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2020年11月20日金曜日
ヴァリノ VR08GPの評価(空気圧と温度依存性)
2020年11月17日火曜日
VALINO VR08GPのグリップ評価
結論としては暖まれば71RSあたりのタイヤで、サーキット周回用と言ったところでしょうか。
今回の記事は製品の出来栄え(品質評価)と、ジムカーナ走行3本走行時のグリップ評価の2本立てで行きます。
1.品質評価について
縦溝(センターグルーヴ)が内側になり、左右非対称になるとウエイト面でアンバランスになりがちですが、このVR08GPは設計が良いのかタイヤバランスも良く、4本共にほぼ同じような回転バランスだったのでバラつきも少なく、製造精度もかなり高いものと思われます。
バランサーにて測定しました。
お話聞いてみると、このタイヤの設計をされた方は実績ある方みたいで・・・なるほど、納得の仕上がりです。ただ軽量化のためにリムガードもないので、ホイールが傷つきやすくなる点は注意が必要ですが、国産のハイグリップタイヤ同等の重量レベルに仕上がってます。
2.グリップ評価について
評価時は外側が皮がむけ切っていないという事もあるかと思いますが、剥けたとしても冷間スタートでのブレーキ挙動は注意しておく必要がありそうです。ただサーキット走行するのであれば、ウォームアップ走行で外側まで均一に暖めれば解消するであろう気はします。またキャンバーセッティングがかなりキモになるタイヤです。
温まればはコーナリング速度も外側のトレッド剛性のおかげもあって速いですが、サイドターン明け等の、縦方向の加速が苦手です。限界挙動はドリフトタイヤを開発されてるだけあってとてもコントローラブルです。(PERGEAシリーズはラリータイヤみたいに滑ってても舵が効くイメージ、VRシリーズは一般的な滑り挙動ですが、その幅が広め)
なので路温と路面にもよるでしょうがタイヤにあわせた走らせ方&セッティングをすれば、サーキット周回タイム的には71RSあたりのハイグリップに迫れるレベルであると感じました。もっと路温が下がるとダメかもしれませんが…。
VR08GP | ||
インチ | サイズ | 価格 |
18 | 315/30/18 | |
295/30/18 | ||
265/35/18 | ||
245/40/18 | ||
235/40/18 | ||
17 | 255/40/17 | |
245/40/17 | ||
225/45/17 |
2020年9月14日月曜日
VALINO PERGEA 08RSのグリップ評価(高温時)
トピックとしては
・トレッド温度が70℃以上はタレる!?
・トレッド温度は50℃~70℃が最適温度域(な気がする)
・溝は少ないほどエライ!
順番に記載していきます。
①高温時のトレッド状態
路面温度が何℃だったかメモを忘れてしまったのですが、気温34度の真夏の炎天下における1分ほどのジムカーナ走行後は、トレッドが全輪65℃~70℃になっていました。
HPに書いてある仕様温度域から外れていますが、いわゆるドロドロにはなっておらず、スタートからゴールまで挙動変動なく使用することが出来ました。
ただちょっと後半でヌルっとした感じもしたので、もしかしたらオイシイ上限は70℃あたりかもしれませんが、もっと上の温度域を使ってみないと何とも言えないですね。
②滑り出し特性の変化
朝一のトレッド温度が50℃以下の時のスタート~前半のみ滑り出し挙動がかなり素直でしたが、中盤ぐらいから滑り出しが粘るようになりました。上記①を踏まえ個人的にはトレッド温度50℃~70℃が最適温度域な気がします。
ドリフト競技のスタート温度としてHPには路面温度が20~30℃と記載してあるので、大馬力のドリフト車両が試合で1コーナー進入あたりで50℃超せるのが、それぐらいの路温なのかもしれません。
③溝は少ない方がヨレない
前のレビューでも記載しましたが、ゴムが柔らかいのに新品時の溝が8mmとかなり高いのでヨレます。
特にトレッドセンターの2本の縦線に挟まれた部分は剛性が低く、めくれやすいです。
溝が減れば減るほどヨレが無くなるので、ステアレスポンスも良くなってきましたし、路面のインフォメーションもつかみやすくなります。(乗り心地は良いですが、ロードノイズはすごいです)
スリップサイン出るぐらいがちょうどいいかもしれません?
