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2024年8月13日火曜日

GB7フリードのニュートラルなアライメント調整

街乗り&ファミリーカーのGBフリードですが、スライドドアの車としては以前も記載したようにi-DCDというデュアルクラッチトランスミッション+モーターというスポーツマインドにあふれた車で、同じような考えを持った方がサーキット走行においても、「スライドドアとしては」かなりラップタイムも早いと聞いています。


そんな動力性能は高いフリードですが、ハンドリングはラインオフの状態ではそこまで洗練されているとはいいがたいものがあります。
狙うべくは昨今話題になっている「ニュートラルステア」ですが、以前も記載したようにショックの減衰、車高、空気圧を詰めていくというのは頭で理解はできるものの、自分でそこまでの領域を作り上げることは難しいのもありますし、街乗り車なので少し高めの空気圧にしておきたいというのもあります。



なので車の「そもそもの動き」を作り出す「アライメント」で「ニュートラル」な領域を煮詰めてみようと考えやってみました。
車を持ち上げてアライメント計測&調整。
これでトーイン、トーアウト、色々なセットを試してみました。


ちなみにナックルを締結しているボルト2か所を緩めて、ボルトの「ガタ」分でキャンバーもネガティブ方向に調整。



フロントのアライメントをいくら調整しても左右での動きの違いが修正できないと気づき、調整できないとわかっていてもリアのトーインを計測してみたら左右で全然違っていました。
リジッドアクスル(車軸式)なのでどうしよう、、、と思って車の下から眺めているとアクスルの付け根のボルト、片側5本のボルトを緩め、ガタを利用して左右差を小さくすることはできそうです。




写真だと赤い頭のボルトが4本しか見えませんが、この後ろにもう一本います。
ただアクスル全体を動かそうにも寝そべった状態では力が入らず、ジャッキを使って左右を上げ下げしながら何度かトライ。



最終的に左右共にトーイン10分まで追い込むことが出来ました。
おそらくカタログ値としては、リアは左右共にトーイン10分なのでしょう。



この状態から改めてフロント側のトーを何セットかトライ。この時点で朝から何度も車を上げ下げして夜になってしまい1日目はタイムアップ。
2日目も何セットかトライしてやっと丁度良い値を見つけました。


少なくとも自分の車だと「フロントトーイン3分」が一番自然な動きになりました。
ただし以前記載したニュートラルステアではなく「自分好みの動き」です。ニュートラルステア「もどき」は現状だともう少しトーインでしたが、違和感があったのでおそらくここから先は空気圧やオフセット等を追い込んでいく必要があるため、アライメントで出来るハンドリングの追い込みは一旦終了です。
なおイケヤフォーミュラのゲージでは10分ごとのメモリしかついていませんので、そこから先は感覚になります。

あくまで自分の車での結果なのでご参考までに。


2024年4月25日木曜日

ニュートラルステアを理解する

昨今、Facebook上でAZUR川村さんやふら♪さんを始め、全日本トップドライバーの方々も提起している「ニュートラルステア」。
概念として「ドライバーが意図した軌道をトレースできる」ように車側を調律することを指しています。


概念は理解できるものの、その調律には「タイヤ空気圧調整は0.1kPa以下」、「前後トレッド調整1㎜以下」の極小領域かつ「車高」等のすべての項目を調律していく必要があるそうで、私自身も含めドライバーがその変化を感じ取れるセンサーを身に着けることは中々難しい(ハードルが高い)と感じています。

一方で、車高や減衰を多少いじっても中々車の変化を感じられない場合、現状その車は「ニュートラルステア」からほど遠い状態であり、いくらセットを変更しても感じにくく、逆に「ニュートラルステア」の車は少しのセット変更で如実に動きが変わるらしく、少しでもその領域に近づくべく、頭では理解したいと考え調べてみました。


まず「物理的なニュートラルステア」とは何か、を調べるとマツダ車で有名なオートエグゼさんのこちらのページがわかりやすく記載しています。



上記HPより

まず「物理的なニュートラルステア」とは、上図のとおり定常円旋廻の状態から、舵角を保ったまま速度を上げた時に旋回半径が大きくなる「アンダーステア」、逆に旋回半径が小さくなる「オーバーステア」、そして車速が変化しても旋回半径が変わらない「ニュートラルステア」と定義されています。

