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2018年12月28日金曜日

エンジンオイルグレードの選び方について

車が好きな方で比較的発生するイベントというのがエンジンオイル交換ではないでしょうか。
その時に選ぶオイルというのは千差万別で、好きなブランドだったり、ショップのオススメであったり、価格が安かったからであったり…色々あると思います。


ただ選んだブランド(メーカー)のオイルでも粘度は色々あって、0W-20や10W-50など、自身の車に合わせてチョイスされているかと思います。
この時に選ぶ粘度ですが、一般的に「高速道路やスポーツ走行をするのであれば固いオイル」という認識が自分もあり、あながち間違ってもないですが、なぜその粘度を選んだのか分かったうえで選択できると良いなと思ってまとめてみました。




具体的な違いについてはコチラコチラのページに0W-30、5W-30、10W-30を例に詳細が記載されていますが、●W-〇と記載されるマルチグレードオイルについて要約すると


・●W-〇という表記は、●が40℃の時の粘度、〇の部分が100℃の時の粘度
・〇が同じであれば●が違っても40℃や100℃の時の動粘度はほとんど変わらない

ということで、エンジンオイルの単純な「固さ」というのだけ見るのであれば〇だけ見ればよさそうです。


では低温側の●は気にしなくても良いのか?というとそういうわけでもなく?
上記のページとあわせてBPのコチラのページに詳細が掛かれていますが、まとめると

・●は-35~-10℃の時のエンジンオイルの粘度がどれくらいか。
・10w-30に比べ0w-30のように低温側の数字が低いオイル程、動粘度指数と呼ばれる、「40℃の時と比べて100℃でもオイルが固さを保てるか」の数字が高く、ベースオイルが良くないと作れない(≒高いベースオイルを使っていることが多い)
・エンジンのピストンやコンロッドとのクリアランスが狭いエンジン(新品エンジン)であれば粘度を高くしても抵抗になるだけでエンジン保護にはあまり役に立たない
・逆に使用過多なエンジンであればオイルを固くしてクリアランスを埋めることで圧縮漏れ等を抑制し、エンジン保護にもつながる
・高温側の〇が高いオイルを入れると、もともと固いので高温になっても粘度が保たれやすい

とのことで基本は「10w-30から0W-30へ低温側の●を変更しても〇側が変わらなければオイルそのものの固さに問題はなく、むしろ良いベースオイルの可能性が高い。また〇側はエンジンの設計や新品エンジンか否かで選べばよい」という感じですね。付随して「130℃等の高温になる使用条件があるのであれば高温側の硬いオイルを使うと粘度を保ち、保護につなげやすい」ということでしょうか。

ちなみに自分の場合、ジムカーナという短時間の競技ということもあり油温はいっても90℃(真夏で95℃)なので〇の部分がそんなに固いのを使う必要はないですが、競技で使っているのできっとピストン等のクリアランスは広がっていて40ぐらいが妥当かな?と思い、X-TREAMの0w-40を使っています。



SRエンジンは普通に使っている分にはどちらかというとオーバークール気味なエンジンなので、ドリフトや周回アタックをしなければそこまで固いオイルを使う必要はないですが、油圧機構であるNVCS等があるので柔らかすぎるオイル(0w-20等)はやめといた方がよいかなという判断です。以前も触れましたが今のところカジリとかスラッジも異音もないので良くも悪くもなく、使っています。
ちなみになぜかX-TREAMシリーズは0w-40と10w-40はSAE規格のSNなのに5w-50と10w-60はSM規格です。SNはSMに比べて省燃費性能0.5%、触媒に害をなすリンの発生を20%以下、そしてデポジット発生を14%以上低減していることになるので、規格だけ見ると0w-40や10w-40の方がよさそうです。ただメーカーの記載を見ると10w-40と10w-60がより良いベースオイルを使っていると書いてあるのでよくわかりませんね。

また上記はあくまで一般論であって、メーカーによっては表記上は固くなくても、良いベースオイルや添加剤を使っているオイルもあるのかもしれませんが、これは実際に測定してみないとわからないですね。
実際に測定されているサイトがコチラコチラにあるので、もし気になる銘柄がある方は参考までに。


2018年10月20日土曜日

新品ミッションの初オイル交換(S15MTオイル上から交換等)

