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2019年2月8日金曜日

金属のコーティング剤(極圧潤滑剤)について

エンジンやミッションのコーティング剤、極圧剤についてあげられるのが、マイクロロン、メタライザー、Rewitec、進化剤、ベルハンマー…等々沢山の種類が出ています。

エンジンに限らず、ミッションやデフなど金属表面は使っていれば必ず傷や摩耗が出てきます。その時にどのようなものを投入すればよいのか迷ったので比較・調べてみました。

マイクロロン


かなり老舗の金属コーティング剤。要約すると金属表面にテフロン系の膜を形成することで摺動面を均し、動きを良くしたり修復することができるとのこと。
この効果については学術的にも効果が出ているらしいです。




Rewitec(レヴィテック、レビテック)

ドイツのメーカーが出している金属コーティング剤。「シリジウムが保護膜を形成し~」的なことが書いてあったので調べてみると、シリジウムというのはケイ素とのこと。ケイ素ということは、いわゆる「シリコンスプレー」と同じような表面膜形成による表面平滑化というイメージでしょうか。
(シリコンスプレーの効能や使いどころについてはコチラのページが良くまとまっています。)
Rewitecも独自で研究機関の効果を実証しているので、下記の進化剤やメタライザーと合わせてケイ素系のコーティングは意味ありそうですね。


輸入している製品の割にはお手頃な気がします。



進化剤

こちらも成分としてはケイ素系の金属コーティング剤ですので、効果としては上記のRewitecに似たようなものになるかと思いますが、こちらのページにて検証されている方のを読みますと、下記のメタライザーの方がよさそうに思います。

(2024年現在、通販されてないようです)


メタライザー


ケイ素系のコーティング。内容的にはエンジン等が動いて出てきた金属粉を、再び傷や表面に付着させて修復するというもの。
よって新品のエンジンオイルに入れても効果はなく、ある程度走ってエンジンオイル内に金属粉がある状態で添加しないと意味がないというもの。
効果については学術的にも効果が出ているのでこちらも信用できそうですが、効果継続時間が気になりますね。


ちなみに上記で触れた同じケイ素系のRewitecや進化剤よりもお手頃価格で購入できますし、ラジエターやパワステポンプなど、使う場所(使う油種)に合わせてラインナップも豊富です。


ベルハンマー

上記のフッ素でもケイ素でもない、化学反応で金属を潤滑させるらしいもの。2016年から登場し、車・バイクに限らず色々な摺動部分において高い評価を獲得しているようです。


こんな感じで金属膜を形成するようです。
うたい文句的には「フッ素やモリブデンを使わず、それより効果が高い」と言っているので、マイクロロンよりも効果あると明言している感じですね。
コスト的には上記のケイ素系コーティングよりは持ちが悪いのか、オイル交換毎に入れると良い的なことが書かれているので、交換頻度によりますが微妙なところでしょうか。


容量もいろいろな種類が出ていますが、エンジンやミッションに入れるのであれば1ℓあたりが使いやすそうです。
ちなみに2018年に、保護膜形成の即効性と持続性を強化した「ベルハンマーゴールド」というのが発売されました。


ちょっと高めですが、ベルハンマーゴールドだと2輪の選手が使っている実績があるようです。
コーティング剤と言うより潤滑剤ですが、調べるとこのベルハンマーも含めて、よく使われている成分の一部が車やバイクに使うには知っておいた方が良い点があるようです。

長くなったのでまた次回に。

2019年2月5日火曜日

GT RADIAL TIRE(GTラジアルタイヤ)について

先日オートサロンに行った際に、キノクニさんから出展されていたアウディのA5にこんなタイヤが装着されていました。


GTラジアルというブランドのSX2及びHPYというタイヤです。

調べてみると、阿部商会という商社が輸入しているインドネシアの会社です。


調べてみると同社はミシュランのタイヤをライセンス生産している子会社だそうで、CHAMPIRO HPYというのが、昔のミシュラン パイロットスポーツなのだとか。

少し古いモデルだと思いますが、ミシュランのタイヤとパターンを比較した記事がありました。

ミシュランと言えば製法も他のメーカーと違って特殊でC3Mという製法で作られています。詳しくはこちらの方の記事がわかりやすいですが、結果としてタイヤそのものの重量が軽く、重量バランスも優れていると個人的にも感じています。