さらに各輪のコーナリングパワー(CP)がバランスするポイントを「ニュートラルステアポイント(NSP)」と呼び、一般の乗用車では、NSPはホイールベースの中心点近辺に存在しているそうです。



そして、このNSPと重心(CG)までの位置関係でステアリング特性が決まるそうです。
一般的にエンジンが前側に搭載されている車はCGがNSPより前側で、旋回中に加速していくとNSPと重心までの距離δと遠心力とが曲がろうとする向きとは反対向きに作用し、前輪のCPがバランスできなくなるとアンダーステアになるそうです。
アンダーステアが出た場合、普通ならステアリングをさらに切り込んでスリップアングルをつけ、CPを得ようとしますが、高速旋回している場合は以前記載したように、切り込み過ぎるとタイヤの限界が訪れるので、切り角もバランスを見ていく必要があります。



上記はあくまで静的に見たときの理論値で、ここから先はさらに「感性的なニュートラルステア」の理解が必要で、上述した「タイヤの限界値特性」や「荷重移動」が加わってきます。
詳細は上記HPのこちらの記事になりますが、数式とかを一切省いて言葉で理解するならば、「前輪と後輪のスリップアングルを一致させる」ことになります。




現実的にはスリップアングルというより、各タイヤが生み出す力を一致させるために前後のトレッド差を0.3mm単位、かつ空気圧を0.05kPa単位で追い込んでいく必要があるようです。
また調べていくと面白いのが制御側でニュートラルステアを実現しようとしている論文を見つけました。制御側で組み込んでくれれば人間側にセンサーがなくとも官能的なステアフィールになりそうですね。

と言うことでニュートラルステアの概念を物理的に少しだけ理解することが出来ました。


これを理解した上でセンサーがない人間でも変化がわかりやすい部分から調整していきたいと思います。


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2023年10月9日月曜日

86/BRZ用の前後114.3変換ハブのリリース決定

海外のドリフトナックルやアームで知名度のあるGK techから、以前アナウンスされていた114.3への変換ハブベアリングASSYが前後でリリースされる旨、発表されました。




アナウンス内容はこちら。

概訳:
数カ月前に86/BRZ用の114.3×5ハブコンバージョンキットをアナウンスし、予約者リスト入れて頂くようお願いしていましたが、情報アップデートです。

我々はフロントだけでなくリアのハブコンバージョンキットも作ることを決めました。そして900時間以上の走行耐久テスト(含む、スポーツ走行)を行っている最中です。

この新製品を待ち望んでいる皆様に感謝するとともに、製品が期待に応える状態になったので新たな一歩を踏み出すことが出来ました。もしわれわれの予約者リストに載っていない方は連絡ください。もし予約者リストに登録されると新しいニュース、予注開始の早期アナウンスが可能です。


と言うことで、114.3ハブが現実味を帯びてきたようです。
ホイールサイズも選びやすくなるのでありがたいですね。
前回までのいきさつや、GK techへの連絡等については前回記事のコチラをご覧下さい



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2023年6月22日木曜日

86/BRZの114.3ハブ

アフターの足回りで知名度の高いGK techが86やBRZの114.3ハブの制作を検討しているようです。



まだメーカーとしてもリリース悩んでいるようなので、要望される方はメール等で要望連絡すると市販化されるかもしれませんね。

概訳:
86/BRZオーナーの皆様
通常我々は最終開発段階になるまでお見せすることはないのですが、今回はリリースに向け皆様の意見が必要です。

純正のハブAssyと交換するだけの5×114.3のフロントハブベアリングを開発進めています。これがあればPCD変換スペーサーを必要することなく、114.3のホイールが履けます。

