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2020年11月17日火曜日

VALINO VR08GPのグリップ評価

ヴァリノからリリースされたVR08GPについて、一足先にテストの機会を頂いたのでインプレッションです。

結論としては暖まれば71RSあたりのタイヤで、サーキット周回用と言ったところでしょうか。


タイヤはハイグリップ化が進み、シーランド比(溝と接地面の比)を維持しつつ、柔らかくなったゴムを支えるべくトレッド剛性確保のため、縦溝2本が内側にオフセットした形のタイヤが増えています。ヴァリノのVR08シリーズはこの考え方を踏襲したパターンになっていますね。
事前にβテストで導入されていたVR00βの評判が高かったのでジムカーナと言う、ドリフト競技と同じように冷間時の性能が試される使用方法でテストしてみました。

今回の記事は製品の出来栄え(品質評価)と、ジムカーナ走行3本走行時のグリップ評価の2本立てで行きます。


1.品質評価について

縦溝(センターグルーヴ)が内側になり、左右非対称になるとウエイト面でアンバランスになりがちですが、このVR08GPは設計が良いのかタイヤバランスも良く、4本共にほぼ同じような回転バランスだったのでバラつきも少なく、製造精度もかなり高いものと思われます。


バランサーにて測定しました。

真円度は目視でしか確認していませんが、上下動が少なかったので問題無しです。また左右方向のウエイトバランスも、10~20g程度のウエイト調整で合うので国産タイヤと比較しても遜色ないレベルですね。
これは製造精度は勿論、タイヤ重量そのものが軽くなった恩恵が大きいのでしょう。ぺルギアシリーズは欠点として挙げたようにタイヤ自体が重く、ウエイトバランスはそれなりに貼らないといけなかったですから。

お話聞いてみると、このタイヤの設計をされた方は実績ある方みたいで・・・なるほど、納得の仕上がりです。ただ軽量化のためにリムガードもないので、ホイールが傷つきやすくなる点は注意が必要ですが、国産のハイグリップタイヤ同等の重量レベルに仕上がってます。


2.グリップ評価について

ドライコンディションにおいては、かなりのハイグリップタイヤと言えますが、熱が入るまではぺルギアシリーズと比べると時間がかかります。


特に冷間スタートにおける前後方向(主にブレーキング)が難しいタイヤと感じました。
理由としては「内側と外側の熱の入り方に違いがあり、動き方に差が出てしまうため」です。

青で示した内側は横方向には狭く、縦方向には深い溝があってトレッドが動きやすく、熱が入りやすい

内側は細い&深い横方向の溝もあるためかなり暖まりが早く、逆に外側はブロック剛性が高いため暖まりにくいです。実際1分程度の走行で内側と外側で10℃前後の温度差が生じていました。
この状況でブレーキングすると内側の接地面はグリップして止まろうとするのに、外側の接地面は滑るという状態に陥って、ブレーキング時にタイヤが左右方向へジャダーが発生するような挙動を示しました。

評価時は外側が皮がむけ切っていないという事もあるかと思いますが、剥けたとしても冷間スタートでのブレーキ挙動は注意しておく必要がありそうです。ただサーキット走行するのであれば、ウォームアップ走行で外側まで均一に暖めれば解消するであろう気はします。またキャンバーセッティングがかなりキモになるタイヤです。


温まればはコーナリング速度も外側のトレッド剛性のおかげもあって速いですが、サイドターン明け等の、縦方向の加速が苦手です。限界挙動はドリフトタイヤを開発されてるだけあってとてもコントローラブルです。(PERGEAシリーズはラリータイヤみたいに滑ってても舵が効くイメージ、VRシリーズは一般的な滑り挙動ですが、その幅が広め)

なので路温と路面にもよるでしょうがタイヤにあわせた走らせ方&セッティングをすれば、サーキット周回タイム的には71RSあたりのハイグリップに迫れるレベルであると感じました。もっと路温が下がるとダメかもしれませんが…。

解析すると、この気温で前半、特にスタートダッシュがぺルギアから若干遅れるぐらい内側のヨレはデメリットでもありつつ、メリットにもなりそうです。
例によって前半と後半でフィールが違いすぎてドタバタしてますが。


と言うことで全体的には品質込で、前作のPERGEAシリーズからの進化具合が凄いので良い方向に驚きました。

大事なポイントですが18インチでもこの価格で、国産タイヤの半額以下なので、高いタイヤを減るまで使い続けるより、安価なフレッシュタイヤを常に使うと言う選択肢もありですね。


今回のインプレ第1段は「冷間時のブレーキングに気をつけろ」という話でした。
次の記事で空気圧やトレッド温度依存性あたりについて触れてみたいと思います。
(次の記事はコチラ


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I tried and review of VR08GP, new product of VALINO TIRES. Which makes good rap time but have some issues.

