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2018年10月11日木曜日

豊洲市場のターレー事情

今日は一般公開前ですが、豊洲市場へ行ってきました。

まずは青果市場。


まぁ当たり前ですがめっちゃ綺麗です。

各店舗にはターレを止める位置が決められているようで、皆同じように並べられていました。


市場内を走れるのは電動のみのため、充電用のコンセントがキチンと整備されているのが印象的です。
今後一般公開される見学通路も一応見学。


廊下にはまだ紙がしいてあって新築感が漂っています。


市場のスケールモデルも搬入されたばかりなのか、まだ外貼りがはがされていない状態です。

勿論、メイン?の魚市場も。


行った時間が午後だったのもありますが、まだあまり流通量がないためか、ガラガラでした。



市場を繋ぐターレーの通り道。


ってこんな観光していますが、メインはこちら。


市場内に2,100台ほどあるターレやジャイロなどの車両を整備している拠点の東泉車両さん。
市場内は電動でないといけないことから、様々なモビリティを検討されているとのこと。


車好きからするとまだまだ開拓の余地のある「車の市場」になりそうだなと感じました。
電動のモビリティは益々加速していきそうです。


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2018年10月10日水曜日

機械式LSDの製造会社について

今日は前回の続きでLSDのネタ。

スポーツ走行をする上で、必要となってくるのがLSD。
前回も触れましたが、LSDは代表的なところから言うとCUSCOやATS、KAAZなどのアフターパーツメーカーによるものと、NISMOやTRD等のメーカー系の会社から出ているものがあるかと思います。

それぞれのメーカー名義で商品を出されていますが、その会社自身の工場で開発から生産、販売まで全て行っている会社というのは中々ないのではないでしょうか。
知っている限りですとOS技研とイケヤフォーミュラぐらいです。

例えばCUSCOは大勢技研というのが製造元ですし、ATSもCFCデザインという会社が製造・開発しているようです。
(大勢技研についてはHPを見る限り、もはやCUSCOと呼んでも良いかもしれないですが。ちなみに平成初期はOS技研がCUSCOのデフを製造していました。)


ではNISMOやTRDはどこで製造しているのでしょうか。
お話を伺う限りですと、シビックやシルビア、アルテッツァやロードスター等のトルセンデフの開発元であるGKNドライブラインジャパンという会社が製造されているようです。


こんな会社。栃木にあります。
本社の脇にテストコースまで持っている大きな会社です。開発がかなり緻密にできる会社と推察できます。



今回なぜ製造元についてブログで触れたかと言いますと、自分自身でも様々なメーカーのLSDを使ってみましたが、前回も触れたように以前CUSCOデフの窯を開けた時に、窯の内側のLSDプレートの外爪が引っかかる溝にプレートの「食い込み」が見られました。



こんな感じ。
溝にプレートが食い込んだ跡があるのがわかるでしょうか。
勿論これはかなり長期間使っていたので寿命と言われればそれまでですが、どこにどのように圧力が集まり、また分散していくのかを解析したうえで、それに適した材料の選定と製造を行わないとすぐにこう言った症状が生じてきます。
(どのメーカーでも出てしまうことがありますが)
またこの「食い込み」が生じているということは、前回のブログで記載したように「ヒス」が生じてしまっており、この「ヒス」がどこに集中して溜まり、どうすればそれが解消できるのかを解析・改善するには膨大な予算が掛かるそうです。

つまりLSDを大手自動車メーカーが求める基準(わかりやすく言うとチャタリングが発生しない等)で作ろうとすると、開発だけで億単位で掛かってくるということです(汗)

逆にそこまでの予算をつぎ込んで作っているのがGKN drivelineという会社です。
上記したようにトルセンデフを開発した会社であり、製造も行って大手メーカーにサプライもしています。
確かにNISMOやTRDのデフはチャタリングが少なく、またロックするまでの過渡期が非常に使いやすいと感じています。



ということでどこまでこだわるかという話にはなりますが、性能や品質を追求しようとするのであればある程度の値段にLSDはなる、というお話でした。








ちなみに最近自分が気になっているのはドイツのDREXLER(ドレクセラ)というメーカー。

フォードやBMW等の純正デフを作成しており、フォーミュラやヨーロッパのモータースポーツ界隈ではかなり大手のメーカーです。


デフケースの構造も独特で、「可能な限り軽量化!」というのがHPを見る限りコンセプトのようです。
軽量化以外に、他社に比べて技術的に何が優れているのか詳しく記載されていませんが、「純正の厳しい品質基準もクリアしている」とうたっているので現物を見てみたいですね。
日本も代理店があって、ポルシェやフェラーリ、BMWやメルセデスは勿論、レクサス用やZ33、S2000やシビック用もラインナップされいます。
残念ながら自分の車両に適合がないので検証できないですが、インターネット上の日本国内の評判(数が少ないですが)はかなり良いようです。




他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。



This blog is about "How about CUSCO,OS GIKEN, IKEYA FORMULA and the other LSDs?? Where is it manufactured???" If you want to read this blog, Please press "Translate" buttons near the top of this blog.

