Translate ~Select your language~

2020年6月10日水曜日

T-REV(減圧バルブ)の効果について

こんな記事を見つけました。



NDロードスターで筑波1分5秒、すごいですね。
個人的に気になったのは”T-REV”と呼ばれる、いわゆる「減圧バルブ」と呼ばれる製品です。


これはブローバイ配管につけることによって、エンジン内部(クランクケース)の気圧を低くし、回転しやすくする効果があるとのことです。

以前触れたように一般的なエンジンにはPCVバルブと呼ばれるものがあり、アイドリングや低負荷運転時にはPCVバルブ側からブローバイガスを抜き、逆に高負荷時にはPCVバルブが閉じ、エアクリの後ろ当たりにある経路からブローバイが排出されることでクランクケース内を負圧方向に持っていくと共に、換気を行うことでオイルの寿命を飛躍的に伸ばしています。


PCVバルブと同じようなワンウェイバルブをエアクリーナー側にある経路に設けることによって、クランクケース内に空気が入ってくることを遮断し、クランクケースからブローバイ配管に「逃げる」方向にしか空気が動かなくなるようにするもののようです。


↑↑ バルブが高速回転でも追従できるような構造をしているためか安くはないですが、特許はとられていますし、HPを見る限り品質管理もしっかりした製品みたいですね。




一方で低負荷時および高負荷時はクランクケース内圧は純正でも負圧方向に導かれていることから、パーシャルスロットル(サージタンクが負圧でも正圧でもない)の時ぐらいしか効果ないのかも?と考えていたら、コチラのページにデメリットを含めて全て記載されていました。
以前PCVバルブを塞いだことによって街乗り等の低負荷時にクランクケース内圧が高くなったためか、オイルレベルゲージが何度か抜けていた経験があるので、とても納得のいく説明です。

要約すると

メリット
・ブローバイガスを大気開放している車には効果あり
・単気筒のエンジンには効果を感じやすい

デメリット
・高回転時はバルブがあると逆に負圧方向への導きの邪魔になる
・バルブが凍結や固着した時にクランクケース内圧が高くなるリスクがある
・オイルの劣化が早くなる

何でもそうですがメリットデメリット、効果を得られやすい条件もあるので一概に良し悪しは判断できませんが、気筒数の少ないエンジンや一部の車種を除いて、低負荷・高負荷時の効果は得にくいかもしれませんね。


他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。

What is “T-REV”??( Pressure reducing valve) Is that effective for general vehicles?

2020年6月4日木曜日

低イナーシャなデュアルマスフライホイール?

NDロードスターのフライホイールについて、とても興味深い記事を拝見しましたのでメモです。




ジムカーナやサーキット等でスポーツ走行をされる方は問答無用で交換されるであろう(?)純正フライホイール。
中でも3型と呼ばれる2018年6月以降の生産モデルからはデュアルマスフライホイールと呼ばれる、2重構造のフライホイールが採用されているそうです。
(ちなみに学生の頃このフライホイールの上に乗って腰をひねるストレッチをよくやっていた記憶がありますww)


気になる点は、上の記事の方もおっしゃられるように重量の重いデュアルマスフライホイールをどうやって「低イナーシャ」化したのか、と言う点ですね。
以前もまとめましたが多分重い部品であるエンジン側のディスクと、バネ等の部品をできるだけ小さい直径でまとめることによって実現しているのかもしれませんね。


個人的には好きな機構なんですが、クランクシャフトの軸出力が食われるという記事を見てしまうと、やっぱりスポーツ走行には不向きなのでしょう。


一方で高速道路を一定速度でクルージングする際などは、慣性重量が大きい方が速度維持がしやすいことから運転は疲れにくくなるので、(またアクセル操作頻度が減るので、定速運転では燃費もよくなるのだとか?)時々スポーツ走行ぐらいの使い方であればある程度重いフライホイールの方が良いかもしれませんね。

2020年5月28日木曜日

ヴァリノ ぺルギア08Cの設計特性

以前のブログでも紹介したトレッドウェア(TW)300のVALINO PERGEA08Cについて、開発・設計に関する動画がアップされていました。


とても興味深い動画です。
メインはドリフトをターゲットに開発されている、目的が明確なタイヤなので勿論ドリフト目線からもありがたい製品ですが、グリップユースでもかなり気になる製品です。

全体の要点としては

・グリップの限界領域から滑り出しの過渡期特性が優れている
・空気圧変動によるセット変更(縦横のバランス)ができる
・08Rよりもサイドウォール剛性が高い
・空気圧1.5kpaぐらいだとサイドウォールに対してトレッド面のヨレによるトレッドゴムのショルダー減りが発生する

