以前のブログで「ベルハンマーは塩素系で金属表面を軟化させたのちに平滑化した膜を形成する」ような効能があると担当の方からお話を伺いましたが、「表面が軟化」した後にどのようにして「平滑化した膜を形成」するのか。(スズキ機工公式HPでは「表面を鍛える」という表現がされています。)
調べてみるとこんな動画をアップロードされている方がいらっしゃいました。
本当かどうかわかりませんが、ベルハンマーには以前のブログで塩素化パラフィンの代わりに用いられる極圧剤として取り上げたZnDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)というものが含まれていて、これが表面を平滑化しているそうです。あくまでこのZnDTPというのは金属表面を平滑化するだけで摩擦を減らしてるわけではなく、一般的には摩擦低減剤であるMoDTCという有機モリブデンをセットで加えることによって摩擦を低減させることができるのだとか。(二硫化モリブデンというものとは違うそうですが、イメージとしては金属表面をパチンコ玉で埋め尽くして表面が転がりやすくするような感じでしょうか)
このZnDTPというのは、市販のエンジンオイルによく添加されている成分で、コチラのページによれば「酸化防止剤」として用いられているようです。
ただ一方で表面の平滑化として塩素化パラフィン等の極圧剤の代わりにもなりえるが、分解した際に発生したリンが触媒を痛めてしまうのだとか。
とは言えこのZnDTPは安価で手に入りやすく、トライボフィルムと呼ばれる金属表面に膜を形成することで耐摩耗性が向上するので、リンを含めたスラッジが発生してしまう問題を除けば有用で、長年エンジンオイルやミッションオイルに用いられてきたそうです。
さらに2016年に公開された昭和シェルの論文をみると、カルシウム・サリシレートと呼ばれる清浄分散剤を添加することで、ZnDTPの分解や酸化が抑えられ、スラッジの発生も抑制するそうです。
サリシレートは一番右のSalとなっているやつで、確かにスラッジも、同に対する腐食もあわせて減っています。
なので「塩素フリー」と呼ばれている極圧添加剤はこのZnDTPと清浄分散剤であるサリシレートの組み合わせの製品もありそうですね。(こちらのページにそのことが記載されています。)
以上のことから、塩素化パラフィンの他に本当にベルハンマーにZnDTPが配合されていると仮定した場合、スズキ機工の担当の方が言っていた「表面が硬化する」という表現があながち間違ってなさそうですし、さらにセットで摩擦低減剤である有機モリブデンが配合されているのであれば、この成分は湿式クラッチを滑らせてしまうらしいので、ベルハンマーの注意書きに「湿式クラッチには入れないでください」と書いてあるのかもしれませんね。
あくまで仮定論になってしまうので、改めてお話を聞く機会があれば聞いてみたいと思います。
他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。
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