ただし、このハブベアリングは少し高価になりそうです。なので興味がある方や、発売されたらすぐに欲しいという方は連絡頂けないでしょうか。


ということで興味がある方はGKテックさんに連絡ですね。


2023年5月26日金曜日

アシストスプリングの上下について

アシストスプリング(ヘルパースプリング、サブスプリング、テンダースプリング)の取付位置の上下についてリライトです。

アシストスプリングというのは、伸び側のストロークを確保するのに有用で、一般的には着地している状態(1G状態)では密着して仕事をしないのを「ヘルパースプリング」、線間密着せずにメインより強めの短いバネを「アシストスプリング」と呼ぶことが多いようですが、要はコーナリング中等でタイヤが浮きそうな時にメインスプリングで届かない部分を補填するという使い方です。

このアシストスプリングの取付位置については、メインスプリングの上なのか、それとも下なのか、それともそれぞれに意味があるのか調べてみました。



結論として、バネのみで見た動きは上にあろうが下にあろうが、かかる荷重が変わるわけではないので動きは変わりありません。


ただヘルパーはジャッキアップした状態から1G状態へのバネの全長の変化量が大きいのでツイスト量が大きいです。今まで何度か「ヘルパースプリングから音」がするという症状をよく見ますが、大体はこのツイストの動きが引っかかっている音だと思われます。


HYPERCOのHPで上図のように解説されているように、スプリングというのは縮めば縮むほどツイスト量が大きくなるので、スプリングの座面(スプリングシート)を滑りやすくしたり、HYPERCOで言えばパーチェ、もっと簡易的なものですとSwiftからはスラストシートを挟むとスプリングの縮みの動きがスムーズになります。


こちらがHYPERCOのパーチェ。ツイストだけでなくスプリングの座面変形にも対応できるスグレモノです。



こちらはSwift。単純に滑りやすいテフロンシートを敷くことによってスプリングがツイストしても滑らしていなそうというもの。
HYPERCOの方が高機能ですがSwiftの方はお手頃でいいですね。

これらをつけることでスプリングのツイストによる車高調全体の上下運動における抵抗を少なくすることが出来、スムーズなストロークが確保されます。

自分は1度、「ヘルパーは下につけた方が動きが良い」とおっしゃっている方のバネを拝見した時に、下にはスラストシートがついているのに上側にはついていない状態でした。その後アドバイスをして上にもシートを導入されたかはわかりませんが、単純にスプリングがスムーズにストローク出来ていないだけだったのかもしれません。

一応私自身も上下両方つけてみてフィーリングの違いを確かめたことがあります。


こんな感じ。
私自身が感じる限りでは、やはり違いは判りませんでした。

ちなみに車高調メーカーによっては、ショックのブーツに干渉するから下側には付けれない等の理由により上になったりすることはあるようです。


ということで、上でも書きましたがアシストスプリングの上下による違いはないということで結論付けられるかと思いますが、バネも足回りの重量物ですから、できる限り重いものは下に持ってきたいということで、あえて重いメインスプリングを下側にするという記事を見た事はあります。
(体感的に違いがある程変わりはしないと思いますが。。。)


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。




This blog is about For TENDER SPRING, "which should be set to upper side or under side??"

2022年8月13日土曜日

ドリフトとグリップにおけるバンプステアの違い

日が空いてしまいましたが、足回りに関する記事のリライトになります。

以前記載したスクラブ半径の他にも、ハンドリングを考察する上で外せない要素の一つに「バンプステア」と呼ばれるものがあります。
バンプステアとは、バンプ(ストロークした時)にアーム類の位置関係によってトーアウトになったりトーインに変化することを指します。
多くの車はフロントのナックルの後ろ側にタイロッドがあり、ロアアームと取付角度が違っています。ではバンプステアをどうセッティングしていけば良いか考察してみました。



今回はストラット車を例に図を見ていきます。なおバンプステア以外の要素は考慮に入れていません。
下図はタイヤを車体後ろ側から見た図です。

まず停止状態(1G)でのロアアームとタイロッドの位置関係。
多くの車の場合、ロアアームよりもタイロッドのハの字は浅めについていることが多いです。この時のロアアームとタイロッドの長さ関係を抜き出してみます。


こんな感じ。
ナックルと車体までの距離を「A」とします。これを踏まえた上でタイヤを単純にバンプさせます。


そうするとロアアームとタイロッドの角度が変わるので相対的な長さも変わってきます。
どう言うことなのか、上図と同じようにロアアームとタイロッドだけ取り出してみます。