今日は整備ネタ。

先日新品ミッションを搭載し、慣らし競技走行後初めてオイル交換を行いました。


エンジンオイルの交換ついでに街乗り車のミラジーノもエンジンオイル交換しました。
ジーノもターボ車なので同じオイルを使っています。


時々S15のミッションオイルを上から入れるのをどうしたら良いのか聞かれるので、ついでにまとめてみました。


まずはシフトノブを回して取り外した後、シフトブーツを外します。


すると大きなブーツがいるのでそれを外すと、こんな感じです。
一番上のツバがあるブーツをマイナスドライバーなどでこじって外します。


そうすると中にもう一個ブーツがいます。こいつはマイナス等を突っ込んでテコの原理で外します。
ブーツが破けそうに見えますが、意外と破けません。


こんな感じ。一周徐々に上にずらしていくと外れます。


そうするとやっとシフトレバーとご対面。
スナップリングがいるのでそいつを外します。


このようなツル口のスナップリングプライヤーがあると大変やりやすいです。


とれたシフトレバー。慣れれば3分ほどです。

入れる準備が出来たのでオイルを下から抜きます。

新品ミッションだったので300kmほどしか走っていないですが、金属粉が凄かったです。


画像で伝わらないのが悔しいですが、リヤデフ(機械式LSD)のオイル交換の3倍ぐらい(主観)の鉄粉量でした。鉄粉の粒もでかいので精神衛生上宜しくありませんが、新品時はこんなもんと思ってあきらめます。


あしたは自分もチームの練習会@富士スピードウェイなので荷物の準備をして終了。

午前2時30分出発なので早めに休みますzzZZ


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2018年10月10日水曜日

機械式LSDの製造会社について

今日は前回の続きでLSDのネタ。

スポーツ走行をする上で、必要となってくるのがLSD。
前回も触れましたが、LSDは代表的なところから言うとCUSCOやATS、KAAZなどのアフターパーツメーカーによるものと、NISMOやTRD等のメーカー系の会社から出ているものがあるかと思います。

それぞれのメーカー名義で商品を出されていますが、その会社自身の工場で開発から生産、販売まで全て行っている会社というのは中々ないのではないでしょうか。
知っている限りですとOS技研とイケヤフォーミュラぐらいです。

例えばCUSCOは大勢技研というのが製造元ですし、ATSもCFCデザインという会社が製造・開発しているようです。
(大勢技研についてはHPを見る限り、もはやCUSCOと呼んでも良いかもしれないですが。ちなみに平成初期はOS技研がCUSCOのデフを製造していました。)


ではNISMOやTRDはどこで製造しているのでしょうか。
お話を伺う限りですと、シビックやシルビア、アルテッツァやロードスター等のトルセンデフの開発元であるGKNドライブラインジャパンという会社が製造されているようです。


こんな会社。栃木にあります。
本社の脇にテストコースまで持っている大きな会社です。開発がかなり緻密にできる会社と推察できます。



今回なぜ製造元についてブログで触れたかと言いますと、自分自身でも様々なメーカーのLSDを使ってみましたが、前回も触れたように以前CUSCOデフの窯を開けた時に、窯の内側のLSDプレートの外爪が引っかかる溝にプレートの「食い込み」が見られました。



こんな感じ。
溝にプレートが食い込んだ跡があるのがわかるでしょうか。
勿論これはかなり長期間使っていたので寿命と言われればそれまでですが、どこにどのように圧力が集まり、また分散していくのかを解析したうえで、それに適した材料の選定と製造を行わないとすぐにこう言った症状が生じてきます。
(どのメーカーでも出てしまうことがありますが)
またこの「食い込み」が生じているということは、前回のブログで記載したように「ヒス」が生じてしまっており、この「ヒス」がどこに集中して溜まり、どうすればそれが解消できるのかを解析・改善するには膨大な予算が掛かるそうです。

つまりLSDを大手自動車メーカーが求める基準(わかりやすく言うとチャタリングが発生しない等)で作ろうとすると、開発だけで億単位で掛かってくるということです(汗)

逆にそこまでの予算をつぎ込んで作っているのがGKN drivelineという会社です。
上記したようにトルセンデフを開発した会社であり、製造も行って大手メーカーにサプライもしています。
確かにNISMOやTRDのデフはチャタリングが少なく、またロックするまでの過渡期が非常に使いやすいと感じています。



