーラーというのは圧損が生じてしまうのでパイピングを短くしたり、インタークーラー自体を小さくする(水冷式にする等)ことで効率を上げているようです。

チューニング業界では調べてみるとこのように空気の入口側をテーパー加工することで圧損を低減させるという記事も散見されてきました。


これが元の状態。これが下記のように


テーパー加工して入口を広くし、圧損を減らすような加工をしています。
ばくばく工房様より。


このような加工がアフターパーツや加工では一般的です。

またこちらの方は水冷式と一般的な空冷式における流入空気温度の差を検証されていました。


シルビア系でやっている方は少ないのではないでしょうか。
この方の検証結果を見る限りある程度速度が出ている状態、つまりグリップ走行であれば空冷式でも問題ないように感じられます。
(ドリフトで横向いている場合は効果大だと思います)

最近のターボ車はエンジンルームのレイアウト自由度が高いことから水冷式が増えているようですね。




では空冷式でテーパー加工、インタークーラーを小さくする以外に効率化することは出来ないのか。
とくに改善点として注目したのが「アクセルオンした瞬間のレスポンス」です。

これを改善するためにインタークーラーだけでなく、パイプレイアウト全体で考えて見ます。


画像はネットの拾い物です。
インタークーラーは空気の通り道における冷却装置でありますが、一方で網戸のように空気が通りにくくなっている渋滞ポイントにもなる、というのは以前のブログのとおりです。

上記に付随して過給が始まる前の状態、例えばアイドリング状態からアクセルオンした瞬間は「スロットルが空気を吸う⇒エンジンの回転数が上昇⇒タービンが回転し始める」という工程を踏み、空気を吸いたくても通り道に網戸(インタークーラー)があるため吸いにくく、回転数上昇を阻害している可能性もあります。
(低回転における吸入程度ではあまり影響無いかもしれませんが)

アクセルオンの瞬間のみに着目すれば構造的改善策がありますが、長くなったので今回はこの辺で。

2021年3月11日木曜日

レーシングクーラント(スポーツクーラント)の効果について

メンテナンスする上で外せないクーラント(LLC)ですが、モータースポーツをする方は「レーシングクーラント」と題された製品を聞いたことがあるかもしれませんが、具体的に何が違うのか気になったので調べてみました。

結論から言うと冷却効率だけで言えばあまり違いは無く、むしろ入れる濃度の影響が大きいようです。



①冷却効率の差

クーラントの主成分はエチレングリコールと呼ばれるもので、その他に消泡材等の添加剤が入っています。

エチレングリコールは防錆等の効果があり、重要な成分ですが熱伝導率が微妙なため、一般的にレーシングクーラントと謳われている製品には変わりにプロピレングリコールを主成分とし、熱伝導率を向上させているようです。

具体的にどの位変わるのか気になるところですが、文献等をまとめたこちらの方のページを参照すると、効率的には1%も変わらないようです。また日産自動車の論文の中にも出てきますが、LLCは薄い方が冷却効率は高くなることが示されており、成分の違い以上に冷却水に占める成分濃度の方が冷却効率に支配的であることがわかります。




なので冷却効率的にはレーシングクーラントに変えたところで濃度が同じならそこまで違いはないと考えられそうですね。


②消泡性能の差

ではレーシングクーラントを入れるメリットは何かと言えば、「消泡性能」の部分になると思われます。

冷却水はウォーターポンプで循環されていますが、高回転時には「泡」が発生して痛めてしまう可能性が高くなる=ブローするリスクが高くなるので重要な性能です。

どの位消泡性能に差が出るのかは分かりませんが、劣化具合について検証されているページがありました。

この消泡性能が劣化しやすいため、レーシングクーラントと呼ばれる製品の交換サイクルは早くなる傾向にあるようですね。

泡があると熱伝達効率は悪くなるので、結果的に消泡作用が優れているクーラントは「冷えるクーラント」と言われているのかもしれませんね。


③何を選べばよいのか

一般的な使い方であれば純正や量販店で売っている普通のクーラントを定期的に交換するのがベストだと思います。

強いて消泡性能を求めるのであれば、評判を見ている限りサーモスタット等の冷却専門メーカーであるBILLIONのクーラントが良さそうです。


上記したプロピレングリコールを主成分として少し効率を高めつつ、メーカーHPにも「消泡性能が違います」と謳われているので、消泡材が優れている結果、「よく冷えるクーラント」として販売されているのかもしれませんね。

