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2018年8月7日火曜日

RE-05Dタイヤについて

今日はジムカーナに準拠したタイヤのネタ。

先日の日曜日、スポーツランドSUGOで全日本ジムカーナ選手権の第7戦が開催されました。
ジムカーナは「デフとブレーキパッド、車高調、ハンドル、シート」のみ交換して良いPNクラスという区分が最近主流です。

その中でも一番盛り上がっていると思われるのがPN3と呼ばれる、86およびBRZが主体のクラス。


今年も前半戦から表彰台はブリヂストンのRE-05Dとダンロップのβ02と呼ばれるタイヤを使った選手達で表彰台を独占、もっと言うとブリヂストンを使った選手が1位、2位に主になっています。
常連1位の選手は同じチームの先輩で、ブリヂストンのテストドライバーです。

一般的に各社のストリートハイグリップタイヤというのは、毎年全日本ジムカーナの開幕戦に合わせて開発・販売を開始される事が多いので、逆に言うとジムカーナを見ていればどのメーカーのどのタイヤが今一番使えるタイヤなのか一目瞭然なので、一般ユーザーがタイヤを選ぶ際に非常に参考となる指標となります。



今現在一番強いであろうRE-05D。
このタイヤにも弱点があるようで、低温域やウェットではダンロップのβ02に軍配が上がるようです。

確かにβ02よりもRE-05Dの方が表面的なゴムは固いので、少し熱が入ってしまえばRE-05Dの方がコシがあるのかもしれません。
以前コチラの方がRE-05Dを解体しているブログを読みましたが、タイヤの構造が最早スリックタイヤのソレだったそうで。。。


そりゃ手間隙掛かっているからタイヤの値段が高いわけですね。。。
でも一般ユーザーはこんないいタイヤをおいそれと買えないですよね。。。普通のタイヤ以上に減りますし。。。

とは言えタイヤについては移り変わりが激しいので、2018年後半戦でどう変わっていくか楽しみです。






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2018年8月6日月曜日

スリットブレーキローターの向きと効能

今回は自分が最近知ったスリットブレーキローターの向きの話。

スポーツ走行をする方だとブレーキパッドは勿論、ブレーキローターも交換されている方も多いのではないでしょうか。
ブレーキローターを交換する際にスリット入りのローターにする場合もあるかと思いますが、ローターの向きで実は効率が変わるという記事をみつけましたのでご紹介します。


こちらはアピオと言う、ジムニーのカスタムでは有名なお店のブランドのHPから。

上図のとおり、一般的な正回転ではなく逆回転で使うと制動力が5%程上昇するとのことです。(ただパッドの消耗も増えるみたいですが。。。汗)


ブレーキローターといえばDIXELやENDLESSが有名ですが、安めの純正同等品等の製品をサーキットで使ったりして温度が高くなるとクラックが入ることが多い気がしますので、もしモータースポーツで使うのであれば熱処理したローター等、選ぶ際に少しこだわって交換したいですね。




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イケヤフォーミュラのピロボールについて

今日はピロボールについて・

以前のブログで書いたイケヤフォーミュラからラインナップされているピロボール。
ピロボールの製造元と言えばNMB製(48じゃなくてミネベアですよw)ですが、日本で一番ピロボールを購入しているのはイケヤフォーミュラだそうです。

このように色々なアーム類にピロを使用していますが、実はNMBから買ってきたものをそのままアームの先端に圧入しているわけではなくて、各アームによってピロの大きさ等をオーダーして専用設計にしてもらっているそうです。

特にステアリング操作に一番直結するタイロッドエンド部のピロについては、そこのピロの動き1つでドライバビリティに影響する事から、一般的な新品時にありがちな渋めのピロではなく、あえて新品時から緩めに設定されているそうです。


イケヤフォーミュラの方に「ゆるくした代わりに耐久性はやはり落ちてしまうんですか?」と尋ねたところ、「NMB製のものはそもそもそんなヤワな素材を使っていないし、念のため表面処理もしてもらっているから、「10万キロ持つか?」などのピロとして大げさな耐久性は無いにしても、気にしなくて大丈夫」との回答でしたので大丈夫なのでしょう。