ということでどこまでこだわるかという話にはなりますが、性能や品質を追求しようとするのであればある程度の値段にLSDはなる、というお話でした。








ちなみに最近自分が気になっているのはドイツのDREXLER(ドレクセラ)というメーカー。

フォードやBMW等の純正デフを作成しており、フォーミュラやヨーロッパのモータースポーツ界隈ではかなり大手のメーカーです。


デフケースの構造も独特で、「可能な限り軽量化!」というのがHPを見る限りコンセプトのようです。
軽量化以外に、他社に比べて技術的に何が優れているのか詳しく記載されていませんが、「純正の厳しい品質基準もクリアしている」とうたっているので現物を見てみたいですね。
日本も代理店があって、ポルシェやフェラーリ、BMWやメルセデスは勿論、レクサス用やZ33、S2000やシビック用もラインナップされいます。
残念ながら自分の車両に適合がないので検証できないですが、インターネット上の日本国内の評判(数が少ないですが)はかなり良いようです。




他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



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2018年10月5日金曜日

LSDメーカーの違いについて

今回はLSD。

LSD(機械式デフや機械式LSDと呼ばれる物)とは下記の動画で説明されていますが、デファレンシャルギアで本来左右のタイヤの駆動を変動させるとことろを抑え込み、両輪に同じ駆動を伝えることで路面μが低かったり、荷重移動してしまっている状況でも車を前に進めることができる部品となります。



このLSDというのは0.01mm単位でフィーリングが変わる代物ですから、精巧な製造技術が求められます。さらに瞬間的にすごい力がかかる場合もあるため、強固な素材・設計である必要があることから、製造できる会社というのは国内で限られています。

国内のメーカーとしてLSDを販売しているのは

・CUSCO
・OS技研
・KAAZ
・ATS
・IKEYA FORMULA
・TRDやNISMOなどのメーカー系


こんなところでしょうか。
一般的なLSDの構造は下記の図を参照ください。


このようにケースの外側にあるコーンプレートが圧力をかけ、プレートを押し付けることでイニシャルトルクを決めています。駆動力が伝わることで真ん中のクロスシャフトがプレッシャーリングを押し広げ、プレートが密着し、左右の回転差がなくなるという仕組みになっています。

この代表的な構造に最初に大きな改革を起こしたのがCUSCOと認識しています。

CUSCOのRS


このように、今まで外側から圧力をかけていたのを内側からスプリングがプレッシャーリングを押し付けています。
動き方としてはプレッシャーリングがもともと内側から押されてロック気味と言うこともあり、リニアに(すぐに)ロックします。
良い言い方をするとレスポンス良くロックと言えますし、悪い言い方をすると滑り領域が少ない(過渡期のない)ロック特性と言えます。
これを改善すべくCUSCOではスペックFと呼ばれる、溝のないプレートを開発し、プレートが密着(ロック)しにくくすることでマイルドさを出そうとしています。
ですがこの「過渡期」を作り出すのはプレート同士の摩擦力だけではありません。

これが4年ほど使用したCUSCOのデフケース内側です。



外爪プレートがデフケースに食い込み、くぼんでいます。(食い込み)
寿命と言われればそれまでですが、これだけ食い込んでいるということは、プレッシャーリングが押し広げられ、プレート同士が密着させられる際にこの溝にそってプレートが広げられる方向に動かなければならないところが引っ掛かっている、業界では「ヒスが発生している」と呼ばれる状況が発生しているということになります。
つまりアクセルONで駆動を入れても、プレートが素直に動けず、一定以上のトルクが掛かって突然動き出し、ロックするという動きがこの溝の部分に起因して出てしまいます。事実、コーナリング中にアクセルを入れるとある一定のところから突然ロックという動き方をしていました。(FFでは内側を巻かせる運転をさせる際はそういう動きをしてほしい場合もあります。)



次に革新的な構造を作ったと認識しているのがOS技研。
これは上記のCUSCOのプレッシャーリングを外側に押さえつけるのとは反対に、プレッシャーリングを押しすぼめる方向にスプリングの力を利用しています。
つまりプレッシャーリングが徐々に広がるため、マイルドなにロック設定が理論上できそうです。


