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2018年10月26日金曜日

バルブスプリングについて

先日スバルのバルブスプリングのリコールが発表されました。
概要としては、バルブスプリングがイケてないので出力低下などの不具合が出るとの記事でした。




こちらがその記事。

もし事実ならスバルの整備士の方々が大変なことになると思われます。
スプリング屋の方が「リコールが30万台とするとバネが480万本、加工タクトが概算で5秒として6,500時間、1個30グラムとして材料だけで144トン」と推察されてましたが、本当なら大変なのはスバルだけでなく下請工場や材料屋さんも凄い事になりそうですね。

(2018.11.01追記)
どうやら2013年9月まで生産のモデルが対象のようです。

んで、このバルブスプリングがどのような不具合があるのか調べてみると。




このような記事を書かれている方がいらっしゃいました。
新品時のバネの長さ(40.84mm)が基準値(41.06mm)を下回る(上記の記事の数字では0.5%の差異)ものが流通してしまっており、これがどのような悪さをするかと言えば、バルブがしっかりと戻りきらず、その隙間から圧縮漏れが生じてパワーダウン・・・という結果が生じます。
ただこの0.5%という数字がバルブスプリングの場合どれだけ大きな誤差なのかは専門家に確認しないとわからないですが。


画像はコチラから。
上図の部分が戻りきらずに圧縮が「漏れ」てしまうわけですね。
戻りが悪いと最悪タペットバルブとピストンがぶつかってエンジンブローということも考えうるわけですね。

このスプリングが起因のブローとしてはスプリングの「サージング」があります。
サージングとはバルブの共振することで起こる現象ですが、イメージとしてはバルブの動きにバネが追従できなくなるということでしょうかね?ちなみに普通のバルブスプリングは共振が起こらないように不等ピッチになっているのが一般的だそうです。



それでも起きてしまう場合は、スプリングの共振数を変更するために「強化バルブスプリング」というのが出てきますが、スプリングが固くなるということはバルブを押すカムシャフトが回りにくくなる、つまりエンジン単体の摺動抵抗が増してしまうことになります。


そこでF1エンジン等の高回転型エンジンで採用されているのがニューマチックバルブと呼ばれるものです。


スプリングの代わりに空気の力でバルブを閉めることで、サージングのリスクを回避しているわけですね。
ただデメリットもあって圧縮特性が金属バネとは異なるため、中回転・中リフト以下だと、逆にニューマチックバルブの反力の方が、金属バネよりも小さくなってしまうため、ニューマチックバルブは高回転・大リフト量のときにしか上手く機能しないようです。
だから一般的な市販車で採用されているのが少ないわけですね。
ちなみにその弱点を克服したフリーバルブと呼ばれる機構もあるようですが、まだ実用化には至ってないようです。




エンジンのバルブだけみても結構色々あるんですね。

特にシルビアに搭載されているSR20エンジンはバルブを押し下げるロッカーアームがサージングによって飛ぶことがあるので、強化スプリングにしたり、ヘッドの構造をパルサー等に搭載されているSR20VEエンジンに変更されている方もいらっしゃいますね。





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