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2018年8月18日土曜日

ロール剛性による荷重変化量とステアバランスについて

今回はバネと荷重移動のネタ。


以前も参照させて頂いたルマンさんのコラムの車両運動性能編から、バネと荷重移動について勉強になる部分があったので数式等の難しい部分は省いてまとめてみました。
また似たような質問がYAHOO知恵袋にもあったので参考に。


1.荷重移動とスプリング

ブレーキングした時に車が前傾姿勢になるのは誰しも分かると思うのですが、バネを固くするとこの前傾姿勢が緩和されて「前側への荷重移動が減った」と思ってしまいがちですが、バネを固くしたところで荷重移動量は変わらないとのことでした。
理由は後述するロール剛性と同じなのでしょう。


2.荷重移動とアンチダイブ
3.後輪駆動車にアンチリフト?

アンチダイブやアンチリフトとは何でしょうか?


バイクや自転車に乗った事がある方なら分かりやすいのが、リアブレーキだけかけた時、フロントブレーキをかけた時に比べ前のめりになるのが少なくなり、リアが沈み込むような姿勢になった覚えはないでしょうか。
あれがアンチリフト(浮くのを押さえる動き)と呼ばれる代物です。
フロントでは逆にアンチダイブ(沈むのを押さえる動き)するようにサスペンションジオメトリーに設計されているのが一般的で、バネだけに頼らず、車が前傾姿勢になるのを抑えようとしているわけですね。


12.ロールによるステアバランス

車を速く走らせるためには素直なステアバランスにすることが肝ですが、大概の市販車では「アンダーステア」になるようにセッティングされています。
ではサスペンション(車高調等)でどうすればアンダーステアを消しこみ、素直なステアバランスを得る事ができるのか。


「ロール剛性」というのは様々な要素によって決まりますが、その一因としてバネとスタビライザーの固さがあります。
アンダーステアの動きというのは、つまり「フロントの限界がリアより先に来る」動きであり、フロントが逃げ出して曲がらない現象ですので、修正するには「フロントの限界を上げる」か「リアの限界を下げる」しかないわけです。
ここで言う「限界」ですが、実は以前のブログでも書きましたがタイヤというのは荷重移動をすればするほどフロント・リアそれぞれで見たトータルの限界地は下がってしまいます。
つまり限界を上げるには「荷重移動を少なくする」必要があります。

例えば前後のロール剛性がF:60、R:40の場合というのは、フロントの方がロール剛性が高く、リアに比べ相対的にフロントの方が荷重移動しやすいため、フロントの方が先に限界を迎えてしまいアンダーステアになるとのことです。


つまりアンダーステアの車を素直にするためにはリアに対しフロントのバネレートを下げるorスタビライザーを弱めれば改善するという事です。(逆にリアのバネレートを上げるorスタビライザーを強くするでも同じ効果が望めます)


自分はてっきりスタビライザーを強くすれば荷重移動量は減る物だと思っていました。。。

ロール角等、その他要素との兼ね合いもあるので実際にはやってみないと何ともいえないところですが、今後アンダー、オーバーの動きが出た場合にどういう方針でセッティングしていけばよいのか、方向性が見えなくなった際の基本指標になるかと思います。

他の記事をお読みになりたい方は↓の関連ページ等をご参照ください。

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