負荷をかけていない状態。


アクセルオン等で負荷が掛かっている状態。

ですがこちらも試してみたところ、アクセルを軽くONし、駆動力をかけても初期がロックしずらく、またロックし始めても滑り領域(過渡期)が広すぎてロックタイミングが遅い傾向です。感覚的にはプレートとプレートの間にあるオイルがプレッシャーリングに押されても排出されず、滑ってしまっている感覚です。
様々なスプリングレート、スプリングの本数を試し、セッティングを変更しててみても、改善はしましたが基本的な動きは変わりませんでした。当方からもオイルスルーの改善要望を出させて頂き、現在ではプレートの溝の切り方を変え、少し変更されているようですが基本的な動きは変わらないかもしれないですね。(86やスイフトスポーツなどの車種限定で左右回転差感応式のプレッシャーリングのデュアルコアと呼ばれる構造を導入しており改善はしているようです。)
その代わりチャタリングがないので街乗りメインであったり、過渡期が長いのでウェット路面では使えるかもしれません。
(イメージ的には強めのトルセンデフのよう?な感覚です)



さらに新しい構造を投入してきたのがIKEYA FORMULAです。
ピロアームは有名かと思いますが、実はLSDも製造していたりします。


こちらはオーソドックスな外圧式のコーンプレートがいる構造ですが、プレートの爪がケースに接続されるのではなく、プレート専用の稼働用軸を配置し、上記したヒスがない設計となっています。
つまり滑り領域(過渡期)とロックのリニアさを兼ね備えた設計となっています。
個人的に取材してみたのですが、開発にとんでもない金額をかけている上に、EK9やその他メーカー純正トルセンデフを世界で初めて開発したLSDの権威である方がこのデフの開発を行ったとのことです。
勿論構造にもお金かかっていますが、プレート一枚一枚の圧力の分散等を解析し、表面処理だけの開発だけでも相当手が込んでいるそうで、チャタリングのような圧が一瞬溜まってしまうような動きは一切しないとのことでした。
フォーミュラカー等にも採用されているでしょうが、アフターパーツとしてはエリーゼ等を除いて個人販売をしていない所が悔やまれる所です。


ということでLSDは開発にどれだけ時間とお金を費やせたかで出来がかなり変わってくるようです。次回はLSDの製造元にフォーカスしてみたいと思います。



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2018年9月28日金曜日

カーボンクラッチの滑りと寿命について

今回はカーボンクラッチについて。
以前自分はDC2に乗っていました。


このとき使っていたクラッチディスクはATSのカーボンシングルクラッチです。




ATS社のホームページにも車が掲載されてたのを調べてて初めて知りました(笑)

レビューとして半クラして暖める等しなくても、普通のノンアスクラッチ同様の操作感で扱うことができる上にディスクが軽いのでイナーシャが小さく、シフトの入りが大変良いので素晴らしい商品です。

ただ注意しないといけないのが、以前ミッションブローの際に触れたように、繋いだ時の衝撃がダイレクト過ぎると駆動系にダメージが出てしまうという点です。

ATS社のホームページによれば「ミッションへの衝撃力を緩和し~」と記載されていますが、単純にカーボンディスクは固すぎてフライホイールやクラッチカバーの接地面のゆがみに対応できないため、ディスクの付け根側(センターハブ側)をある程度フレキシブルに動くようにしているだけで、駆動系保護するためのダンピングができるようにはなっていないのではないかと思われます。
(カバー側のハンガースプリングでいなしているだけ?)


さらに冷間時は繋いだ瞬間わずかに滑る(DC2の出力において。気になる程ではない)のですが、やはり温まるとドンッと繋がるので駆動系は消耗品と考えられるなら良いですが、駆動系が弱い車種であれば避けた方が良いかもしれません。
ちなみに自分がDC2に乗っている時はドラシャやファイナル等の駆動系は消耗品と割り切って、シフトの入りを重視してたので気にしてませんでした(爆)


また寿命ですが、ディスク自体はノンアス等に比べて減りにくいですが、先にカバーの圧着力が弱くなったので一度カバー側の調整をお願いした事がありました。
よってディスクの寿命だけで言えば長いのでコスパは良いですが、結局カバー側の調整等が発生するのでミッションの脱着は定期的に行い、確認を行ったほうが良さそうです。

  これはロードスター用ですが、シングルクラッチであればべらぼうに高いわけでもないのであまりかまえなくても良いと思います。




現在のS15では昔みたいにしょっちゅうミッション降ろしたりしないので、耐久性を重視すべくクラッチディスクも前はメタルディスクを組んでいましたがあえてグレードダウンさせてダンパー付のノンアスディスクを使って駆動系保護を優先させています。