という事でレビューを第1回(低温)、第2回(空気圧変動)、第3回(冷間スノーウェット)そして今回の高温という形で分けてきました。
このタイヤのキャラクターが概ねつかめてきましたので、車側のセットを少しいじり始めます。
個人的にはドリフトの試合は勿論、ジムカーナ競技やサーキットの1発タイムアタックあたりに向いているタイヤだと感じています。
ただしグリップで使うには少しクセ強め(第1回参照)なので、理解した上で使えばとても良いタイヤです。
評価してきた08RSはハイブリップタイヤとしてはかなり安価な部類ですので、評価したように使用条件さえ間違わなければ試してみる価値ありのタイヤだと思います。↓↓↓
↑↑グリップだとこのあたりのサイズでしょうか。
という事でレビューシリーズは多分これで最終回と思います。。。というより走る機会がなさ過ぎてこれ以上検証できません。。。
この先は弟子君がしてくれると信じて今回はこの辺で。
他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
I reviewed VALINO PERGEA 08RS at high temperature track condition. Is that good for use summer situation?
2020年4月27日月曜日
MACハイブリッドモニターの評価(フリードのi-DCDの制御や燃費)
主に燃費に重要なEVモードの制御についてです。
以前ご意見頂いた、モニターは付けてないけどEVモードの制御が知りたい(燃費良くする方法)方は参考にして頂ければ幸いです。
1.街乗りにおけるEV巡行は基本3速
街乗りの時速65km/h以下の速度域におけるEVモードへは下記条件を満たすと移行するように感じています。
・アクセル開度が10%以下の低要求時(速度域によっては15%以下)
・水温が55℃以上
・バッテリー残量が20%以上
例外ありますが、基本的には上記3項目を満たすとEVモードに入るように感じます。
またEVで巡行する際のギア段数は、10km/h以下の発進時を除いて基本的に3速で巡行しています。
逆に巡行中のEVモードが解除される条件は下記です。
・車速が約65km/h以上になった時
・要求電流量が60Aを超えた時(アクセル開度で言うと約15%を上回った時)
・水温が50℃以下になった時
・バッテリー残量が20%を下回った時
2.使えると燃費が伸びやすい5速巡行
エンジンが5速で巡行時に10%以下のアクセル開度にすると5速のままEVモードとなりますが、アクセルを一回でも離す(アクセル開度が0%、もしくはブレーキを踏む)と3速になってしまうので、信号等で加減速する必要がある街乗りでは維持するのがとても困難です。
ちなみに5速の方がモーター回転数を低く抑えられるためか、同じ車速、同じアクセル開度だと消費電力が少なく、効率的です。
3.高速で使える7速巡行
高速道路で70km/h以上、90km/h以下で巡行している場合で、アクセル開度が10%以下ですと7速でのEV巡行が可能です。
ただし一番重いギアですので加速しようとアクセル踏んでも加速しずらいため、結果としてすぐエンジンがかかりやすいです。
正直7速はアクセル調整が非常に難しく、このモニターで消費電力やアクセル開度をモニタリングしながらでなければ、維持することはかなり困難かと思います。
ちなみにモニターを付けずにi-DCDが何速に入っているか推定する方法についてはコチラの動画がわかりやすかったです。
4.停車中のEVモードについて
駐車場等で停車中は基本的にEVモードでDVD等のオーディオ機器やエアコンが使えますが、バッテリーが20%を下回るとエンジンがかかります。
またこの状態でエンジンがかかると下記条件を満たすまでエンジンがかかり続けます。
・バッテリー残量が55%以上になること
・水温が55℃以上になること
残量20%から55%への発電になるので、そこそこ長い時間エンジンがかかりっぱなしになります。それでもずっとエンジンがかかるよりはいいと思いますが。
ということでEV制御についてまとめてみましたが、このハイブリッドモニターを付けることで初めて見えてきたものです。
そんなに高くないですし、i-DCDで燃費運転したい方や何速に入っているのか気になる方はオススメです。
ただし、エンジン掛かり初めにすぐドライブに入れたり、ドアが開いていたりといったことがあると、たまに電源が入らないトラブルがあるのでその点だけ不満がありますが、それ以外はとても良い商品かと思います。
フリード関連のブログはこのブログの「フリードハイブリッド」タブ(ラベル)にまとめてますのでご覧下さい。
How does the review of MAC AUTO PARTS HYBRID MONITOR for HONDA i-DCD??
