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2023年8月24日木曜日

激安TW200タイヤのDAVANTI PROTOURA RACE

輸入タイヤ販売元大手のオートウェイからDAVANTI PROTOURA RACE(ダヴァンティ プラトゥーラ レース)と言う、TW200のタイヤを日本発売することがアナウンスされました。


驚くべきは軽自動車サイズがあることと、何より価格がかなり安いことです。




昨今、色々な国のタイヤが日本に入って来てますが、ここ最近のハイグリップタイヤの主流である摩耗指数を示すTW200クラスのタイヤとしては破格かと思われます。

気になる評価、レビューですが86レース等に出場されている橋本選手の記事がありました。



タイヤに多少関わっている私的に気になるのは記事における上記画像です。
路温50℃における袖ヶ浦で8周したトレッド面とされる画像。
さらにタイムは1分18秒999と言うことでほぼ19秒フラットです。

乗ったことも触った事もありませんが、ここまでの情報から以下のようなタイヤかと推測されます。

⚫︎TW200にしてはゴム自体はかなり硬め
⚫︎タイムの結果だけ見るとグリップレベルはADVAN NEOVA AD09あたりと同等?


ゴムは少し硬め?
摩耗指数を示すトレッドウェア(TW)は数字が小さければ小さいほど、柔らかいゴムになる傾向で、柔らかくなると言うことはハイグリップになる事が多いです。
ちなみにもう少しTWが柔らかい(180)ですが、ヴァリノ ペルギアだと1分程度のジムカーナ16本(走行時間合計約15分)でこうなりました。



特にフロント(画像左側)センターグルーヴは走っている最中にヨレて斜めになり、グルーヴの片方だけ変摩耗しています。またトレッド面全体がヨレるので波打ったような表面です。
ここから、今回のPROTOURA RACEの表面を改めて見てみるとかなりキレイで、50℃の路温で8周ということは、ジムカーナより熱条件が過酷で、トレッド温度は80℃も超えているであろう熱でもヨレない、シッカリしたゴムであろうことが想定されます。


コンパウンド次第ではありますが、一般的には熱が入らないとグリップしにくそうな印象を受けます。逆を返すと減りにくいのでお財布に優しいタイヤのような印象を受けます。


グリップレベルはAD09あたり?
86レースで好成績を残されている橋本選手と言うドライバーが265幅を履いて袖ケ浦を19秒という数字は客観的にどのあたりなのか、そもそもテスト車両のスペックが分からないので一概に言えませんが、ADVAN AD09の袖ヶ浦における同じGR86で235幅のタイムが19秒と言う記事がありました。



上記の記事よればA052はそこより1秒弱早いとなっていますが、KYBのテストドライバーの方が同じ幅のGR86で17秒台が出ている記事も見かけました。

できるだけ気温(夏)や車両条件(ほぼノーマルGR86)が近しいテストをしている記事を持って来ましたが、勿論同じ条件では無いので、あくまで参考にです。

またこのタイヤは海外のレビューがなく、軽自動車サイズがあることからまだ日本以外に展開されていない可能性もありますので国内のレビューが待たれますね。

と言うことでまだ未知数なものの、新たな選択肢が増えたことは素直にうれしいですね。

ハイグリップタイヤのトレッドウェア一覧はコチラをご覧ください


2023年8月10日木曜日

VITOUR TEMPESTA Wraith(P1)のグリップ評価

以前も記事にした、VITOURの新しいハイグリップタイヤWraithがついに日本でも発売を開始する旨が発表され、すでにHPでも公開されています。


まだ日本国内では評価や結果があまり出回っていませんが、今回、アメリカではVITOUR P1と呼ばれるWraithの評価記事の情報を頂きましたのでまとめてみます。
この記事の結論として、TW200のP1は「NankangのCR-Sよりラップタイムが速い」そうです。



トレッドパターンは外側のブロックを広くしてコーナリング時のヨレ対策をしているのはA052を始めとした近年の常套手段ですね。

実際の評価動画はこちら。




まず前提条件として、タイヤサイズが若干異なっています。
ナンカンCR-S:225/45R15
VITOUR :225/40R15

若干VITOURの方がハイトが薄いので加速に有利、とは書いてあります。

テスト者はオートクロスで優勝経験もあるようなドライバー2人で、両者ともCR-Sより1週約50秒のコースで1秒近くタイムが速いというのが結果のようです。




コチラの図がオートクロスをトミーさんとサミーさんが走った結果だそうです。
2人ともCR-Sは普段から使っていて慣れており、車もそれに合わせてセッティングしているため、もしこのP1(Wraith)に人も車も合わせ込めたらもっとタイムが出ると動画で語っています。
ちなみに今後NDロードスターでほかのドライバーにタイヤ銘柄を伏せた状態でテストしてどうなるか検証してみる、と言っているのでこの動画の続きが気になります。

と言うことで、TW200でCR-Sよりオートクロス、日本で言うところのジムカーナ競技で速いのでTW100がどうなるのか、非常に楽しみですね。

2023年8月5日土曜日

タイヤ保管は横積み?縦積み?

