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2026年2月8日日曜日

バレル研磨ギアで出力は何%改善?

GR等からリリースされているバレル研磨されたファイナルギアですが、展示会などで話を伺う限り4割程度、標準品より駆動損失が減るとアナウンスされています。



ネット上で調べるとより詳細な数字として38%という数字を拝見しました。
ではファイナルギア単品で標準品から38%改善すると具体的にどの程度出力が改善するのか、計算してみました。

まず大前提として、エンジンのクランクシャフトで測定される「グロス値」と、実際にタイヤに伝わる「ネット値」に差があるのはご存じの方も多いと思います。
例えばカタログ上ではGR86/BRZは235hp(馬力)と記載されていますが、シャシーダイナモ上で測定すると205hp(約13%減)、というのは良くある話です。

この駆動系ロスについては海外のこちらのページが良くまとまっていますが、SAE(Society of Automotive Engineers)という団体が公表している一般的な駆動ロス全体の数字は15%と発表されているそうです。
ただしこれはあくまで一般的な数字であって、FFやFR等の駆動方式別にかなりズレがあるとも記載されています。
気になる点だけ上記ページから抜き出してみると

  • トランスミッションにおける駆動ロスのうち30-40%はポンプ損失、20-25%はクラッチ、その他はベアリングや歯の摺動抵抗など
  • シャシダイ上での測定では直結ギア(6速ミッションなら5速、5速ミッションなら4速が多いですね)で測定するが、上述したトランスミッション駆動ロスを直結だと1.5-2%減らせる
  • FRの多くのファイナルギアで用いられるハイポイドギアは6-10%、ドライブシャフトやプロペラシャフトで0.5-1%程度駆動ロス
  • FFでは駆動系がまとまって効率的で、FRやAWDに比べて50%程度駆動ロスが少ない

こんな感じでしょうか。
(上記の数字を逆算すると、トランスミッションの損失は4~8%程度となりますね)
今回の着目点であるファイナルのハイポイドギアの駆動損失は6~10%であり、バレル研磨にすると、このハイポイドギア損失が3.8~6.2%程度まで低減されることになります。

これを冒頭のGR86/BRZに当てはめてみると、標準ファイナルだと205hp(約13%減)だった減りシロが、最大で213hp(約9.2%減)まで改善されることになります。
(駆動ロス全体としては約30%低減)

つまり最大約8hp(馬力)、0.95kgf程度の出力改善になると導き出されます。

下手なチューニングよりよっぽど効果がありそうですね。
駆動ロスが減るということはオイル温度上昇も抑えられ、燃費も上がることになるので良いことづくめです。


ただあくまで上記計算は「最大」であり、体感できるほどの差になるかは個体差もありそうですね。
ちなみにロードスターの12Rで行ってるミッションのコーティングはトランスミッション損失を減少させてるので、実出力向上に寄与してそうですね(12Rのミッションで何してるかはコチラの記事をご覧ください)




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2026年1月30日金曜日

車検における改造車定義の変更

自動技術総合機構と言う、いわゆる車検の陸運局の運営からこんなアナウンスがでているようです


純正流用品を用いた改造であれば届出不要とする内容です。

ネット上で色々な憶測が広がっていますが、既に陸運局で具体的な改造内容について掲示があったようです。


やはりAT→MT載せ替えもOKのようですね。
ここから先は憶測になりますが、社外アームについてはイケヤフォーミュラさんがやっているような強度計算書等、アフターパーツメーカー側が証明できる状態の製品であれば改造申請が不要になりそうですね。

この制度変更はモータースポーツ業界にもいろいろな影響がありそうですね。
(例えば車検証に「改」が付かない改造範囲とする、みたいな車両規則で運用しているレースは大幅な規則改定が必要になりそうです)



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2026年1月21日水曜日

トレッド幅拡大でコーナー速度は何%向上?

車幅を広げるとコーナリング速度が速くなるのか気になり計算してみました。
結論としては1~2%、コーナリング速度が上がるようです。
(※下述の条件の場合)

感覚的に車幅が広ければコーナリングスピードが上がりそうな気がしますし、サーキットアタック車両等ではオーバーフェンダーをつけて拡幅し、荷重移動量を減らして限界を高めています。
(なぜ荷重移動を減らすと速いコーナリングが出来るかはコチラをご覧ください)


では具体的にどの程度違うのか。


仮に同じ同じ重心、車重で車幅のみ変わった場合を計算してみます。
仮想として同じ車両で5ナンバーだった場合の1695㎜と、86/BRZと同等の1780㎜で比べてみます。



計算式は苦手なのですが、数字出さないと比較できないので記載します。
荷重移動量ΔWは以下の式で計算できるようです。


分母にトレッド幅が来ており、車幅(≒トレッド幅)が広くなると荷重移動量が変わります。この式に以下の数字を入れてみます。

車両重量(m)= 1,200Kg
重心高(h) =500㎜(0.5m)
旋回G(α) =0.8G(それなりの速度で旋回)
トレッド幅:
 Case A 1,450㎜(1.45m) ※車幅1695㎜の想定トレッド幅
 Case B 1,540㎜(1.54m) ※車幅1780㎜の想定トレッド幅



そうすると結果としては約6%(約19kg)の差が出ました。

これを1輪当たりの静止荷重を300kgとした場合における内外輪差を見ると、より違いが明確になります。



実際にはスタビライザーや前後ロール剛性でも左右されますが、1つの例としてみてください。
タイヤの限界を使いながらコーナリングしている時の19Kg の差と言うのは大きく、外側のキャパが19kg増えるだけでなく、内側も19kg浮かなくなるので両輪トータルのグリップ限界が飛躍的に向上します。
AIに算出させてみたところ、上記の例だと5ナンバーだと80㎞/hだったコーナリングが82~83㎞/h程度になるそうで、コーナリング速度としては2~3%向上するようです。


と言うことで約9㎝のトレッド幅の差が生み出すコーナリング限界は計算上1~2%向上します。ただしこれはワイドトレッドスペーサー等で広げたトレッド幅によるスクラブ半径やキングピン角の影響は無視しているので注意が必要です。
(スクラブ半径等の影響がどうなるかはコチラをご覧ください)



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