2020年3月9日月曜日
ヴァリノぺルギア08RSのグリップ評価part2(空気圧とトレッド)
今回はFR車両での空気圧と使用後のトレッドの削れ方のインプレッションです。なお今回もあくまで個人的感想ですのでご了承ください。
測定条件は先日スタッフとして参加した富士スピードウェイの走行会で、路温約20℃、気温11度といったところでしょうか。なおこの気温&路温におけるグリップ感の結論はPart 1から変更ありません。
1.トレッドパターン
PERGEAシリーズはゴムが柔らかいことから、Sタイヤのように走行後のトレッド表面は荒れやすい傾向にあります。
ちなみにこれが合計16本ジムカーナを走った後のトレッド表面です。
左がフロントタイヤ、右がリアタイヤです。
フロントは駆動輪ではない&ステア操作で抉るので、ヨレて捲れたゴムが巻いて球状のゴムだまりが出来てしまっています。主にセンターグルーブが面積が狭く、捲れやすいためか巻いているゴム量が多いですね。
リアタイヤは駆動輪という事もあって比較的きれいです。ドライバーがリアタイヤを横方向に使いきれてないだけかもしれませんが。。。。
ちなみにリアを積極的に滑らせながら走った方がタイムが出るのでもっとリアを横方向に滑らせて使った方が良い、という意見を言われてしまったのでドライバー側の課題でもあります。
このトレッドゴムのまま最適化するのであればRE-12Dのように大きなランドパターンにできたら良さそう、、、なんて考えてみたり。
ちなみにこちらは同じコースを走った後のRE-12D typeAのトレッド表面。
もともと新品時から溝が浅い(ヴァリノの2/3以下)のと、パターンも剛性ありそうな広いパターンなので、捲れによるゴムだまりが溝の端に少し発生しているだけで、ヴァリノと比べると非常に少ないですね。(それでも細いセンターグルーブの部分は同じように捲れてますね)写真のタイヤの残り溝が浅くて発生が少ない可能性もあるとは思いますが、やはり良くできたタイヤですね。
いずれにしろこのゴムだまりのせいでトレッドの面圧が均一になっていない≒グリップが低下する原因の一つですので、早くすり減らないかなぁと願っています。
(削って浅くしてしまうのが手っ取り早いのですが、貧乏性なのでそんなことできず。。。)
2.空気圧による変化Part1
スタート加速やサイドターン明けの加速については、空気圧が高い状態(2.2kpa)と低い状態(1.7kpa)で比べると、低い方がジャダーが出にくく前に進みますが、コーナリング中はヨレるのでステアリングの感触が変な感じです。トータルのタイムは路温が低い状態(トレッド温度が低い状態)であれば空気圧は低い方がタイムが出ましたが、空気圧を高めにしてみるとステアフィールは良くなりました。
トレッド温度及び路面温度が全く同じ条件での比較は走行時間上できませんでしたが、定量的に示しやすい差としては、スタートダッシュの比較でしょうか。比較条件を少しでも揃えるために回転数は同じ回転数からのスタートとしてます。
トレッド温度差も多分にあると思いますが、スタートから2速に入れて1本目のパイロンまでで約0.1秒ちょっと空気圧が低い方が早いです。
ちなみに空気圧が高い時はトレッド温度が約22℃と、空気圧が低い時(12℃)に比べて高いにもかかわらずスタートダッシュで負けているので、この差は空気圧によるものと結論付けてもよさそうです。
ただしトータルタイムは空気圧が高い時の方が速かったので、ドライビングの違いもあるかもしれませんがコーナー速度は空気圧高めの方が良さそうです。
よって個人的には「トレッド温度が20℃以下であれば空気圧は低め、20℃以上であれば空気圧高め」が良いと感じましたが、もっと空気圧を上げたり下げたりした方が良いのか、トレッド温度がもっと高くなった場合はどうなのかは引き続き検証していきます。
ちなみにZESTINO Gredgeシリーズは0.8kpaとかに設定することもあったので、条件揃えるためにもフリー走行に行きたいところですが、今のところ諸事情によって2020年はあと数回(しかも試合のみ)しか走行できる日程が組めないので難しいかもしれません。
たぶん08Rや08SPも同じような感じなのかもしれませんね。個人的にはこの値段でここまで使えるタイヤとは思っていなかったので、参考になれば幸いです。
インプレとしては不完全燃焼なのできっと第3段に続きます。
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I tried VALINO PERGEA 08RS tire. How does the review?? Is the tire has awesome grip??
