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2018年8月15日水曜日

S15純正6速ミッションの強度について

今回はS15純正6速ミッションであるアイシン製FS6R92Aについて。

先日の灼熱ジムカーナの連続走行が祟ったのか、ツインリンクもてぎの帰り道から2速がいやな音を立ててたのは気になっていましたが、それからあっという間にブローしました。

ブローした主な原因は撹拌抵抗を嫌ってミッションオイルを1.3Lしか入れてなかった自分のせいですが、もともとこのFS6R92AはアルテッツァやNBロードスターと基本設計が共通で、それらよりパワーのあるS15ではブローしやすいというのはよく言われています。
実際NISMOから対作品としてギアの歯数を減らして各ギアの山を大きくし、強度向上を図ったクロスミッションがあります。

これ。

ただこちらは3速、4速を主軸に全体をクロスにしたギア比となっており、ジムカーナで使う1速、2速も3、4速に近づいて(ギア比が高く)います。
なのでこのミッションを使うのであればファイナルも落としてあげないと下図のように1、2速の加速がつらくなってしまいます。


またS15という車はリアのトラクションが薄い事から、クロスさせて1速、2速の領域でエンジンを高回転に維持してもリアが滑ってしまい逆に繊細なアクセルワークが必要になってしまう事、1速で届く所が届かなくなってしまい逆にタイム的に不利になってしまう条件がジムカーナ及びショートサーキットでは多い事から、TC2000以上のサーキットを走らないのであれば純正のギア比のほうが有利になるのでは?と考えています。(以前のブログでも書きましたが、トルクバンドがよほど外れない限りシフト回数は減らしたい所です。)

またNISMOのは強化されているのは主に3速と4速で、1速と2速はギア比変更(歯数変更)による単純な歯肉厚の違いだけなので、2速がブローした今回のように、2速を強化したいという考えではあまり有効ではないと考えました。



そして個人的には何より6速ギアまでローギア化されて高速燃費が落ちてしまうのがいただけないですね。
仮にNISMOミッションを積むとしても、6速だけは純正を使いたい所です。




ではそんな純正のFS6R92Aを再び搭載するにあたり注意すべき点は何なのか、コチラの方コチラのショップの方によれば、ギアがスラスト(軸)方向に前後してしまい、ギアの歯あたりが悪くなって破損するケースが多いらしいです。


ギアをスナップリングだけで押さえているからこんな感じに前後してしまうようです。
スナップリング等を強化(線径を太くする?)した所であまり効果なさそうですので、組む時に歯当たりを少しキツめにして組む事で多少スラスト方向の動きがあったとしてもギアのチャンファー面(歯当たり部分)がキチンと噛み合っているようにすれば良いかな?なんて考えています。


また重要なのがクラッチダンパーだと考えています。


こちらはディスクにダンパー(スプリング)が付いているタイプ。






こちらはディスクにダンパーが無いタイプ。



クラッチをつなぐ瞬間の「ドンッ」という衝撃を吸収してくれる代物。
一般的にスポーツクラッチディスクではこのダンパーをなくし、つないだ時のダイレクト感を求めがちですが、ミッションの耐久性を考えるとダンパーは有効であると考えています。
EXEDY等が作っているディスクはダンパーが付いていますが、NISMOから出ているディスクはダンパーレスです。


なのでFS6R92Aを使うのであれば多少ダイレクト感を犠牲にしてもクラッチダンパー付を選ぶほうが無難かと思います。
ただダンパーが付くとイナーシャが増えてシフトしにくくなる・・・って話はまた今度。


シフト操作しやすさで選ぶか、ミッション保護を優先させるかは難しいところですね。
ミッションの保護や日産純正部品の在庫状況については続きのブログで。



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2018年8月13日月曜日

富士ジムカーナシリーズとミッションブロー

昨日は富士で開催されているジムカーナシリーズへ参戦。
富士を走るのは3ヶ月ぶり?という事もあり少し気合を入れて、セッティングするためのバネもいくつか持っていったのですが。。。