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2021年2月26日金曜日

タービンの選び方(コンプレッサーマップ)

 ターボ車に不可欠なタービンですが、選び方やどんな特性、どれだけ出力が出せるのかと言うのは付けてみないと分からないと思ってましたが、こんな記事を拝見しました。


まとめるとコンプレッサーマップを見れば大体特性や出力が計算できると言うものですね。
しかしタービン形状は年々机上解析の精度が上がって最高出力だけでなく立上がり(≒レスポンス)も良くなっています。



一方でアフターパーツでは粗悪品も出回っている様ですし、オーバーホールをする場所も、国内でも信頼できる場所が少ないとも聞くので難しいですね。
個人的には以前も記載しましたが、電動タービンがアフターパーツとして出回れば、スーパーチャージャーのように低速も、ターボのように高回転もパワフルなエンジンを作りやすいので期待しています。

2021年1月21日木曜日

HKSのRB26の燃費は20km/l!?

 HKSから発表された、R34GT-R等に搭載されているRB26エンジンが600馬力という出力を誇りつつ、燃費は20km/lという記事を拝見しました。


この出力がありながら凄い燃費ですね。

何が凄いのか記事を読込んでみると、チューニング業界で良くやられるインジェクターの多ホール化の他に「プレチャンバー」なるものがあり、自分が知らなかったので調べてみました。


こちらの記事がわかりやすかったです。

要は燃焼室に「副燃焼室」を設けて、そこで点火させた火種を使って完全燃焼を促進する技術で、F1やGTでも採用されているようです。

記事の写真の外見を見る限りあまり感じませんが、副室を作ろうとすると加工…というよりヘッドの作り直しになるでしょうから、あまり個人レベルでやるようなチューニングではなく、最早エンジンの「作り直し」に近い気がします。

一方技術としては確かなものなので、RB26以外で本気仕様の方はプレチャンバーヘッドの作成を検討してもよさそうですし、オーストラリアあたりのショップがそのうちリリースするかもしれませんね。

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2020年10月19日月曜日

BRISKプラグ(多電極プラグ)について

先日BRISKプラグと言う製品についてご質問頂きましたが自分が知らなかったので調べてみました。 
トピックなのはLGSシリーズと呼ばれる多電極タイプのプラグのようですね。

普段NGKやDENSOのプラグばかり見ているので斬新な形状です。 ちなみにNGKからも多電極タイプというのは販売されています。目的としては電極を増やすことで、その時々にあわせて火花が一番飛びやすいところが選択できるようになるので、コイル等に対する要求電圧がさがるとのこと。 

つまりNGKの場合は要求電圧を下げるべく多極プラグにしているのに対し、BRISKは電極を離しているので要求電圧は高くなることが形状からも想定さますし、実際注意書きにも「コイル系が強化されている必要がある」とあります。

ではメリットは何かと言えば、火花の放電距離が長くなる=着火点が広がることのようですね。確かに爆発はプラグを起点にして燃焼室内を伝搬していくので、着火点が広ければ(スタート面積が広がれば)効率は良くなりそうです。


効率が良い=完全燃焼に近づけるということですから、出力向上は勿論、燃費にも有効なはずですが、メーカー純正でこのような電極が離れた形状のプラグが採用されているのは、あまり例がありません。

