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2018年8月24日金曜日

ターボ車のアクセルレスポンスについて考えるⅡ

今日は前回の続き。

ターボ車において、アクセルオンの瞬間のレスポンスを良くするにはどうしたら良いのか。
改善するには「アクセルが開いた瞬間の吸入抵抗を少なくすればよい」のですが、インタークーラーをそのままで改善する事ができないか考えてみると、ある閃きが生まれました。それは



「空気がインタークーラーを通ってしまうと問題がでるのであれば、インタークーラーとスロットルの間で何とかできないだろうか。」



ということはインタークーラーとスロットルの間にNAでよくあるインテークチャンバーを取り付ければ、逆流するはずだった空気が滞留する事ができ、問題を解決できると考え調べてみるとやはりそういう商品がありました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ジムニー 吸気 ターボ インテークチャンバー JB23 4~10型 MRS
価格:28080円(税込、送料無料) (2018/8/22時点)




ジムニー用のしか見つかりませんでしたが、このようなコレクタータンクを取付すればアクセルオン初期のレスポンスが改善できるのではないかと思います。実際商品のレビューを見てみるとそのような効果が出ているように皆さん書かれています。
ただジムニー以外の車種でみつからないのでネガな部分があるのかもしれませんね。また軽のような小さなエンジンのほうがより効果を感じやすいのかもしれません。





個人的にはこのコレクタータンクはターボ車であれば低回転時におけるアクセルオンだけでなく、高回転時においても副次的なメリットが出てくるのではないかと考えています。



まずスロットルが開いている状態のノーマルの模式図。
タービンで加圧された空気がインタークーラーで冷却されると同時に圧損されてスロットルに到達し、エンジンに吸入されます。






これはスロットルが閉まっている状態の模式図。
閉じた瞬間は、加圧された空気がスロットルのところで逆流を開始し、インタークーラーを通り抜けてタービンまで逆流します。
(ちなみに模式図だと出てきませんが、この逆流を少なくしているのがブローオフバルブです。)
逆流しているということは、タービンの回転数にブレーキをかけてしまうので、この状態から再びスロットルをオンにしてもまたタービンの回転数を上昇させるのに時間が掛かってしまいます。



この逆流する空気量を減らしたうえで、ブローオフのように逃がしてしまわず、インタークーラーとスロットルの間に滞留させることができれば、スロットルオフにして、すぐにアクセルをオンにするような場合にターボラグが少なくなるのではないかと考えました。






図にするとこんな感じ。
なので低回転は勿論、高回転においてもアクセルオフからアクセルオンが短い場合におけるターボラグをインテークチャンバーがあれば短くする事ができるのではないかと考えています。

が、逆流をとどめておける量なんてたかが知れているのでどれだけ効果があるのかはやってみないと分からないですね。

またMR車の冷却の厳しさについても記載しました


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2018年8月22日水曜日

ターボ車のアクセルレスポンスについて考える

今回はターボ車における圧損、アクセルレスポンスについて。


ターボ車はタービンで加圧されて熱くなった空気をインタークーラーで冷却させ、酸素の充填効率を向上させています。
以前少し考察させていただきましたが、このインタークーラーというのは圧損が生じてしまうのでパイピングを短くしたり、インタークーラー自体を小さくする(水冷式にして小さくする等)ことで効率を上げているとのことでした。

最近調べてみるとこのように空気の入口側をテーパー加工することで圧損を低減させるという記事も散見されてきました。


これが元の状態。これが下記のように


テーパー加工して、圧損を減らすような加工をしています。

ばくばく工房様より。



またこちらの方は水冷式と一般的な空冷式における流入空気温度の差を検証されていました。


シルビア系でやっている方は少ないのではないでしょうか。
この方の検証結果を見る限りある程度速度が出ている状態、つまりグリップ走行であれば空冷式でも問題ないように感じられます。
(ドリフトで横向いててインタークーラーに空気が当たりにくい場合は効果大だと思います)