またこのタイロッドの付く位置というのが非常に重要だそうで、↑の画像を良く見ていただくと分かるかもしれませんが、エンドのピロボールが入っている所と、タイロッドの接続部分が若干Rが付いているのが分かるでしょうか?
ハンドルを切った時にタイロッドとエンドのピロへの入力角を計算してここのRも最適化しているようです。

また知っている人はご存知かもしれませんが、日光サーキットで起きた死亡事故を機に、イケヤフォーミュラとしては製品単価を上げたとしても、耐久試験等を更に追加で行って、製品検査も更に厳しく行ってから出荷されるようになったとのことです。
(※自己の際にはイケヤフォーミュラは何も関係ありませんが、アフターパーツメーカーとして製品の品質について考え直されたとのことです。)


社外のアフターパーツでアームやピロは沢山販売されていますが、ここまで製品基準が高いアフターパーツメーカーというのも珍しいな、と思ったのが印象です。
個人的には1分1秒を争うモータースポーツで、少しでもガタツキが無いほうが良いですし、少しでも車の動きを良くする事ができる製品をつけたいのでイケヤフォーミュラさんのピロやアームを使わせてもらっています。

2018年8月4日土曜日

マフラーの音質について実験してみる

今回は考察ネタ。

以前マフラーの音質について考察した中で、グラスウールを使うと高音が消されてしまうというようなことを書きました。

ということでグラスウールはどれだけ高音を吸収してしまうのか実験してみました。


現在自分が使っているのは下記のマフラーです。


GP SPORTSのEXAS EVO TUNEマフラーです。
画像で言うところの「パワーチャンバー」、これは「ヘルムホルツ共鳴器」と言う構造で、一時期はF1でもマフラー内の圧力を調整させるために採用されていた構造です。
この構造のマフラーは市販品だとこのマフラーしかないのではないでしょうか?
共鳴効果で消音させているためか特殊な音を奏でます♪


こちらは触媒後ろの中間パイプにグラスウールが入ったタイコ(サブサイレンサー)が一つ、出口付近にもう一つ大きなタイコがあり、上の画像で言う所ところのテールエンドの中にはバッフルが挿入されています。



こんなやつ。
一般的に詰め込むバッフルはネジ1個止めが多いですが、GPスポーツのマフラーは4つ止めになっており、全然ビビリ音がせず、マフラーの内径とバッフル径がピッタリですし、素材も固めの金属を使っておりいい意味で品質がよく、悪い言い方をするとピッタリすぎて入れづらいですし、外しにくいです(汗)
ドリフトとかでサーキットでよく外す方はメンドクサイかもしれませんが、自分みたいに競技中もつけたままの場合はあまり外す事がないのでむしろ◎です。


今回は中間パイプにある、画像で言うところの「サブサイレンサー」を撤去し、グラスウールの有り無しを検証してみました。
(テールエンド部のグラスウールは残したままです。)


オレンジ色で指した部分。




ということで、まずは結果から。




こちらは中間パイプにタイコ(グラスウール)有の動画。
消音はされていますが、ターボの加給で排気が増えると、上記したバッフルによって出口が狭められているためジェット機のように空気が膨張した際の破裂音が聞こえます。


一方、中間パイプを撤去してみたパターンを検証してみました。




こちらは中間パイプにグラスウールがなく、ストレート構造になった動画。
走っているコースは違いますが、音の違いはわかりますでしょうか?
聞こえ方としてはグラスウールによる排気圧の減圧効果が少なくなったためか、エンジン本来の「ブォーン」という音がタイコが有る状態よりも強く聞こえるため、破裂音が相対的に小さくなったように聞こえます。




で、気になるところは「どっちの方が音が良いか」というところです。

確かにグラスウールがないと排圧が高く、高音成分が消されないため、外で聞いている人間の耳にもエンジンの排気音が聞こえてきます。一方でグラスウールで消音するとエンジンの排気音は聞こえてきませんが、マフラーのバッフルで作り出された破裂音が良く聞こえるようになります。