なぜか考えてみると電極が離れすぎていることがあだとなって、電極にススがたまると通常は火花で焼き切ってプラグ機能を維持するのですが、電極が遠いと焼き切って放電と言うのが難しくなることや、ススがつく面積も広くなってしまうので放電可能電圧を下回りやすくなり、結果としてはプラグを頻繁に交換or洗浄しないと性能を保つことが出来ないことから純正採用されないのではないかと考えました。(もし違う側面があれば助言頂けると幸いです)

NGKのこのページの説明がわかりやすいですね。汚れが増えてしまうと、汚れを伝って漏電して着火できなくなってしまうそうです。

よってメリットを享受するには、点火系を強化しており頻繁にプラグメンテナンス(交換含む)ができる方に限られそうですね。バイク乗りの間では話題になっている製品ですので高回転においても有効でしょうから、4輪車ではサーキットユースでいいかもしれません。

ジムカーナのような低回転を使う競技でも(低回転で空燃比高めの場合でも)有効かもしれませんが、低回転で使うとよりススがたまりがちなので寿命は短そうな気がします。。。。と考察していたらこちらのページにも同じようなことが書いてありました。 とは言えメーカー公式からは3万キロで交換となっているので、そこまでシビアに考えなくても良いかもしれませんが。

熱価(番手)もNGK等の番手とはちょっと違うので他のサイズも含めて↑↑の通販サイトから探してみてください。 

 価格については輸入品なので仕方ないですが、国内メーカーより若干高めの設定ですね。低速トルクが無く、マフラーの出口を見てススが多い(不完全燃焼ぎみ)車体であれば試してみる価値がありそうです。 
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 I look into BRISK PLUGS. How about that PLUGS??

2020年10月12日月曜日

50Igniteの非接触カム角センサー(5-0ignite Cam Trigger Kit)

オーストラリアの5-0Igniteから、SR20エンジン用の非接触式カム角センサーが発売されます。

こちらの製品の長所を読んでみると、これまでのカム角センサはカムについているスプロケットとカム角センサ側の回転センサをギア駆動で回してセンシングしていましたが、高回転になるとギアのバックラッシュ等の遊びに起因して点火タイミングが詰め切れないことがあったそうです。(とは言え、RB26等のタイミングベルト式に比べるとタイミングチェーン式のSR20では誤差が少ないそうです。)


どうやらドリフトの高回転常用中では、メーカーHPによると点火タイミングが66%改善されたと記載されています。逆を言うと純正センサーではかなり点火タイミングがズレてしまっていると言っているわけですね。

(それを考えるとRB26等のタイミングベルト方式のエンジンはどれだけズレているのか気になりますが。。。。RB系のエンジン用キットも発売されています。)


そのズレを解消すべく、カムシャフトエンドにつけた回転体の回転を非接触で計測するセンシング方式に変更したのが今回の5-0Igniteが作ったCam Trigger Kitになります。

値段も$428AUDなので日本円にすると35,000円弱なのでお手頃ですね。



ただ注意点として純正ECUやパワーFCでは使えない24パルス形式らしいので、ハルテック等のコンピュータに変更してある必要があるそうです。

またSR20の高回転化となると、縦置きのSR20DE系からSR20VE系の横置エンジンのヘッドに乗せ換えてある方もいらっしゃると思いますが、あくまで縦置きのSR20DE系にしか使えないようです。


前も触れましたがイグニッションコイルだったり、インジェクターだったり、エアフロセンサー等、エンジンを制御するセンサー類が最新のものがドンドン流用されたり製品がリリースされているので、一昔前のエンジンとは言え第一線のパフォーマンスが発揮できるようになるのはありがたいですね。

(某ショップによれば、上記のエンジン補器類を使えば最近の排ガス規制も通過できるレベルまで完全燃焼させることができるのだとか)

という事で、ドリフトやサーキットで高回転を多用する方はブローの一因でもある(?)点火タイミングについて見直しされても良いかもしれませんね。


2022.6.8
V2が発表され、スタイリッシュになったのと共に気筒判断とかも出来るようになったようです。


 I found that 5-0ignite will release new product "Cam trigger kit". 