2020年3月3日火曜日
ホンダ純正ナビGathersの評価と走行中の制限解除(フリード ギャザズ)
選んだのは純正オプションの中では1番上のVXM-207VFNiを選択しました。
多分どのディーラーでも割引されますが、定価は社外ナビのハイエンドモデルより1〜2割ぐらい高いでしょうか。
その代わりインパネが専用フラットなパネルになる事と、近年の純正オーディオのレベルは高いのでスピーカーは純正のまま納車してもらいました。
〜Gathers VXM-207VFNiの評価〜
驚いたのは全域での音の調整幅の広さです。
仕事の関係もあって今までPanasonic、ALPINE、KENWOODと、年代は違いますが色々な会社のハイエンドモデルを使用してきましたが、特に低音域はいくら調整しても納得がいかず、競技車両で軽量化しなければならないS15シルビアですら10数年サブウーファーを外す事は有りませんでした。(最近街乗りしなくなったので外しましたが)
ところがこのGathersはノーマルスピーカーでも低音が凄く響くので、調整して低音域のイコライザー値を絞ったほどです。車種専用チューニングとは聞いてましたがここまでとは思わず、用意していたサブウーファーは出番無さそうです。
またイケてると噂のルート探索はまだあまり使ってませんが、今のところごく普通で、探索経路も悪くなさそうです。唯一の不満点はブルーレイが再生できないことでしょうか。
〜制限解除について〜
自分で作業してれば最初からサイドブレーキ信号を落として走行中もDVDが見れるようにしておくのですが、取付した状態で納車だったので改めて作業しました。線を切断してアースに落とすだけなのですが、数百円で専用カプラーオンキットが売ってたのでギボシを買うぐらいならスマートですし、コチラを選択。(ちなみに作業方法や下記のカプラーセットはVXM-204VFNiやVXM-205Ciでも一緒です。)
カプラー付で500円ちょっとでした。
取付は最近の車なので色々面倒かな?と思って見てみると、意外と簡単でした。
新車なので一応養生します。
矢印の辺りを覗き込むと
マイナスドライバーを差し込む溝があるので、ドライバーを入れて軽く力を入れると外れます。
こんな感じ。
あとは引抜くと奥にネジが2本見えます。
このネジ2本を外すと後はナビ本体とフレームはツメで止まっているだけですので引っ張り出します。
なお電源が刺さっているメインカプラー抜くとパスワード再入力などの設定が必要なので引きずり出して下から覗き込み、必要なカプラーを挿す作業のみ行いました。
引きずり出して下から見た図。
赤印のカプラー部分がサイドブレーキ信号なので、購入したカプラーキットを間に挟んで終了です。カプラーキットを使わない場合は配線を切ってアースにつなげれば良いですが、作業スペース的に一回ナビ本体を全部取り出した方がいいかも知れませんね。
配線加工する手間と、手持ちでギボシの持ち合わせがなければ数百円なのでカプラーキットがオススメです。
これにて走行中もDVDが見れるので子供が暇を持て余しません(?)