2020年11月15日日曜日

2020TMSC富士ジムカーナ最終戦(VR08GPテスト)

に参加してきました。
シリーズ最終戦ということもありますが、製品テストしたい意図もありエントリー。

朝から快晴。
道中は3度とかでしたが、日中は20度ぐらいとかなり過ごしやすい気候です。

コース図はこちら。

ゴールまで左右に荷重移動しながらのレイアウト。
本日のメインは試合結果よりもこちらのテストが目的でした。



VALINOからこの11月よりリリースされたVR08GPの市販モデルです。ジムカーナの初テストを担わせていただきました。日本に入ってきたのが11/10で、メーカーさんもこのテストに間に合うようとても頑張っていただき、14日の本テストを行うことが出来ました。

製品レビューは別途更新しますが、新製品と言うことで空気圧等のデータが無い&新品ぶっつけ本番のため、皮剥きすらできない状態でスタート。皮が剥けたら少し挙動が落ち着きましたが、結局ジムカーナ3本では皮が剥けきれませんでした。

イメージとしては青い所が1番皮が剥けてて、黄色がその次、赤い所は結局皮が剥けてませんでした。この「皮」と表現しているのは、タイヤを釜で焼いた時の表面の硬い部分(パンで表現するならミミの部分)を指しています。
硬度計はもっていませんが、トレッド温度が落ち着いてから、3箇所触ると明らかに赤い所はまだ硬いので、これからな感じです。(詳細は次のブログにて)


と言う事で1番皮が剥けた走行の動画。
今年3回目?とドラは久々の走行のため、チーム員の代表から「走り方が初心者に戻ったみたい」と痛いところを突かれる始末…タイヤがどんな挙動しているか、分かってても体が反応できず、自分で操作タイムラグを感じるほどなので鈍ってるのでしょうね…。
ドラはポンコツですが、この状態でPNタイヤと1秒差なので、タイヤとしては楽しそうな感じです。
ちなみに自分は初めて知ったのですが、スタートとゴールに発信機をつけて、車内に受信機をつけることで簡単にラップタイムが図れる赤外線式のラップタイマーがあるそうです。

価格も安価でいいですね。
一人で練習に行くときはかなりの便利グッズですが、練習に行く暇がないので当分お預けな予感です。。。


と言う事で今シーズンは全然走らないまま終了してしまいました。来年はもう少し顔を出したいところです。


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2020年11月9日月曜日

配線簡単!熱収縮チューブ はんだ付 防水タイプについて

 配線接続について、これまでギボシ端子を使って接続していましたが、工具のSTRAIGHTからこんな便利グッズが発表されている旨、Twitterで拝見しました。




配線接続時はこれに挿入して暖めるだけで締結と被覆処理がいっぺんにできる優れものです。
しかも配線部分はハンダが溶けて絡むことで強固な締結となるので抜けてしまう事故も少なくなりそうです。
とても便利なので工具箱に常備しておくのが吉ですね。


価格もお手頃なので助かりますね。

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2020年11月4日水曜日

ゼスティノZ-REXの総評記事について(評価)

 以前も取り上げた方が、ZESTINO Z-REXについて総評してくださっている記事を見つけました。



とても参考になります。

特に記事の中で、「タイムを出すには斜めに使うと良い」という旨が記載されています。以前自分がテストさせていただいていた旧ZESTINO Gredgeシリーズにおいて、私自身も同じように斜めに使うことでタイムが出ると評価していました。
また最近ですとトレッドゴムがZTSシリーズより柔らかいであろうVALINOのPERGEAシリーズにおいても、タイムを出すには斜めに使うと評価していました。



「ZTSはトレッドが粘りすぎてコーナーリング中のボトムスピードが落ちてしまうが、RE-71RSはトレッドとサイドウォール剛性のバランスが良く、グリップしつつもボトムスピードが落ちにくい」と言う旨の記載を読んで、なぜナナメで走らせるとタイムがでるのか、とても得心のいくレビューでした。
ただし逆を返すと斜めに使えれば新興タイヤでもタイムが出せますし、冷間からグリップを得やすいです。そして何より価格が安価なので、何を一番にとるか次第ですね。