が、メタルやカーボンディスクに比べるとクラッチペダルを踏んだ時の「キレ」が悪く、変速しにくいのが難点です。

根本的な解決にはなりませんが、クラッチペダルを調整してかなり手前から駆動が切れるように調整し、ペダルを踏みきってシフトを変速するタイミングまでには駆動切れを完了しやすくさせたことで、競技中のシフト入りもだいぶ改善されました。


画像は拾い物です。
プッシュロッドを調整し、ペダルを踏んだらすぐクラッチが切れるように調整しています。
カーボンクラッチにしたいけど駆動系のトラブルに悩まれている方は参考にして頂ければと思います。



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



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2018年9月17日月曜日

FS6R92Aの新品ミッションについて

ブローしてたミッションを本日直したのでインプレッション。


以前のブログで書いたようにミッションがブローしたのでギア交換しようと思ってたのですが部品が廃盤となっていたため、あえてニスモの強化6速ではなく純正のAssyを発注しました。

やっとこさブローしたミッションを降ろし、新品ミッションをつみました。
新品ミッションにはミッション本体の他、レリーズベアリング、レリーズフォーク、レリーズピボットが付いてきます。
自分はNISMOの強化ピボットを使っていたのでそちらだけ移植して搭載しました。



ミッション搭載については割愛しますが、搭載後やっと運転できたのでインプレです。
(ちなみに今年はまだ1,000km走ってません。。。車検あるのに競技にしか使ってないので。。。)


まず最初は「何これ。ほんとに新品ミッション?30万キロ(?)走ったミッションじゃないの?」ぐらい入りませんでした。
今まで自分は日産のFS5W71C(S14、S13や32、33、34スカイラインターボ等に搭載)やE153(SW20など)、S80(DC2など)をOHや新品を組ませてもらった事があり、OHしたてのの評価をまとめると「トヨタ系のミッションは最初渋くて段々滑らかになり、ホンダのミッションは新品時が最高で劣化が速い、日産はOHしてもそこまで変わらない(ぉ」という感じが多かったです。

今回のFS6R92Aは製造元がトヨタ系列のアイシンで作っているので、86やBRZと同じくある程度慣らしをしてからでないとシフトの入りが渋いようです。

という事で街乗り20kmほどの間に無駄にシフトのあげさげをして、またダブルクラッチをあえてしないでシンクロを少しいじめるようなシフトを繰り返した所、普通にシフトできるぐらいまでなりましたが、まだスムーズなシフトとは言いがたいです。


明日も少し走行し、ミッションオイル交換やアライメントセットを変更してみたいと思います。


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2018年8月29日水曜日

デュアルマスフライホイールについて

前回のブログでも触れましたが、今回はデュアルマスフライホイールについて。


聞いたことない方もいるかもしれませんが、こんなものです。



フライホイールなのにメチャクチャ動きますね。
要はエンジンやミッションの振動の吸収と、クラッチ蹴りなどで劇力が加わった際にここで吸収するというものです。

一般的には、クラッチを繋ぐ際の衝撃というのはクラッチディスクにバネのダンパーをつけるという製品が多いかと思います。


こんな感じ。
このダンパーというのはミッションやドライブシャフト等、駆動系が弱い車種であればあるほど有用で、ダイレクトにしてしまうとブローの可能性がより高まってしまいます。

クラッチディスクにつけるタイプのダンパーというのは、一定の入力値に対してはダンピングするようですが、細かい微振動や一定以上の入力は吸収できないので注意が必要です。

このクラッチディスクダンパーでは吸収できない振動をいなしたいとメーカーが判断した場合出てくるのが、上の動画のようなデュアルマスフライホイールです。
デュアルマスフライホイールの構造はこのようになっています。



複数のバネが埋め込まれて微振動や一定以上の入力に対して吸収できるような構造となっています。S15の純正フライホイールもデュアルマスフライホイールですが、これはアイシン製のFS6R92Aが共振音が多いことと、ミッションの強度がないためフライホイールで逃がそうというメーカーの考えかと思います。

よくこのデュアルマスフライホイールを「重い」とすぐ捨ててしまうパターンが多いと思いますが、単純に重量だけをみると普通のフライホイールに比べて重いですが、かなりの高回転で回るフライホイールですから、円周部が重いわけではなく、中心側が重くなるように設計(中心寄りにバネが配置されている)されているため、見た目の重量ほど「重たいふけ上がり」にはなっていないはずです。