このように緑のタイロッドは平行より上となって相対的な長さがAより短くなります。
逆にロアアームは水平になるので相対的な長さが1Gの時のAより長くなります。
(画像はわかりやすいように誇張表現してます。)



その結果どうなるかと言うと、バンプさせるだけでタイヤはトーアウトの方向に動いていきます。
トーの関係を表すため、下図はタイヤを上から見た図ですのでお間違え無きよう。

車体上側から見た、バンプさせた時のタイヤのトー角度。

左が1Gの状態で、右がバンプさせた時のタイヤのトー角です。
勿論この図もかなり誇張して表現していますが、バンプさせるとフロントタイヤのトー角はこのようにトーアウト側にズレるよう設計されている車がほとんどです。

グリップ走行におけるドライバーの感じ方はコーナリング中、外側がバンプして縮むと、外側のタイヤはハンドルを切ってストロークすればするほど(つまり荷重を掛ければ掛けるほど)切れ角が減っていくのでアンダーステアなハンドリングになります。(メーカーサイドからすれば、荷重が掛かる=無理なハンドルで車体が乱れてしまわないようアンダーなセットにしてるのだと思います)



なのでスポーツ走行的にはロアアームの取付角度とタイロッドの取付角度が平行が理想…ですが実際には少しバンプステア残さないと、低速でのコーナリング等で左右アングル差が出来ずナチュラルなハンドリングにならないので、少しだけ角度差があるのがベストでしょうか。
ちなみにイケヤフォーミュラさんのタイロッドエンドは絶妙な取付角度設計になっています。


手持ちで1番わかり易い写真の、ちょうど良いところに写り込んでるマネージャーくん←
ロアアームとタイロッドの角度が絶妙に差がついているのがわかるでしょうか。(殆ど平行ですが、よく見ると赤線のような角度差が少しついてます。もちろん赤線も誇張して角度付けてます)
少しバンプステアも利用できるので、ドライバーの体感的にはナチュラルなハンドリングになってます。

ロアアームとセットなら純正と遜色ないバンプステアになるのでしょうが、やっぱり足回りを交換するならキチンと計算(強度、防錆要件とか)されて作られている製品を使いたいですね。


一方ドリフトだと荷重がかかっている外側のタイヤがトーアウト=切れ角が増えるので、前回のスクラブ半径の考察に基づくと、バンプステアが発生した方がキレ角が増えます。更に内側のタイヤもドリフト中はリバウンド(伸びる)すると、コチラもハンドルが切れる方向になるのでなおさらハンドルが切れます。

この図はフロント左右のタイヤを上から見た図。ドリフト中における外側のタイヤは左側になりますね。


ドリフトだとあえてバンプステアになるようにすると荷重移動した際の切れ角が増えるので良さそうですが、言い換えるとストロークする程勝手にハンドルが切れてしまうのでそれを良いと判断するか否かでドライバー評価は分かれそうですね。
(バンプステアを増やす具体的な方法としては、ロアアームにロールセンターアジャスターを付け、タイロッドエンドはあえて純正のままにすると、角度差が出来るのでバンプステアを積極的に利用出来ます)

かなり大雑把に考察してみましたが、バンプステアについてはドリフトとグリップ走行(タイムアタック)で正反対の動き(評価)になるという話でした。
(間違ってたらすみません)

他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。

What is bump steer?? Is that best setting different from time attack situation and drift situation??

2021年12月14日火曜日

年末の足掻き

先日のジムカーナ競技会でサイドターンが出来ない理由や課題が見えてきたのでショックやアライメントを変更してみました。

まずはショックの変更から。


左のオーリンズから右のオーリンズへ変更。
ついでに最新のバルブスペックに仕様変更してもらいました。
ブラケットも長くなってホイールサイズも選びやすくなりました。

楽しそうでなにより。


交換作業は子供に手伝って?もらい、サクサク終わらせ、交換したついでに課題修正のためにアライメント変更をまたしました。
1週間で2度目のアライメント調整につき、こちらもサクサクと。

マネージャーさん宅へ。写真にも久々登場。
またもお世話になりました。
子供達も裏山で遊ばせてもらって楽しかったようです?


