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2023年7月17日月曜日

ヴァリノワークスGR86仕様と全日本スナガワ

今更ですが北海道のスナガワで開催された全日本ジムカーナ第4戦および5戦に参戦してきたのでその内容と、よく聞かれる車の仕様についてです。



まずは車の仕様についてですが、マフラーエンドを除きPN3車両になります。
(PN車両とはざっくり言うとショック、デフ、ブレーキパッドおよびシートハンドル以外はほとんど変更不可の状態で競うクラスです)


現時点、外観としてはSILKBLAZE SPORTSのウィング以外変更なしです。

ショック:AZUR BLACK PROGRESS
スプリング:サスペンションプラス
クラッチASSY:OS技研
LSD:OS技研
オイルフィルター:K&Pオイルフィルターwith HDP(ペイント)
4点ハーネス:HPI
ハンドル:VALINO
レーシンググローブ:VALINO
ホイール:VALINO N820
タイヤ:VR08GP(TW200)

タイヤはTW200でレギュラータイヤであるものの、PNクラス規定を満たしていないVR08GPのため、SタイヤもOKな改造車BC2クラスでエントリーしています。
なので車両的にもタイヤ的にも全く格が違うクラスでの参戦になっています。
とくに今のVR08GPは以前記載したように、どちらかというとサーキット周回向けのタイヤのため中々厳しいということは分かったうえでの参戦でした。


とは言え車が走れるようになったのは諸々の都合で前回の名阪ラウンドの直前。
その名阪ラウンドが終わったその日に輸送にむけてお預けしていたので、飛行機で金曜日に旭川入りし、約3週間ぶりのご対面となった北海道ラウンド。ポン乗りの結果は2日間ともBC2クラスにおいてボトムでした。



路面は噂に聞いていましたがかなり変わった路面ですね。
凸凹がタイヤに突き刺さるかと思えば、タイヤに引っかからない感触という初めての経験でした。
土曜は空気圧をかなり下げて路面追従性をあげたもののコーナリング速度が遅く、日曜日は空気圧を上げたらコーナー出口で踏めないと言う、バランスが難しい路面。
ブレーキは名阪後に組んだ新品で、アライメント含めたセットが出ておらずドライバーがポン乗りでバタバタ挑んだ北海道でしたが、タイヤメーカーさんとしても「色々データが得られた!」とのことで有意義な参戦でした。



タイヤは名阪ラウンドでも使い、スナガワの路面で金曜練習、土曜、日曜走っても新品から1.2mmしかない外溝がまだ残ってるぐらいなのでタイヤコストは全然かからずユーザー想いです⁉︎


まずはテストでの参戦を名阪、北海道の2戦で一旦終了し、今後の活動についてはメーカーさんと、より良いタイヤ開発に尽力していくための準備期間とさせて頂き、その開発の目処がついてから全日本参戦は再スタートとさせて頂きます。

今回も関係者の皆様の多大なご協力で参戦ができました。ありがとうございました。



2023年6月22日木曜日

86/BRZの114.3ハブ

アフターの足回りで知名度の高いGK techが86やBRZの114.3ハブの制作を検討しているようです。



まだメーカーとしてもリリース悩んでいるようなので、要望される方はメール等で要望連絡すると市販化されるかもしれませんね。

概訳:
86/BRZオーナーの皆様
通常我々は最終開発段階になるまでお見せすることはないのですが、今回はリリースに向け皆様の意見が必要です。

純正のハブAssyと交換するだけの5×114.3のフロントハブベアリングを開発進めています。これがあればPCD変換スペーサーを必要することなく、114.3のホイールが履けます。

ただし、このハブベアリングは少し高価になりそうです。なので興味がある方や、発売されたらすぐに欲しいという方は連絡頂けないでしょうか。


ということで興味がある方はGKテックさんに連絡ですね。


2023年6月7日水曜日

VALINOワークスプロジェクト始動

VALINOワークスプロジェクトに参画致します。



すでに先週末の全日本ジムカーナ選手権が終わりご存じの方も多いと思いますが、ドリフトでは名実ともに一流メーカーとなったヴァリノタイヤが次のステージに。
新しいメーカーの、新しいチャレンジとしてグリップ競技であるジムカーナに本格参戦していくワークスプロジェクトが発足し、下里選手と共にドライバーとして参画いたします。