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2020年1月23日木曜日
VALINO PERGEAのグリップ評価について(ヴァリノ)Part1
評価する前に、参加しているジムカーナにおいてよく使用されている2019年度のタイヤ(セミスリック以外)を大別すると
超ハイグリップタイヤ(ほぼSタイヤ…と言うよりそれ以上…)
・BRIDGESTONE POTENZA RE-12D
・YOKOHAMA ADVAN A08B specG
・DUNLOP DIREZZA β10
ハイグリップタイヤ(日本で言うところのラジアルタイヤ)
・YOKOHAMA ADVAN A052
・BRIDGESTONE POTENZA RE-71R (RE-71RSになる?)
・DUNLOP DIREZZA Z3
・TOYO PROXES R1R
有名どころだとこんなところでしょうか。
特に超ハイグリップタイヤはRE-11S、A050、03Gなどのセミスリックタイヤよりも強烈なグリップ・タイムをたたき出すポテンシャルを秘めているのは全日本選手権の結果を見ているとよくわかります。
とは言え上記したタイヤは値段が高く、ユーザーからすると中々手が出しづらい面があるのも事実です。
近年はジムカーナと同じようにドリフトも冷間スタートでグリップしないと勝てない競技になってきたため、ソフトでハイグリップなタイヤが増えてきました。ジムカーナと違って主に結果を出しているメーカーはTOYO、VALINO、RYDANZといったところでしょうか。値段もお手頃で手を出しやすいです。
これらのドリフト競技用のタイヤを適した条件下のグリップ走行で使うとどうなるのか気になっていました。(グリップと言っても以前のVLINOのブログでも記載したように、熱が入ってしまうサーキット連続周回やドリフト連続周回に向かないことは明らかです。)
という事で購入して試してみました。
購入したのはVALINOの08RSという、ヴァリノタイヤの中ではミドルモデルになります。
トレッドウェアは160という数字ですが、トレッドウェアと冷間時のグリップは相関しているようでしていないので冷間時に使えるかは実際に履いて試すしかありません。
気になる結果から言うと、08RSはジムカーナ(1分ぐらいのコース、路温約10℃)という条件では「ハイグリップタイヤ以上、超ハイグリップタイヤ以下」という評価でしょうか。
〜優れた点〜
①値段が安い②溝が深く、ライフが長い
③路面が低温(テストした路温約10℃)でも、1コーナー抜ければすぐに熱が入り、後半では超ハイグリップタイヤと同じぐらいのトラクション
①は何にも代えがたいメリットですね。国産の半額以下です。あわせて②の深溝もライフが長くなるのでコストパフォーマンス的には秀逸です。ただ②は下記するデメリットにもなり得るので諸刃の剣です。
③については、そもそもVALINO公式HPでも記載あるようにこのタイヤの仕様として「20℃~30℃の路面」が適正温度域なので、今回のテストは適正温度域を外れていました。
その結果なのか、スタートから1コーナーにかけては全然進みませんし、止まりません。動画で解析してみても明らかにスタートが他のタイヤを履いた車より遅いです。ちなみにスタートから最初のパイロンに到達するストレートだけで超ハイグリップを履いた大先輩の車と比較すると約0.5秒離されています。
ゴール後はトレッド温度が約25℃と適正温度域に入っていました。
コース後半区間を解析すると超ハイグリップを履いた車に引けを取らない区間タイムで走行出来ていることから、明らかにスタート直後とグリップが変わっています。(運転を前半と後半で変化させる必要がある程です)
よって適正温度域にさえ入れば超ハイグリップタイヤと言えるかも知れません。
〜欠点〜
①製造バランスの悪さ(タイヤが重い)②溝が深すぎてヨレる
③温度域を外すと普通のハイグリップタイヤに劣る
①については国産タイヤに比べてしまうとどうしても劣ってしまいますが、もっと悪いタイヤもあるので値段を考えれば許容範囲かなと考えています。
②については上記したコストの面ではメリットですが、サイドウォールはしっかりしているのに溝が深くて横方向の入力ではヨレてしまうため、ステアリングレスポンスは悪いです。ワンテンポ遅れてくるコーナリングフォースを見越してステア操作すれば問題ないレベルではあります。もしパターンデザインをもう少し大きいブロックに変更できれば、グリップ評価はさらに化けそうです。とりあえずは溝が減ってきたら(残り溝3mmぐらい?)挙動が変わりそうなので様子見です。
