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2019年2月28日木曜日

スプリングメーカーごとの挙動について

先日のジムカーナ会場にサスペンションプラスさんが出展されていたので、スプリングの特性についてお話を伺いました。
概要としては同社がラインナップするUC-01というのがいわゆる「超低反発」スプリングで、UC-03が逆に「超高反発スプリング」という立て付けだそうです。

以前のブログで各社のスプリングの特性を個人的には色々感じていますが、他社のスプリングと比べてどうなのか聞いてみたところ、特性のイメージとしてはこんな感じらしいです。(SPはサスペンションプラス)



※あくまで営業の方から受けた説明をイメージ化したもの。

低反発というのが以前のブログのAZUR代表が説明しているような、「縮みがゆっくり(とは限らないが)、伸びもゆっくり」というスプリング、逆に高反発なのが「縮みも素早く(とは限らないが)、伸びが速い」スプリングのイメージだそうです。
UC-01とUC-03が大局的な性格らしいですが、UC-01寄りなのがハイパコ、UC-03寄りなのがSWIFT、ちょうど真ん中にいるのがKYBのバネだそうです。

ただやはり設計思想が違うらしく、HYPERCOは「いかに縮み始めた瞬間から指定されたバネレートを立ち上げるか」を主眼として設計されているので、上記の言葉のイメージで言うところの「(最初からレートが立ち上がるので)縮みはそこそこゆっくり、伸びもそこそこゆっくり」な感じで、アイバッハは「縮みがそこそこ速く、伸びもそこそこ速い」感じ、SWIFTはUC-03と同じように「縮みが速く、伸びも速い」バネだそうで。
「縮みも伸びも無難な感じ」なのがKYBのスプリングというイメージだそうです。

あとHYPERCOはレートやバネ自体の長さによって違うそうですが、立ち上がりのレートを重視しているためか、限界許容領域(線間密着)に近づくにつれてレートが線径で立ち上がらなくなることがあるそうです。
(画像の紫で示したところ)


HYPERCOの公式で公開しているデータでは、線間密着前の領域も安定している結果となっていますが、選ぶレートやレングスによっては不安定なモデルがあるということなのでしょうか。(まぁその領域まで使うようなバネレートなら変更した方が良いと思いますが。)

できれば機械で測定した上記のようなレートの立ち上がり方の図があると比較しやすいのですが、サスペンションプラスさんは持っていないそうです。


へたりについても聞いてみたところ、サスペンションプラスに限らずSWIFTやその他メーカーも、許容荷重範囲内で使用しているのであれば、基本の鋼材は各社大体一緒なのでへたりというのは基本ないはずとのことでした。
(許容荷重を超えて使ったり、サビ等が発生してへたることはありますとのこと)



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


How about suspension plus ,Swift,HYPERCO,KYB and Eibach springs?? What is the difference between each coils?

2019年2月25日月曜日

FISCOクラブ総会(FSW本コース走行)

昨日は所属するFISCOクラブの総会に行って来ました。
今週3回目の富士スピードウェイです。




総会はこんな株主総会みたいな感じでつつがなく終了。


んでメインは富士スピードウェイの本コースを走れるイベントが付帯されていたので申し込んでみました。
会員は無料で本コースを走れるのでかなりお得なイベントです。

走り方はファミリー走行と呼ばれる、先導車の後についていくだけの、ヘルメットもいらないサーキット観覧走行と、ガチ攻めできるフリー走行があったのでフリー走行にしようと思ってたのですが、現在ブレーキパッドがジムカーナ用のフルメタルパッドしか持っておらず、そのまま本コース走るとキャリパーが死にそうだったのでファミリー走行にしました。。。


これまでFSWは100回以上来ていますが、本コースを走るのは初めてです。


外から見ているとコースが大きすぎてGTRなどのある程度馬力がある車でないと楽しくないのかな、と思っていたのですが、路面の傾斜が意外とあったり、1コーナーの奥が下っていてブレーキがシビれそうだったり、考えて走らなきゃいけないポイントが多々あったので面白そうです。

来年こそはフリー走行して見たいと思います。

2019年2月22日金曜日

大学自動車部イベント@富士スピードウェイ

今日は母校の自動車部のジムカーナイベントが富士スピードウェイでありました。
今週2回目のFSW。朝一別件で用があったのでS15はお休みで街乗車のミラジーノで行ってきました。


天気もいいので山道で。
久々に明るい時間にここの道を通りました。


ついた時には富士山が雲に覆われてしまっていましたが、一日晴天で過ごすことができました。





ジムカーナ場についてみると現役生やOBが結構来てました。



現役生達の運転を見ていて思ったのは、自分が学生の頃よりみんなしっかり運転できていることです。
アドバイスとかしなくても車を動かすイメージと基本がしっかりしているので、あとはドンドン走りこむのみですね!