「モータースポーツ業界に新しい風を」

これはまだVALINOというブランドが出来る前に言われた言葉で、今も覚えているワードです。
本当は2023年の第1戦から全日本に参加するつもりでエントリーもしていましたが、車両にトラブルがありやっとスタートラインに立てたのが今回の第3戦でした。



本プロジェクトは色々な企業の方々に参画頂き、タイヤは勿論、色々な新しい技術や製品を取り入れて一歩ずつ前に進んでいきます。私自身はブログタイトルでもある「Øutlaw」なプロジェクトになったと感じています。

「ここからがスタート」



と言うことでドライバーとして頑張りつつ、最近サボりがちなブログ更新もそろそろ復活せねば。(おそらくこのブログは個人的なドライバーとしてより、製品情報等に興味がある方がほとんどだと思いますので。。。)

まずは参画頂いた企業様方の紹介も含めつつ、投稿していきたいと思います。

2023年5月26日金曜日

アシストスプリングの上下について

アシストスプリング(ヘルパースプリング、サブスプリング、テンダースプリング)の取付位置の上下についてリライトです。

アシストスプリングというのは、伸び側のストロークを確保するのに有用で、一般的には着地している状態(1G状態)では密着して仕事をしないのを「ヘルパースプリング」、線間密着せずにメインより強めの短いバネを「アシストスプリング」と呼ぶことが多いようですが、要はコーナリング中等でタイヤが浮きそうな時にメインスプリングで届かない部分を補填するという使い方です。

このアシストスプリングの取付位置については、メインスプリングの上なのか、それとも下なのか、それともそれぞれに意味があるのか調べてみました。



結論として、バネのみで見た動きは上にあろうが下にあろうが、かかる荷重が変わるわけではないので動きは変わりありません。


ただヘルパーはジャッキアップした状態から1G状態へのバネの全長の変化量が大きいのでツイスト量が大きいです。今まで何度か「ヘルパースプリングから音」がするという症状をよく見ますが、大体はこのツイストの動きが引っかかっている音だと思われます。


HYPERCOのHPで上図のように解説されているように、スプリングというのは縮めば縮むほどツイスト量が大きくなるので、スプリングの座面(スプリングシート)を滑りやすくしたり、HYPERCOで言えばパーチェ、もっと簡易的なものですとSwiftからはスラストシートを挟むとスプリングの縮みの動きがスムーズになります。


こちらがHYPERCOのパーチェ。ツイストだけでなくスプリングの座面変形にも対応できるスグレモノです。



こちらはSwift。単純に滑りやすいテフロンシートを敷くことによってスプリングがツイストしても滑らしていなそうというもの。
HYPERCOの方が高機能ですがSwiftの方はお手頃でいいですね。

これらをつけることでスプリングのツイストによる車高調全体の上下運動における抵抗を少なくすることが出来、スムーズなストロークが確保されます。

自分は1度、「ヘルパーは下につけた方が動きが良い」とおっしゃっている方のバネを拝見した時に、下にはスラストシートがついているのに上側にはついていない状態でした。その後アドバイスをして上にもシートを導入されたかはわかりませんが、単純にスプリングがスムーズにストローク出来ていないだけだったのかもしれません。

一応私自身も上下両方つけてみてフィーリングの違いを確かめたことがあります。


こんな感じ。
私自身が感じる限りでは、やはり違いは判りませんでした。

ちなみに車高調メーカーによっては、ショックのブーツに干渉するから下側には付けれない等の理由により上になったりすることはあるようです。


ということで、上でも書きましたがアシストスプリングの上下による違いはないということで結論付けられるかと思いますが、バネも足回りの重量物ですから、できる限り重いものは下に持ってきたいということで、あえて重いメインスプリングを下側にするという記事を見た事はあります。
(体感的に違いがある程変わりはしないと思いますが。。。)


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。




This blog is about For TENDER SPRING, "which should be set to upper side or under side??"

