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2018年7月31日火曜日

35GT-Rインジェクターについて

今回は最新(?)のインジェクターについて。



インジェクターとは、空気に燃料を混ぜる際に「霧吹き」のような形で空気中にガソリンを混ぜる装置です。


こちらのように空気中に燃料を霧吹きのように噴射する事で、空気と燃料が混ざりやすくすることで、エンジンの燃焼室でより燃えやすくしています。

2000年代の車までは単噴式と呼ばれる、インジェクターの霧吹きの穴が1つのものが主流でした。
ところが段々2つ、4つ・・・と増えていき、霧吹きの穴が増えてきました。


なぜこのように穴数が増えてきたかというと、空気に燃料を噴射する際に、噴射した燃料の粒がより小さく、空気中にまんべんなく吹きつけることが出来れば、より空気と混ざりやすくなり、結果、エンジンの燃焼室で燃えやすくなる(つまり少ない燃料でも効率よく燃焼させることが出来る)訳です。


このような技術は主に燃費をよくするために進化して来ましたが、エンジンを高出力化するためには「良い燃焼」を行わなければ達成できないため、チューニングメニューとしても「インジェクターの多噴化」というのが近年叫ばれてきました。

中でもチューニングベースとして流行っているのが、純正状態でも出力の高い、日産35GT-Rのインジェクターです。
これを2000年代初頭までの車に流用し、燃焼効率を上げることで燃費も良くなりますし、出力も向上する・・・とのことです。

S15界隈ですと、ヤシオファクトリーというチューニングショップが35GT-Rのインジェクターを高評価しています。


同ブログによれば、普通の少ない穴数のインジェクターだとECUの燃調を薄くしても完全燃焼は難しいため、ススがでてしまいマフラーが下記のようにススだらけになるそうです。


普通このように黒く汚れるのが一般的ですね。


ところが、35GT-Rの多噴式のインジェクターで燃調をとると、完全燃焼に近くなる事から、ススが減ってマフラーも汚れなくなるとのことです。


確かに画像を見る限り、35GT-Rの方が完全燃焼しているためか、ススが少なく、マフラーが焼けているような色をしています。


ただインジェクターを付け替える費用と、付け替えた事による効果のバランスという意味では、インジェクターが詰まってしまったりして交換が必要になった時でよいかな?と個人的には思います。

ちなみにインジェクターは多噴式になると、詰まりやすくなるという記事がありましたので、もし交換されるのであればインジェクターのメンテナンスも気にする必要があるかもしれません。


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2018年7月30日月曜日

OS技研のシーケンシャル7速(OS-FR7)について

今日はOS技研の汎用シーケンシャル6速ミッションについて。


そもそもシーケンシャルミッションというのは「sequential=継続的」という意味で、1⇒2⇒3・・・と順番にシフトアップし、逆にシフトダウンでも・・・3⇒2⇒1と順番にダウンしていくミッション構造を差します。
なので良くドグミッション(クラッチ操作なくシフト操作できるミッション)と混同されがちですが、単純にシーケンシャルミッションというだけでは、クラッチ操作は必要です。


今回OS技研がリリースしたシーケンシャルミッションは何が普通のミッションと違うのでしょうか。


こちらが普通のFRのミッション。

OS技研のミッションは中身の写真が公開されていませんが、


普通のミッションはこのようにインプットシャフト上にギアが乗っていますが、OSはインプットシャフトからの入力を一度全てカウンターシャフトに伝達(シャフト回転を減速)し、カウンターシャフトとアウトプットシャフト上に各ギアを配列しているとのことです。

これをすることにより何が優れているかというと、シフトさせるギアが乗っているシャフトの回転数を落とす事により、そのシャフトのシンクロに掛かるイナーシャが減り、シフトしやすくなるという事です。
(イナーシャについてはそのうちブログ書きます。)