2018年10月5日金曜日

LSDメーカーの違いについて

今回はLSD。

LSD(機械式デフや機械式LSDと呼ばれる物)とは下記の動画で説明されていますが、デファレンシャルギアで本来左右のタイヤの駆動を変動させるとことろを抑え込み、両輪に同じ駆動を伝えることで路面μが低かったり、荷重移動してしまっている状況でも車を前に進めることができる部品となります。



このLSDというのは0.01mm単位でフィーリングが変わる代物ですから、精巧な製造技術が求められます。さらに瞬間的にすごい力がかかる場合もあるため、強固な素材・設計である必要があることから、製造できる会社というのは国内で限られています。

国内のメーカーとしてLSDを販売しているのは

・CUSCO
・OS技研
・KAAZ
・ATS
・IKEYA FORMULA
・TRDやNISMOなどのメーカー系


こんなところでしょうか。
一般的なLSDの構造は下記の図を参照ください。


このようにケースの外側にあるコーンプレートが圧力をかけ、プレートを押し付けることでイニシャルトルクを決めています。駆動力が伝わることで真ん中のクロスシャフトがプレッシャーリングを押し広げ、プレートが密着し、左右の回転差がなくなるという仕組みになっています。

この代表的な構造に最初に大きな改革を起こしたのがCUSCOと認識しています。

CUSCOのRS


このように、今まで外側から圧力をかけていたのを内側からスプリングがプレッシャーリングを押し付けています。
動き方としてはプレッシャーリングがもともと内側から押されてロック気味と言うこともあり、リニアに(すぐに)ロックします。
良い言い方をするとレスポンス良くロックと言えますし、悪い言い方をすると滑り領域が少ない(過渡期のない)ロック特性と言えます。
これを改善すべくCUSCOではスペックFと呼ばれる、溝のないプレートを開発し、プレートが密着(ロック)しにくくすることでマイルドさを出そうとしています。
ですがこの「過渡期」を作り出すのはプレート同士の摩擦力だけではありません。

これが4年ほど使用したCUSCOのデフケース内側です。



外爪プレートがデフケースに食い込み、くぼんでいます。(食い込み)
寿命と言われればそれまでですが、これだけ食い込んでいるということは、プレッシャーリングが押し広げられ、プレート同士が密着させられる際にこの溝にそってプレートが広げられる方向に動かなければならないところが引っ掛かっている、業界では「ヒスが発生している」と呼ばれる状況が発生しているということになります。
つまりアクセルONで駆動を入れても、プレートが素直に動けず、一定以上のトルクが掛かって突然動き出し、ロックするという動きがこの溝の部分に起因して出てしまいます。事実、コーナリング中にアクセルを入れるとある一定のところから突然ロックという動き方をしていました。(FFでは内側を巻かせる運転をさせる際はそういう動きをしてほしい場合もあります。)



次に革新的な構造を作ったと認識しているのがOS技研。
これは上記のCUSCOのプレッシャーリングを外側に押さえつけるのとは反対に、プレッシャーリングを押しすぼめる方向にスプリングの力を利用しています。
つまりプレッシャーリングが徐々に広がるため、マイルドなにロック設定が理論上できそうです。


負荷をかけていない状態。


アクセルオン等で負荷が掛かっている状態。

ですがこちらも試してみたところ、アクセルを軽くONし、駆動力をかけても初期がロックしずらく、またロックし始めても滑り領域(過渡期)が広すぎてロックタイミングが遅い傾向です。感覚的にはプレートとプレートの間にあるオイルがプレッシャーリングに押されても排出されず、滑ってしまっている感覚です。
様々なスプリングレート、スプリングの本数を試し、セッティングを変更しててみても、改善はしましたが基本的な動きは変わりませんでした。当方からもオイルスルーの改善要望を出させて頂き、現在ではプレートの溝の切り方を変え、少し変更されているようですが基本的な動きは変わらないかもしれないですね。(86やスイフトスポーツなどの車種限定で左右回転差感応式のプレッシャーリングのデュアルコアと呼ばれる構造を導入しており改善はしているようです。)
その代わりチャタリングがないので街乗りメインであったり、過渡期が長いのでウェット路面では使えるかもしれません。
(イメージ的には強めのトルセンデフのよう?な感覚です)