設計的には素晴らしいこのデュアルマスフライホイールですが、これだけ動きますので寿命があります。
メタルクラッチとかでフライホイールを定期的に交換されている方ならあまり問題ないかもしれませんが、デュアルマスフライホイールは1つの単価が10万円を超えるほどの価格だそうなので、定期的に交換というのも考えものですね。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



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2018年8月28日火曜日

S15純正ミッションFS6R92Aについて

今回はS15純正6速ミッションであるFS6R92Aについて、前回の続きです。

2018年8月28日現在において、1速及び2速ギアの純正部品は終売となっていました。
一方でミッションAssyは2機のみ在庫があるとのことで、値段も28万3千円とのこと。

NISMOミッションが35万円ですから、2割強安いですね。

ギア比は純正とNISMOを比べるとNISMOが発表しているとおり


3速、4速はほぼギア比そのままに、1速、2速をハイギアード化してクロスしています。
6速は5速よりにローギアード化して全体的にクロスとなっています。


ただジムカーナやショートサーキットでよく使うのは1速~3速で、4速は岡山国際サーキットでジムカーナしたときは4速も使いましたが、それ以外は一度も使ったことがありません。ちなみに以前のブログで書いたとおり、シフトする時間というのは意外とタイムロスにつながりますので、エンジン回転のトルクバンドをよほど外さない限りはシフト回数は減らしたい所です。

よって基軸となるのは1速と2速、時々3速となりますし、競技をしていると高速移動も多いので6速はハイギアードであればあるほどありがたいところです。

なので・・・・


純正ミッションを買うのは今がラストチャンス!ということで残りの2機のうち1機を購入してしまいました(ノ∀`)



ただこのまま使っていればまたいつブローするかわからないので、下記事項を気を付けていこうと思います。

①ミッションオイル量を多めに入れる
②クラッチ側で高トルクがかかった際は吸収できるようにする


①について、ブローした際に実はオイルの攪拌抵抗を少なくしたかったため1.4?しか入れていなかったことも原因だと思われるので、今後は上から入れて2?は入れたいと思います。
ちなみに今まで2ℓ入れてたのですが、ブローした時のみ1.4ℓにしてたのが大きな原因だと思われます。。。
ただ規定量以上入れると昔ブログでも書きましたがブローバイガスだけでなく、ミッション後方のシールからオイルが漏れてきてしまうのは仕様であきらめるしかないですね。


②については前回のブログでも触れましたが、クラッチディスク側にダンパーをつけるというのが大前提となりますが、それ以外に「あえてクラッチを滑らせる」ということも考慮にいれて行こうかと思います。
一般的に強化クラッチということで、メタルやカッパーミックスなどのクラッチ版を使うと思いますが、あえてノンアスディスクを用いることで繋いだ瞬間わずかに滑らせて劇力緩和を行えばより保護に繋がると考えています。

一番いいのがS15やアルテッツァ等で採用されている「重い」と悪評の高い純正フライホイールですが、これはデュアルマスフライホイールと呼ばれ、結構高機能なものです。

値段的に純正フライホイールは高いのでそれについてはまた次回のブログで。


20180917
新品ミッションを搭載しました。


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2018年8月15日水曜日

S15純正6速ミッションの強度について

今回はS15純正6速ミッションであるアイシン製FS6R92Aについて。

先日の灼熱ジムカーナの連続走行が祟ったのか、ツインリンクもてぎの帰り道から2速がいやな音を立ててたのは気になっていましたが、それからあっという間にブローしました。

ブローした主な原因は撹拌抵抗を嫌ってミッションオイルを1.3Lしか入れてなかった自分のせいですが、もともとこのFS6R92AはアルテッツァやNBロードスターと基本設計が共通で、それらよりパワーのあるS15ではブローしやすいというのはよく言われています。
実際NISMOから対作品としてギアの歯数を減らして各ギアの山を大きくし、強度向上を図ったクロスミッションがあります。

これ。

ただこちらは3速、4速を主軸に全体をクロスにしたギア比となっており、ジムカーナで使う1速、2速も3、4速に近づいて(ギア比が高く)います。
なのでこのミッションを使うのであればファイナルも落としてあげないと下図のように1、2速の加速がつらくなってしまいます。