走行一本目、開始5秒でミッションブロー (゚∀゚)



1速→2速のシフトアップで2速が行方不明(´;ω;`)
ブローの瞬間の動画は。。。そのうち上げます(爆


S15の6速ミッションは弱いと聞いていましたが、5年以上競技のみの使用でよく持ったと思います。(多分原因は撹拌抵抗を嫌って1.3Lしかミッションオイルを入れてなかったせいだとは思いますが…)
とは言えろくに走れず悲しい自分の心を察したのか!?富士は大粒。。。ってか経験したことの無いほどの豪雨(汗



雨粒の大きさが尋常じゃない。。。
平らな所だと雨がくるぶしぐらいまで溜まってしまい走行も一時中断。。。。


そんな中自分は雨にぬれながら片づけをして帰り支度。
今回は2速のみお亡くなりになり、他のギアはなんとか使えたので自走で帰宅。


調べてみるとアイシンの6速ミッションは、強度もそうですが組む時のクリアランス調整をちゃんとする、しないでだいぶ耐久性が違うそうですので、中古のミッション買って載せ換えも良いのですがOH(というのか、ギア交換というのか)の方向で検討しようかと思います。(検討してみました。

また合わせてクラッチも現在付いているクラッチでは、キレが悪くイナーシャがでかすぎてシフトしづらいので、合わせて交換も模索中ですがまだ3000キロしか使ってないから流石に勿体無いかな…


今年のモータースポーツ予算が尽きそうなので直しても走れないというジレンマに陥りそうですがそこは何とかしたい所(汗)


20180917
新品ミッションに積み替えました。

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2018年8月12日日曜日

L700ミラジーノのルーフラッピング

今日はL700ミラジーノのネタ。

青空駐車場に放置していると仕方ないのかもしれませんが、色が黒っぽいこともあり(色名はG37ブリティッシュグリーンマイカ)屋根の塗装がハゲてきたのが気になり始めました。


ルーフの真ん中の部分はかなりハゲてきていましたし、全体的にクリアー層がボケてきていたので思い切って塗装(ルーフペイント)しようかな?と考えていたのですが、費用的にラッピングシートのほうが安そうだったのでルーフラッピングする事にしました。ラッピングシートは152cm×200cmで30cmぐらい余りました。

買ったサイズはこれ。



このサイズにしては調べた中で一番お手頃だったのでこれにしました。




まずは貼るにあたり軽く洗車し、邪魔になるアンテナを外します。



室内のルームランプカバーを外します。
左右からつまむと写真のように爪が外れます。




ランプカバーを外すと、ネジが3本見えるので外すとメガネ入れと共にルームランプAssyが外れます。



そうするとアンテナを止めている10mmの6角があるので緩めて外からアンテナを引っこ抜きます。
あとはルーフモールを前後させて外したら貼り作業に入ります。



少し中性洗剤を混ぜてぬらしながら作業を進めました。


ペタペタ。



完成。暑いのでちょいちょい濡らしながら少しずつ進めました。
今回はルーフだけでなく、モール外側のドアふち(ルーフサイド)まで貼ってみました。



後ろはこんな感じ。
このリアウィンドウォッシャーノズルも取り外して作業したかったのですが、裏側を覗いてみると。。。。



上図のようにノズル裏が中に入り込んでいて、この〇のゴムトリムを外した中にノズルの爪がいるのですが、やりづらい上にプラスチックが固くなっていて外した瞬間砕けそうだったので止めときました。。。
なので貼った後に上からノズルのサイズに合わせて穴を開けて貼り付けました。


最近の軽自動車は昔のミニクーパーのように屋根を白やその他の色で塗り分けをしているのでそんなにおかしくないかな?
やってみたらルーフだけでよかった気もするので飽きたらルーフサイドは剥がすかも知れません(爆)




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2018年8月11日土曜日

ダンパー(ショック)の構造について③

今回も前回前々回の続きでダンパーの構造について。

ダンパーが生み出す「減衰力」というのはピストンとシャフトが生み出す「ポンプ作用」と「圧力損失」によって作り出されるという基本的なことは分かりましたが、よく車高調とかについている「減衰調整ダイアル」というのはどういうことなのか。
ダンパーの構造として付加されている「圧力調整バルブ」についてルマンさんのコラムを基準にまとめて見たいと思います。