スポーツ走行シーンでは一瞬のシフトミスや、ギアの入りづらさというのはタイムに直結しますので、ここは重要な所かと思いますが金額も単体で約170万円と高額なので、シーケンシャルミッションでかつドグ化しないとあまり意味が無さそうですね。
(初回版の10機は既に完売とのことなので、そうとう出来が良い商品なのかと思われます)

逆に全てのギアが1つのピニオンギアを介して伝達されるので、その部分の耐久性や、駆動ロスという所も気になりますが、人間の操作のしやすさの方がタイムには直結しやすそうですね。





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2018年7月29日日曜日

イケヤフォーミュラについて

今日はイケヤフォーミュラという会社について

たまたま会社をお尋ねする機会があり、その会社の凄さに驚いたので思わずブログに。


今では写真のようなIF-02RDSや2018年現在、世界で一番速い電気自動車であるアスパークのOWLの製造元でもあり、日本で一番新しい自動車メーカーだったりします。



中身もどこかの会社から買ってきて組み合わせたのではなく、ゼロから自社で製造・組立てをしているのですから「自動車メーカー」と呼べるのではないでしょうか。

同社は金属加工を得意とされており、日本ではココしか持っていない「疲労破壊測定器」と呼ばれる、ドライブシャフトの強度測定も出来る機材もあります。
(ジムカーナでFF車両はよくドライブシャフトが折れるため、この辺は一度測定したいものです。)


自分のような走り屋(?)は「アーム類のアフターパーツメーカー」としか認識してませんでしたが、すごい会社でした。


ちなみにこんな物まで開発・製造しています。


「IF-T1」と呼ばれる、電動バイクならぬ電動トライク。
ホンダのジャイロのようですが、後ろの足回りは独立のアームで、小石とか踏んでもしなやかにいなすスグレモノ。
酒屋さんのようにワレモノを運ぶような方には最高なのでは?

このトライクも同社がゼロから開発・製造しており、フレームの塗装は安物にありがちな塗っただけではなく、電解塗装している等、その気配り、技術力の高さは目を見張るものがあります。


アフターパーツでアームや部品をどうせ買うなら、このぐらいの設計・品質管理されているメーカーの物がよいですね。
(安物ですぐダメになったり、ましてや折れたりしたらシャレになりませんから。。。)




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2018年7月28日土曜日

オートエース センター出しデュアルマフラー

今日はパーツネタ。

L700ミラジーノはレトロっぽいデザインである事から、ミニクーパーにならってセンター出しマフラーというのが個人的に似合うと思います。

センター出しマフラーも色々あるのですが、みんカラも更新しましたが自分が選んだのは「オートエース」というメーカーの「センター出しデュアルマフラー」です。


※ナンバーの隠し方のツッコミは無しで(笑)


コチラの商品はメッキのバンパーモールもマフラーに合わせてカットしたものが付属するので、取り付け後のまとまりがまるで純正のようにしっくり来ます。


気になるところとしては音量かと思いますが、メーカーのHPには「音量は基本的に変わりませんが、低音の響きが出ます」とありますが、確かにそのとおりで若干低い音がします。心なしか低い音が聞こえる所為で音量も少しうるさくなったような気がします。

音量を左右するタイコはノーマルのままなのに、なぜリアタイコの後ろから出口までのパイプを変えるだけで若干音が変わるのか、というと以前のブログの「マフラーの音質について考える」でも書いたように、パイプの径が今回のオートエースのマフラーのように純正よりもパイプ径が太くなったため、低音が響くようになったものと考えられます。



とは言え、上記したとおりタイコ(サイレンサー)はノーマルのままですので、気になるほど響くようになるわけではないので安心してください。(うるさくしたかった人には物足りないかと思います!?)



