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2018年8月29日水曜日

デュアルマスフライホイールについて

前回のブログでも触れましたが、今回はデュアルマスフライホイールについて。


聞いたことない方もいるかもしれませんが、こんなものです。



フライホイールなのにメチャクチャ動きますね。
要はエンジンやミッションの振動の吸収と、クラッチ蹴りなどで劇力が加わった際にここで吸収するというものです。

一般的には、クラッチを繋ぐ際の衝撃というのはクラッチディスクにバネのダンパーをつけるという製品が多いかと思います。


こんな感じ。
このダンパーというのはミッションやドライブシャフト等、駆動系が弱い車種であればあるほど有用で、ダイレクトにしてしまうとブローの可能性がより高まってしまいます。

クラッチディスクにつけるタイプのダンパーというのは、一定の入力値に対してはダンピングするようですが、細かい微振動や一定以上の入力は吸収できないので注意が必要です。

このクラッチディスクダンパーでは吸収できない振動をいなしたいとメーカーが判断した場合出てくるのが、上の動画のようなデュアルマスフライホイールです。
デュアルマスフライホイールの構造はこのようになっています。



複数のバネが埋め込まれて微振動や一定以上の入力に対して吸収できるような構造となっています。S15の純正フライホイールもデュアルマスフライホイールですが、これはアイシン製のFS6R92Aが共振音が多いことと、ミッションの強度がないためフライホイールで逃がそうというメーカーの考えかと思います。

よくこのデュアルマスフライホイールを「重い」とすぐ捨ててしまうパターンが多いと思いますが、単純に重量だけをみると普通のフライホイールに比べて重いですが、かなりの高回転で回るフライホイールですから、円周部が重いわけではなく、中心側が重くなるように設計(中心寄りにバネが配置されている)されているため、見た目の重量ほど「重たいふけ上がり」にはなっていないはずです。

設計的には素晴らしいこのデュアルマスフライホイールですが、これだけ動きますので寿命があります。
メタルクラッチとかでフライホイールを定期的に交換されている方ならあまり問題ないかもしれませんが、デュアルマスフライホイールは1つの単価が10万円を超えるほどの価格だそうなので、定期的に交換というのも考えものですね。


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



This blog is about "What is Dual mass flywheel?". If you want to read this blog, Please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2018年8月28日火曜日

S15純正ミッションFS6R92Aについて

今回はS15純正6速ミッションであるFS6R92Aについて、前回の続きです。

2018年8月28日現在において、1速及び2速ギアの純正部品は終売となっていました。
一方でミッションAssyは2機のみ在庫があるとのことで、値段も28万3千円とのこと。

NISMOミッションが35万円ですから、2割強安いですね。

ギア比は純正とNISMOを比べるとNISMOが発表しているとおり


3速、4速はほぼギア比そのままに、1速、2速をハイギアード化してクロスしています。
6速は5速よりにローギアード化して全体的にクロスとなっています。


ただジムカーナやショートサーキットでよく使うのは1速~3速で、4速は岡山国際サーキットでジムカーナしたときは4速も使いましたが、それ以外は一度も使ったことがありません。ちなみに以前のブログで書いたとおり、シフトする時間というのは意外とタイムロスにつながりますので、エンジン回転のトルクバンドをよほど外さない限りはシフト回数は減らしたい所です。

よって基軸となるのは1速と2速、時々3速となりますし、競技をしていると高速移動も多いので6速はハイギアードであればあるほどありがたいところです。

なので・・・・


純正ミッションを買うのは今がラストチャンス!ということで残りの2機のうち1機を購入してしまいました(ノ∀`)



ただこのまま使っていればまたいつブローするかわからないので、下記事項を気を付けていこうと思います。

①ミッションオイル量を多めに入れる
②クラッチ側で高トルクがかかった際は吸収できるようにする


①について、ブローした際に実はオイルの攪拌抵抗を少なくしたかったため1.4?しか入れていなかったことも原因だと思われるので、今後は上から入れて2?は入れたいと思います。
ちなみに今まで2ℓ入れてたのですが、ブローした時のみ1.4ℓにしてたのが大きな原因だと思われます。。。
ただ規定量以上入れると昔ブログでも書きましたがブローバイガスだけでなく、ミッション後方のシールからオイルが漏れてきてしまうのは仕様であきらめるしかないですね。


②については前回のブログでも触れましたが、クラッチディスク側にダンパーをつけるというのが大前提となりますが、それ以外に「あえてクラッチを滑らせる」ということも考慮にいれて行こうかと思います。
一般的に強化クラッチということで、メタルやカッパーミックスなどのクラッチ版を使うと思いますが、あえてノンアスディスクを用いることで繋いだ瞬間わずかに滑らせて劇力緩和を行えばより保護に繋がると考えています。

一番いいのがS15やアルテッツァ等で採用されている「重い」と悪評の高い純正フライホイールですが、これはデュアルマスフライホイールと呼ばれ、結構高機能なものです。

値段的に純正フライホイールは高いのでそれについてはまた次回のブログで。


20180917
新品ミッションを搭載しました。


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This blog is about "S15 genuine transmission FS6R92A". If you want to read this blog, Please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2018年8月25日土曜日