8.Damping with & without the pressure control valve

~圧力調整バルブとは~

ダンパーの基本的な構造は前回までのブログでまとめました。今回は発生する減衰力を意図した強さに調整する「圧力調整バルブ」はどのような構造をしているのでしょうか。


オリフィスという小さな穴を通す事で、圧力差が生じ減衰力が生じているわけですが、減衰力というのはピストンの動きが早くなれば早くなるほど強くなり、図で表すと速度に対して2乗のカーブを描くそうです。(上の図のwithout the valve(赤線))
なのでゆっくりな動きの時は減衰力が弱くても、早く動くと減衰力が高くなってしまいます。速い速度域では減衰力が高すぎてサスペンションが動かなくなってしまい、乗り心地も悪く、突っ張ったショックになってしまいます。逆に速い速度でちょうどいい減衰力にするとゆっくりの速度のときには減衰不足でフワフワしてしまいます。。。。

ここで登場するのが「圧力調整バルブ」です。
このバルブには大きく2つの構造、「シムタイプ」と「ポペットタイプ」があります。
まずは一般的な車高調で採用されているシムタイプから。




10.Oil flow,Rebound(sims)

~シムタイプの圧力調整バルブ~


上の図はリバウンド(伸び)の際の動きの図示。

シムと呼ばれるバネ鋼でできた円盤が、バンプ用とリバウンド用に別れてピストンを両側から挟みこみ、 シムの下のピストンには穴が開いていてオイルが流れるようになっています。
ダンパー速度がゆっくりの時はリバウンドシムは閉じていてオリフィスのみからオイルが流れ、速度が上がってくると油圧が高まってシムを押し開いてオイルを逃がしています。

バンプ用の穴はリバウンドの時にはバンプ用のシムに塞がれてオイルが流れないよう、ワンウェイバルブのような形で設置されています。オイルの流路がオリフィスとバルブの2つになるので圧力上昇が抑えられて減衰力は図のように傾きの緩やかな特性になります。(図のsim area)

よってシムの厚さや固さによってオイルの流れを色々と変更できるわけですね。車高調の仕様変更というのは概ねこのシムのセッティングのし直しを指しているようです。
また車高調の減衰調整ダイヤルでは、このシムを上から押さえつけて開きにくくするか、少し緩めて開きやすくするかで調整しているわけですね。場所もとらずコンパクトに色々な減衰を楽しめるわけです。

ですがSUPER GTなどのレース車両はもっとダイナミックに減衰を調整するために、「ポペット式」という構造をとる場合があるようです。



9.Oil flow,Rebound(Poppet valve)

~ポペットタイプの圧力調整バルブ~


ポペットバルブというのは上図のようにダンパーの筒の横から飛び出す形状をしています。
レースでは調整しやすいので採用されていますが、場所をとるため一般車に採用されることはあまり無いようです。

作用としてはゆっくりの動きのリバウンド(伸び)際にはオリフィスのみからオイルが流れますが、速い動きの際は図の左側にあるバルブ(普段はスプリングで押さえつけられている)がオイルの油圧によって押し開けられ、オイルを逃がします。もっと早くなれば油圧が高くなるのでバルブも更に開いてオイルを逃がします。よってポペット式でもオイルの流路がオリフィスとバルブの2つになるので圧力上昇が抑えられて減衰力は図のように傾きの緩やかな特性になります。(図のvalve area)

この時図の右側にあるバンプ(縮み)側のバルブは逆に圧力が掛かって閉じられていますので、シム式と同じようにワンウェイバルブとして機能し、リバウンド側とバンプ側で分けて、バルブのスプリングの固さを変更したりしてセッティングがしやすくなっています。