最近の車はエンジンルームのレイアウトがしやすいことから水冷式が増えているようですね。




では空冷式でテーパー加工、インタークーラーを小さくする以外に効率化することは出来ないのでしょうか。
とくに改善点として注目したのが「アクセルオンした瞬間のレスポンス」です。

これを改善するためにインタークーラーだけでなく、パイプレイアウト全体で考えて見ます。


画像はネットの拾い物です。
インタークーラーは空気の通り道における冷却装置でありますが、一方で網戸のように空気が通りにくくなっている渋滞ポイントというのは以前のブログのとおりです。

上記に付随して過給が始まる前の状態、例えばアイドリング状態からアクセルオンした瞬間というのは「スロットルが空気を吸う⇒エンジンの回転数が上昇⇒タービンが回転し始める」という工程を踏むのですが、アクセルオンの瞬間はスロットルが空気を吸いたくても通り道に網戸(インタークーラー)があるため空気が吸いにくく、初期のエンジン回転数上昇を阻害しているのではないかと考えました。
(低回転における吸入程度ではあまり影響が無いかもしれませんが)


ということでターボの過給が立ち上がるまでの問題点として

①低回転からのアクセルオンでは、インタークーラーがあるため空気がすいづらく、回転の上昇が妨げられている。

②上記①を経てエンジン回転数が上昇してきても、インタークーラーが網戸みたいに圧損させてしまう。

という2点がインタークーラーが起因となる点と考えました。
今回特に注目したいのが①で、そもそもエンジンの回転数が上がらなければ過給が始まりもしないので、ここを改善できればアクセルレスポンスが改善できるのではないかと考えましたが、その方法の考察は長くなったのでまた次回に


またMR車の冷却の厳しさについても記載しました



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2018年8月18日土曜日

ロール剛性による荷重変化量とステアバランスについて

今回はバネと荷重移動のネタ。


以前も参照させて頂いたルマンさんのコラムの車両運動性能編から、バネと荷重移動について勉強になる部分があったので数式等の難しい部分は省いてまとめてみました。
また似たような質問がYAHOO知恵袋にもあったので参考に。


1.荷重移動とスプリング

ブレーキングした時に車が前傾姿勢になるのは誰しも分かると思うのですが、バネを固くするとこの前傾姿勢が緩和されて「前側への荷重移動が減った」と思ってしまいがちですが、バネを固くしたところで荷重移動量は変わらないとのことでした。
理由は後述するロール剛性と同じなのでしょう。


2.荷重移動とアンチダイブ
3.後輪駆動車にアンチリフト?

アンチダイブやアンチリフトとは何でしょうか?


バイクや自転車に乗った事がある方なら分かりやすいのが、リアブレーキだけかけた時、フロントブレーキをかけた時に比べ前のめりになるのが少なくなり、リアが沈み込むような姿勢になった覚えはないでしょうか。
あれがアンチリフト(浮くのを押さえる動き)と呼ばれる代物です。
フロントでは逆にアンチダイブ(沈むのを押さえる動き)するようにサスペンションジオメトリーに設計されているのが一般的で、バネだけに頼らず、車が前傾姿勢になるのを抑えようとしているわけですね。


12.ロールによるステアバランス

車を速く走らせるためには素直なステアバランスにすることが肝ですが、大概の市販車では「アンダーステア」になるようにセッティングされています。
ではサスペンション(車高調等)でどうすればアンダーステアを消しこみ、素直なステアバランスを得る事ができるのか。


「ロール剛性」というのは様々な要素によって決まりますが、その一因としてバネとスタビライザーの固さがあります。
アンダーステアの動きというのは、つまり「フロントの限界がリアより先に来る」動きであり、フロントが逃げ出して曲がらない現象ですので、修正するには「フロントの限界を上げる」か「リアの限界を下げる」しかないわけです。
ここで言う「限界」ですが、実は以前のブログでも書きましたがタイヤというのは荷重移動をすればするほどフロント・リアそれぞれで見たトータルの限界地は下がってしまいます。
つまり限界を上げるには「荷重移動を少なくする」必要があります。