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2020年6月10日水曜日

T-REV(減圧バルブ)の効果について

こんな記事を見つけました。



NDロードスターで筑波1分5秒、すごいですね。
個人的に気になったのは”T-REV”と呼ばれる、いわゆる「減圧バルブ」と呼ばれる製品です。


これはブローバイ配管につけることによって、エンジン内部(クランクケース)の気圧を低くし、回転しやすくする効果があるとのことです。

以前触れたように一般的なエンジンにはPCVバルブと呼ばれるものがあり、アイドリングや低負荷運転時にはPCVバルブ側からブローバイガスを抜き、逆に高負荷時にはPCVバルブが閉じ、エアクリの後ろ当たりにある経路からブローバイが排出されることでクランクケース内を負圧方向に持っていくと共に、換気を行うことでオイルの寿命を飛躍的に伸ばしています。


PCVバルブと同じようなワンウェイバルブをエアクリーナー側にある経路に設けることによって、クランクケース内に空気が入ってくることを遮断し、クランクケースからブローバイ配管に「逃げる」方向にしか空気が動かなくなるようにするもののようです。


↑↑ バルブが高速回転でも追従できるような構造をしているためか安くはないですが、特許はとられていますし、HPを見る限り品質管理もしっかりした製品みたいですね。




一方で低負荷時および高負荷時はクランクケース内圧は純正でも負圧方向に導かれていることから、パーシャルスロットル(サージタンクが負圧でも正圧でもない)の時ぐらいしか効果ないのかも?と考えていたら、コチラのページにデメリットを含めて全て記載されていました。
以前PCVバルブを塞いだことによって街乗り等の低負荷時にクランクケース内圧が高くなったためか、オイルレベルゲージが何度か抜けていた経験があるので、とても納得のいく説明です。

要約すると

メリット
・ブローバイガスを大気開放している車には効果あり
・単気筒のエンジンには効果を感じやすい

デメリット
・高回転時はバルブがあると逆に負圧方向への導きの邪魔になる
・バルブが凍結や固着した時にクランクケース内圧が高くなるリスクがある
・オイルの劣化が早くなる

何でもそうですがメリットデメリット、効果を得られやすい条件もあるので一概に良し悪しは判断できませんが、気筒数の少ないエンジンや一部の車種を除いて、低負荷・高負荷時の効果は得にくいかもしれませんね。


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What is “T-REV”??( Pressure reducing valve) Is that effective for general vehicles?

2019年12月1日日曜日

ハイオクとレギュラーの燃費の違い(軽自動車)

ハイオク車にレギュラーガソリンを入れるのは出力低下を招くので燃費悪化を招きそうですが、レギュラー車にハイオクを入れるのは大きな出力向上は見込めなくても、耐ノッキング性能が向上することから、車によっては燃費改善が期待されるというのは時々聞く話でした。

別段ノッキングが出ているわけではないですが、試しに街乗り車のL700にハイオクを入れて試してみました。





~低速トルクの改善?~

軽自動車、しかもターボ車ということもあり相性が良かったのかもしれませんが、アイドリングから3,000rpmぐらいまでのトルクが改善しました。プラシーボ的なことでもなく、高速道路で80km/h巡行時のブースト計の数値が、レギュラーガソリンを入れていた時より0.1気圧程マイナス、つまりアクセルを踏まなくても進むようになりました。



またプラシーボと言われればそれまでですが、5速ギアでの2,000rpmあたりでの加速はこれまでつらかったのでシフトダウンしていたのですが、シフトダウンしなくても加速できるようになったので運転していて楽になりました。




~燃費の改善?~

具体的な数字として、これまでレギュラーガソリンでの高速道路における平均的な燃費は22.5km/lぐらいだったのですが、今回のハイオクでの高速巡行で24.6km/lという結果になりました。
レギュラーガソリンを入れた時の最高燃費時と同じぐらいの結果です。
気温も違えば走ったコースも全く同じではないので絶対的な指標にはならないですが、個人的には燃費改善に効果あると感じています。

