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2023年5月4日木曜日

タイヤの最適空気圧の設定方法

サーキットやスポーツ走行において現場で出来る簡単、かつ重要なセッティングの1つとしてタイヤ空気圧の変更があると思いますが、どのように空気圧を設定すれば良いかわからなくなることがあります。

手軽なのが同じタイヤを使っている他の選手に聞いてみることですが、車が同じであればまだしも、車が違うと適切か分かりませんし、タイヤサイズが違うとタイヤ内部構造が違うこともあるので難しい所です。

自分も走ってみてフィーリングが良いところを探っていくのですが、「良いフィーリング=タイムが出る(最もコーナリング速度が速い)」とは限らないのはよくあります。

と言うことで自分も忘れていましたが、基本のやり方は愛読しているGrassroots Motorsportsのページに良いことが書いてあったのでご紹介します。
(英語の後ろに要約を入れてます)
  1. Based on experience, tribal knowledge or just some gut instinct, make a good estimate for a starting point. If there’s a range, inflate tires to the high side of that figure. (経験則から適切と思われる空気圧範囲のうち、高い側の空気圧で設定)
  2.  Time three hard, clockwise laps around a skidpad.(広場でハードに時計回りで3周旋回してみる)
  3.  Drop the pressures by 4 psi all around.(約0.2気圧落とす) 
  4. Repeat steps 2 and 3 until the lap times point toward an ideal pressure range.(上記2と3を繰り返して理想値を探る)
  5.  Note the range of pressures that produced the fastest laps.(最速ラップだった空気圧範囲をメモ)
  6.  Inflate all tires to the highest pressure in that range.(上記5のうち一番高い空気圧にする)
  7.  Time three hard, counterclockwise laps around the skidpad.(広場でハードに反時計回りに3周旋回してみる)
  8.  Drop the pressures by 2 psi all around.(4輪とも約0.1気圧落とす) 
  9. Repeat steps 7 and 8 until you home in on the fastest pressure.(最速ラップだった空気圧になるまで7と8を繰り返す)
  10.  Use a probe-type pyrometer to confirm the fastest pressures. Ideally the tire temperatures will be close to even across the entire tread. If they’re a little bit cooler on the outside edge, that’s okay, too. If the temperatures in the center are too high, though, the tire is running too much air. “When in doubt, trust the clock, not the pyrometer,” Hollis adds.(タイヤ表面温度を測定し、均一な温度になっているか確認。中央が高温だと空気入れ過ぎ。外側が少し低いぐらいなら問題なし。もし表面温度が不均等でも最速ラップを出した空気圧が正解である) 
  11. Tires cool as they sit, so waiting even a minute to measure a tire’s temperature can render the data almost useless. That’s why we recommend having at least one helper, so one person can take measurements on each side of the car. We record our data in an old-school notebook.(タイヤの温度は走行後1分でも経過すると正確なデータ取りが出来なくなるため、車外で温度測定してくれる人がいるとベスト)

この方法はトーやキャンバー等のアライメントセッティング出しにも有効なので、こう言った広場が近くにあると便利ですね。

ちなみに同じページにタイヤのトレッドウェア一覧と評価が乗ってました。


日本におけるトレッドウェア一覧についてはコチラのページも参考にしてください。



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2023年4月24日月曜日

トルク管理できるソケット(トルクリミットインパクトソケット)

タイヤ交換する際にインパクトを使って付け外しする方も多いと思いますが、その際に重要になる項目として「トルク管理」があると思います。

今回モーターファンフェスタでこんな便利な海外のソケットを見つけました。



このソケットを用いればインパクトで締付をしても規定トルク(100Nm)以上になるとスリップして、締めすぎ防止になるというものです。

もしこのソケットの規定トルクが信頼できる値なのであれば、インパクトで思い切り締付をするだけでトルク管理ができ、特にサーキット等の現場におけるタイヤ交換の作業性が劇的に向上するため、チームで導入することになりました。(ので使いながら信用度を検証していきます)





こちらは3本セット。
色々な車種、ボルトサイズを扱う場合はこちらのセットがお得ですが自分のようなプライベーターは使うサイズだけほしいところなので調べると、バラでも販売しているようですので以下ご参照ください。





こちらは19mmのみの単品。

こちらは21mmのみの単品。


トルク検証し、良さそうであれば改めて記事化します。

2023年2月23日木曜日

タイヤ周辺の空力について考える

車において一番空気の流れを乱すのはタイヤと言っても過言ではなく、以前触れたようにメーカー純正状態でタイヤストレーキやフェンダースリットといった機構が付くようになってきました。



フェンダースリット。効果についての詳細は以前の記事をご確認いただければと思いますが、ようはバンパーで取り込んだ空気をタイヤの外側に流すことでタイヤハウス内の空気を引き抜く作用をしているものです。