次はAZURさんの秒殺に四年ぶり?ぐらいに参加して確認します。



2021年8月16日月曜日

アルミホイールナットの強度について

バネ下の軽量化はとても重要で、ホイールのみならずナットも軽量化される方も多いと思いますが、特にアルミのホイールナットは以前も触れたように、強度的に不安な部分がありますが、こんな投稿を見かけました。


 

単位が違うところが気になりますが、要はアルミであればA7075-T6という超ジュラルミンでギリギリという考察をされています。

やはりホイールナットはアルミを使うのであれば使い捨て、できればチタンもしくはクロモリ等の強度があるナットを用いた方が良いのかもしれません。



この手の大手のKYO-EIやDIGICAMも基本的にはクロモリやチタンを推していることからも、リスクを考えるとアルミは避けた方が良いかもしれませんね。


金額だけ考えるとクロモリの方が現実的ですね。

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2021年5月31日月曜日

キングピン角の作用ついて

今回はキングピン角(別名S.A.I)の話。

前回のブログの続きで以前のリライトですが、どうやったらハンドリングを良く出来るのか考察を進めていくと、キングピン角も1つの重要な要素という事が分かりました。


キングピン角の概要はこちらのHPコチラのHPに良くまとまってますね。

上記のHPの中で注目したいのは「キングピン角があると、ハンドルを切るとタイヤの軌跡が車体を押し上げる方向に動く」という所です。


コーナリング中、外側のバネは縮んでても、ハンドルを切れば切るほどタイヤだけ下方向に動き、結果車体が浮き上がるという現象が生じてしまうわけですね。

キングピンアングルによって持ち上げられる車高よりもバネの縮みの方が大きければコーナリング中のフロント全体の車高は下がります。(バネの縮みよりキングピン角によって持ち上げられる方が大きいという事はよっぽどバネが硬い場合だと思いますが)

よってフロントストラットの車でよくありがちなピロアッパーによってキャンバーを変化させたり、キャンバーボルトを使ってキャンバーを変化



こんな感じでネガティブ側に調整するとキャンバーと共にキングピン角も大きくなってしまうわけですね。
キングピン角よりもキャンバーのほうが実変化としては大きいと思うので、結論としてあまり気にする必要は無いかと思いますが、もし気になる場合でストラットの車はキャンバーボルト側で調整すると良い、と言うのも以前記載しました。

続きは今回も長くなったのでこの辺で。

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2021年5月20日木曜日

ストラット車のキングピン角改善法

ストラット車でキャンバーを付けるとキングピン角がズレがちですが、こんな記事を拝見しました。




この記事のとおり、ストラットボルト側、もしくはナックル曲げ加工でキャンバーを付けた方がキングピン角が少なくなるので良さそうです。

ただFF車をメインに、元々キャスターがついていない車でキングピン角まで浅くしてしまうとコーナリング中のキャンバー不足を起こしてしまい、静止状態でのキャンバーを付けざるを得なくなって直進状態でのタイヤ設置面積が減り、ブレーキングがシビアになるというデメリットもあります。

なので結局はバランスになるとは思いますが、FRは概ねこの方法の方がメリットの方が多く、FF車は車種によってバランスを見た方が良さそうな気がしています。
ただ以前も触れたように、キャンバーボルトでのキャンバー変更、特に上側のボルトで変更するパターンだとズレることが多いので、可能であればナックル曲げ加工の方が確実なのかなとは思います。(細かい変更は結局ピロアッパーかボルトでやるしかありませんが)
いずれにしても近年は王道のピロアッパーではないキャンバー変更方法もメジャーになってきたので、消耗品であるピロを気にしなくて良くなりコスト的にもメリットがありますね。