また24.6km/lというのは22.5km/lに対して約9.3%の改善となります。


また日本におけるガソリンの価格については、先日給油した時点ではレギュラー138円/L、ハイオク147円/Lだったので、1リッター当たりの価格差は9円、比率で言うと約6.5%の価格差なので、もし燃費的に上記したように9%ぐらい改善されるのであれば、ハイオクを入れた方がお財布にやさしいという結論になるかと思います。

(ちなみに自分が入れたスタンドではたまたま9円差でしたが、一般的には10円差になるようです。その場合の価格差は約7.2%なので1リッターあたりの走行距離が7%以上改善されるのであれば、ハイオクを入れた方が安価であると結論付けれると思います。)





~燃費改善の効果は軽自動車ならでは?~

自分が入れたL700は660ccの小型エンジン、ターボ、しかも20年ほど前の車ということもあって改善が大きくなりました。
特に軽自動車の660ccエンジンというのはトルクがどうしても薄いので、少しのトルク改善が燃費に影響を及ぼしやすくなります。


逆に3,000ccもあるような車であれば、そもそもトルクがあるのでハイオクを入れてもそこまで燃費に影響はないのでは?と考えます。

また最新の車になればなるほど燃費に大きく寄与する低速トルクというのはメーカーも力を入れて改善しているところですので、軽自動車と言えどもミラジーノ程効果があるかは不明です。





~結論~

少し古めの軽自動車や1,000ccほどのコンパクトカーであれば低速トルクの向上により、ハイオクの価格差を上回る燃費改善が期待できるかもしれません。

また定量的な比較が出来ていないので何とも言えないですが、比較的新しめである2017年式のダイハツ車にも同じようにテストしましたが、5%程燃費が改善しました。(走行ルート&気温が一緒でないのでもっと伸びるかもしれませんが)

5%ですとハイオクの価格差を埋めることができないのでレギュラーを入れた方が良いことになりますが、高速道路で運転は楽になるので長距離運転する際は入れても良いかな?と思っています。



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In Japan, two types of gasoline are sold. That is “Regular gasoline” and “High-octane gasoline".
(High-octane has about 100-octane, but Regular has only about 90-octane.)
High-octane makes more torque than regular, therefore makes good fuel consumption. But the price of regular is cheaper than High-octane.
Which gasoline are totally cheaper??

2019年11月8日金曜日

Garrett E-Turbo(ギャレット E-ターボ)

発表されています。




ターボの弱点である「低回転での効率」と「ターボラグ」を解消する画期的な製品です。

低回転でのブーストを高めるのであれば、小さいタービンにするかスーパーチャージャーにするかという2択だったかと思いますが、ピークパワーが得にくくなったり、スーパーチャージャーだとメカニカルな機構が大きく、駆動ロスが生じてしまうという問題点がありましたが、このE-Turboだと見事に解消することができます。

(これまでの技術だと低回転のトルクを得るためにツインスクロールターボとかもありましたが、排気効率が悪いですし、メカニカルなスペースの問題がありました。)





まだ出たばかりで2021年発売予定の量産車から搭載予定とのことですが、この技術をアフターパーツメーカーが作るタービンに採用することが出来たら、これまでビックタービンを付けると問題であった「低回転のトルクがなく、ドッカンターボ」という扱いづらい挙動を消すことが出来そうですね。



さらにこのタービンについているモーターは、駆動させていない時(アクセルオフ時や、ある程度のエンジン回転数で排気ガスのみでタービンブレードを回している時)は発電に用いることができ、ハイブリッド車であればエネルギー回生に使えるという優れものです。