山中湖オシャレカフェ&KABA乗車

今回は昨日行った所のたわいも無い話。


富士スピードウェイの帰り道に山中湖を通ることが多々あるのですが、気になっていたお店がいくつかありました。
その中でも外観が特徴的な、洋館テイストの「ヨーロピアンカフェ グータン」へ行ってきました。


ミニクーパーやビートル、チンクエチェントのミーティングがこのお店でよくやられているようです。
エセクーp・・・ミラジーノもとっても似合います(・∀・)

昨日は台風が来ていてものすごい雨、風だったのですがその隙をみて取った写真。
隙といっても結構降っていたのでアングルとかあまり細かいことはきにしてられませんでした。。。

料理もパスタやピザなど、自家製なのかメチャクチャ美味しかったです。晴れの日にまた来たい。。。



その後は水陸両用バスのKABAというバスに乗りました。


ものすごい雨だったのでネットのをそのまま転載(ぉ

景色なんて


波が高いわ、雨は凄いわで、運行してくれた事に感謝ですね。
山中湖から静岡方面への道が冠水して封鎖されていましたし。

乗る場合は割引券があるので、ネットで「KABA 割引券」とかで一番上に表示されるHISの割引券を取得してから行かれたほうが良いかと思います。(一日限定50枚とかなのでお早めにアクセスしたほうが良いかと)

という日常備忘録でした。




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2018年8月24日金曜日

ターボ車のアクセルレスポンスについて考えるⅡ

今日は前回の続き。

ターボ車において、アクセルオンの瞬間のレスポンスを良くするにはどうしたら良いのか。
改善するには「アクセルが開いた瞬間の吸入抵抗を少なくすればよい」のですが、インタークーラーをそのままで改善する事ができないか考えてみると、ある閃きが生まれました。それは



「空気がインタークーラーを通ってしまうと問題がでるのであれば、インタークーラーとスロットルの間で何とかできないだろうか。」



ということはインタークーラーとスロットルの間にNAでよくあるインテークチャンバーを取り付ければ、逆流するはずだった空気が滞留する事ができ、問題を解決できると考え調べてみるとやはりそういう商品がありました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ジムニー 吸気 ターボ インテークチャンバー JB23 4~10型 MRS
価格:28080円(税込、送料無料) (2018/8/22時点)




ジムニー用のしか見つかりませんでしたが、このようなコレクタータンクを取付すればアクセルオン初期のレスポンスが改善できるのではないかと思います。実際商品のレビューを見てみるとそのような効果が出ているように皆さん書かれています。
ただジムニー以外の車種でみつからないのでネガな部分があるのかもしれませんね。また軽のような小さなエンジンのほうがより効果を感じやすいのかもしれません。





個人的にはこのコレクタータンクはターボ車であれば低回転時におけるアクセルオンだけでなく、高回転時においても副次的なメリットが出てくるのではないかと考えています。



まずスロットルが開いている状態のノーマルの模式図。
タービンで加圧された空気がインタークーラーで冷却されると同時に圧損されてスロットルに到達し、エンジンに吸入されます。






これはスロットルが閉まっている状態の模式図。
閉じた瞬間は、加圧された空気がスロットルのところで逆流を開始し、インタークーラーを通り抜けてタービンまで逆流します。
(ちなみに模式図だと出てきませんが、この逆流を少なくしているのがブローオフバルブです。)
逆流しているということは、タービンの回転数にブレーキをかけてしまうので、この状態から再びスロットルをオンにしてもまたタービンの回転数を上昇させるのに時間が掛かってしまいます。



この逆流する空気量を減らしたうえで、ブローオフのように逃がしてしまわず、インタークーラーとスロットルの間に滞留させることができれば、スロットルオフにして、すぐにアクセルをオンにするような場合にターボラグが少なくなるのではないかと考えました。






図にするとこんな感じ。
なので低回転は勿論、高回転においてもアクセルオフからアクセルオンが短い場合におけるターボラグをインテークチャンバーがあれば短くする事ができるのではないかと考えています。

が、逆流をとどめておける量なんてたかが知れているのでどれだけ効果があるのかはやってみないと分からないですね。

またMR車の冷却の厳しさについても記載しました


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2018年8月22日水曜日

ターボ車のアクセルレスポンスについて考える

今回はターボ車における圧損、アクセルレスポンスについて。


ターボ車はタービンで加圧されて熱くなった空気をインタークーラーで冷却させ、酸素の充填効率を向上させています。
以前少し考察させていただきましたが、このインタークーラーというのは圧損が生じてしまうのでパイピングを短くしたり、インタークーラー自体を小さくする(水冷式にして小さくする等)ことで効率を上げているとのことでした。

最近調べてみるとこのように空気の入口側をテーパー加工することで圧損を低減させるという記事も散見されてきました。


これが元の状態。これが下記のように


テーパー加工して、圧損を減らすような加工をしています。

ばくばく工房様より。



またこちらの方は水冷式と一般的な空冷式における流入空気温度の差を検証されていました。


シルビア系でやっている方は少ないのではないでしょうか。
この方の検証結果を見る限りある程度速度が出ている状態、つまりグリップ走行であれば空冷式でも問題ないように感じられます。
(ドリフトで横向いててインタークーラーに空気が当たりにくい場合は効果大だと思います)