個人的には以前も考察したように、一般的にはサイドウォールが硬ければ早いコーナリングができるようになる(硬けりゃいい訳ではありませんが。。。)ので、路面温度によっては08Rよりも早いラップで走ることが出来るかもしれませんね。

一方で過渡期特性に優れる(滑り領域が広い)ということは、タイヤの使い方が一般的なハイグリップタイヤとは違うのかな、と動画のお話を聞く限りは考えてしまいます。
具体的には、タイムアタックで一般的な使い方である「滑りだす直前の限界領域」でなく、「若干滑らせながら」走らないとタイムが出しずらそうです。
グレードは違いますがヴァリノのPERGEA 08RSも、私自身の評価としては「ナナメに走らせた方が速いかも?」と以前レビューしておりましたので同じ様な特性なのかもしれません。


また空気圧変動も、空気圧を下げると縦のグリップ(≒スタートダッシュ)が速いということも分析結果が出てたので、同じように今回の08Cはより滑らせつつ空気圧は前後でちょっと変え気味で走ることがタイムアップの秘訣なのかなとか考えてみたり。
ただ路面や車のセット、気温等で変わりますから実際履いてみないとわかりませんが、グリップ走行でも面白そうなタイヤですね。


またハイグリップタイヤとしては比較的硬いトレッドウェアが280以上のタイヤとして、以前も触れたVITOURタイヤからもTW280のV-03Rのラインナップが増えているので、このクラスのタイヤは今年面白そうですね。


他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
I found development story of VALINO PERGEA 08C in youtube. What is this tire purpose of?

2020年5月27日水曜日

こぼれないノズルのオイルジョッキ(フタ付)

こんなTweetを発見しました。



なんで今まで気が付かなかったんだろう…ぐらい個人的に目から鱗なオイルジョッキ。
こぼれることも少なくなりますし、ノズルの先についたオイルも中に戻るので無駄もありません。

またフタもついてますからサーキットやジムカーナ場に持ち運びも便利という優れものですね。
ご家庭で使い切った洗剤ボトルは今後要保存ですね(←


一方でバイクの方や持ち運ぶオイル用であれば市販の1ℓ容量サイズで問題ないかと思いますが、車に使うには1ℓだと容量が小さくて使いにくいですし、中身の容量がどれぐらい残っているのか外から見えると良いなと考えていたら丁度いいのがありました↓↓↓

↑↑こちらのランドリー用詰め替えボトル↑↑


2000ml(2ℓ)と洗剤詰め替えボトルとしては大容量ですし、ボトルは透明ではないですが白なのでかざせば大体どのぐらい残っているのか外から見えそうです。
使い始める前に計量カップで250ml単位ぐらいで外側にラインをつけておくと使い勝手も良さそうですね。



本当はアタックのように横に窓が付いているとベストなのですが。
ちなみに海外向けのバイオゼット アタックは2.3ℓ缶があったりします。こちらは窓ないですが。


ただし洗剤ボトルの素材はPE(ポリエチレン)なので一時的な使用は問題ないと思いますが、熱に弱かったりすることもあるそうなので、保管はあくまで自己責任での使用ですね。


またこのオイルジョッキ(洗剤ボトル)にオイルを入れるときですが、ペール缶や4ℓ缶から移し替える時にどうしてもこぼれてしまうので何とかならないかと思って調べてみるとあるんですね、蛇口(知らなかった。。。)↓↓

↑↑先が細くなっているので洗剤ボトルにも入れやすそうです。

また蛇腹になってないので掃除も簡単そうですね。



COVID-19の影響でSTAY HOME継続中につき車を3カ月弱見に行けてないですが、管理人さん(?)が2週毎にエンジンかけてくれているので大丈夫でしょう。
ただしアイドリングだけというのはエンジンオイルにとってはかなりシビアコンディションでしょうから、次回走行前にオイル交換したいと思います。

他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
I found good tweet, that is useful for oil exchange.

2020年5月20日水曜日

エンジンオイルSP、GF-6規格のスタート

エンジンオイルを選ぶ際に気になる規格と言うのがあり、APIやILSAC、ACEAなどがあります。
日本ではAPIとILSACの分類がオイル缶に記載されていることが多いです。


TAKUMIモーターオイルより


画像で言うところの缶の右下に記載してある"SM"や"SN"というのがAPI規格のグレードです。APIは日本で販売されているオイルにはよく記載されています。これに省燃費性能などを加えた規格がILSACだそうで”GF-5”や"GF-4"とかが缶に記載されています。(画像だと奥の緑の缶とかには記載されています。ちなみにCFはディーゼルの規格です)