ちなみにZESTINOのZTSシリーズの最高峰である、ZTS-8000が先日から発売開始されました。価格もお手頃なので要チェックですね。

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2020年10月28日水曜日

SAILUN GeneR PodiumDの新サイズ(235/35/18と265/35/18)

ドリフトで活躍されている上野選手の投稿より、SAILUNの最上位ラジアルであるGene RポディウムDに新たに2サイズが試験導入される旨、発表されています。

いよいよ今週末17日(土)、18日(日)コロナで延期になっていた「春日部ドリフト超天国」が開催されます!! 開催して頂ける風間オートサービスさんに感謝して、最大限の感染対策をして、多くの出展社さんと一緒に盛り上がっていきたいと思いますので、...

上野 浩雅さんの投稿 2020年10月15日木曜日

いい感じのサイズなので、近年の車両を含めて使える車種が広がりそうですね。

縦のグルーブがトレッド内側によっているこの手のタイヤとしては溝の入り方からして排水性が高そうですので、雨の日も安定して使いやすいのではないかと想定されます。

Gene Rのコンパウンドは以前記載したとおりPole DとPodium Dの2種類となり、今回は柔らかい方のコンパウンドであるPodium Dの方のラインナップ拡大なのだと思われます。



日本においては段々イベント開催も増えてきていますし、気温も下がってドリフトでもグリップ競技でもシーズンインする季節ですから要注目なタイヤの一つになりそうです。

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2020年10月22日木曜日

極圧剤としての塩素について(ベルハンマー7)

最近一部のオイルやベルハンマー、ナスカルブ等に配合されている塩素系の極圧剤についての良し悪しについて聞かれることがありますが、使われる環境や使い方によって良いとも言えますし、悪いとも言えるのではないかと思われます。(ナスカルブは塩素フリータイプもあるのでそちらは対象外)



良い点

①高温にならない環境であれば抵抗が減る
②ある一定以下の極圧条件であれば抵抗は減る
③コスト的には他の極厚剤に比べれば安価


悪い点

①高温(400℃以上)では極厚性能が他に劣る
②超極圧条件下では抵抗が逆に増えてしまう
③コストは安いが他の添加剤等に影響を及ぼしやすい


本当に添加することに意味があるのか、例えばバイクのチェーン、スプロケットにベルハンマーを塗って出力テストした結果がこちらのページに出ています。

こちら。
ベルハンマーよりも極厚性能が高いベルハンマーゴールドを塗るとより抵抗が少ないとするもの。


さらにオイルに混ぜてみた場合の出力差についても検証されています。



ギアオイルとエンジンオイルに混ぜた場合。
確かにグラフだけ見ると塩素系のベルハンマーを入れた方が抵抗が減っているように見えます。

ただし小型バイクと言うのは、上記の良い点①と②の条件を満たした軽量モビリティなのでメリットを享受できるのかもしれませんが、大型バイクだったり車では、ギアオイルなんて結構な極圧環境ですから、街乗りでそんなに負荷がかからない状況であれば滑りが良くなるかもしれませんが、加速時やモータースポーツでのアクセル全開時は逆に抵抗増えてしまう可能性が以前考察に用いた論文の結果を見る限りありそうです。

またこちらの方がおっしゃる通り、エンジンオイル等に混ぜてしまうと他の添加剤に影響してしまうことや、一度入れてしまうと取れないという点もあることから、入れる際にはご自身の使用環境が適しているのか否か考えてから用いた方が良さそうですね。

ということで窓枠だったり工具だったり、もしかしたらミニバイク等のちょっとした場所の滑りをよくするには良い成分だと思います。



最近エンジンオイルへの添加専用のベルハンマー7と言うのが発売されたようで、こちらは通常品に加えて有機モリブデンが配合されているのだとか。

以前も触れましたが有機モリブデンと相乗効果を発揮させるにはZnDTPと呼ばれるジアルキルジチオリン酸亜鉛を加えることで初めて効果を発揮するので、塩素を少し薄めてるのかもしれませんが、有機モリブデン+ZnDTPはそもそもエンジンオイルに入っていることが多いので、あまり加えすぎても良いことなさそうな気もします。


こちらがベルハンマー7。

こちらがナスカルブ。
適材適所に塗布して試してみてください。

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