回生機能はしばらくアフターでは生かせそうにありませんが、軽自動車であれば100ps以上でるような大型のタービンであっても低回転のトルク確保が出来たり、ドリフトではビッグタービンにしてもピークパワーだけでなく低回転領域のトルクも確保できたりといった革新的なチューニングが流行りそうな気がします。

ちなみにギャレットのケーススタディによれば、E-Turboの搭載により定格出力が16%、トルクが10.5%増加しするとのこと。またエンジン回転数が低い時(1,500rpm)でタービンを回した時、通常だと目標トルクに到達するのに4.5秒かかるところを1秒で到達可能なのだとか。



これだけターボラグが無くなるようであれば軽自動車のチューニングカーが増加したり、サーキットアタックでもクロスミッションを搭載するよりもワイドレンジなミッションにしてシフト回数を減らした方が早いケースも出てきそうですね。(いつアフターマーケットにこの技術が降りてくるかはわかりませんが。。。)


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Yesterday, Garrett release a new product “E-Turbo”. Is that can improve low rpm torque??

2019年10月18日金曜日

オイルキャッチタンクとセパレーター

何気なく車の部品を眺めていると興味深いものを発見しました。




GPスポーツから出している86やBRZに取り付けるブローバイキャンセラーなるもの。
要はオイルセパレーターのことかと思われます。

86やBRZはエンジンの位置的にブローバイガスホースのヘッドカバー側が吸気に繋がる出口側より下にあるので、オイルミストをセパレーターで分離して落下させてしまえばキャッチタンクを設置しなくても問題ないという形になっているのかと思います。


これならタンクレスなのでほぼメンテナンスフリーなのがいいですね。
まぁ付けられるのがインテーク側よりヘッドカバー側が低い車、つまり水平対向のスバル車の特権化とは思いますが(一部除く)


その他の車ではオイルキャッチタンクをつけることになるかと思いますが、どちらも目的は「ブローバイガスに含まれる不純物(オイルミスト)を取り除いてインテーク側に戻す」ということになるかと思いますが、市販されているオイルキャッチタンクは筒にホースが付くようにニップルをつけただけのものが多く存在します。


上図で言うところの一番左の形状が多く存在しています。
これだと装着しないよりはマシだと思いますが、本来の目的であるオイルミストの分離という目的があまり達成できていないように感じます。


と言うことでオイルキャッチタンクの内部にセパレートさせる機構がある商品を調べていくと、見つけたのはCUSCOのセパレートタイプ(高価な方)、SARDのtype2、オクヤマ、メタルワークスナカミチぐらいでしょうか。



このように入ってきたガスの中からオイルミストを分離する機構が必要です。

このような構造の中で一番安価なのはSARDでしょうか。



現在つけているのが安物で気休め程度にしか機能していないのでこの辺のブランドの商品を導入したいですね。

ちなみにPCVバルブ側のホースにキャッチタンクをつけている方がいますが、負圧がそこそこかかるホースラインなので取り付けるキャッチタンクがよっぽど密閉性を担保できる商品でないと隙間からエアを吸ってしまい、アイドリングを中心とした負圧領域が不安定になってしまうと思われます。
(一般的なキャッチタンクにはドレンボルトや透明なレベルゲージが付いており、その隙間からエア漏れすることが多い)

ちなみに自分がこれまで見てきた商品は例外なくオイルキャッチタンクについている透明なレベルゲージの付け根からオイル漏れしていたので、上記で挙げた商品の密閉性が気になるところですね。
(少なくとも±1気圧ぐらいは耐えられる密閉性が欲しいところです。ちなみにインマニ側からオイルを吸わせないためにPCVバルブを殺した場合の実験については以前のブログをご覧下さい)


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What is "Blowby gas separator(oil mist separator)"?? Is it built in oil catch tank??