この規格について、今までSN/GF-5が最新規格だったのですが、2020年5月からSP/GF-6が最新規格となっています。
SP/GF-6に求められるのはGF-5 規格に比べ、省燃費性、耐スラッジ性、ピストン清浄性、高温酸化安定性などだそうですが、トピックとして3点抜き出してみました。


①省燃費性能
0W-16という柔らかいオイルも規格に加えられ、エンジンオイルに求められる省燃費性能が向上。

②低温清浄性能
HYBRID車は特にそうだと思いますが、STOP&GOでエンジンオイルの温度が上がらず、スラッジが発生しやすい条件においても清浄性能が保てるよう、性能が向上しているみたいです。

③チェーン摩耗防止性
タイミングチェーンを採用しているエンジンは近年増えていますが、チェーンが伸びる原因の一つであるスラッジの影響を緩和しているそうです。
個人的には一番気になる向上項目ですね。



その他にも沢山試験項目がありますが、これまでのSN/GF-5よりは、全体的に性能が向上しているそうです。
詳細なGF6についてはJXTGから出ている論文が良くまとまって読みやすかったのでご参照ください。試験項目だけ抜粋します。



今回のSP/GF-6ではメインを省燃費性能に目を向けた新規格となっているため、モータースポーツをする上でそこまで気にする必要もないのかもしれませんが、総合的に性能向上しているようですので、オイルを選ぶ際に頭の片隅に知識として置いておく必要はありそうです。

他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
What is the newest ILSAC engine oil performance standard "GF-6"??(API "SP") .What is the main purpose of this?

2020年5月14日木曜日

HOOSIER Racing Tire(フージャータイヤ)について

フージャータイヤとは千葉にあるDEEP STAGE RACINGさんが輸入されているアメリカのメーカーで、コンチネンタルのグループ会社です。
ドラッグレース用がメインのメーカーと思っていましたが、「ドラッグラジアル、スポーツカー」と呼ばれるストリートタイヤが日本のサーキットユースでも使用されており、評価・評判も良いようです。
スリックタイヤも勿論ラインナップされていますが、特に公道を走行できるハイグリップタイヤが気になったので調べてみました。

まずHPを拝見しましたが、素人目には「本当に公道走っていいの?」というタイヤデザインです。
もはや潔くて好きですが(笑)


Sportscar DOT Radial A7&R7


アメリカの運輸省が定める安全規格に合格した製品はDOTと刻印する義務があるそうで、逆を返すと公道使用するのであれば表記さえあればOKということになります。

この「スポーツカーDOTラジアル」はコンパウンドが2種類あり

A7:ジムカーナ及びワンラップタイムアタック用
R7:サーキット周回用

という、ソフトとハードコンパウンドの2種類で分けられています。
本国のサイトにあるA7&R7の仕様書を読む限り、A7は約43℃~60℃、R7は約82℃~94℃が適正温度域のようですね。
もっと低温やWetコンディションであればウェットタイヤも用意されています。最早スリックタイヤですね…。


また仕様書で「3℃以上のキャンバーを付けること」と定義されているので、ドラッグレースのタイヤよろしく、サイドウォールが柔らかいタイヤであることが想像されます。そのため車重ごとの温間、冷間時の空気圧までメーカーから指定されているので、ユーザー側は設定に悩まなくて良いですね。


公開されているタイヤの細かな仕様書は初めて見たので新鮮です。
もしSタイヤ(セミスリック)以上のタイヤを求めるのであれば、このようなHタイヤ(ほぼスリックタイヤ、勝手に命名w)をチョイスしてもよさそう。ただし強烈な入力があるでしょうからスズキ車でありがちなハブベアリング割れや古い車だとありがちなボディのクラック、そして重心が高い車は横転に注意等が必要になりそうです。

またタイヤサイズラインナップがカタログ上は56種類あります。この手のタイヤとしてはラインナップ数多いですね。


サーキットアタックのみならず、ジムカーナのように冷間スタートするような競技でも使えてしまうのでユーザー数は増えるかもしれませんね。
ただサイズラインナップが日本車にとっては履けないサイズも多いので、買う際は要確認ですが、86/BRZに代表されるような225サイズはありますね。


購入される方は他にもネット販売されているので↑↑とかのショッピングサイトから 覗いてみてください。
ただしSタイヤ以上に劣化が早く慣らしが必要だったり、保管方法もシビアな気がするので、使う方は「買ったらすぐに使い切る!」ぐらいの気合いが必要かもしれません…。

他の記事をお読みになりたい方は↓のラベルや関連ページ等からご参照ください。
What is Hoosier Racing Tire? What kinds of tire is that Sportscar DOT Radial?