その時に選ぶオイルというのは千差万別で、好きなブランドだったり、ショップのオススメであったり、価格が安かったからであったり…色々あると思います。
ただ選んだブランド(メーカー)のオイルでも粘度は色々あって、0W-20や10W-50など、自身の車に合わせてチョイスされているかと思います。
この時に選ぶ粘度ですが、一般的に「高速道路やスポーツ走行をするのであれば固いオイル」という認識が自分もあり、あながち間違ってもないですが、なぜその粘度を選んだのか分かったうえで選択できると良いなと思ってまとめてみました。
具体的な違いについてはコチラやコチラのページに0W-30、5W-30、10W-30を例に詳細が記載されていますが、●W-〇と記載されるマルチグレードオイルについて要約すると
・●W-〇という表記は、●が40℃の時の粘度、〇の部分が100℃の時の粘度
・〇が同じであれば●が違っても40℃や100℃の時の動粘度はほとんど変わらない
ということで、エンジンオイルの単純な「固さ」というのだけ見るのであれば〇だけ見ればよさそうです。
では低温側の●は気にしなくても良いのか?というとそういうわけでもなく?
上記のページとあわせてBPのコチラのページに詳細が掛かれていますが、まとめると
・●は-35~-10℃の時のエンジンオイルの粘度がどれくらいか。
・10w-30に比べ0w-30のように低温側の数字が低いオイル程、動粘度指数と呼ばれる、「40℃の時と比べて100℃でもオイルが固さを保てるか」の数字が高く、ベースオイルが良くないと作れない(≒高いベースオイルを使っていることが多い)
・エンジンのピストンやコンロッドとのクリアランスが狭いエンジン(新品エンジン)であれば粘度を高くしても抵抗になるだけでエンジン保護にはあまり役に立たない
・逆に使用過多なエンジンであればオイルを固くしてクリアランスを埋めることで圧縮漏れ等を抑制し、エンジン保護にもつながる
・高温側の〇が高いオイルを入れると、もともと固いので高温になっても粘度が保たれやすい
とのことで基本は「10w-30から0W-30へ低温側の●を変更しても〇側が変わらなければオイルそのものの固さに問題はなく、むしろ良いベースオイルの可能性が高い。また〇側はエンジンの設計や新品エンジンか否かで選べばよい」という感じですね。付随して「130℃等の高温になる使用条件があるのであれば高温側の硬いオイルを使うと粘度を保ち、保護につなげやすい」ということでしょうか。
ちなみに自分の場合、ジムカーナという短時間の競技ということもあり油温はいっても90℃(真夏で95℃)なので〇の部分がそんなに固いのを使う必要はないですが、競技で使っているのできっとピストン等のクリアランスは広がっていて40ぐらいが妥当かな?と思い、X-TREAMの0w-40を使っています。
SRエンジンは普通に使っている分にはどちらかというとオーバークール気味なエンジンなので、ドリフトや周回アタックをしなければそこまで固いオイルを使う必要はないですが、油圧機構であるNVCS等があるので柔らかすぎるオイル(0w-20等)はやめといた方がよいかなという判断です。以前も触れましたが今のところカジリとかスラッジも異音もないので良くも悪くもなく、使っています。
ちなみになぜかX-TREAMシリーズは0w-40と10w-40はSAE規格のSNなのに5w-50と10w-60はSM規格です。SNはSMに比べて省燃費性能0.5%、触媒に害をなすリンの発生を20%以下、そしてデポジット発生を14%以上低減していることになるので、規格だけ見ると0w-40や10w-40の方がよさそうです。ただメーカーの記載を見ると10w-40と10w-60がより良いベースオイルを使っていると書いてあるのでよくわかりませんね。
また上記はあくまで一般論であって、メーカーによっては表記上は固くなくても、良いベースオイルや添加剤を使っているオイルもあるのかもしれませんが、これは実際に測定してみないとわからないですね。
実際に測定されているサイトがコチラやコチラにあるので、もし気になる銘柄がある方は参考までに。