2019年9月23日月曜日

インタークーラーの仕組みと圧力損失について実験してみる

インタークーラーの圧損について考察した前回の続きで、考察に基づいて自分で買って実験してみました。



奥が今まで使っていたトラストのスペックLS、手前がHKSのSタイプです。
明らかに小さくなりましたし、軽くなりました。
コアに繋がるパイプの刺さり口も斜めに付いていて効率が良さそうです。

そして一番気になる内部構造ですが


コチラがトラスト。フィンの目が細かく空気が良く冷えそうですが、向こう側が見えないぐらい混み合っていて圧損率が高そうです。





コチラがHKSのSタイプ。
向こう側が透けて見えています。おまけにテーパー形状をしており熱交換効率は悪そうですが、圧損は少なそうです。
ためしに両者にコンプレッサーで空気を吹き込んでみましたが明らかに反対側から出てくる空気の圧力に差が出ました。勿論HKSの物の方が勢い良く空気が出てきます。冷却効率については自分のお手手センサーでは感知できませんでした(爆)




装着。トラストより3~4cmステーが長く、前側に出てくるのでレインフォースを切断したり、バンパーを削ったりで大変でした・・・。

でも効果は歴然。レスポンスが全く違います。
スタートダッシュ、サイドターンからの立ち上がりが早くなってしまい運転の仕方まで変える必要性が出てきました(汗)


とまぁ色々社外品を見たり実験したりしてみたのですが、それぞれに一長一短があるので「冷却効率」と「圧損」のバランスをどう取るかで選んでみると良いのかもしれません。

でも大きいインタークーラーにしたとしても上記した小さな努力をすることである程度は圧損率を低くする事ができる訳ですね。
もし現在のインタークーラーの熱容量には満足しているけれどもレスポンスが・・・という方は一回インタークーラーのコアを取り出してテーパー形状にすれば改善されると思われます。
アルミ溶接できないとですが(^^:)

今回は考察と言えるほど深い内容ではありませんが、一昔前のターボ車に乗る上で避けては通れないターボラグ改善の糸口の1つであるのではないでしょうか?
ちなみにインタークーラーの中はブローバイガスで汚れると冷却効率もレスポンスも落ちるので定期的に洗浄することをオススメします。


ちなみにHPIの製品の中身を見せて頂く機会があったのですが、写真を撮り忘れたので簡易的に描いてみました。


先に使ったこの写真は上のHKSのインタークーラーを黒矢印のように横方向から覗いたものです。これを赤矢印のように上から覗いた時の模式図を以下に示します。


コレがHKS。分かりますかね??
HPでも説明されていますが、加給された熱い空気が入ってきて三角形のフィンに入ってストレートに出て行くのを表したもの。


コチラがHPIのTYPE-WFシリーズのフィン構造。TYPE-OFシリーズはトラストなどと同じなので注意です。
この様にかまぼこ型の入り口になっていて、中がウェーブ状に空気が通ることで冷却効率をアップさせようと言う物。
また図だとなっていませんが、このかまぼこ型の入り口はHKSより1.5倍ほどの面積があり、一つ一つのフィンの口径を大きくする事で空気の通りを良くし、軽量化しているとの事。
実物を見る限りHKSよりフィン口径が大きいので圧損少ないのかなぁ?と思ったりしましたが、ウェーブ状になると言う事は空気の経路が長くなってしまうと言う事と、空気が触れる面積が増えれば増えるほど乱流が発生するリスクが増えていく=圧損していくので結局微妙なような気もします。メーカーの人は1000馬力も大丈夫と言うぐらいなのだから相当の冷却効率なのでしょう。(冷却効率と圧損は上記したように、ある程度トレードオフなのでこのコアのレスポンスは??)

ドリフトやられる方には軽いですし、冷却効率は良さそうなので気になる商品なのではないでしょうか?
逆にHKSは経路がストレートで短く、フィン面積も狭いのでレスポンス重視なのかなぁ?

以上、参考になればと思います。

(続編として圧損はそのまま(インタークーラーはそのまま)にアクセルレスポンスを改善できないか考察してみました。)


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What is the structure of charge air cooler?? How to reduce air pressure loss??