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2021年5月13日木曜日

スクラブ半径について

以前の記事のリライトですが、スクラブ半径について。
まずスクラブ半径とは何ぞや?ですがコチラのHPに良くまとまっていますね。





小技紹介 様より引用


ワイドトレッドスペーサーやオフセット(インセット)値が小さいホイールを付けるとトルクステア(キックバック)が発生してしまうのはスクラブ半径が大きいことが原因のようです。
更にその影響で、テンションロッドやハブベアリングへの負担、直進性への不安(2枚目)も抱えやすくなり、ワイドフェンダーな方々のピロアッパーやハブベアリングが逝きやすくなるのは必然のようです。


上記のHPで一番気になったのがこの記載。


一般的な市販車であればスクラブ半径はポジティブなのが一般的なようです。
勿論自分が乗っているS15もポジティブです。
上図の赤印のところの「旋回時に加速するとフロントは外側に向かおうとする」とありますが、S15はこの動きが顕著に感じます。
クリッピングについて加速しようとすると大きく外側に膨らみがちで、綺麗に立ち上がれません。
ともすると、単純に考えればスクラブ半径を小さくすれば良いとなります。


S2000やアルテッツァのホイールは+50とかありますが、これによってスクラブ半径が小さいので、キビキビとしたハンドリングの一要素になっているものと思います。




ただ一概にスクラブ半径を小さくすれば良いということも無くて、下図のとおり
画像はコチラのHP様より

スクラブ半径が増えると、外側のタイヤの実ホイールベースが長くなり、逆に内側はホイールベースが短くなります。

では上記を踏まえてドリ車ですごいオフセットのホイールを履かせているのに、初期の反応がいい車があるのはなぜなのか。スクラブ半径だけでハンドリングを考察しましたが、フロントタイヤの動きにはスクラブ半径だけでなく色々考えなければならない要素があります。

が、長くなったので今回はこの辺で。

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2021年4月30日金曜日

HALスプリングについて

以前からジムカーナやワンメイクレースを始め活躍し、細かな特性、ラインナップを揃えるHal Springというメーカーさんがあることは知っていましたが、どういったラインナップがあるのか知らなかったので調べてみました。


タニダのHPより。

バネレートは勿論ですが、低反発、中反発、高反発といった特性違いのバネをラインナップされていることが特徴でしょうか。
一般論で言えばサーキット走行であれば急な荷重変動を抑えるように高反発なバネが良いでしょうし、縁石に乗り上げるような使い方や荒れた路面で使う用であれば低反発の方がタイムが出そうなイメージです。

ただこの高反発、低反発というのが、市販品の中におけるどの程度の位置づけなのかが気になるところです。

以前各メーカー別の特性についてまとめましたが、この表の中のどのあたりにHalスプリングが位置づくのか、イメージでも良いのでわかるとユーザー側としてはありがたい限りです。

レンタルなんて制度もあるようなのでセッティングに悩まれている方には強い味方になりそうですね。先日紹介したスプリングリテーナーと合わせるとよりタイムアップが期待できそうです。

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2021年3月4日木曜日

車高調のベアリングとスプリングリテーナー"RAMP(ランプ)"

 サスペンションプラスから、スイフトやヤリス等の車種のリアスプリングの問題点を解決する製品が発売されたそうです。



確かにバネの動きが良くなりそうですね。
気になるのはこれをつければどれだけ良くなるのか、と言うことを定量的に見れればいいな、と考えていたらテストした結果も掲載されていました。


1分ぐらいの走行で約1秒短縮、これは下手にパワーアップや高価なタイヤを買うよりも恒久的に車の性能が上がると考えると凄いパーツな気がします。
普通のストラット車やダブルウィッシュボーン車もここまでの効果は無いかもしれませんが、スプリングの間にベアリングを挟んで抵抗を無くすのは結構効果的かも知れません?