14.Basic damper

~一般的な純正形状ダンパーの構造~

最後に車高調ならいざ知らず、「コスト」や「耐久性」を求められる純正ダンパー等の一般的なダンパーの構造について。
高圧のガスを入れてしまうとコストや、オイルに混ざったりしてガスが徐々に抜けたりして耐久性に難ががるので、オイルの圧力だけで減衰を発生させる構造をしている下図のような構造が多いようです。


ガスが無い状態で常に圧力差を生じさせるために2つのワンウェイバルブを用いています。
伸び(リバウンド)ではシャフトのポンプ作用によりガス室から上室へオイルの流れと、ピストンのポンプ作用により下室から上室へのオイルの流れの2つがあります。
まずはガス室から上室への流れですがワンウェイバルブAが開いてオイルは抵抗なく流れるので圧力損失がなく上室の圧力が下がることはないので上室の圧力はガス室(ただの空気だまり)の圧力と同じです。
一方下室から上室へ流れようとするオイルに対してはワンウェイバルブBが閉じるのでオイルはオリフィスと圧力調整バルブを通り圧力損失を発生させるので圧力が上がります。この上がった圧力により減衰力を発生させます。


逆に縮み(バンプ)では、同じく2つのポンプ作用によりリバウンドと逆方向のオイルの流れが起きます。
上図の右図のとおり上室からガス室へ流れるオイルに対してはワンウェイバルブAが閉じるので圧力損失により上室の圧力が上がります。あわせて下室も同じ高い圧力のままになります(ワンウェイバルブBが開くため)。
この上昇した上室&下室とガス室(ただの空気だまり)の圧力差が減衰力になります。


この構造を使う事で一般的な市販車はコストが掛かるガスを使う必要も無く、またガス漏れによる耐久性の低下も心配が要らなくなるわけですね。
レース用ではある程度ガスを入れている場合が多いそうですが。



ということでダンパーの基本構造を勉強してきました。
純正形状ダンパーがなぜ車高調に比べて重いのか、なぜ車高調はオーバーホール頻度が高いのかの理由が大分わかりました。

ルマンさんのコラムはまだまだもっと難しいことが記載されていますので、そのうちDIY派の役に立ちそうなところをピックアップしてまとめて見たいと思います。




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2018年8月10日金曜日

ダンパー(ショック)の構造について②

今回は前回の続きでダンパーの構造について。

ダンパーの中のガスがなぜ必要なのかを、ルマンさんのコラムを中心に理解を深めたいと思います。

4.Pump function -Oil displaced by shafts
5.Reservoir
~シャフト(ロッド)によるポンプ作用について~


ダンパーにはピストンを上下させるシャフト(ロッド)がいますが、これの体積というのが実はバカにできないとのことです。
上図のように水にシャフトを入れると、入ったシャフトの体積分の水が溢れ出ますが、この押し出される力がシャフトによる「ポンプ作用」です。

ダンパーでもオイルの中にシャフトが入り込む事でその分のオイルがこぼれる事になりますが、その都度こぼれていたらいくらオイルがあっても足りないので、オイルが逃げ込める空間、「リザーバー」と呼ばれる空気だまりを作り、ここにこぼれたオイルが逃げ込めるようになっています。


ですが走行中はダンパーは上下左右に揺さぶられるため、オイルと空気がシェイクされて泡だらけになってしまいます(汗)
そこで上図のようにフリーピストンと呼ばれる仕切り板を空気とオイルの間に設けます。

ダンパーにシャフトが入るとオイルが押し出され、空気が押されて空気の圧力が高くなります。。。が、あまり効果としては考えなくても良いようです。(下のコラム12のところで)



7.Minimum components of damper
~ダンパーの主要構成要素~

前回のブログと上記のとおり、ダンパーにはポンプ作用、空気だまり、圧力損失の3つが主要要素で、これら3つを盛り込んでダンパーの形にします。


これまでの説明のとおりポンプ作用には大きく「ピストンによるポンプ作用」と「シャフトによるポンプ作用」があるため、構造としては上図のように2パターンとなります。
どちらの構造にもオリフィスがついているため、「圧力損失による減衰力」は得られます。

