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2018年8月1日水曜日

ハンドルも切れる?シャシーダイナモについて

今日はエンジンチューニングするには必須のシャシーダイナモの新世代製品について。
エンジンをボアアップしたり、ECUの現車合わせをする際によく用いられるのがシャシーダイナモと呼ばれる、車の車軸をつなげて出力を測定する装置です。


こんなやつ。

「タービン交換して〇〇馬力出た!」とかの「〇〇馬力」を測定する装置。

このシャシーダイナモの新世代のものが東陽テクニカという会社によってステアリング操作可能な仮想実走状態が作り出せるDMTSが開発されたそうです。


上記のHPによれば

自動車は、ハイブリッドシステムや自動運転など、さまざまな部品が関わる複合化したシステムを操る技術が求められている。シミュレーション技術やCAE活用でシステム設計技術は向上したものの、完成車のシステムテストは単体ごとのテストで、協調動作などの確認ができない。
複雑な機能を組み込み、いきなりテストコースで実走テストを行う場合は、システムに問題が生じると実車走行試験中の危険度が高まり、再現テストも不安定となるが、実車試験は不可欠である。これに対し、DMTSはテストラボでさまざまな実走行テストを限りなく可能にする台上での模擬試験だ。



という記述があります。

実はこれはハイブリッドなどの複雑なシステムでなくても、チューニングにおける現車合わせにおいても「実走テスト」というのは必要だと考えております。
理由としては、一般チューニングショップでECUの現車合わせを行うのは、主に一人がシャシダイ上の空燃比を見ながら行っており、その人の経験とさじ加減によっていかようにも左右してしまうからです。


一般チューニングショップでシャシーダイナモ(以下、シャシダイ)でセットアップする際は、アクセル全開状態と一定のアクセルワークを基準とさせ、ECU内のマップをチューナーが書き込んでいくのが一般的で、作業時間としては早ければ準備含めて2時間も掛からず終わってしまいます。

ところがこのシャシダイ上でいくつかのアクセルパターンだけを基準に書き込まれたマップだと、例えば「アクセル全開の状態から一瞬オフにしてそこから1/3程アクセルを一瞬開ける」という運転操作をした際に起こるであろう現象として「全開時にインテーク内で発生している高速の空気の流れが、アクセルオフの瞬間にスロットルバルブの前で関止めされ、瞬間的にかなり加圧された状態が発生し、その状態で1/3程スロットルバルブが開かれるとスロットル開度1/3で想定している以上の空気がエンジンの中に流れ込む」という現象が想定され、書き込まれたマップでは対応できなくなる場合があります。

なので腕の立つチューナーはシャシダイ上でセッティングしては、サーキット等で実走し、エラーが出たら改善して・・・を繰り返して経験をつみ、上記のようなイレギュラーなマップパターンの書き込みを足していく、という作業を繰り返していらっしゃるわけです。




自分自身も燃料ポンプやレギュレーター等は常に劣化するので、劣化状態に合わせて現車合わせを定期的行っていますが、あるときお願いしたシャシダイ上でしか合わせこみをしていないショップで現車合わせを行った際、普通に全開加速しているだけなら良いのですが、イレギュラーな運転操作を行った時にカブってしまう・・・という症状が起きました。
そのチューニングショップも20年近くやっていらっしゃるのでノウハウが無いわけではないと思いますが、実走で確かめてエラー経験を積んでもらうのは大切なんだなぁと思った経験があります。

特に最近の車はハンドルの切れ角や、ABSの作動中、ブレーキを踏みながらのアクセルオンなどの状態では、純正マップがマイルド方向にセッティングされている場合があるので、今後チューニングショップにおける現車合わせにも、チューナーが想定した状態だけでの合わせこみではなく、あらゆる実走状態をシャシダイ側が作り出し、合わせ込むという作業が出来るショップが増えればよりレベルの高いものになると思われます。




このような装置が普及するまでは、これまで通りあらゆる意味で経験豊富なチューナーを探してお願いするのが良いかと思います。


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