さらに新しい構造を投入してきたのがIKEYA FORMULAです。
ピロアームは有名かと思いますが、実はLSDも製造していたりします。


こちらはオーソドックスな外圧式のコーンプレートがいる構造ですが、プレートの爪がケースに接続されるのではなく、プレート専用の稼働用軸を配置し、上記したヒスがない設計となっています。
つまり滑り領域(過渡期)とロックのリニアさを兼ね備えた設計となっています。
個人的に取材してみたのですが、開発にとんでもない金額をかけている上に、EK9やその他メーカー純正トルセンデフを世界で初めて開発したLSDの権威である方がこのデフの開発を行ったとのことです。
勿論構造にもお金かかっていますが、プレート一枚一枚の圧力の分散等を解析し、表面処理だけの開発だけでも相当手が込んでいるそうで、チャタリングのような圧が一瞬溜まってしまうような動きは一切しないとのことでした。
フォーミュラカー等にも採用されているでしょうが、アフターパーツとしてはエリーゼ等を除いて個人販売をしていない所が悔やまれる所です。


ということでLSDは開発にどれだけ時間とお金を費やせたかで出来がかなり変わってくるようです。次回はLSDの製造元にフォーカスしてみたいと思います。



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Accelera TIRE(アクセレラ タイヤ)について

今回は新たなタイヤメーカー、アクセレラについて。


最近になって聞いたアクセレラというタイヤメーカーがあります。



こちらはインドネシアのタイヤメーカーで、EP TYREというメーカーが製造しているブランドだそうです。
現地のHPを見てもバグなのか、自分の端末では表示ができなかったのでよくわかりませんが、スタッドレスタイヤも製造しており、近々輸入されるようです。




このアクセレラというタイヤを輸入しているのは北海道の札幌にある株式会社タカハシ商会というインポーターのようです。

このブランドの中でモータースポーツ的に気になるのが、アクセレラ 651 SPORTと呼ばれる、同社のスポーツラジアルです。



アクセレラ651スポーツは耐久性(ゴムの柔らかさ)を示すトレッドウェアは200で、国内ではドリフトで使用されている方がいるようです。


この方のを始め、ネット上のドリフトやグリップ走行されている方の評価をまとめると

・サイドウォールはハイグリタイヤの中では柔らかめ
・縦方向はあるが横は腰砕けの症状がある

ということで、イメージとしてはナンカンのNS-2Rといった所なのではないでしょうか。
とすると少し空気圧を高めにして、サスセッティングを少し固めにする事で良い動きをするかもしれませんが、実際に履いてみないと細かいことは言えないですね。