③については事前にわかっていたことですし、トレッドが適正温度域以外はSタイヤよろしく本来の性能を発揮できないのでユーザー側で認識しておけば問題ありません。温度域が低ければグリップしませんし、高くなる(夏場や連続周回)とゴムが必要以上にヨレてめくれてしまいます。ちなみに削れ方としてはソフトなタイヤらしくササクレ立ったトレッド表面になります。
写真はそこまで波状になってないですが、もう一本走行後はササクレ立ってました。
この路面&走行条件における個人的な感覚としては横方向が苦手なADVAN A050 G/Sコンパウンドという感覚でしょうか。ただしA050のようにカッチリとしたグリップフィールではなく、ドリフト向けタイヤなので!?常に滑らせてナナメに走らせるのがタイムアップに繋がりそうです。
ZESTINOもそうでしたが路面を選びそうなタイヤなので、サーキットによっては全然タイムが出ないかもしれませんし、そんな噂も聞いてはいます。(その時は08Rや08C等の硬めのコンパウンドに変える必要がある?)これも試してみないとわからないですね。
今回テストした条件では適正温度域を外しているため、これから路温が少し上がったり、溝が減ってきたら評価も変わってくると思いますし、空気圧もまだまだ試していない領域もありますので引き続きチェックして評価Part2に続きたいと思います。
個人的にはこの寒い気温でここまでグリップするのであれば真夏を除いたシーズンはどれだけのポテンシャルがあるのか楽しみです。逆に真夏はどれだけタレてしまうかも気になりますね。
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I tried VALINO PERGEA 08RS tire. How does the review?? Is the tire has awesome grip??
2019年10月4日金曜日
CARROZZERIA FH-8500DVS(カロッツェリア)
最近は競技用に使っていたDC2を手放して足車としてL700を購入したこともあって、S15はスポーツ走行にしか使っていませんでした。
と言うことで重い装備であるAV関連についてはいつか取り外したいと考えていたのですが、やっと先日取り外しました。
とは言え移動時に音楽を聴きつつ、遠征時はDVD観たいし、ナビも必要によっては。。。。なんて贅沢なことを考えていました。
でもナビってあまり使わないのに更新しなければならないというソフト的なメンテナンスが面倒なので、携帯のGoogle Mapを画面表示できれば便利だなぁと考えていたら良いものがありました。
カロッツェリアから出ているFH8500DVSというもの。
これは有線やBluetoothで音楽、DVDも観れて、何より携帯電話と連携できるAndroidAUTO, Apple CarPlayと連携できるので、Google MapやApple mapのナビや通話等の連携が可能。
これであればナビの更新作業がいらないですし、余計な配線もないので普通の2DINオーディオとほぼ同じ重さでAV機能をほぼすべて網羅することができます。
ちなみにこちらの上位のモデルにFH-9400DVSというのがあるのですが、そちらとの違いについては
◇高画質6.8インチタッチパネルを採用(若干画面が小さい)。ディスク直接入れ出し可能。
◇ホーム画面と 壁紙デザインを変更。
◇ハードキーの「戻る/DISP」ボタンを削除 (「戻る」ボタンはソフトキーで対応、「DISP」ボタン(戻るボタン長押し)は「MODE」ボタン長押しで対応)
という違いだそうで、2DINの中で少しでも大きな画面が欲しいという要望がない限りは値段も手ごろですし、満足できるモデルではないでしょうか。
これはいいと思って購入、取り付けしてみました。
そこそこ高性能なアンプを積んでいるのか、サウンドイコライザー設定のほかにBASSブースト機能(数段階調整可)がついていて、サブウーファーを取り外した通常のスピーカーでもそこそこ低音が響きます。
(逆にBASSブースト使わないとウーファーを使っていた身としてはかなり物足りないです。。。)
軽量でAV機能をほぼ網羅できるので大変満足しています。