ただ市販の車高調用のベアリングセットはかなり高価なので、メーカー品を買って自分で組み合わせれば安くあげられそうです。


ID60の車高調なら上記のスラストベアリングとワッシャーを組み合わせて使えば安く上がりそうですね。2セットなら「ベアリング×2」と「ワッシャー×4」で2セット出来ます。


 
ID65の車高調なら上記のスラストベアリングとワッシャーを組み合わせて使えば安く上がりそうですね。2セットなら「ベアリング×2」と「ワッシャー×4」で2セット出来ます。


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2021年2月11日木曜日

スプリングとスタビライザーの効果と関係性

最近あまり勉強できていませんが、スタビライザーって何を基軸に考えればよいのかについて基礎知識を勉強しています。
学ぶにあたり、ネット上だとCCEさんの動画がすごく参考になります。

 

 こちらはまずスタビライザーとは、という動画になります。



次に荷重移動とバネ(スプリング)の選定について。バネレートではなく前後左右方向のレートバランスを整えましょう、と言う話。(F10kg R10kgの車とF20kg R20kgだと変わらないという話)



最終的にスタビとはどうセッティングに使うものなのか、という話です。

左右方向については以前のブログでも考察したことがありましたが、今までスプリングレートは左右のロール方向でしか考慮してませんでしたが、前後のピッチング方向でレートバランスを整えて、左右方向はスタビライザーで行うと言うのが正しいセッティングのようです?
また前提条件としておさらいですが、タイヤは急激な荷重をかけてもグリップしませんし、荷重移動しすぎると限界が下がります。(以前のブログをご覧ください。)

例えばジムカのような急加速、急減速があるような場合はピッチング方向を緩く(前後スプリングレートを緩く)して、スタビを固めたり、サーキット走行であれば逆にすると、理論上は扱いやすくなりそうですね。

ただし結局はタイヤがハイグリップで緩い動きにしなくても対応出来るのであれば固めた方がいいですし、固めて挙動を早めることによって滑って向きが変えられやすくなると言う側面もあるので結局はやってみないとわからない、と言う結論になりますね(汗)
ただセッティング、特にスタビライザーの方向性で悩んだ際はこの理論を思い出すと基礎に戻れるかと思います。

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2020年6月25日木曜日

チタン製2ピースナットの強度について

最近ドリフトでは有名なD-MAXから2ピースのチタンナットが発売されました。


2ピース構造なのでホイール側を傷めにくく、一日に何回もつけ外しするようなモータースポーツユースにはピッタリですね。
一方で軽量なアルミナットでは、削れたり強度が足りなくてタイヤが外れてしまった、という事例もあるそうなので、チタンはどうなのか調べてみました。
調べてみるとこちらのページによりますと「ヤング率」と言う値で強度は比較するそうで。
またアルミ(ジュラルミン)とも比べるべくこちらのページから数字を抜き出しますと、


鉄      203~206
チタン    106
ジュラルミン 69~74
(数字が大きい方が変形しにくい)

上記ページの説明を鵜呑みにすれば、大雑把にまとめると「クロモリ(鉄)に比べてチタンは約1/2、ジュラルミンは約1/3の強度」という感じでしょうか。
また重量も比重を比較する限り「クロモリ(鉄)に対し、チタンは約1/2、ジュラルミンは約1/3の重さ」なので、強度と重量は相関している結果のようですね。
上記より強度と重量のバランスを考えると、コストを除いてチタンと言うのは良い選択肢になりそうです。


個人的にはジュラルミンナットは「消耗品」と割り切って頻繁に交換していたこともあって、使用中に脱落や緩みが発生したことはありませんでしたが、よりチタンは信頼性が高そうなので次回購入時には検討してみたいと思います。


トヨタ・ホンダ・ミツビシ・マツダ・ダイハツに代表的な1.5のピッチ
ニッサン・スバル・スズキ(トヨタ86)に代表的な1.25のピッチ
金額はジュラルミンの倍ぐらいでしょうか。
ジュラルミンより強度が高くて耐久性が上がるのであればあまりコスト差もないような気がします?


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I found titanium wheel nut produced by D-MAX. Is that have enough strength for use??