最近の車はエンジンルームのレイアウトがしやすいことから水冷式が増えているようですね。




では空冷式でテーパー加工、インタークーラーを小さくする以外に効率化することは出来ないのでしょうか。
とくに改善点として注目したのが「アクセルオンした瞬間のレスポンス」です。

これを改善するためにインタークーラーだけでなく、パイプレイアウト全体で考えて見ます。


画像はネットの拾い物です。
インタークーラーは空気の通り道における冷却装置でありますが、一方で網戸のように空気が通りにくくなっている渋滞ポイントというのは以前のブログのとおりです。

上記に付随して過給が始まる前の状態、例えばアイドリング状態からアクセルオンした瞬間というのは「スロットルが空気を吸う⇒エンジンの回転数が上昇⇒タービンが回転し始める」という工程を踏むのですが、アクセルオンの瞬間はスロットルが空気を吸いたくても通り道に網戸(インタークーラー)があるため空気が吸いにくく、初期のエンジン回転数上昇を阻害しているのではないかと考えました。
(低回転における吸入程度ではあまり影響が無いかもしれませんが)


ということでターボの過給が立ち上がるまでの問題点として

①低回転からのアクセルオンでは、インタークーラーがあるため空気がすいづらく、回転の上昇が妨げられている。

②上記①を経てエンジン回転数が上昇してきても、インタークーラーが網戸みたいに圧損させてしまう。

という2点がインタークーラーが起因となる点と考えました。
今回特に注目したいのが①で、そもそもエンジンの回転数が上がらなければ過給が始まりもしないので、ここを改善できればアクセルレスポンスが改善できるのではないかと考えましたが、その方法の考察は長くなったのでまた次回に


またMR車の冷却の厳しさについても記載しました



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2018年8月18日土曜日

ロール剛性による荷重変化量とステアバランスについて

今回はバネと荷重移動のネタ。


以前も参照させて頂いたルマンさんのコラムの車両運動性能編から、バネと荷重移動について勉強になる部分があったので数式等の難しい部分は省いてまとめてみました。
また似たような質問がYAHOO知恵袋にもあったので参考に。


1.荷重移動とスプリング

ブレーキングした時に車が前傾姿勢になるのは誰しも分かると思うのですが、バネを固くするとこの前傾姿勢が緩和されて「前側への荷重移動が減った」と思ってしまいがちですが、バネを固くしたところで荷重移動量は変わらないとのことでした。
理由は後述するロール剛性と同じなのでしょう。


2.荷重移動とアンチダイブ
3.後輪駆動車にアンチリフト?

アンチダイブやアンチリフトとは何でしょうか?


バイクや自転車に乗った事がある方なら分かりやすいのが、リアブレーキだけかけた時、フロントブレーキをかけた時に比べ前のめりになるのが少なくなり、リアが沈み込むような姿勢になった覚えはないでしょうか。
あれがアンチリフト(浮くのを押さえる動き)と呼ばれる代物です。
フロントでは逆にアンチダイブ(沈むのを押さえる動き)するようにサスペンションジオメトリーに設計されているのが一般的で、バネだけに頼らず、車が前傾姿勢になるのを抑えようとしているわけですね。


12.ロールによるステアバランス

車を速く走らせるためには素直なステアバランスにすることが肝ですが、大概の市販車では「アンダーステア」になるようにセッティングされています。
ではサスペンション(車高調等)でどうすればアンダーステアを消しこみ、素直なステアバランスを得る事ができるのか。


「ロール剛性」というのは様々な要素によって決まりますが、その一因としてバネとスタビライザーの固さがあります。
アンダーステアの動きというのは、つまり「フロントの限界がリアより先に来る」動きであり、フロントが逃げ出して曲がらない現象ですので、修正するには「フロントの限界を上げる」か「リアの限界を下げる」しかないわけです。
ここで言う「限界」ですが、実は以前のブログでも書きましたがタイヤというのは荷重移動をすればするほどフロント・リアそれぞれで見たトータルの限界地は下がってしまいます。
つまり限界を上げるには「荷重移動を少なくする」必要があります。

例えば前後のロール剛性がF:60、R:40の場合というのは、フロントの方がロール剛性が高く、リアに比べ相対的にフロントの方が荷重移動しやすいため、フロントの方が先に限界を迎えてしまいアンダーステアになるとのことです。


つまりアンダーステアの車を素直にするためにはリアに対しフロントのバネレートを下げるorスタビライザーを弱めれば改善するという事です。(逆にリアのバネレートを上げるorスタビライザーを強くするでも同じ効果が望めます)


自分はてっきりスタビライザーを強くすれば荷重移動量は減る物だと思っていました。。。

ロール角等、その他要素との兼ね合いもあるので実際にはやってみないと何ともいえないところですが、今後アンダー、オーバーの動きが出た場合にどういう方針でセッティングしていけばよいのか、方向性が見えなくなった際の基本指標になるかと思います。

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。