約10年前、OS技研がまだ積極的なPRをスタートする前だったと思いますが、構造的な面白さに気づき、普通に通販でLSDを購入してみました(S15シルビアの話です)
ところが購入した状態では競技で使いものにならず、仕様変更するにもOS技研のテクニカルショップでなければできないという制約がありました。
上記制約もあったので当時お世話になっているショップのメカさんに岡山まで研修にいってテクニカルショップになってもらい、何度か実験(組換え)に付き合ってもらった記憶があります。
カム角の変更だけでなく、スプリングの本数、スプリングのバネレート違いなど何通りか試してみましたが結局良いセットが出せず、違うメーカーのLSDを今日まで使ってきました。
自身の環境も色々変わってここ10年は中々整備すらできなかったのですが、Team VALINOのGR86でもOS技研さんのデフは色々試行錯誤して良いセットを見つけ出したこともあり、自分の車でもやってみたいと約8年ぶりにデフ玉を引っ張り出してみました。
しばらく物置のこやしになっていたデフ玉。それでも時々サビないようにオイルを入れ、回転はさせていました。
そのオイルをまずは排出。もちろん新油のようにキレイですが年代物なので捨てます。
ここから先、本当はショップにお願いしたいところですが、お小遣いが限られてしまっていることと、今度こそ自分で中身を見てみたいという興味もあり、出身大学のガレージをお借りして自分で作業。
カバーを開けて、サイドハウジングを取外し。
ここまではただネジを緩めるだけなのでサクサク作業。
タイヤレバーを用いてちょっとコツがいりますがケースからLSD本体を取出し。
ベアリングレース等は左右混じらないように管理。
万力に固定してファイナルギアボルトを外します。硬いですが強めのインパクトがあれば速攻です。この後、ボルト等にこびりついたガスケットやネジロック剤をキレイにする大事な作業を実施。この掃除が一番時間がかかる。。。。
あとはLSDケース締結している黒い六角ボルトを4本緩めて御開帳。
時々このボルトが熱収縮を繰り返して取れない場合があるので、その場合はインパクトドライバーを用意しておくと安心です。
最後に組んだ状態は2Wayだったのだと、開けてから思い出しました。
OS技研の最大のポイントは何といってもプレッシャーリングを「すぼめる」方向にするスプリングがあることです。(この特徴についてはコチラの記事)
LSDの外歯プレートとケースレールかじりもなく、良好。
ここから先は好きなカムプロフィールを持ったプレッシャーリングとスプリングやプレートの組合せをしてケースを閉じます(ケースは”合わせ”の位置で締めます)
このデフ作業で一番の鬼門は何といってもファイナルギアボルトの締結です。
日産R200デフはロック剤を塗布後、180~200Nmと強烈なトルクで締める必要があります。
デフが回らないように固定できる万力と、その万力が動かないように固定できる台座がなければできない作業です。(家で試みたことがありますが、断念済)
200までのトルクレンチしかないので、測定上使い物になる180Nmで仮締めし、その後はスピンナーでもう一押し締めました。
あとは逆の手順でくみ上げ、ファイナルのバックラッシュを測定。
整備書の基準内だったのでそのまま組上げました。(が、走ってみたら気に入らなかったのでまたバラします)
OSデフの中身や苦労話について解説希望を頂いたので、またバラした際に写真撮って更新します。
ということで最近は自分のことを全く書いていないことや、久々に経年劣化での部品交換ではない、楽しい整備を行ったので記事化してしまいました。
(LSDメーカーごとによる違いについてはコチラをご覧下さい)