スタッドレスタイヤや予備タイヤを保管する際、現実的には置くスペースの面積に左右されると思いますが、タイヤにとっては真円を維持するにも「横積みが良い」とメーカーからも教えていただいて来ましたし、そうしてきましたがこんな記事を見つけました



X(旧Twitter)のラバー博士さんの投稿。
拡大するとこんな記事。



驚くことに縦置きが推奨されていますが、この投稿のリプライを見れると、メーカー推奨の横積みの方がベストであると言う意見が多いですね

ちなみにタイヤをコンテナ輸送する時にレース積みと言う手法がとられます。



この方法だとどうしてもタイヤに「ゆがみ」が出てしまうため、出来ればしたくないですが、コンテナに隙間無く乗せる(一本でも多く載せてコストを抑える)にはこうせざるを得ない背景もあります。
(一般流通品においてもゆがみリスクがある、というのはコチラの記事)

と言うタイヤの置き方の話でした。

2023年7月24日月曜日

LOVCAオイルのラインナップ

 ドリフトにとどまらず、ラリー、ダートラ、ジムカーナなど幅広いモータースポーツシーンで使われ始めたラブカオイル。

発売元であるオートクリエーションさんと協力し、本サイトでも取上げた2019年初期の公式に比べて種類も増えてきたりしたので再度アップデートいたします。

1.ラインナップ

ラインナップ一覧は下図のとおり。
基本的には1ℓ、3ℓ、4ℓ、20ℓという4種類の缶ですが、ネット販売上では4ℓと1ℓをセットにした5ℓでパッケージ販売されていたりもします。
なお価格は改定もありますので各サイズをクリックしてご確認ください。

大別製品名粘度/規格サイズ/価格
エンジン
オイル
Racing
0W-25 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
0W-30 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
5W-30 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
5W-40
SN/MA2
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
10W-40
SN/MA2
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
5W-50 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
10W-50
SN/MA2
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
15W-55 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
10W-60 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
15W-70 SN1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
Semi-
Racing
10W-60 SP1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
SPORT
5W-40 SP1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
10W-40
SN/MA2/CF
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
15W-50
SN/MA2/CF
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
EURO-
SPORT
5W-30
SN/C3
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
5W-40
SN/C3
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
DIESEL-
SPORT
0W-40
DL-1
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
HIGH-
STANDARD
5W-30
SP/CF
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
10W-30
SP/CF
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
ECO-
SPORT
0W-30 SP1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
ECO-
DRIVE
0W-20 SP1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
ギア
オイル
Racing-
GEAR
75W-90
GL5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
80W-140
GL5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
80W-190
GL5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
80W-250
GL5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
SPORT-
GEAR
75W-90
GL5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
MULTI-
GEAR
75W-90
GL5
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ
85W-140
GL-5
1ℓ 4ℓ 20ℓ
HYPER-
MTF
75W-90
GL-4
1ℓ 3ℓ 4ℓ 20ℓ

各シリーズの詳細説明は以下のとおりです。


2.エンジンオイル

エンジンオイルは上図のとおり、8製品で21粘度もあります。

~レーシングシリーズ(RACING)~
抵抗が少ない(レスポンスが良い)かつドライスタートに強いとうたっています。これは以前のブログで触れたようにグループⅴに分類されるエステル系の特徴です。欠点としては酸化が速い≒劣化が早いので交換サイクルが短くなることでしょうか。
湿式クラッチ対応の規格としてMA規格対応品があり、クラッチが滑らないように普通のエンジンオイルに比べて「摩擦低減剤」が少ない≒湿式クラッチが滑りにくくなっています。
(一般的にMBの方が摩擦低減剤が入っていてバイクにおける「低燃費オイル≒抵抗が少ないオイル」として販売されているようです。)

ちなみにレーシングシリーズは大きく3つの種類があります。

①湿式クラッチ(2輪)対応品
②スーパーアンチフリクションテクノロジー(以下、SAFTと略します)
③ストロングポリマー

それぞれの特徴はメーカー曰く、「湿式クラッチ対応」はバイク用、「SAFT」と呼ばれる技術は摩擦抵抗が少なく、最高速が伸びる。
「ストロングポリマー」と呼ばれる技術はエンジン保護が優先(フリクションよりも油膜を重視)だそうです。

~セミレーシングシリーズ(SEMI-RACING)~
LOVCAというブランドとして初めて作ったモデル。TAKUMIのエクストリーム10W-60と同等品で、このSemi-RacingよりRacingシリーズは改良してできた製品なのだとか。
更に2020年から新たに導入されたSP規格にも準拠しているとのこと。(SPについてはコチラ
ただしSemi-Racingは今のところ粘度は1種類しかないのが残念ですね。

~スポーツシリーズ(SPORT)~
2輪の湿式クラッチ及びクリーンディーゼルを除くディーゼル車に使うことができるとしたMA/CF規格モデル。ディーゼルに使えるということは洗浄能力が比較的高めと推測されます。10w-40および15W-50はMA規格とのことで、少しフリクションが多いのかも。
5W-40の方は2020年から新たに導入されたSP規格にも準拠しているとのこと。(SPについてはコチラ