個人的にはグラスウールで消音され、バッフルで「作り出された音」の方が好みですが、ここは意見が分かれる所かと思います。


ということで実験の結果わかったことは以下の2つです。

①エンジンの排気音はグラスウールをなくすと高音が聞こえやすい(排圧が高い)。
②マフラーで音を作り出すのであれば、エンジン自体の排気音は消し込むことも一つの手法

上記の①は以前のブログの考察のとおり、エンジンの排気音における高音はグラスウールがない方が良いことがわかりました。
一方で②のようにマフラーで音を作り出す・・・というのは、ホンダ車で代表的なとぐろを巻いたようなマフラー等、色々なメーカーがやっていますが、もはや割り切って「エンジンの排気音は消音させ、狙った音を作り出す」ということを試みた例はあまり見たことがありません。まぁ排気効率が悪くなってしまうことが多いからかもしれませんが。。。


また今回の実験で使っている自分の車はターボで排気圧が高いので、テールエンドから大気に排出された際に出る「破裂音」が大きく、分かりづらい結果となってしまいました。。。NA車両でやるともっとわかりやすいと思います。
これもやはり机上の理論だけではなく実践してみないと分からない事ですね。

とは言え、机上の理論を詰めるために次回は「音を作り出す」ということで、またもや笛のお勉強をして考察してみようかと思いますww
(2019.8.31 考察してみました。続きのブログにて)

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



2018年8月3日金曜日

VALINO TIRE(ヴァリノタイヤ)について

If you want to read this article, please visit this English.ver article.


(2020.1.20更新)

日本で新たに立ち上がったVALINOタイヤというタイヤメーカーについて。


これがヴァリノ(バリノ?)タイヤ。

ホームページを確認してみると日本メーカーと言っていますが、ファブレスで、生産国は中国とのことでした。
また以前自分がテストドライバーをやってたZESTINOジャパンと今回立ち上がったVALINOはVAZESTRAグループと言うことで関連会社のようです。



ZESTINOのGredaeシリーズより強烈なグリップを発揮するようで、ウェットでも発熱しやすく、また中村選手のSNSによれば500馬力でもパワーが食われてしまうし、名阪スポーツランドでドリフト初期からフロントが持ち上がってしまっている画像がアップロードされていました。


これ。

ただドリフトが主な開発主場となっているようですので、テストしてたZESTINOもそうでしたが良い意味で滑っている領域が広くて使いやすく、悪く言うと領域が広くて限界域を掴みにくかったのでVALINOタイヤもグリップでの評価がどうか、見ものですね。
今回の開発テストは日比野哲也選手は関係しておらず、主に中村直樹選手が担当されたようです。


今の所、PERGEA 08R 08RS 08SP(ペルギア)とGREEVA 08D(グリーヴァ)呼ばれるシリーズ展開で、ハイグリップなのがペルギア、ドリフト練習に最適な削れにくいゴムがグリーヴァと呼ばれています。ペルギアはゴムの削れやすさを示すトレッドウェア(TW)は200、160、140(数字が小さいほど減りやすい≒柔らかい)の3種類が販売されています。2020年からはPERGEAに08Cと呼ばれるTW300のモデルや、VR08GPと呼ばれるタイムアタック専用モデルも追加されるようです。
(私自身がペルギアシリーズで走った評価はコチラのブログ、新しく発売されたグリップ走行用のVR08GPの評価についてはコチラのブログをご覧ください。)


~PERGEAシリーズ~


ぺルギアシリーズはD1等の試合で勝てる、つまり冷えている状態で車が前に出ることを念頭に作られているので、ゴムがタワみやすいように設計されています。
(ヒステリシスロスと呼ばれますが、そちらの原理についてはコチラのブログで触れています。)
またゴム自体が柔らかいだけでなく、熱の入りやすさも考慮されていることも相まってトレッド面がすぐに柔らかくなり、一般的な表現だとグニャグニャになります。よってサーキットの周回みたいな使い方には適していません。