2DINのオーディオの購入を検討されている方や、ナビはそんなに使わないけどAV機能は欲しい方は、現状かなり良いチョイスかと思います。
2019年9月25日水曜日
走行準備と軽量化(初)
まずはアライメントやらをゴニョゴニョと。
本当は現地で色々やりたいのですが、富士ではスタッフ側で車をいじっている時間がないので事前にやっていきます。
久々にリフトを使わせて頂きました。作業がはかどります。
またイケヤフォーミュラさんのアライメントゲージは使いやすく、効率的で助かります。
ただアライメントではどうしようもない動きなので重心を下げたいのですが、これ以上車高は下げると色々不具合があり、いじれないので車高以外の部分で何とかしていきます。
これまでこのS15は街乗り車だったので、ナビと地デジチューナー、そしてウーファーも積んで5.1chという快適車だったのですが、もう競技にしか使用しないですし、家族旅行もこの車で行くこともないので軽量化(というか重量化していたのを取り外し)を決意。
逆に今までウーファーとか地デジチューナー積みっぱなしで競技走行していました←
ナビを取り外し。写真撮ってませんが、大きい地デジチューナーは助手席下に積んでいたので助手席も取り外し。
リアのスピーカーボードに積んでいたウーファーもあわせて、大量の配線と共に摘出しました。
約10kgぐらいでしょうか。
体感はできないレベルだと思いますが、効果はあるでしょう。
特にウーファーはかなり高い位置に装着していたので、取り外した効果がある…と信じたいです。
ついでに以前記載した粗目の網をエアフロ後ろに装着。
これまで装着していた茶こしと今回装着する揚げザル。
圧倒的に網目が粗くなっています。
コチラのインプレッションですが、明らかに高回転の詰まりが解消されました。
しばらく装着してストールも出ないか検証していきたいと思います。
ということで色々準備をして次の日のニュートンランド練習会に続きます。
I prepared for GYMKHANA(Autocross, Autoslalom) practice at Fuji speed way(FSW).
2019年9月21日土曜日
インタークーラーの仕組みと圧力損失について
(この記事は以前のリライトです)
競技をしていて「もう少し早くブーストが掛かればいいのに」と思うことが多々ありました。この「ターボラグ」はブーコンの設定やアクチュエーター、更にはタービンの大きさや羽の形状によってコントロールする事が出来ますが、大きな要因の1つとしてインタークーラーが関係しています。
考察を始める前にまず基本として、ターボの仕組みは最近紹介された以下の動画に良くまとまっています。
なぜタービンで圧縮された空気を冷やす必要があるかというと、wikiによれば
過給機付きエンジンは自然吸気より圧縮比が低くするため効率が下がるが、インタークーラーによる吸気温度低下に比例し圧力が低下する(圧縮空気の密度は変わらない)ため、そのぶん圧縮比を高く設定出来る。
とあります。つまり冷やして空気密度を上げる=単位容積当りの酸素濃度が増えるためパワーを出す事が出来るわけです。
しかしこのインタークーラーを設置するためにはパイピングが長くなってしまい、空気の圧損が生じてレスポンスが悪化します。
これを解決するために上記のwiki内でも登場したフォルクスワーゲンのTSIエンジンではコチラのHP様の「新型TSIエンジンの構造と特徴」という項に載っているように、パイピングを短くしてインタークーラーを小さい物にしています。短く小さいインタークーラーによって冷却効率が落ちた所は水冷式にして補っています。
この様に短く小さいインタークーラーにすればスポーツ走行において重要な低速からの立ち上がりが良い、(レスポンスが良い)吸気環境を構築する事が出来るわけですね。故に純正の小さめのインタークーラーがレスポンスが良いと感じるわけです。
しかしながら小さめのインタークーラーだと冷却効率が悪く、ジムカーナと言えどすぐに熱ダレしてしまいます。(夏場は特に)
そこで登場するのが社外品。様々なメーカーから色々な種類が出ています。しかしながら上記の理論より社外品の大きなインタークーラーだとレスポンスが悪化するのは必至です。
じゃあ純正より冷えてレスポンスが良い物はあるのか、現在発売されている空冷式インタークーラーについて調べてみました。
まず一般的なインタークーラーの代表例としてトラスト社のスペックLS。
ちなみに以前自分がつけていた製品です。