自分のイメージとしては左側のショックばかりだと思っていたのですが、右側の構造というのも大事で、これらを組み合わせたショックが実は純正ショックでは一般的になってきます。


12.Pressure in the damper(1)
~ピストンによるポンプ作用を得る場合の各室の圧力~


それではピストンがあるダンパーが伸び縮み(リバウンドとバンプ)すると各室の圧力はどうなっているのでしょうか。
ピストンの上側と下側をそれぞれ「上室」「下室」とします。
伸び(リバウンド)の場合は「下室」が圧縮されるので「下室」の圧力は上がりますが、 「上室」にはオイルと一緒にガス室(空気だまり)があるため「上室」の圧力はガスの圧力と同じになるそうです。なぜかというと、ルマンさん曰く「ガスの圧力はほとんど変わりません、正確にはシャフトが抜け出た分だけ下がります。 ガス室の容積はシャフトの出入りによる体積変化より十分大きくするのが常識ですのでガス室の圧力変化はほんのちょっとなのです、ここでは変化しないとして話を進めましょう。 つまり「上室」の圧力は変わらず「下室」の圧力が上がって圧力差が出来てこれが減衰力になるのです。
とのことで、ガスの圧力変化というのはほとんど無視してよいみたいです。

こうして出来た圧力差が伸び(リバウンド)の際の「減衰力」となります。


では逆に縮み(バンプ)の場合は上室が圧縮されるのだから上室の圧力が上昇するのでは?と思ってしまうのですが、気体は押しても手ごたえがないように圧力変化が生じず、上室の圧力はほとんど変化しないそうです。
じゃあどうやって圧力差をつけているのかというと、逆に下室が拡張されるにあわせて圧力が下がり、上室との圧力差が生じるため、縮み(バンプ)の際の「減衰力」となるとのことでした。


13.Pressure in the damper(2)
~シャフトによるポンプ作用を得る場合の各室の圧力~


一方でシャフトによって減衰力を得るダンパーはどうなっているのでしょうか。
こちらでも上記のとおりガス室の圧力の変化はありません。その上で伸び(リバウンド)ではシャフトが抜けていくので下室の圧力が下がります。逆に縮み(バンプ)ではシャフトが入っていくので下室の圧力が上がります。

ここで注目なのが、上のコラム12のピストンポンプ式と圧力の動きが逆となっていることです。
ピストンポンプ型ではリバウンドで下室の圧力が上昇し、シャフトポンプ型ではバンプで下室の圧力が上昇しています。


このように減衰力は圧力差があれば良いのですが、圧力というのは「真空」以上にマイナスになれません。なので圧力の低いほうが「真空」状態になったらそれ以上圧力差を広める(≒減衰力を得る)ことが出来なくなってしまいます。
なので圧力が低下する事で減衰力を得る場合、このシャフトポンプ式で言う所のリバウンドの動きの場合は下室の圧力がゼロにならないように元々の圧力(ガス圧力)を高くするそうです。 ピストンポンプ型の代表選手であるビルシュタインなどは20気圧程度のガス圧力とのことです。









ここでいつも圧力差を得る際に圧力を高める方向で減衰力を得れれば高いガス圧も必要ないのに、と考えてみるとリバウンドの時にはピストンポンプ型、バンプの時にはシャフトポンプ型を使うことでどっちの工程でも下室の圧力は上昇します。
実際に乗用車のダンパーのほとんどはリバウンドはピストン、バンプはシャフトを使ったダンパーとのこと。だからガス圧力は1気圧(大気圧)でガス室ではなくただの空気だまりになっているそうです。


よく「車高調はすぐ抜ける」とは聞きますが、純正形状ダンパーが抜けやすいというのは聞かない理由はこのへんにありそうですね。

ということで「減衰力」がどの様にして得られるのか、その原理の概要は理解できてきました。
ただ実際の車高調等ではこれらの基本構造にプラスして、「減衰力」を調整するバルブが付いています。