例えば前後のロール剛性がF:60、R:40の場合というのは、フロントの方がロール剛性が高く、リアに比べ相対的にフロントの方が荷重移動しやすいため、フロントの方が先に限界を迎えてしまいアンダーステアになるとのことです。


つまりアンダーステアの車を素直にするためにはリアに対しフロントのバネレートを下げるorスタビライザーを弱めれば改善するという事です。(逆にリアのバネレートを上げるorスタビライザーを強くするでも同じ効果が望めます)


自分はてっきりスタビライザーを強くすれば荷重移動量は減る物だと思っていました。。。

ロール角等、その他要素との兼ね合いもあるので実際にはやってみないと何ともいえないところですが、今後アンダー、オーバーの動きが出た場合にどういう方針でセッティングしていけばよいのか、方向性が見えなくなった際の基本指標になるかと思います。

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

2018年8月17日金曜日

IPイグニッションコイルについて(IGNITION PROJECTS)

今日は以前紹介したIP(イグニッションプロジェクツ)についての続き。

このIPというのが性能的にどうなのか気になっていたら、シルビアで有名なヤシオファクトリーがこんな記事を書いていました。





このコイルのお陰でよい燃焼ができて排気ガスの酸素量が減ったとのことです。(AF値)
んで「ドエル角が~」って書いてありますが、そもそもドエル角って何?と思って調べてみると


「ドエル角とは機械式ディストリビューターにおいて、断続器のコンタクトポイントが開いているカム角度のこと。クランクシャフトの回転数の2分の1で回転するディストリビューター中のカムにより、ブレーカーアームが揺動し接点を開閉するが、この接点が開いている角度のこと。例えば54度のように決められた角度になるように、コンタクトポイント間隙を調整する。火花はポイントが開く瞬間に発生する。電子制御式エンジンマネージメントシステムの出現とともに姿を消した。」by Weblio

とあり、ダイレクトイグニッションコイルでは関係ない話ですが、多分ヤシオファクトリーが言いたいのはイグニッションコイルへの通電時間を長くするという意味かと思います。(ドエル時間については続きのブログでまとめています)

その上でヤシオファクトリーがこんな続きの記事を書いています。




どうやらこのイグニッションコイルを使うのであれば、合わせてコンピューターも変更してあげないと真価を発揮できないようです。
ちなみに神奈川県にあるラッシュファクトリーでも同じようなことをR35GT-Rのセッティングで言ってますね。

このコイルは確かにネットでもお手頃価格で売ってますので、もし変える機会があるのであれば買ってみても良いかもしれませんね。
(→購入して実際に競技で使用してみました。特に低速で違いを感じましたが詳しくはこちらのブログで)


この他に日産のイグニッションコイル強化の方法としてADバンとかで採用されているLPガスエンジン用のイグニッションコイル(ガスコイル)を使えるということでこちらのブログや、アウディR8のコイルを流用する方法についてはコチラのブログでまとめてみました。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

2018年8月16日木曜日

ネオスピードパークでカート

今日だけお盆休みを取得してカートをしてきました。

本日の舞台は千葉の北部に位置するネオスピードパークです。



久々の屋外のカートコースです。
ちょっとジムカーナをするには狭いですね(違

室内コースと違って路面の凹凸もあって腕がつらい(;´Д`)




コースの紹介はyoutubeに転がってた地方テレビの紹介をご覧下さいw


普段運動してない事務職にはつらいコースです。。。

なんとか32秒フラットというのが精一杯。。。今日の気温だと30秒後半が一番速いそうですのであと1秒ちょっとですね。
自分の走りに比べ30秒台の方の上手かったポイントは3つありました。


①1コーナーのブレーキポイント


ここの縁石に外側のタイヤを載せ、その上でブレーキ、すぐにアクセル全開でコーナーリング



②シケインは全開


ここはお尻がでないよう最低限のハンドル操作で全開で駆け抜けます。



③最終コーナーのブレーキポイント


最終ヘアピンの減速も縁石に左タイヤを載せながらブレーキ。立ち上がりで反対側の縁石に若干タイヤを載せながらのRを描かないと車速が遅くなってしまいます。



こんなところでしょうか。

後何よりシケイン等の凹凸部分でハンドルがブレてしまうのですが、ある程度筋肉がないと押さえ込めない。。。慣れもあると思いますが。
そこが押さえ込めるか押さえ込めないかでお尻が出るか否かが大きく変わります。。。
次回行く事があれば上記の点に注意しながら走行すればもう少し良いタイムが出るかもしれませんね。