よって街中を走るセカンドカーとしてはうるさくならず、スタイルがよくなるので非常に満足度が高い商品なのですが難点が2つあります。

①リアの牽引フックが使えなくなる。

L700はリアのセンター後端に牽引フックがあり、ガレージジャッキで後ろを持ち上げる時はここをジャッキポイントに使いたいのですが、このマフラーはこの牽引フックをマフラーの固定場所にするため、ここにジャッキをかけれなくなってしまいます。よって後ろ側を持ち上げるには車の左右後端にあるジャッキポイントで左右別々に上げる必要があります。


②付属のメッキバンパーモールの耐候性が低い

一緒についてくるメッキバンパーモールですが、成型等に不満はないのですが、表面のメッキおよびメッキ表面の保護シートが若干耐候性が悪く、端が浮いてきます。


※何度も言いますがナンバーの隠し方のツッコミは(ry


上記のマイナスポイントはありますが、全体的には満足度の高い商品です。


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2018年7月26日木曜日

ギア比とシフトチェンジについて考える

今回はギア比とシフトチェンジをリンクさせた考察。

一般的にギア比はミッションを「クロス」にして、ファイナルギアは「ローギア」にされる方が多いかと思います。
良くクロスミッションを入れている方はエンジンの丁度いい領域を使うためにクロスミッションを入れているため、外から聞いていてもシフト回数が多く、見ていても気持ちいいです♪

しかしシフト回数が多くなるという事は、それだけ無駆動時間が多くなるという事です。
更にシフトアップしたのにすぐコーナーが迫ってきてシフトダウンって場面では本当にシフトアップしたほうが良いのか悩みます。

まずはギア比について、自分のS15を基準に考えて見たいと思います。
S15の比較対照としてS14Ks、AP2、FD3S、DC2 98specを参考に入れてみました。



上段がミッションのギア比、真ん中がファイナル、下段が最終減速です。
こうしてみると、S15は1、2速であればAP2よりもローギアです。
しかし3、4速はAP2よりもハイギアードです。FD3Sは1、2速は少しローギアですが、3速はそこまで変わらないように思います。
インテは流石に1.8NAなのでトルクを補うようにかなりローギアです。


右側の黄色の部分は、ファイナルをS15ターボATの3.9ファイナルとS14などの4.083ファイナルに換装した時の最終減速を表しています。

例えばS15で1速から2速へシフトアップする場合で考えてみます。
下図はS15の純正での各ギアの速度図です。


1速を7,500回転でシフトアップした時の時速は56.7キロです。
クラッチを切ってシフトアップし、クラッチを繋ぐまで一般的に速い方で約0.5秒ほど掛かるそうですが、仮に56.7キロで0.5秒だと約7.8m進んでいます。

同じように2速から3速では時速93.5キロですので、約13m車が進みます。
3速から4速では時速133.6キロですのでなんと約18.6mも車が進んでいることになります。


理論上は上記の空走距離が生じてしまうので、1速から2速でシフトアップするのであれば、シフトアップポイントから減速ポイントまで7.8m以上あるのであればシフトアップすべきという結論が導き出せます。逆に7.8m以下の距離であれば、エンジンをレブに当てたまま走行したほうが良いという結論も導き出せます。


ところがどっこい、現実はもう少し長い区間でなければシフトアップしないほうが良いのではという意見もあります。




  • 例えば、1速から2速にシフトアップしたいポイントから、コーナーの入り口(減速ポイント)まで10mあった場合

上記の理論から言えば、シフトアップして2.2mは2速で加速できます。


手書きですみません。
2.2m加速した後にコーナーに進入するためブレーキングをしながらシフトダウンというステップになると思います。
ですが仮にヒールトゥーが完璧だったとしても、シフトダウン中、つまりクラッチを切っている間は「エンジンブレーキ」が使えず、純粋に「ブレーキパッドのブレーキ」だけで減速しなければなりません。
一般的にブレーキのセッティングというのは、ブレーキペダルのみを踏んだ時にバランスが良いようにセッティングするものだと思いますので、このときはクラッチを切っていないため、ブレーキというのは