値段もかなり安めですので、大会とまでは行かなくても練習でそこそこいいタイヤを履きたい方は良いかもしれません。


購入はインポーターであるタカハシ商会の直販サイトであるSuper TIREMARKETから買うのが1番安そうですね。


18インチでも1万円を切るようですのでかなりお手頃ですね。

2020.2.17追記
こんな記事が出てました。



ハイグリップの中ではセカンドグレードと言ったイメージでしょうか。

一方でトレッドウェアが100と言うかなり柔らかいゴムのモデルが発売され、そちらの評価はかなり高いようですのでまとめました。



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2018年10月3日水曜日

イケヤフォーミュラ訪問

以前も記事を書かせて頂きましたが、今日は仕事でイケヤフォーミュラさんに訪問しました。


出社し、浅草に移動。



お昼は浅草で外人さんにも人気らしいラーメン屋さんにて腹ごしらえ。



卵がダルマ型していて特徴的ですね。


東部特急乗ろうとしたら駅前で栃木フェアと称してダイコン配ってましたw




いざ電車に乗って栃木のイケヤさんへ。
工場やその後昔フォーミュラに参戦されていた頃使っていた事務所(現在倉庫)をヤボ用で訪問



その後やっとショールームへ。


モーターショーでも飾ってありましたが、オリジナルのV10エンジンのモックアップがお出迎え。
現在絶賛製作中みたいです。

勿論一般ユーザーが良く見るシーケンシフターやアーム類も。



イケヤさんのオリジナル技術で、あのIF-02RDSでも搭載されているシームレストランスミッションの展示品が目立ちますね。

実はアーム類だけではなく、ギアやLSDなどの駆動系やダンパーも製作されています。
元々フォーミュラのギアを作っていたりしたのでこのあたりも得意分野とのこと。

ダンパーやLSDは大手の量産品とはかなり違った構想で自社で1から設計・生産されており、是非一度使ってみたいところですね。

また個人的に色々お話伺いに行きたいと思います。


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2018年10月2日火曜日

スプリングメーカーによる挙動について考える

今回はバネのネタ。

最近日本における四輪用オーリンズでは有名なAZUR代表がバネの違いについてわかりやすく解説している動画がアップロードされています。



こちらの動画で解説されているのをまとめると

・同じバネレートでも巻き数によって反発(伸び)スピードが変わる
・巻き数が少ないバネは構造上ヘタりやすいため、ヘタりに強い素材を使う必要がある。

ということになるかと思います。
これらを踏まえて各社のスプリングを見てみたいと思います。


・Swift(スイフト)
日本国内では大手のSwiftスプリング。
こちらのメーカーの特徴としては、とにかくバネ自体の重量が軽い、価格が比較的安価というところでしょうか。


画像左の水色がSwiftで、右の紺色は後述するHYPERCOです。

画像を見てもらうとわかります通り、巻き数が少ないため、重量も軽くできていると思われます。ということは伸びが早く、スラロームなどの伸び縮みが著しく速い動きには対応しやすいのではないかと形状から推察されます。
個人的な印象としては、荷重移動した際の縮みは素早く縮むので姿勢は作りやすいが、縮んだ状態時(コーナリング中)に微妙に「反発→縮み」を繰り返すので高速コーナーでじんわり荷重が動いてほしい時は細かく跳ねてしまうように感じています。
本当かどうかは私自身は体感的にはわからないのですが、よく「ヘタりやすい」という噂は聞きます。ちなみに3年ぐらい着地させたままのスプリングも取り外して自由長を測定してみましたが、縮みが1%未満でしたので外見からのヘタりは確認できませんでした。ただ金属疲労等によるレートの立ち上がり等は機械にかけて測定しないとわからないですね。
価格もお手頃ですのでそこまで求めるのも酷かもしれませんが。

・HYPERCO(ハイパコ)
国内外で使用されているアメリカの大手メーカー。
日本ではミノルインターナショナルが代理店をされています。
特徴としてはメーカーが「永久ヘタり保証」を公言していることでしょうか。


画像を見てもらうとわかる通り、巻き数がSwiftよりも多くなっています。ということは伸びがSwiftに比べると穏やかに反発するので幅広く使用することができるのではないかと推察されます。また線径も太く、バネ自体の重量も重くなっています。
個人的な印象としては、縮みは踏ん張り、伸びは早すぎず素直という印象を受けています。フロントに使用した場合、ブレーキを踏むとフロントが踏ん張りながら縮み、離すと素直に伸びます。縮んだ状態(コーナリング中)の挙動は非常に安定しており、高速コーナーで扱いやすいと感じています。ちなみにヘタりについてはSwiftみたいに長時間縮めた状態のバネが手持ちでないのでわかりませんが、巻き数も多く重量が重い(それなりの素材を使っている?)ですし、メーカーが公言しているぐらいですからヘタりには強いのでしょう。

・Eibach(アイバッハ)
国内外で使用されているドイツのメーカー。


画像は一応同じぐらいのバネレートで自由長が同じバネのものを持ってきたつもりですが、これだけ見ますと巻き数がHYPERCOよりも半周ほど多くなっています。ということは伸びがHYPERCOに比べると緩やかに反発するのでよりマイルドな動きをするのではないかと形状からは推察されます。線径はHYPERCOよりも若干細いでしょうか。
個人的な印象としても、荷重移動した際の縮みは遅く、また伸びも遅い、つまり全体的にマイルドな印象で、とてもオールマイティに使いやすいバネであると感じています。一方で一気にガツンと潰したい時に跳ねるような挙動を示したこともあったので、あまり急激な荷重移動をするような動きには向かないのかもしれません。(その挙動は数回しかないので原因は別かもしれませんが。)
ヘタりについても1年ぐらい接地したままのバネでは自由長の誤差が1%以下なのでこちらも自分自身で確認する限りはヘタってないようですが、金属疲労については測定しないと何とも言えません。

その他にもベステックスや今話題のサスペンションプラス、HALスプリングなどもありますがこちらは使ったことがないので外観から動きをそのうち考察してみようと思いますので、興味ある方はチェックいただければと思います。
どの会社も上記の会社と違って自分自身で製造はしておらず、ファブレスで自社ブランド商品をどこかの工場に作ってもらっているようですね。

2019.2.20
サスペンションプラスさんに他社さんと比較しながら特性についてお話を伺うことができましたのでまとめました


他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。


This blog is about "How about Swift,HYPERCO and Eibach springs?? What is the difference between Swift,HYPERCO and Eibach?" If you want to read this blog, Please press "Translate" buttons near the top of this blog.