逆に冬場のウォームアップがなく、いきなりアタックするという状況やウェットであればその威力を発揮できるでしょう。また新品時の溝は8mmとかなり深溝となっていることもあってグニャグニャとしたハンドリングになってしまっています。
もしアタックに使うのであればスリップサインギリギリまで削ってからが本領発揮だそうです。


-PERGEA 08R-
そのぺルギアシリーズの中では一番ゴムが硬いのが08R。
熱の入りも良いですし、サーキット周回2週ぐらいしても表面は解けますがゴム自体は砕けにくいので比較的安定的にどこに行っても使いやすいモデルです。
ちなみにジムカーナにおいて自分が感じたり、動画解析した限りだと縦方向は052より前に出ます。
ただ空気圧や車重、キャンバーセッティングによるので一概には言えないですが、横方向については柔らかいので腰砕け症状が顔を出します。が、溝が浅くなれば比較的落ち着いてくるみたいですね。
またシリーズの中では硬めで溶けが少ないモデルなので、硬化(劣化)が進みにくく、最後まで比較的おいしく使えるタイヤです。

なのでドリフトで使われる方はこの08Rが一番無難な選択肢になるのかと思います。
グリップで使われる方はジムカーナや、冬場の群サイの峠コースの一本勝負(1~2分ぐらいの短めのコース)や、ウェット路面であれば高価なタイヤよりもタイムが出るかもしれませんね。


価格もぺルギアの中では一番お手頃なので、ヴァリノを買おうかな?どれにしようかな?と迷われたら08Rが一番オールマイティかと思います。


-PERGEA 08RS-
ぺルギアシリーズの中では中間にあたるモデル。
08Rよりもゴム自体をさらに柔らかく、ドリフト追走勝負とかのスタートダッシュで「もう少し前へ!」と思ったらこちらです。
ゴムが柔らかいということはヒステリシスロスが増えるので発熱が速くなり、より熱の入りが良いのでしょう。
ここまで柔らかいとドリフトはよいですが、タイムアタックするにはコーナリングフォースが出しづらい≒タイムが出ずらいのでしょうね。
(トレッド剛性とサイドウォール剛性がないといくらグリップが良くても早いコーナリングができない理由はコチラのブログで)

冬場のジムカーナやウェット路面でのアタックにはもってこいな特性のタイヤなのでしょう。(私自身がテストした評価はコチラ


価格もそこまで違わないので、使用される環境がマッチすれば強い味方になりそうです。


-PERGEA 08SP-
ぺルギアシリーズの中では一番上のモデルとされています。
なによりゴムが柔らかく、すぐに発熱…というより発熱しなくても強烈なグリップを発揮するようで。
柔らかすぎてタイムアタックではあまり使えないみたいで、ドリフトでもここまで柔らかいのは雨の日の試合ぐらいだそうです。
自分は現物を見たことがないので何とも言えませんが、RSより柔らかいとジムカーナでも真冬のウェットぐらいしか使わなそうなイメージです。


そもそもサイズがD1車両が良く履くサイズしか出てないので、履ける車種も限られてしまいますね。

トレッドウェアが300のPERGEA 08Cというモデルについてはその内更新します。

~GREEVAシリーズ~


-グリーヴァ08D-
ぺルギアとは違ってゴムはかなり固く、すり減りにくいことを目指して開発したモデル。ZESTINOで言うところのACROVAと同じようなコンセプトになるでしょうか。
ドリフトの練習したいけどすり減りにくいタイヤが欲しい方にはうってつけのモデル。一般道で履くにもすり減りにくいので街乗りタイヤとしても良いかもしれませんね。
15インチのサイズも出るようですので、街乗りタイヤを探されている方も選択肢の一つになり得ると思います。
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使い方がハッキリされている方にとっては良い選択肢になり得るタイヤ、ヴァリノタイヤ。
サーキットで周回走行される方には向きませんが、「ドリフトで勝ちたい」「冬場やウェットの一本勝負で勝ちたい」といった目的にはピッタリです。
(グリップ用のVR08GPの評価についてはコチラのブログをご参照ください)

逆にここまで使い方を限定されていると潔いので、消費者側で自分に合ったモデルを選びやすいですね!