「ブレーキパッドのブレーキ力」+「エンジンブレーキ力」

で構成されています。ロックするかしないかの限界領域の完璧なブレーキであればあるほど、少しのブレーキのバランスの違いというのは大きなマイナスとなってしまいます。


よって「ブレーキパッドのブレーキ力」+「エンジンブレーキ力」による、単純にブレーキペダルだけ踏んだ時のバランスでセッティングを取られていて、1速から2速にシフトアップして2.2m加速してからブレーキする場合、その理想ブレーキングポイントというのは「エンジンブレーキ力」が掛からない0.5秒(シフトダウンは一般的に0.6~0.7秒ぐらい掛かるそうです。)分は、ブレーキが弱いため、ブレーキポイントをもう少し手前にしてあげないと止まりきれません。

ってなると今回の例のシフトアップポイントからブレーキングポイントまで10mという場合であれば「シフトアップしないほうが速いのでは?」という考えが出来ます。

ただエンジンブレーキがどのくらいの強さなのか、また1速の時はギア比の所為でエンジンブレーキが強いですが、2速、3速と上のギアになればなるほどエンジンブレーキの力が弱くなるので、3速、4速あたりであればあまり気にしなくても良いのかも知れません。
またエンジンやギア比、つまり車種ごとによってタイヤに伝わるエンジンブレーキの力は変わると思いますので一概に「何m以上あるならシフトアップしたらいい」と断言はできませんが、


1速、2速の低速コーナーでシフトアップするかしないか悩む距離であれば、シフトアップしないほうが良い場合がある


という事を頭の片隅に、自分の車はどの位の距離ならギア比的にしなくても良いのか計算しておくと、悩んだ時の判断材料になって良いかもしれません。



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2018年7月25日水曜日

アストロプロダクツのトルクレンチについて

今回は工具ネタ。

最近身近にドンドン出来ているアストロプロダクツ。通称アストロ。
安い工具が身近で手に入るようになったのは大変喜ばしいですね。

一時期はヘックスレンチが、品質が悪く、ネジ穴とサイズが違いすぎてガバガバ・・・ということもありました。
最近はやはりクレームも多かったようで品質管理もしっかりしてきたようです。

今回気になったのはアストロで売っているトルクレンチ。
トルクレンチといえば日本では東日のトルクレンチでしょう。



校正証もついており、「セットしたトルクが本当にそのトルクで締められているのだろうか?」と心配される方や、毎日業務等で使用される方には、規定トルクでキチンとトルク管理ができて強い見方ではないでしょうか。

ちなみに自分はこちらのノーバーという会社のトルクレンチを使っています。



前ブログで触れたワールドインポートツールズで売っていたイギリスのトルクレンチメーカー。
飛行機のボーイングの組立てでも正式採用されているという話の、日本ではあまり聞きませんが世界的に見るとかなり信頼度が高いメーカーのようです。


ただこういったトルクレンチは、自動車整備で良く使う1/2ヘッドのトルクレンチだと2万円~4万円と中々高額です。
ところがアストロでは自社ブランドのトルクレンチを4千円ちょっとで販売しています。




通販で買って送料含めても5千ぐらいで買えるのでお買い得ですね。
ただ気になるのは、上記のような校正がしっかりしているブランドメーカー品と比べて、キチンと規定トルクで締められるのか?という所です。
こちらについてアストロプロダクツ(会社名、ワールドツール)の本社の方に話を伺ったところ、現在販売している商品は規定値の3%以内の公差に抑えて出荷しているので品質も安心して欲しいとのことでした。
ただ一方で長期的に使用するのであれば、使い方にもよるが1~2年周期でトルクが狂ってくるので交換して欲しいとのことでした。
ブランドメーカーで出来る、トルクレンチのトルクが狂ってきたら校正(トルク値修正、いわゆるオーバーホール)というのは、一般的に5千円~という費用ですが、アストロのトルクレンチは上記のとおり単価が安いことから、アストロプロダクツとしても「校正」するよりも「買い替え」して欲しいというのが公式見解である、とのことでした。

なので2年で交換するとか、とりあえず使いたいという人であればアストロのトルクレンチも安心して使用できるのではないでしょうか。

2019.10.05
アストロプロダクツが買収された件についてまとめました。


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