驚いたのが、主将さんのお姉さんが乗ってこられてたこの車。


こんなきれいなレビンは初めて見ました。
聞いてみるとお父さんが丹精込めて作り直されたのだとか。ピカピカの新車のようでした。




ジムカ場にこの車で来るのは2回目だったかな?(競技走行はしてないです)



参加された皆様お疲れさまでした。
明日も別件で富士スピードウェイに訪れます。

2019年2月20日水曜日

2019ニュートンランド富士ジムカーナシリーズ第2戦

前日の土曜日に準備を行い、翌日曜日には富士スピードウェイのジムカーナ場で開催されるニュートン練へ。今回もスタッフ側で参加です。

明け方、現地は3度ぐらいで前回よりもあたたかく感じました。



コースはこちら。


ただ一日中、ほぼ日が出ていない状況だったので路温が10度以下と低く、トラクションが薄い車にとって厳しい条件の中進行しました。
そんな中であがく為にちょっとセットを変えて挑んだ1本目。



計測器トラブルにより再出走だったこともあり、トレッド温度が高かった為、スタート直後から割と踏めました。解析してみるとこの状態でも弟子くんのMR2のスタートダッシュより遅いです。。。低μということもあり、カプチーノ等の軽い車が楽しそうでした。

2本目も計測器トラブルで再出走だったのですが、スタート直後にドライバーのミスでやらかしてタイムダウンだったので動画なし(ぉ

最終的には1本目のタイムで1位/17台でフィニッシュ。弟子くんは5位でしたが、もはや微修正だけでぶっちぎられそうです。。。ってかタラレバタイムならぶっちぎられてます(爆)


自分は次戦の日程が海外にいるので欠席となります。

また会場にサスペンションプラスさんが出店されていたのでスプリングの特性について話を伺いましたのでメモ代わりにまとめてみたいと思います。


This blog is about "Newtonland 2019 series2"

2019年2月19日火曜日

走行準備と経年劣化

先日の土曜日は、翌日に富士スピードウェイで行われるニュートンランドのジムカーナに参加するための準備を行っていました。

まずブローしてから2回目のミッションオイル交換とエンジンオイル交換。
ミッションオイルは積み替えてから300km、そして今回はそれから900km、新ミッションとしては合計1,200km走行しました。
さすがに1回目程ではないですが、鉄粉量はまだまだ多めでした。だいぶシフトの入りも良くなってきましたが、まだまだ固いですね。

2019年になって車に触るのが2回目ですが、久々に時間が取れたのでそれ以外の部分の点検を行ったところ多々問題点が。。。。
フロントパイプに亀裂が入っていたのでとりあえずマフラーパテを塗っておきましたが、こちらもその内溶接修理が必要です。

それより一大事だったのが、2年前の夏に交換したアーム(トラクションロッド)のブッシュが飛び出して来ていました。


ブッシュの圧入穴が緩くなっているのでしょうね。
外してハンマーで打ち込めるぐらいでした。


ちなみに翌日の走行後様子をみたら、やっぱり飛び出してきていたのでそのうち対策します。



また久々にエアクリーナーを掃除しようと外しました。
乾式なのでバケツに水をためてジャバジャバしてもみ洗いをした瞬間このような状態に。。。。


ボロボロ。
もみ洗いする前まではこのような状態ではなかったので、スポンジが固くなっていて力が加えられた瞬間ボロボロになったのだと思われます。なのでエンジンに吸い込まれては無かったと思いたい。。。。経年劣化って恐ろしい。

ということで新品フィルターに。


最初150φのものかと思って購入したのですが、200φが正解でした。
HKSのフィルターはオートバックスでも通常在庫品として置いてくれているので助かります。


同時にL700、ミラジーノのエンジンオイル交換を行いました。
その際に以前のブログで記載した塩素系の添加剤であるベルハンマーを入れてみました。


エンジンだけでなく、ミッションにも添加してみました。
これでどれだけ動きが(腐食されて)滑らかになるのか、また塩化パラフィンには汚れの剥離効果があるようですのでどれだけきれいになるのか見てみたいと思います。


エンジンオイルのフィラーの部分。
目で見えるぐらいの変化があるとは思っていないですが、一応確認していきたいと思います。


弟子くんも何やらゴニョゴニョしてるパパラッチ画像が…


翌日の走行会に続きます。

2019年2月18日月曜日

ベルハンマー(ナスカルブ)等の塩素による腐食について

極圧剤の腐食について前回のブログの続きです。

前回触れたように「金属が腐食される」と聞くとマイナスなイメージしか持てないですが、この腐食というのは金属表面と反応して表面を「軟化」させ、極圧状態(すごい圧力がかかってオイルが入り込めない状態のとき)においてオイルに代わって「潤滑」させて、焼き付きを防止しているようです。