これまではいかにタイヤハウスの空気を「車の外」に出すかが重要と考えていましたが、乱れた空気は「車の下」に追い込むことも大事なようです。




こちらのページ様によれば、タイヤによって発生した渦によって車体側面や背面の負圧領域が増えないよう、タイヤストレーキ等で車体内側に空気を追いやることが大事だそうです。

そう言われればタイヤストレーキって純正状態では正面から見ると内側にオフセットしている車が多いですよね。



画像はコチラのページ様から。
赤印つけたタイヤの外側にはストレーキがなく、内側へ少しナナメに取り付けられています。

ここまで見てきてフェンダースリットで外側の流速を上げつつ、乱気流は車体下面に押しやることが重要と分かりましたが、現代の車はどうなっているのでしょうか。

90スープラをみると面白い構造をしています。



こちらのページによればスープラではエアカーテンをタイヤハウス内側に設けて乱気流を車体内側に抜こうとしているようですね。

と言うことでエアロダイナミクスは年々進化しているので動きが面白いですね。
ジムカーナや低速サーキットでは効果が薄そうですが、高速サーキットでは効果がありそうですのでダウンフォースは増やせなくても抵抗を減らしたいと考えている方にはヒントになるかもしれません。
久々の考察シリーズでした。


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2023年2月22日水曜日

あまり乗らない車のバッテリーメンテナー(BC BRAVO 2000+)

先日パシフィコ横浜で行われたノスタルジック2デイズで面白い製品を見つけたのでご紹介です。
自分もそうですが、週末(というか月に数回)しか動かない車だとバッテリーが上がってしまったりするため、マイナス端子を普段は外している方も多いと思いますが、これだと突然バッテリー死してて、動かしたいときに動かせなくなる可能性もあります。

そんな時に便利な「バッテリーメンテナー&テスター」が出ていました。



イタリアのBCからリリースされているBRAVOという機種。
ただの充電だけでなくパルス充電と呼ばれて鉛バッテリーの劣化の原因となる電極のサルフェーションの除去も出来、飛躍的に寿命を延ばすことが出来ます。

また100Vのコンセントから抜いてバッテリー単独につなげばバッテリーだけでなく、オルタネーターの発電量測定までできるテスターとしても使える優れもの。
メーカーの方曰く、充電とテスター等を兼ね備えた機種はおそらくこの製品だけだそうで。
防水性能も有しているので屋外に放置している車でも使え、自動車メーカーの純正品としても納めている製品なので信頼性も高そうです。


驚きなのがその価格。
メーカー純正品品質かつ上述した機能をもっていて価格がお手頃というのが個人的にポイント高いです。


しかもバッテリーに接続は通常のワニグチクリップだけでなく、すぐに脱着できるようなカプラー式アダプターも付属されています。
またオプションですが、車体側に一度設置すればマグネットで簡単にメンテナーとの接続/脱着ができるワンタッチアダプターもあるそうで、旧車や週末チョイ乗り車にはとても便利なオプションも用意されています。

製品としてはかなり良いもののため、某日本メーカーさんも目をつけているとか!?
バイク乗りの間では有名なようですが、4輪でも良いものだと思ったのでご紹介でした。


2023年2月6日月曜日

NANKANG CR-Sの86、ヤリスサイズ等の追加について

値段もお手頃かつグリップ評価の高いCRSですが、やっと86等に対応した7サイズが追加される旨、オートウェイから発表されました。







上図の7サイズ。
以前記載したように、グリップ評価も高いタイヤのラインナップ拡充はありがたいですね。
15インチも競技車種によってはあってありがたいサイズですね。

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2023年2月4日土曜日

VALINO VR08GP Sportsについて

ヴァリノから販売されているグリップ専用タイヤ、VR08GPに新たなラインナップとしてVR08GP スポーツが加わります。



トレッドパターンのベースはVR08GPなものの、ゴムの硬度等に合わせて溝の彫り方を変えています。

この時の製品テストは別のトレッドウェアですが、TW300のタイヤとして出てくる予定です。
と言ってもテストしたのも2022年5月だったのでだいぶ前ですが。。。

特徴としてはとにかく「減らない」「温度に左右されない」といった感じで、逆を返すとピークグリップは熱を入れてもそこまで増幅しないそうです。




グリップとしては300にしては他社と比べても良い感じですが、特徴的なのはスライド領域が凄く扱いやすい、とのことです。

サーキット周回や空気圧変動させたりといった製品テストは、アルト等で有名なSさんと、マネージャー君が担当しており、私はあまり関与してませんが登場が楽しみです。

ちなみにVALINOから発表されているようにVR08GP NEUMAというのも続いて発売されますのでそちらは別途。


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