またS15という車はリアのトラクションが薄い事から、クロスさせて1速、2速の領域でエンジンを高回転に維持してもリアが滑ってしまい逆に繊細なアクセルワークが必要になってしまう事、1速で届く所が届かなくなってしまい逆にタイム的に不利になってしまう条件がジムカーナ及びショートサーキットでは多い事から、TC2000以上のサーキットを走らないのであれば純正のギア比のほうが有利になるのでは?と考えています。(以前のブログでも書きましたが、トルクバンドがよほど外れない限りシフト回数は減らしたい所です。)

またNISMOのは強化されているのは主に3速と4速で、1速と2速はギア比変更(歯数変更)による単純な歯肉厚の違いだけなので、2速がブローした今回のように、2速を強化したいという考えではあまり有効ではないと考えました。



そして個人的には何より6速ギアまでローギア化されて高速燃費が落ちてしまうのがいただけないですね。
仮にNISMOミッションを積むとしても、6速だけは純正を使いたい所です。




ではそんな純正のFS6R92Aを再び搭載するにあたり注意すべき点は何なのか、コチラの方コチラのショップの方によれば、ギアがスラスト(軸)方向に前後してしまい、ギアの歯あたりが悪くなって破損するケースが多いらしいです。


ギアをスナップリングだけで押さえているからこんな感じに前後してしまうようです。
スナップリング等を強化(線径を太くする?)した所であまり効果なさそうですので、組む時に歯当たりを少しキツめにして組む事で多少スラスト方向の動きがあったとしてもギアのチャンファー面(歯当たり部分)がキチンと噛み合っているようにすれば良いかな?なんて考えています。


また重要なのがクラッチダンパーだと考えています。


こちらはディスクにダンパー(スプリング)が付いているタイプ。






こちらはディスクにダンパーが無いタイプ。



クラッチをつなぐ瞬間の「ドンッ」という衝撃を吸収してくれる代物。
一般的にスポーツクラッチディスクではこのダンパーをなくし、つないだ時のダイレクト感を求めがちですが、ミッションの耐久性を考えるとダンパーは有効であると考えています。
EXEDY等が作っているディスクはダンパーが付いていますが、NISMOから出ているディスクはダンパーレスです。


なのでFS6R92Aを使うのであれば多少ダイレクト感を犠牲にしてもクラッチダンパー付を選ぶほうが無難かと思います。
ただダンパーが付くとイナーシャが増えてシフトしにくくなる・・・って話はまた今度。


シフト操作しやすさで選ぶか、ミッション保護を優先させるかは難しいところですね。
ミッションの保護や日産純正部品の在庫状況については続きのブログで。



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2018年7月30日月曜日

OS技研のシーケンシャル7速(OS-FR7)について

今日はOS技研の汎用シーケンシャル6速ミッションについて。


そもそもシーケンシャルミッションというのは「sequential=継続的」という意味で、1⇒2⇒3・・・と順番にシフトアップし、逆にシフトダウンでも・・・3⇒2⇒1と順番にダウンしていくミッション構造を差します。
なので良くドグミッション(クラッチ操作なくシフト操作できるミッション)と混同されがちですが、単純にシーケンシャルミッションというだけでは、クラッチ操作は必要です。


今回OS技研がリリースしたシーケンシャルミッションは何が普通のミッションと違うのでしょうか。


こちらが普通のFRのミッション。

OS技研のミッションは中身の写真が公開されていませんが、


普通のミッションはこのようにインプットシャフト上にギアが乗っていますが、OSはインプットシャフトからの入力を一度全てカウンターシャフトに伝達(シャフト回転を減速)し、カウンターシャフトとアウトプットシャフト上に各ギアを配列しているとのことです。

これをすることにより何が優れているかというと、シフトさせるギアが乗っているシャフトの回転数を落とす事により、そのシャフトのシンクロに掛かるイナーシャが減り、シフトしやすくなるという事です。
(イナーシャについてはそのうちブログ書きます。)


スポーツ走行シーンでは一瞬のシフトミスや、ギアの入りづらさというのはタイムに直結しますので、ここは重要な所かと思いますが金額も単体で約170万円と高額なので、シーケンシャルミッションでかつドグ化しないとあまり意味が無さそうですね。
(初回版の10機は既に完売とのことなので、そうとう出来が良い商品なのかと思われます)

逆に全てのギアが1つのピニオンギアを介して伝達されるので、その部分の耐久性や、駆動ロスという所も気になりますが、人間の操作のしやすさの方がタイムには直結しやすそうですね。





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