なので自社のブランドにも同じ製法を使っているかは疑問なところがありますが、少なくとも技術的には安い海外タイヤにありがちなタイヤ自体の真円率だったり、そのもののバランス(ホイールに組み込んだ時のウェイトバランス)が悪いということは無さそうな気がします。

今のところグリップについてはCHAMPIRO SX2が同社のハイエンドモデルになるかと思いますが、レビューを見る限りは他社のハイグリップラジアル(ZⅢとか71Rとか)に比べると一歩劣るようなレビューが多く見受けられます。


通販価格も安いですし、今季ドリフト競技に参戦するにあたって改良が入ればチャンピーロ シリーズは面白いタイヤになりそうですね。

2020.3.13
新しいコンパウンドが発表されたようなのでまとめました。

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


This blog is about "What is GT radial tyres ??" If you want to read this blog, please press "Translate" buttons near the top of this blog.


2019年2月2日土曜日

風洞実験装置とエンジンベンチ室等の見学

先日は浜松(正確には磐田)にあるモンスター静岡磐田にて行われた工場見学にお誘いいただき、行ってきました。
目的としては同社がもともとスズキスポーツだった頃からある車のための「風洞実験室」、「エンジンベンチ室」、ドライカーボンを焼くための「真空窯」の見学です。



見学開始が13時からで、かつサーキットに走りに行くわけでもないので体力も気にしなくて良さそうだったので下道にて行ってみました。
5時過ぎに自宅(ほぼ千葉県)から都心を抜け、246を南下。御殿場あたりで7時過ぎですっかり明るくなり。


富士山が良く見えました。
裾野を超えて1号線に入ってからはバイパスになっていて、清水のあたりでの道路工事による渋滞以外は半分高速道路みたいな感じで進めました。


藤枝ちょい手前の宇津ノ谷峠にて休憩。
思い返せばここ以外で休憩してない。。。

その先もわりとサクサクと進み、11時30分ごろには現地着。


バイパスに乗ってしまえばクラッチ操作もないので、下道移動でも割と楽に進めますね。
先日も日光まで下道でしたが、慣れちゃうと高速使えなくなってしまいます(笑)


同日は「蚤の市」と呼ばれるイベントでアウトレットセールが開催されてました。


13時になっていよいよ工場見学ツアーの開始です。
まずはエンジンのポート研磨を行う専門の部屋から。


ポート研磨専用の部屋があることにも驚きですが、何名も作業ができるスペースがあったのでピーク時は結構研磨作業があるのかもしれませんね。


研磨室の横にはカプチーノもありましたが、ポルシェもエンジンが下ろされ何やら開発されてるご様子。


続いて見させていただいたのは、駆動系関連の検査及びポートの空気流入量測定する部屋。




こちらの磁気探傷装置を使うと、クランクシャフト等の金属の見えないクラックを可視化することができ、OHで再使用してよいのか判断できる機械だそう。
普通のショップは細かなクラックチェックが出来ず、気が付かないまま組み上げてブローすることもあるんだとか。



その横にはフローベンチとよばれるポート空気流入量を測定する機械。
カムシャフトのプロフィールを変えてバルブリフト量を増やしたとしても、ポート形状が悪ければ空気が入らない=意味がないので、ポート形状を最適化するためには測定して形状を決めるのだとか。



WRCやパイクスピーク等でバルブサイズが規定されている場合は特に、空気が入りやすいようにポート形状を決め、実際に空気が流れるか計測しながら開発してきたそうです。





続いてエンジンを組むための恒温室。1年中20℃に保たれ、バルブクリアランス等の値を正確に測定しています。


ここで組み上げたエンジンをお隣にあるエンジンベンチ室で回してチェックを行うそうです。


当日は搭載されていませんでしたが、ここに載せて求められるパワーが出ているかどうか、組み上げたすべてのエンジンを確認しているそうです。
全国のモンスタースポーツで受注したコンプリートエンジンやOH依頼されたエンジンは全てここで組み上げとベンチテストを行ってから返却されるので、慣らしもいらないそうです。


