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2025年12月17日水曜日

2025ハイグリップタイヤのランキング

海外のモータースポーツ系メディアのGrassroots Motorsportsにハイグリップタイヤの評価一覧がアップロードされていましたのでシェアします。
定量的な検証を年間とおしてやっているメディア&製品評価尺度が価格も含めて8つあり、中々信憑性高そうなランキングです。

評点はAAA, AA, A, B, C, Dの順、さらにそれぞれのグレード間における微妙な差については+や-をつけているようです。
また同ページによれば、どの使い方をするかによって以下の4つの視点で見てほしいそうです。
  • ジムカーナ:WarmupでA以上&Time trial paceはB以上で選ぶべし
  • タイムトライアル:Time trial pace&Wearで選ぶべし
  • 練習/エンジョイ:Heat tolerance&Wearで選ぶべし
  • 一般道:Heat tolerance& Wear& Wet performanceで選ぶべし
また8つの評価を日本語で言うと以下のような表現になると思います。
  • Time trial pace:タイムの出やすさ(ようはグリップ高い)
  • Warmup:暖まりやすさ
  • Heat tolerance:熱サイクル耐性
  • Tread depth sensitivity:溝の深さによる動きの変化しろ
  • Wear:減りやすさ
  • Wet performance:ウェット性能
  • UTQG treadwear:カタログ上のトレッドウェア表記
  • Price:価格($が増えると高いタイヤ)

ちなみにタイヤは勿論ゴムでできておりますので「熱」に非常に敏感です。
暖まれば柔らかくなり、グリップしやすくなるのですが、暖まったり冷えたりのサイクルを繰り返すと「硬化」していきます。下表ではその「熱サイクル耐性」も評価しています。
また「溝の深さによる動きの変化しろ」については、溝が深いとグニョグニョして扱いづらいが、減ると良い感じ!みたいな動きまでも評価しています。

上記ご理解いただいたうえで、表を見てみます。


この表で言えば暖まりやすくタイムが出るRE-71RSやA052がジムカーナ向き、Vitour P1がサーキットタイムアタック向きと言った感じでしょうか。
逆にA052は熱サイクル耐性が低いので、もし使うなら数回で使い切る覚悟が必要そう、とかに見えますね。

日本に導入されていないタイヤも多いですが、個人的に気になったのはTW200で一番タイムが出るとされたVitourのTempesta P1ですが、以前日本ではWaithという商品名で売られていました。以前から北米でも評価が高く、一方で国内で利用者数は少ないものの、使った人の筑波タイムはかなり驚きの数字が出ていた印象は確かにあります。


国内の代理店が変わって入荷されているようですし、これからのアタックシーズンに気になる方は試してみても良さそうです。
ちなみに以前は見かけたTW100の方は日本に再供給されるのか、謎ですね。

RE-71RSはRE-71RZに商品変更されて上図のポジションがもう少し上へ行くでしょうし、サーモグラフィデータの分析結果からも期待大です。


一部日本のモデルと若干違うのかな?と言う所もありますが、サーキット周回での定量的な測定をしているので信憑性は高いのだと思われます。(VALINO VR08GPの開発に携わった身としては、減りが早い初期モデルを除きNEUMAからはADVAN NEOVA AD09同等を目指していたので手厳しい評価ですね。。。)

(Tempesta P1についてはコチラ、RE71RZの分析結果はコチラをご覧ください)




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2025年12月12日金曜日

RE71RZの構造的な改善点の分析

BRIDGESTONEからRE71RSの後継となるハイグリップタイヤ、RE71RZが発表されました。自分もタイヤ開発に関わっていた知見から変化点を分析してみます。

今回は大きく変わったトレッドパターンについて見てみます。


左が従来品のRS、右が新製品のRZです。
タイヤを一周しているグルーヴが内側にオフセットされ、外側のブロックが大きくなり、また外側ブロック内の溝が減りました。
この形状からいえることは「コーナリング中の踏ん張りが効くようになった」でしょうか。


こちらはブリヂストンが発表している技術資料ですが、画像右下にあるサーモグラフのような画像が注目ポイントです。
この画像の見方としては接地面において「荷重が乗っているほど赤、乗っていないほど青」です。



こちらは製品画像とサーモグラフのような画像を重ね合わせてみたものです。
71RSは一番外側に荷重が集中して荷重過多が起きています。実際の解析データ見ないと正しいことは言えませんが、この荷重分布の仕方を見る限りおそらく赤の内側に「ヨレ」が生じてしまい、濃い青の部分が凹んで接地圧が弱まっていると推察されます。
一方の71RZも一番外側に荷重集中はしているものの、ヨレはすくなく均等に接地できている面積が比較的広いということが出来ます。

ゴムと言うのは荷重を乗せても、乗せたら乗せただけグリップが上がるような物性ではなく、出来るだけ均等に荷重分布させた方がトータルグリップがあがる特性があります。
(だからタイヤを太くするとタイムが上がったりするのですが、この特性についてはコチラの記事をご覧ください)


内部構造については、ブリヂストンが近年取り組んでいるENLITENと呼ばれる技術が採用されており、要は「質量が軽く」なっているようです。ADVANのA052の255/40/R17同士の比較で約1.2kg重いRE71RSがどこまで軽くなるのか。また整備士目線だと、ENLITEN採用製品はタイヤが組みやすくなるらしいのでありがたいですね。
肝心のトレッドゴムはシリカの配合に新技術が用いられて耐摩耗性も上がっているという記事も見かけましたが、こればかりは実際に走ってみないと何とも言えませんね。
ただ上図の結果からサイドウォールの肩減りは少なくなるのは間違い無さそうです。

上記記事で触れられていますが、今回RE71RZで新規に設定された315等の太いサイズについては排水性確保のためにセンタグルーヴが追加されているので特性が異なりそうです。



なぜタイヤは太くすればタイムが上がるのか、太くし過ぎてもタイムが上がらなくなるのかについてはコチラの記事をご覧ください。
ハイグリップタイヤのTW(トレッドウェア)一覧についてはコチラをご覧ください。




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