~ユーロスポーツシリーズ(EURO-SPORT)~
クリーンディーゼル対応の欧州規格「ACEA」をクリアした、SPORTSシリーズをベースに開発したモデル。ACEAとは「欧州自動車工業会Association des Constructeurs Europeens d’Automobiles」頭文字を取ってACEAと略しているそうです。欧州は日本と違ってアウトバーンや長距離のワインディングロードなど、使われ方が違うことと距離が走りがちなことから低燃費性も勿論ですが、ロングライフであることが求められるようです。

~ディーゼルスポーツシリーズ(DIESEL-SPORT)~
クリーンディーゼル車、国内では特にマツダ車や欧州車を指しているのだと思いますが、これらの車両でモータースポーツに使う方も増えています。
一方で、スポーツ走行するにも粘度が硬めだったりスポーツオイルと言うのはあまりありませんでした。特にクリーンディーゼル車だと触媒が特殊なので、触媒攻撃性のないオイルを作るというのが大変ですが、そのあたりをクリアして要望に応えたモデルのようです。

~ハイスタンダードシリーズ(HIGH-STANDARD)~
こちらがLOVCAのベーシックシリーズ。どの車にもつかえるように、とがった性能というよりは純正のようにコスト、洗浄性能、潤滑性能等を総合的に考えたオイルといった感じでしょうか。洗浄性能が高いのか、ディーゼルエンジンにも使えるようです。
2020年から新たに導入されたSP規格にも準拠しているので洗浄性能は高そうですね。(SPについてはコチラ

~エコスポーツシリーズ(ECO-SPORTS)~
低粘度のスポーツオイルとのことで、86/BRZやNDロードスターなど、近年の低粘度オイルが指定の車にきっと最適なシリーズ。レーシングシリーズの0w-30よりはライフを重視したモデルなのでしょうか。低燃費オイルゆえに抵抗が増してしまう湿式クラッチ(二輪)には対応していないようですね。
2020年から新たに導入されたSP規格にも準拠しているので最新のタイミングチェーンエンジンでもバッチリです。(SPについてはコチラ

~エコドライブシリーズ(ECO-DRIVE)~
アイドリングストップ付車やハイブリッド車などに対応した低粘度オイル。これらの車両は街乗りだけだと温度もあまり上がらない上にドライスタートが多く、いわゆるシビアコンディションで使われることが想定され、そのあたりを考慮されて作られているのでしょう。
エコスポーツよりは耐久性はあるでしょうが、高温時の粘性確保は劣るのかもしれませんね。街乗りに利用されるのであればこちらのオイルで必要十分な性能なのでしょう。
2020年から新たに導入されたSP規格にも準拠しているので最新のタイミングチェーンエンジンでもバッチリですね。(SPについてはコチラ


3.ミッション(ギア)オイル

ミッションオイルは上図のとおり、4製品で8粘度あります。

~レーシングギアシリーズ(RACING-GEAR)~
ギアオイルはエンジンオイルに比べギアとギアでオイルがすり潰されて、油膜保持が大変なため「極圧性能」と呼ばれる性能が求められます。特にAWD車やFR車のリアデフはこの性能が求められます。オイルは高温になればなる程やわらかくなり、ベースオイルや耐腐食剤等に加えて「極圧剤」とよばれる添加物が配合されています。このレーシングシリーズはメーカーの説明を読む限りだとベースオイルに高価なエステル系を配合して、限界を引き上げているのでしょうね。欠点としてはエステル系の弱点でもある酸化(≒劣化)が早く、ミッションやデフケースのパッキンやシールの素材によっては漏れやすい事でしょうか。

~スポーツギアシリーズ(SPORT-GEAR)~
機械式LSDに対応した100%化学合成油で、同社のギアオイルの中では中級モデル。86/BRZではデフにも使えるのだとか。この価格帯でデフに用いるオイルで全合成油というのはあまり聞かないような気がします。

~マルチギアシリーズ(MULTI-GEAR)~
上記のスポーツギアの廉価版。とは言え化学合成油で多分上記のスポーツよりは耐久性という意味では持ちそうな予感がしますが、シフトの入りとかは劣るのかもしれませんね。

~ハイパーMTFシリーズ(HYPER-MTF)~
ギアオイルのシリーズにおいて唯一GL-4規格ということで、ミッション専用オイルとメーカーさんも明記しています。GL-5に加える極圧添加剤は、FF等のLSD内臓ミッションに対しては必須ですが、ミッションの主にシンクロに影響を及ぼすのでLSDを内蔵していないミッション専用とすることでシフトのスムーズさを狙った商品だと思われます。(GL-5規格のミッションへの影響についてはコチラをご確認ください



私個人としても使用しておりますが、オイルはどこもそうだと思いますが乗っていてはあまり体感できませんが、ヘッドを開けたりするとかじりもなく、キレイな状態を維持できているので必要十分で、良いオイルだと考えています。