なので腐食は確かに嫌ですが、いざという時にブローする方が嫌なので、どっちを良しとするかなのかと思われます。


そこで腐食は「悪」ではなく、ある程度までは「正」として見るとしても、どの程度腐食が進んでしまうのか気になったので調べてみました。


今回取り上げる塩素系の添加剤であるベルハンマーの販売元であるスズキ機工から銅に対する腐食テストがおこなわれている結果が示されています。


「腐食ではなく鍛えられています」と記載されていますね。


鍛えられているかどうかは(?)ですが、本当に腐食が進まないのか「ちょっと怪しい」と思って文献を調べてみると、出光興産から金属腐食に関する論文が公開されています。

この論文の中で出てくる添加剤の中では塩素化パラフィンが該当するのかと思われますが、超極圧領域(境界潤滑領域)では他の添加剤に比べて摩擦が高くなってしまっていますね。腐食に関しては、スズキ機工が公開しているとおり銅に対する腐食については論文内では触れられていないですね。(銅も実験していることから、結果として銅に対してはそこまで腐食反応が無かったのかもしれません。)


一方でホワイトメタル(ミッション等のギアやシャフト本体によく使われている金属)への腐食が認められますね。
とは言っても100℃以下の低温では、どの金属においても腐食はほぼ無いようですので、街乗り程度では腐食の進行についてはほぼ考えなくて良さそうです。

気になる点としては実験における塩化パラフィンの添加量は 他の添加剤に比べて多め(10%で実験している)なことですね。2%以下の少ない添加量だと腐食度合いに差がないということなのでしょうか。(逆に現在のデフオイルによく入っているジアルキルジチオリン酸亜鉛は少量でもアルミに対する腐食が出てしまっています。)




また興味を持った点として、塩素化パラフィンのみ摩擦の特性が、400℃以下であれば一番低いという点でしょうか。(逆に400℃を超えるような超極圧状態では他の添加剤に分があるようです)



これを見る限り、そこまで高温にならない環境下及び極端な極圧状態でなければ塩素はコストも含めて優秀な極圧剤のように受け取れます。

ただ調べを進めていくと塩素化パラフィンというのは極圧剤として優れている一方、発がん性があったり焼却処理が大変なことから、環境問題的に大手メーカーは使いたくても使うことができないのだとか。
なので代わりに使われているのが、アルミに対して腐食があっても文献にも出てくるジアルキルジチオリン酸亜鉛などだそうで。(銅も腐食させてしまうようですが真偽は定かでない)

どの極圧剤にしろ何かしらデメリットがありますが、加えないわけにはいかないので添加量(%)を少なめにし、腐食防止剤等を配合することでデメリットを抑えつつ、メリットを享受しているのかもしれませんね。



現在販売されているデフオイル(LSDオイル)に添加されている極圧剤は上記のジアルキルジチオリン酸亜鉛のような金属系が多いそうですが、真偽は自分が調べる限り定かではないですが、ミッションのシンクロに使われている真鍮(銅)を腐食させてしまうことがあるらしく、純正指定のミッションオイルは添加剤(極圧剤)の量が少ないGL-3やGL-4が多いです。
特にFRのようにミッション内にハイポイドギアを持たなければ極圧剤の多いGL-5よりは配合の少ないGL-3やGL-4の方がよさそうですね。(ドリフト等で瞬間的に激力がかかるような動きをするのであればギア本体の保護的にGL-5の方が良いのかも)
オイルメーカーは勿論このあたりは承知の上で腐食防止剤等を配合しているでしょうからそこまで心配する必要もないかもしれませんが、以前のブログでも触れたようにFF系のLSDが入ったミッションはシンクロが早くダメになる気がするのは極圧剤のせいなのかもしれませんね。(LSDを入れる方は一般的に使い方が激しいですし、LSDの金属粉が出やすいからかもしれませんが。。。)


てな感じで塩素系は環境にはよくないが、極圧剤としてはホワイトメタルへの腐食があるが400℃以下で添加量を少なく、超極圧箇所でなければコスト面を含め総合的にはそこそこ優秀。現代においては広く使われている硫黄系もアルミ等への腐食が懸念事項としてはあるようですが、環境と超極圧領域においては優秀な極圧剤のようですね。
(販売元のスズキ機工に聞いてみました。




これらを踏まえて市販オイルは極圧剤と腐食防止剤や酸化防止剤等をバランスしているでしょうから、いくら「オイルに影響がない」と謳っている添加剤・極圧剤・エンジンコーティング剤と言われる物でも、個人で添加はしない方がよいのでしょう。







ここまで書いといてあれですが、前回のブログで取り上げたオイルメーカーの方のコメントでも「高負荷でなければ軽くなったように感じる」と書いてあったのもあったので、ものは試しで塩素系の添加剤を街乗り車に入れて実験してみようかと思います。



他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

Does Chlorinated paraffin put in engine oil have meaning?? Is it good for metal surface??