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


This blog is about "What is VALINO TIRES ?". If you want to read this, Please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2018年8月1日水曜日

ハンドルも切れる?シャシーダイナモについて

今日はエンジンチューニングするには必須のシャシーダイナモの新世代製品について。
エンジンをボアアップしたり、ECUの現車合わせをする際によく用いられるのがシャシーダイナモと呼ばれる、車の車軸をつなげて出力を測定する装置です。


こんなやつ。

「タービン交換して〇〇馬力出た!」とかの「〇〇馬力」を測定する装置。

このシャシーダイナモの新世代のものが東陽テクニカという会社によってステアリング操作可能な仮想実走状態が作り出せるDMTSが開発されたそうです。


上記のHPによれば

自動車は、ハイブリッドシステムや自動運転など、さまざまな部品が関わる複合化したシステムを操る技術が求められている。シミュレーション技術やCAE活用でシステム設計技術は向上したものの、完成車のシステムテストは単体ごとのテストで、協調動作などの確認ができない。
複雑な機能を組み込み、いきなりテストコースで実走テストを行う場合は、システムに問題が生じると実車走行試験中の危険度が高まり、再現テストも不安定となるが、実車試験は不可欠である。これに対し、DMTSはテストラボでさまざまな実走行テストを限りなく可能にする台上での模擬試験だ。



という記述があります。

実はこれはハイブリッドなどの複雑なシステムでなくても、チューニングにおける現車合わせにおいても「実走テスト」というのは必要だと考えております。
理由としては、一般チューニングショップでECUの現車合わせを行うのは、主に一人がシャシダイ上の空燃比を見ながら行っており、その人の経験とさじ加減によっていかようにも左右してしまうからです。


一般チューニングショップでシャシーダイナモ(以下、シャシダイ)でセットアップする際は、アクセル全開状態と一定のアクセルワークを基準とさせ、ECU内のマップをチューナーが書き込んでいくのが一般的で、作業時間としては早ければ準備含めて2時間も掛からず終わってしまいます。

ところがこのシャシダイ上でいくつかのアクセルパターンだけを基準に書き込まれたマップだと、例えば「アクセル全開の状態から一瞬オフにしてそこから1/3程アクセルを一瞬開ける」という運転操作をした際に起こるであろう現象として「全開時にインテーク内で発生している高速の空気の流れが、アクセルオフの瞬間にスロットルバルブの前で関止めされ、瞬間的にかなり加圧された状態が発生し、その状態で1/3程スロットルバルブが開かれるとスロットル開度1/3で想定している以上の空気がエンジンの中に流れ込む」という現象が想定され、書き込まれたマップでは対応できなくなる場合があります。

なので腕の立つチューナーはシャシダイ上でセッティングしては、サーキット等で実走し、エラーが出たら改善して・・・を繰り返して経験をつみ、上記のようなイレギュラーなマップパターンの書き込みを足していく、という作業を繰り返していらっしゃるわけです。




自分自身も燃料ポンプやレギュレーター等は常に劣化するので、劣化状態に合わせて現車合わせを定期的行っていますが、あるときお願いしたシャシダイ上でしか合わせこみをしていないショップで現車合わせを行った際、普通に全開加速しているだけなら良いのですが、イレギュラーな運転操作を行った時にカブってしまう・・・という症状が起きました。
そのチューニングショップも20年近くやっていらっしゃるのでノウハウが無いわけではないと思いますが、実走で確かめてエラー経験を積んでもらうのは大切なんだなぁと思った経験があります。

特に最近の車はハンドルの切れ角や、ABSの作動中、ブレーキを踏みながらのアクセルオンなどの状態では、純正マップがマイルド方向にセッティングされている場合があるので、今後チューニングショップにおける現車合わせにも、チューナーが想定した状態だけでの合わせこみではなく、あらゆる実走状態をシャシダイ側が作り出し、合わせ込むという作業が出来るショップが増えればよりレベルの高いものになると思われます。




このような装置が普及するまでは、これまで通りあらゆる意味で経験豊富なチューナーを探してお願いするのが良いかと思います。


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