その後は風洞実験室へ。
実験台に載っていたのは33スイフトで、モンスターの新作エアロを装着した車両。
実際に回したところを撮影させてもらえました。



これでcd値などを測定したり、ダウンフォースなどを加味してエアロ形状を決めているそうです。高い値段はしますが、効果があるエアロになっているそうです。
その他にもWRCマシンやGTウィングも様々な形状のモデルがありました。
国内でも風洞実験ができる施設はあまりないですから、色々なところから試験委託されるのでしょうね。

その後エアロの開発部屋を視察させて頂き、最後にドライカーボンを焼くための窯を見せてもらいました。
写真は撮れませんでしたが、バンパーやボンネット、ウィングなどが焼ける国内でも中々大きいオートクレーブでした。


帰りは夜に予定があったので高速にて。
高速使っても3時間半ちょっとかかったので、下道より2時間ほど短縮という感じで終了。




下道と高速の半々でしたが、燃費は23.6km/lと中々の数字を記録。


EFエンジンのL700も古いですが中々優秀ですね。
また変更した現在のギア比だと70km/hあたりで走れれば26km/lはいけそうな気がします。

次はホイールとかの工場見学してみたいですね。

2019年1月30日水曜日

GRモーターオイルについて

2018年の夏に、トヨタからこんなオイルがリリースされました。


GRモーターオイル。
トヨタの公式ページにそのうたい文句等が記載されていますが、まとめると


①粘度指数VI値(低温でも高温でも粘度が変わりにくい≒柔らかいオイルでも固いオイルと同じように高温でも粘度が保てる)が大きい

②FM剤(摩擦低減剤)によるフリクションロスの低減

だそうです。
メーカーが出すぐらいですし、実際評価も高いようなので気になって調べてみました。

②を謳ったオイルは様々なメーカーから「レーシングオイル」として軽くふけあがるように摩擦を減らすようなものを配合した製品がありますが、高温時の粘度を満たすためにどうしても固い粘度グレードのオイルになりがちです。
ですがこの粘度指数が高ければ、低粘度のオイルグレードでも高温で油膜維持ができるのでサーキット等の過酷な条件でも使用することができ、かつ街乗り等の低温時でも軽いふけ上がりを実現するというもの。

①を満たすために何をしたのかというと、エンジンオイルの約8割を構成しているといわれるベースオイルの開発だと思われます。
そのベースオイルはどこで作っているのか、製造元を調べてみると、JXTG、他のブランドで言うところのエネオスのオイルだそうで。


ベースオイル=原油からの精製物なので原油を掘っている企業が出している商品が一番強そうですね。
エネオスのWBASEオイルの説明にもGRモーターオイルと同じように「粘度指数を従来より15%向上した」旨の説明文が書いてあります。(科学的な考察をされている方のページもありました)これらをベースにトヨタとお金をかけてさらに進化させたのでしょうか。

ラインナップとしてはTouringとCircuitというのがあります。

こちらがツーリング。粘度は0w-30です。
エネオスで言うところのZPテクノロジーとやらで硫黄分を低減して交換サイクルを長くしているのでしょうか。ちなみに交換サイクルは15,000kmをメーカーが推奨するぐらいですからほんとにロングライフなのでしょう。


こちらはサーキット。粘度は0w-20.
上記のFM剤を配合することで低フリクションになった代わりにライフが短くなったタイプ。短いといっても5,000kmですから実用的ですね。
こちらを使うことで0→100mが0.24秒早くなるぐらいレスポンスが上がるとのこと。これはワンメイクレースやジムカーナ等の改造が出来ない競技においては大きなアドバンテージになりますね。


ただHPにも書いてあるように、昔のエンジンやターボ車には不可となっています。
以前も書いたようにエンジンのクリアランス等の問題で低粘度が使えないのかもしれませんね。

もしGRモーターオイルを入れたいと考えているターボエンジンや少し古いエンジンの方はエネオスサスティナを検討してもよさそうですね。

自分は以前のブログに書いたようにTAKUMIモーターオイルを使用しており、今のところ問題ないですが、機会があればGAZOO RACINGのGRモーターオイルを試してみたいですね。