次回のブログではこのあたりを勉強して行こうと思います。




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2018年8月8日水曜日

ダンパー(ショック)の構造について①

今回はダンパー(ショックアブソーバー)の話。

車の動きを大いに決定付けるダンパーですが、漠然と「オイルとかガスが入っていて縮んだり伸びたりするスピードを調整している」という事は理解していたのですが、「どんな構造・原理」をしているか全然分かっていませんでした。

ということで構造について勉強してみました。
大手のTEIN等のHPにカットモデルを用いた説明があったりするのですが、漠然としすぎて「では何が凄いのか」が理解できなかったので、基本的なところから調べてみました。
車高調を選んだり、仕様変更する際に参考になりそうですし。


そうしますとコチラのチームルマンの方が書いているコラムがめちゃくちゃ詳しく書いてあるのですが、一般の方(自分含む)が読んでも???な部分が多かったので、「要はこういうこと!」というのをまとめて行きたいと思います。自分のメモという要素が強いですが。。。(間違ってたらごめんなさい。)



1.What is the damping force?(1)
〜ダンパーの減衰力とは?〜


車のタイヤが上下する際の「固さ」というのは基本的に「スプリングのバネレート」で決まってきますが、バネは縮んで伸びると「ビヨヨーン」となってしまい、そのままだと小石を踏んだだけで車全体が「ピヨヨーン」という動きをしてしまい、乗り心地もトラクションも安定しません。

そんな時に「ピヨヨーン」を押さえ込むのがショックアブソーバー。そしてその抑え込む力を「減衰力」と呼んでいます。
ここでポイントなのが、スプリングは縮み等の物理的な「変位」によって一定の「反発力」を発生させますが、「減衰力」は縮ませた状態で維持させている時など、ショックアブソーバーが動いていない時は力が発生しません。
上記を踏まえたうえで、ルマンさんによると
もしスプリングとダンパーが 組み合わされた物(サスペンション)がここにあり、そこに力が掛かるとすると、力の分だけスプリングはたわもうと動き出しダンパーはそれにブレーキを掛けようとします。そして力とスプリングの反発力がつりあうところで止まりダンパーはそれ以上仕事をしなくなるということです。 そうです減衰力はブレーキのようなものですね、動いている車の速度を下げようとしますが止まっているときにはブレーキを踏んでも何が起きるわけではありません、それと似ています。

と表現されています。



2.What is the damping force?(2)
3.Pump function -Oil displaced by pistons
6.Pressure loss
〜ダンパーはどうやって減衰力を発生させている?〜


詳しい構造は次回以降ですが、ダンパーの中にはオイル」と「ガス」が封入されており、そこをダンパーの「ロッド」とロッドの先端についている「ピストン」が行き来するようになっています。
イメージとしてお風呂のお湯をかき回そうとすると凄く抵抗があると思いますが、同じようにピストンがオイルの中を行き来する際にも抵抗が生じており、この動きがダンパー内の「ポンプ作用」と呼ばれています。
(ポンプ作用はもう1つ、ダンパーのロッド(シャフト)でも作り出されますが、次のブログで)



ここまでは理解しやすかったですし、イメージもしていたのですが、「減衰力」というのはこの「ポンプ作用」だけでなく、「圧力損失」と呼ばれる力も合わさって初めて「減衰力」として出力されるとのことでした。



「圧力損失」とはピストンには小さな穴(オリフィス)が開いており、オリフィスを通る際に、オリフィスの入口側と出口側で圧力差が生じ、「ポンプ作用」と合わさって「減衰力」として出力されているとのことでした。
たしかに注射器みたいな器具で真空状態でピストンを動かそうとすると凄く抵抗がありますよね。
ちなみに圧力損失によりエネルギーが消費されると熱が生じるそうです。よくTEIN等の車高調メーカーHPでも「放熱が~」とか書いてありますよね。


とまぁ、ダンパーの減衰力とは単純にオイルによる抵抗だけでなく圧力差も加わって初めて成立する物のようです。


次のブログ
ではオイルだけでなく、ガスの部分がどういう働きをしているかを中心にまとめてみたいと思います。




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