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2018年8月15日水曜日

S15純正6速ミッションの強度について

今回はS15純正6速ミッションであるアイシン製FS6R92Aについて。

先日の灼熱ジムカーナの連続走行が祟ったのか、ツインリンクもてぎの帰り道から2速がいやな音を立ててたのは気になっていましたが、それからあっという間にブローしました。

ブローした主な原因は撹拌抵抗を嫌ってミッションオイルを1.3Lしか入れてなかった自分のせいですが、もともとこのFS6R92AはアルテッツァやNBロードスターと基本設計が共通で、それらよりパワーのあるS15ではブローしやすいというのはよく言われています。
実際NISMOから対作品としてギアの歯数を減らして各ギアの山を大きくし、強度向上を図ったクロスミッションがあります。

これ。

ただこちらは3速、4速を主軸に全体をクロスにしたギア比となっており、ジムカーナで使う1速、2速も3、4速に近づいて(ギア比が高く)います。
なのでこのミッションを使うのであればファイナルも落としてあげないと下図のように1、2速の加速がつらくなってしまいます。


またS15という車はリアのトラクションが薄い事から、クロスさせて1速、2速の領域でエンジンを高回転に維持してもリアが滑ってしまい逆に繊細なアクセルワークが必要になってしまう事、1速で届く所が届かなくなってしまい逆にタイム的に不利になってしまう条件がジムカーナ及びショートサーキットでは多い事から、TC2000以上のサーキットを走らないのであれば純正のギア比のほうが有利になるのでは?と考えています。(以前のブログでも書きましたが、トルクバンドがよほど外れない限りシフト回数は減らしたい所です。)

またNISMOのは強化されているのは主に3速と4速で、1速と2速はギア比変更(歯数変更)による単純な歯肉厚の違いだけなので、2速がブローした今回のように、2速を強化したいという考えではあまり有効ではないと考えました。



そして個人的には何より6速ギアまでローギア化されて高速燃費が落ちてしまうのがいただけないですね。
仮にNISMOミッションを積むとしても、6速だけは純正を使いたい所です。




ではそんな純正のFS6R92Aを再び搭載するにあたり注意すべき点は何なのか、コチラの方コチラのショップの方によれば、ギアがスラスト(軸)方向に前後してしまい、ギアの歯あたりが悪くなって破損するケースが多いらしいです。


ギアをスナップリングだけで押さえているからこんな感じに前後してしまうようです。
スナップリング等を強化(線径を太くする?)した所であまり効果なさそうですので、組む時に歯当たりを少しキツめにして組む事で多少スラスト方向の動きがあったとしてもギアのチャンファー面(歯当たり部分)がキチンと噛み合っているようにすれば良いかな?なんて考えています。


また重要なのがクラッチダンパーだと考えています。


こちらはディスクにダンパー(スプリング)が付いているタイプ。






こちらはディスクにダンパーが無いタイプ。



クラッチをつなぐ瞬間の「ドンッ」という衝撃を吸収してくれる代物。
一般的にスポーツクラッチディスクではこのダンパーをなくし、つないだ時のダイレクト感を求めがちですが、ミッションの耐久性を考えるとダンパーは有効であると考えています。
EXEDY等が作っているディスクはダンパーが付いていますが、NISMOから出ているディスクはダンパーレスです。


なのでFS6R92Aを使うのであれば多少ダイレクト感を犠牲にしてもクラッチダンパー付を選ぶほうが無難かと思います。
ただダンパーが付くとイナーシャが増えてシフトしにくくなる・・・って話はまた今度。


シフト操作しやすさで選ぶか、ミッション保護を優先させるかは難しいところですね。
ミッションの保護や日産純正部品の在庫状況については続きのブログで。



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