BRIDGESTONEからRE71RSの後継となるハイグリップタイヤ、RE71RZが発表されました。自分もタイヤ開発に関わっていた知見から変化点を分析してみます。
今回は大きく変わったトレッドパターンについて見てみます。
左が従来品のRS、右が新製品のRZです。
タイヤを一周しているグルーヴが内側にオフセットされ、外側のブロックが大きくなり、また外側ブロック内の溝が減りました。
この形状からいえることは「コーナリング中の踏ん張りが効くようになった」でしょうか。
こちらはブリヂストンが発表している技術資料ですが、画像右下にあるサーモグラフのような画像が注目ポイントです。
この画像の見方としては接地面において「荷重が乗っているほど赤、乗っていないほど青」です。
こちらは製品画像とサーモグラフのような画像を重ね合わせてみたものです。
71RSは一番外側に荷重が集中して荷重過多が起きています。実際の解析データ見ないと正しいことは言えませんが、この荷重分布の仕方を見る限りおそらく赤の内側に「ヨレ」が生じてしまい、濃い青の部分が凹んで接地圧が弱まっていると推察されます。
一方の71RZも一番外側に荷重集中はしているものの、ヨレはすくなく均等に接地できている面積が比較的広いということが出来ます。
ゴムと言うのは荷重を乗せても、乗せたら乗せただけグリップが上がるような物性ではなく、出来るだけ均等に荷重分布させた方がトータルグリップがあがる特性があります。
(だからタイヤを太くするとタイムが上がったりするのですが、この特性についてはコチラの記事をご覧ください)
内部構造については、ブリヂストンが近年取り組んでいるENLITENと呼ばれる技術が採用されており、要は「質量が軽く」なっているようです。ADVANのA052の255/40/R17同士の比較で約1.2kg重いRE71RSがどこまで軽くなるのか。また整備士目線だと、ENLITEN採用製品はタイヤが組みやすくなるらしいのでありがたいですね。
肝心のトレッドゴムはシリカの配合に新技術が用いられて耐摩耗性も上がっているという記事も見かけましたが、こればかりは実際に走ってみないと何とも言えませんね。
ただ上図の結果からサイドウォールの肩減りは少なくなるのは間違い無さそうです。
上記記事で触れられていますが、今回RE71RZで新規に設定された315等の太いサイズについては排水性確保のためにセンタグルーヴが追加されているので特性が異なりそうです。
なぜタイヤは太くすればタイムが上がるのか、太くし過ぎてもタイムが上がらなくなるのかについてはコチラの記事をご覧ください。
ハイグリップタイヤのTW(トレッドウェア)一覧についてはコチラをご覧ください。
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