2023年5月4日木曜日

タイヤの最適空気圧の設定方法

サーキットやスポーツ走行において現場で出来る簡単、かつ重要なセッティングの1つとしてタイヤ空気圧の変更があると思いますが、どのように空気圧を設定すれば良いかわからなくなることがあります。

手軽なのが同じタイヤを使っている他の選手に聞いてみることですが、車が同じであればまだしも、車が違うと適切か分かりませんし、タイヤサイズが違うとタイヤ内部構造が違うこともあるので難しい所です。

自分も走ってみてフィーリングが良いところを探っていくのですが、「良いフィーリング=タイムが出る(最もコーナリング速度が速い)」とは限らないのはよくあります。

と言うことで自分も忘れていましたが、基本のやり方は愛読しているGrassroots Motorsportsのページに良いことが書いてあったのでご紹介します。
(英語の後ろに要約を入れてます)
  1. Based on experience, tribal knowledge or just some gut instinct, make a good estimate for a starting point. If there’s a range, inflate tires to the high side of that figure. (経験則から適切と思われる空気圧範囲のうち、高い側の空気圧で設定)
  2.  Time three hard, clockwise laps around a skidpad.(広場でハードに時計回りで3周旋回してみる)
  3.  Drop the pressures by 4 psi all around.(約0.2気圧落とす) 
  4. Repeat steps 2 and 3 until the lap times point toward an ideal pressure range.(上記2と3を繰り返して理想値を探る)
  5.  Note the range of pressures that produced the fastest laps.(最速ラップだった空気圧範囲をメモ)
  6.  Inflate all tires to the highest pressure in that range.(上記5のうち一番高い空気圧にする)
  7.  Time three hard, counterclockwise laps around the skidpad.(広場でハードに反時計回りに3周旋回してみる)
  8.  Drop the pressures by 2 psi all around.(4輪とも約0.1気圧落とす) 
  9. Repeat steps 7 and 8 until you home in on the fastest pressure.(最速ラップだった空気圧になるまで7と8を繰り返す)
  10.  Use a probe-type pyrometer to confirm the fastest pressures. Ideally the tire temperatures will be close to even across the entire tread. If they’re a little bit cooler on the outside edge, that’s okay, too. If the temperatures in the center are too high, though, the tire is running too much air. “When in doubt, trust the clock, not the pyrometer,” Hollis adds.(タイヤ表面温度を測定し、均一な温度になっているか確認。中央が高温だと空気入れ過ぎ。外側が少し低いぐらいなら問題なし。もし表面温度が不均等でも最速ラップを出した空気圧が正解である) 
  11. Tires cool as they sit, so waiting even a minute to measure a tire’s temperature can render the data almost useless. That’s why we recommend having at least one helper, so one person can take measurements on each side of the car. We record our data in an old-school notebook.(タイヤの温度は走行後1分でも経過すると正確なデータ取りが出来なくなるため、車外で温度測定してくれる人がいるとベスト)

この方法はトーやキャンバー等のアライメントセッティング出しにも有効なので、こう言った広場が近くにあると便利ですね。

ちなみに同じページにタイヤのトレッドウェア一覧と評価が乗ってました。


日本におけるトレッドウェア一覧についてはコチラのページも参考にしてください。



他の記事をお読みになりたい方はサイトマップや↓の検索・ラベル等からご参照ください

2023年4月24日月曜日

トルク管理できるソケット(トルクリミットインパクトソケット)

タイヤ交換する際にインパクトを使って付け外しする方も多いと思いますが、その際に重要になる項目として「トルク管理」があると思います。

今回モーターファンフェスタでこんな便利な海外のソケットを見つけました。



このソケットを用いればインパクトで締付をしても規定トルク(100Nm)以上になるとスリップして、締めすぎ防止になるというものです。

もしこのソケットの規定トルクが信頼できる値なのであれば、インパクトで思い切り締付をするだけでトルク管理ができ、特にサーキット等の現場におけるタイヤ交換の作業性が劇的に向上するため、チームで導入することになりました。(ので使いながら信用度を検証していきます)





こちらは3本セット。
色々な車種、ボルトサイズを扱う場合はこちらのセットがお得ですが自分のようなプライベーターは使うサイズだけほしいところなので調べると、バラでも販売しているようですので以下ご参照ください。





こちらは19mmのみの単品。

こちらは21mmのみの単品。


トルク検証し、良さそうであれば改めて記事化します。