This blog is about "What is GR motor oil(TOYOTA GAZOO RACING oil)? Is it different from the other Engine oil??" If you want to read this blog, please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2019年1月22日火曜日

2019ニュートンランド富士ジムカーナシリーズ第1戦

前回のブログで土曜に走行準備を行い、翌日曜日は富士スピードウェイにて初走りしました。
10月以来の走行ですので4か月ぶりに車庫から出庫。。。長い冬眠でした。
前日色々と準備を終えて午前3時に家を出発。今回もスタッフ側で参加です。


着いたときはお天気もよく、星もキレイでした。
準備を進めていくと9時前から雪がちらつきはじめ、みぞれ交じりの雨が降り始めてしまいました。




フルウエット。
お天気レーダーをみると何故か富士のジムカーナ場だけピンポイントに降ってます。。。
ただウェットでも試したいことがあったので良いタイミングでした。


コース図はこちら。サイドターンが多くてトラクションが薄いS15には厳しいコース。
その後みるみる晴れて、勝負のアタックヒートは全員フルドライで走れました。



1本目。弟子&自分の走行。


弟子。


自分。

スタート直後はタイヤが冷え切っていて進まないのがよくわかりますね。
弟子はところどころミスがありますが、動画解析してタラレバのタイムを見てみると自分より速いですね。路温の影響も大きいですが車速が高い領域でのアクセル開度で大きく離されています。
ただ車の動きとしては前日セット変更してフロントが入るようにしたのがコースにはマッチしていました。




2本目。日が陰って路温が1本目より4℃程下がった状態でスタート。


弟子。



弟子はサイドターンがうまくいってればダントツトップですね。自分はタイムダウンしてしまいましたが、1本目のタイムで優勝/17台でフィニッシュ。
さっそく昨年末話題になったA052をはいている車もいらっしゃって、タイヤ選択がより難しい一年となりそうですね。


次回は2月ですので、車はまた1ヶ月の冬眠に入ります。

This blog is about "Newtonland 2019 series1" If you want to read this blog, please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2019年1月21日月曜日

パッド交換でブレーキタッチ&バランス改善

先日の土曜日の話。
2019年最初の走行を控え、まずやりたかったことは「ブレーキタッチの改善」と「ブレーキバランスの改善」です。

まず「ブレーキタッチの改善」ですが、冷間時(一般道やワインディング走行ぐらいまで)であれば気になるようなことはないのですが、気温20度以上の練習会や競技中にフルブレーキでブレーキが底づいてしまうことがありました。

最初はエア噛みかと思っていたのですが少し冷えると元に戻るという症状だったことと、パッドが5部山を切ってから出始めたこともあったので、キャリパーピストンが凸出していることによるタッチの悪化かと考えて交換に踏み切りました。


フロントパッド
色々パッドを試しましたが、3速以下のスピードレンジにおけるジムカーナ走行では、フロントが強すぎるのでどんどんパッドの番手を落としていき、最終的に一番効かないパッドが丁度良かったのですが、あまり純正パッドと効きが変わらないことと、純正は圧倒的に値段が安いので現在は純正パッドを愛用しています。踏めばロックさせることができますし、さすが純正でコントローラブルです。(減りにくいし)


こんな感じで5部山ぐらいでしょうか。
純正だとパッドを止めるスライドピンを抑える棒スプリングも付属されるのが良心的ですね。


続いてリア。
リアは以前のブログに書いたようにフロントに合わせて選択しています。
そこそこハイスピードコースならRM1、どこでも使えるのがRM1.5という感じです。
ただ最近は富士のジムカーナ場、筑波のジムカーナ場など、路面の凹凸が少なくスピードレンジが低いパイロンジムカーナばかりであることからもう少し斜めのブレーキでリアを出したかったので初めてRM2をチョイスしました。


横にあるのはRM1.5。だいぶ使ってしまった。。。

その他に最近路温が低くて鼻の入りがイマイチだったので、セッティング変更をして終了。
その後、久々に弟子宅に伺うとなにやらフロントキャリパーが怪しげなものに。。。


キャリパーが大きすぎて制動力よりもペダルストロークが心配でしたが、大丈夫だそうで。
そんなこんなで準備を終えて、次の日の富士スピードウェイでのジムカーナシリーズ開幕戦へと続きます