2020年4月3日金曜日

バンプステアについて(ドリフトとグリップ走行での違い)

前回記載したスクラブ半径の他にも、ハンドリングを考察する上で外せない要素の一つに「バンプステア」と呼ばれるものがあります。
バンプステアとは、バンプ(ストロークした時)にアーム類の位置関係によってトーアウトになったりトーインに変化することを指します。
多くの車はフロントのナックルの後ろ側にタイロッドがついており、ロアアームと取付角度が違っています。そこでバンプステアをどうセッティングしていけば良いか考察してみました。



今回はストラット車を例に図を見ていきます。なおバンプステア以外の要素は考慮に入れていません。
下図はタイヤを車体後ろ側から見た図です。

まず停止状態(1G)でのロアアームとタイロッドの位置関係。
多くの車の場合、ロアアームよりもタイロッドのハの字は浅めについていることが多いです。この時のロアアームとタイロッドの長さ関係を抜き出してみます。


こんな感じ。
ナックルと車体までの距離を「A」とします。これを踏まえた上でタイヤを単純にバンプさせます。


そうするとロアアームとタイロッドの角度が変わるので相対的な長さも変わってきます。
どう言うことなのか、上図と同じようにロアアームとタイロッドだけ取り出してみます。


このように緑のタイロッドは平行より上となって相対的な長さがAより短くなります。
逆にロアアームは水平になるので相対的な長さが1Gの時のAより長くなります。
(画像はわかりやすいように誇張表現してます。)



その結果どうなるかと言うと、バンプさせるだけでタイヤはトーアウトの方向に動いていきます。
トーの関係を表すため、下図はタイヤを上から見た図ですのでお間違え無きよう。

車体上側から見た、バンプさせた時のタイヤのトー角度。

左が1Gの状態で、右がバンプさせた時のタイヤのトー角です。
勿論この図もかなり誇張して表現していますが、バンプさせるとフロントタイヤのトー角はこのようにトーアウト側にズレるよう設計されている車がほとんどです。

グリップ走行におけるドライバーの感じ方はコーナリング中、外側がバンプして縮むと、外側のタイヤはハンドルを切ってストロークすればするほど(つまり荷重を掛ければ掛けるほど)切れ角が減っていくのでアンダーステアなハンドリングになります。(メーカーサイドからすれば、荷重が掛かる=無理なハンドルで車体が乱れてしまわないようアンダーなセットにしてるのだと思います)



なのでスポーツ走行的にはロアアームの取付角度とタイロッドの取付角度が平行が理想…ですが実際には少しバンプステア残さないと、低速でのコーナリング等で左右アングル差が出来ずナチュラルなハンドリングにならないので、少しだけ角度差があるのがベストでしょうか。
ちなみにイケヤフォーミュラさんのタイロッドエンドは絶妙な取付角度設計になっています。


手持ちで1番わかり易い写真の、ちょうど良いところに写り込んでるイケメン弟子くん←
後で写真はとり直しますが、ロアアームとタイロッドの角度が絶妙に差がついているのがわかるでしょうか。(殆ど平行ですが、よく見ると赤線のような角度差が少しついてます。もちろん赤線も誇張して角度付けてます)
少しバンプステアも利用できるので、ドライバーの体感的にはナチュラルなハンドリングになってます。

ロアアームとセットなら純正と遜色ないバンプステアになるのでしょうが、やっぱり足回りを交換するならキチンと計算(強度、防錆要件とか)されて作られている製品を使いたいですね。


一方ドリフトだと荷重がかかっている外側のタイヤがトーアウト=切れ角が増えるので、前回のスクラブ半径の考察に基づくと、バンプステアが発生した方がキレ角が増えます。更に内側のタイヤもドリフト中はリバウンド(伸びる)すると、コチラもハンドルが切れる方向になるのでなおさらハンドルが切れます。

この図はフロント左右のタイヤを上から見た図。ドリフト中における外側のタイヤは左側になりますね。


ドリフトだとあえてバンプステアになるようにすると荷重移動した際の切れ角が増えるので良さそうですが、言い換えるとストロークする程勝手にハンドルが切れてしまうのでそれを良いと判断するか否かでドライバー評価は分かれそうですね。
(バンプステアを増やす具体的な方法としては、ロアアームにロールセンターアジャスターを付け、タイロッドエンドはあえて純正のままにすると、角度差が出来るのでバンプステアを積極的に利用出来ます)

かなり大雑把に考察してみましたが、バンプステアについてはドリフトとグリップ走行(タイムアタック)で正反対の動き(評価)になるという話でした。
(間違ってたらすみません)

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What is bump steer?? Is that best setting different from time attack situation and drift situation??