このサイズはタービン交換車やサーキット連続走行、ドリフト走行時には冷却効率が良くて重宝しそうですが、純正タービンでジムカーナをする車にランエボ並の大きなコアはいらないです(笑)
しかもこのコアが重たい・・・。車の一番鼻先についている部品が重いというのは厄介です。それにS15はリアが軽いのでフロントの軽量化が必須です。
なによりサイドターンなどの立ち上がりでブーストが掛からず、モタつくのはコイツの圧損が大きいことが一因として考えられます。
じゃあこの圧損とはそもそも何故発生するのか。
圧力損失について記載された良いHPが今は閉鎖されて見れないのですが、空気の通り道が曲がったり乱流を起こすと圧力損失していくと記載がありました。
つまり空気の通り道にインタークーラーのように曲がりやフィンがあって空気を乱すような障害となる部分が多いと損失が大きくなるわけです。だから純正より大きなインタークーラーにすると冷却効率がアップする代わりに圧損するためレスポンスも悪くなりますし、ブーストを制御しないまま純正と同じ設定で乗るとピークブーストが下がってしまう訳です。
ではこの圧損を防ぐ方法は無いのかと言うと、勿論コアを小さくして抵抗を減らす事も1つですが、コチラのHPでやってらっしゃるような事をすると圧損を減らす事が出来るわけです。
(⇒続編でインタークーラーの圧損はそのままにアクセルレスポンス改善できないか考察してみました。)
一見すると当たり前のようなことですが、意外とこの「小さな努力」をされている製品は少ないようです。
それらの事や、重量を踏まえて各社のインタークーラーを比較してみました。
メーカーとしては
・トラスト
・BLITZ
・HPI
・HKS
・ARC
などが挙げられます。自分のは純正タービンなのでそれぞれ一番小さいサイズのコアを検討しました。
まずHPIとBLITZはドリフトマッスルで常勝している友人に聞いてみたところレスポンスが宜しくないみたいなのです。考えられる理由としては、これらのコアの中は、フィンが2層構造(オフセット構造)を取っており冷却効率は高いのですが圧損が大きいためだと考えられます。(HPIはOFシリーズのことを指してだと思います)
トラストの製品は1層との事ですが、フィーリング的には似たような物と言う話なので一番知名度が高いトラストのスペックLSで詳細を検討。
コアの内部
ドリフト天国より
形状も一般的ですね。
こちらのコアは600×280×76mmと大きめで、重量約6.2kgですが定価も5万400円と手頃です。
また一方で彼曰くARCの物が一番レスポンスが良いということでした。
レスポンスがよい原因は何なのかと調べてみるとHPには
こんな形で上記のバクバク工房さんのHPで紹介されているような形状をしており、トラストと比べると明らかにインナーチューブに空気が流れやすそうです。
コアサイズはGT-Rやランエボと同じサイズで5.9kgと、コレぐらいのサイズの中では確かにレスポンスも軽量化も両立できているので¥165,900円という値段は高いですがクオリティも高いですね。
ただS15にしてはデカイことは間違いないので、いくらこのサイズにしてはレスポンスが良いと言っても純正に比べると・・・な気がします。
そして使っている人が少ないので分からないと言われたHKS。Sタイプのコア。
サイズは600×244×65mmと他のメーカーに比べて圧倒的に小さいです。
インナーフィンの形状はHPに
こんな絵が載っていたのですが、正直これだけだと良くわかりません・・・。ただコア重量は4.5kgという回答でなかなか軽いです。調べてみるとHPIの製品は5kg位でそちらも軽いのですが、上記したようにインナーが2層構造ということで圧損が大きそうです。
このHKSは1層構造のストレート形状の上、価格も¥98,000円というARCに次ぐ高価格ということで小さな努力を期待しても良さそうです。
また小さいと言えど、500psのD1タービン交換車でも装着している車両がいるのでそこまで冷却効率も悪くないんではないかと考えられます。
と言うことで、これらの考察に基づいて自分で実際に実験してみましたが、また次回のブログにて。
他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。
What is the structure of charge air cooler?? How to reduce air pressure loss??